570氏による強制肥満化SS

570氏による強制肥満化SS

 

 

「もう1杯!もう1杯!」
小さな村の宿屋で声援が響く。
店内の中央のテーブルでは黒髪の少女と大柄な男が向かい合い、飯をかきこんでいる。
その脇で少女の仲間らしき短髪の少女(耳の形からするとおそらくハーフエルフだろう)がにんまりと笑っている。
もう既に両者の横には沢山のどんぶりが重ねられ、勝負が付くのも近そうだ。
「う…うぷっ!」
男がうめき声を上げる。
なんとかフォークを口に運ぼうとするがその手はプルプルと震えている。
対する少女はどこにそんなに入るのか以前ペースを落としていない。
やがて…
「ぎ…ギブアップ…」
男が白旗を上げた瞬間少女の勝利が確定した。
「大食い女王シオン!2連覇達成〜!!」
少女は勝利が決まってからも皿に残った料理をかっこみつづけていた。
「シーオーン!終わりよ!」
相棒の肩をポンっと叩く振りをしながらネックレスをはずす。

もちろん素人目にはわからないようにだ。
シオンと呼ばれた少女はハっとしたように相棒を見る。
「リコ、今回も…」
「うん、あたしたちの勝ちよ!」

 

シオンとリコの2人は冒険者だ。
パダの古代遺跡から遺品を持ち帰り、オランの魔術師ギルドに売りさばく。
その稼ぎは決して悪いものではなく、今回も立ち寄った酒場兼宿屋で周りの客をまきこんで飲めや歌えやの大騒ぎ。
しかし、いい事ばかり続くわけがない。
全員で酔いつぶれた後に盗人に有り金全部盗まれてしまったのだ。
そして宿代も払えなくなった彼女らが店主に提案したのがこの大食い大会である。
勝負で買った取り分は半分は借金返済と滞在費、あと半分は宿屋のショバ代として提供する。
それが彼女らの出した条件だった。
はじめは胡散臭がって断り続けていた店の親父だったが1回やってだめだったら
自分たちを売るなり焼くなりすきにすればいいというリコの迫力に押され、不承不承ながらうなずいたのである。
そして大会初日、周囲の予想を大きく裏切りシオンは優勝。
宿の親父の下には大量の賭け金が入ってきた。
そうなると現金なもので是非明日も続けてくれ、とまぁこんな流れである。

 

「うぅ〜おなかがぐるじ〜」
シオンが大きく膨らんだ腹を撫でながらうめく。
「ふふ、ネックレス様様だね〜。これで役所に突き出されずにすむわ」
相棒の様子などお構いなしでリコはにやにやしている。
「ねぇ、リコー。明日は代わってよー。毎日コレじゃ私おなかがおかしくなりそう」
「嫌よ。そもそも誰のせいでこうなったと思ってるの?」
「うぅぅ…」
「まぁ、我慢しなよ。あたしたちはコレがある限り負けはしないんだからさ。」
リコがそういって掲げるのは簡素なネックレスだ。見た目は子供のおもちゃのようだが実は遺跡で見つけた魔法の品である。
「付けた者が底なしの空腹に襲われるネックレスなんて何のために作ったのかしら?」
「さぁねぇ〜。それより魔法の胃薬も一緒においておいてほしかったわ」
「あんた、それこそおなか壊すわよ…」
どこかボケたことを言っている相方を横目にリコはビラ作りに取り掛かる。
田舎とはいえ、街道も程近く住人の数も少なくない。
「大食い女王」のビラで人を集めれば集めるほどリコたちの借金返済生活も
短くなるはずである。

おなかをかかえてうんうん唸る少女剣士とひたすらビラを描き続ける盗賊少女。
なんとも奇妙な冒険者のパーティであった。

 

2週間後。
リコは悩んでいた。どうも売り上げが落ちてきている。
最初のころは年端もいかない少女に勝つだけで大金が手に入ると挑戦者もあとを絶たなかったが、シオンの無敵っぷりが知れ渡ると徐々に挑戦者の数も減っていき昨日はたった1人しか現れなかった。
「う〜ん、これはマズイなぁ…」
シオンもシオンで悩んでいた。
「うぅ〜!!」
スカートのボタンがしまらない、ズボンのボタンがはじけ飛ぶなんてこのところ毎日だ。
それよりもまずいのが
「くぅ〜っ!」
必死に背中に手を回してもはまりそうにない。
いつもつけていたレザーアーマーが入らないのだ。
「太りすぎの剣士なんてダメだよね…」
商売道具が身に付けられないとなると冒険者稼業もあがったりだ。
鎧を着けるのを諦めて自分の体を改めて見直す。
ほっそりとしていた腕は今はぷくぷくと柔らかい脂肪に覆われている。
二の腕はたぷんと弛み剣士の腕にはとても見えない。

胸は大きくなったが冒険者としては動きづらいだけの無用の長物だ。
その下でぷよぷよのお腹がせり出している。
以前はつかむこともできなかった脂肪がたっぷりとつき、柔らかい体のラインを作っている。
かつてくびれていたであろうウエストもあと少しすれば完全に消えてしまいそうだ。
それにあわせるようにお尻もずいぶんと大きくなり機敏な動きなどできそうもない。
下着が肥大化したお尻を覆い尽くすことはできず、1歩でも歩くと肉がこぼれおちてしまいそうだ。
太もも歩くたびにぷよぷよと揺れるようになりなんとも歩きづらい。
足を持ち上げるのも重く、最近では階段の上り下りでさえ息が上がりそうだ。
(ちょっと前までは楽々動けたのに…)
そうは思ってもまた憂鬱な夜はやってくるのだった。

 

さらに1ヶ月後
「1、2!1、2!」
リコの元気な声が農道にこだまする。
最近あまりに肥満化が進んだシオンを見かねて昼はダイエットのためにランニングをさせることにしたのだ。
(ついでに、食費を削らせる良い口実だわ)
借金返済状況は1ヶ月前に比べるとさらに悪くなった。
挑戦者が減って実入りが減りつつあるのに加え、シオンの食費が激増したのだ。
2週間ほど前からは常人の3倍近い食欲を示すようになり常に何かを口にしている状態だった。
宿にいると際限なく料理を注文してしまうためなんとか宿から引き離す口実が欲しかった。
シオンといえばもはや剣士としての面影は全くなく、まん丸な体は肥満体と言うよりほかない。
「ふひぃ、ふひぃ…」
シオンは丸々と肥えた体を揺らしてリコに必死に追いつこうと走る。
1歩脚を進めるたび胸と言わず腿と言わず全身がぶるんぶるん揺れる。
「ふひぃ、ひぃひぃ…リ…リコ…ちょっと休もうぅ…」
「ちょっとー、まだ走り始めて10分も経ってないじゃない。」
「ふぅ、そ…そんなこと言ったって…私…もう…限界…っ」

そのまま木陰に腰を下ろしてしまう。
(これじゃ剣士として動けるようになるのはいつのことやら)
友達としてシオンを元の体型に戻してやりたいという願いがかなうのもこの様子からすると随分先になりそうだ。
「はぁ、はぁ、ねぇ私お腹空いちゃったよ。帰りに何か買っていっても良いよね?」
「だーめ!少しは自分の体を見てみなさいよ!せめて昔の服が入るようになってからにしてよね」
シオンの太りすぎは着れる服がなくなるといったレベルまで進行していた。
仕方がないので村の服屋で一番大きいものを購入したもののそれでも”ちょうどいい”という感じなのでこれが着れるのもいつまでかという感じである。
(収入が先細りなのに食費に加えて衣料費までなんて!)
木陰で息を切らす相棒を横目で見ながら思う。
これじゃ借金を返済してオランへ帰れるのはいつのことになるやら。
(うーん、あのネックレスを使って商売するのはもう限界かな。新しい手を考えなきゃ)
「さぁさぁ、休憩は終わり!行くよ!」
座ったままのシオンの手を引いて起き上がらせ、大きな尻を叩いて走らせる。
(シオンにも自ら痩せようって気を持って欲しいもんだね。この辺も考えとかなきゃね。)

 

「ぶはぁ〜、もうヘトヘトだよ〜」
今日1日はシオンを農道で走らせ続けることに専念した。
見た目はほとんど変わってないが水分が抜けた分くらいは軽くなってるだろう。
(さて…どうやって痩せさせようかな)
「…」
「どうしたの考え込んじゃって?」
宿に帰ってから押し黙っていたリコの姿を見てシオンが声をかける。
いつもならさっさと店内のテーブルを動かして大食い大会の準備を始めているところだ。
「シオン…今日は大食い大会はお休みしよう。たまには2人でゆっくりするのも良いと思わない?」
相棒のがめつい性格を知っているシオンからすれば驚きの発言だ。
最近実入りが減ったとはいえ黙っていても金が入ってくるボロい商売だ。
それをなしにしてまで”ゆっくり”しようなんて。
「リコ…熱でもあるの?」
「ないわよ!失礼なっ!」

 

久しぶりにゆっくりとした夕食時を過ごした2人。
「ねぇ、たまには2人でお風呂にでも入らない?せっかく大きな浴場もあるんだし」
「ん?いいけど、珍しいね。リコからそんなこと言うなんて」
「あはは…。たまには相棒とコミュニケーションとるのも悪くないなってね。」
実はリコは風呂が嫌いだ。
さっさと体を洗ってジャブンと浴槽に浸かったらすぐに上がってしまう。
いわゆるカラスの行水といった奴だ。
(あたしだって好きで風呂に入ろうなんていわないよ。全部あんたのためなんだからね!)
げんなりする位の大量の料理をぱくつくシオンを見ながらリコは心の中で毒づいた。

 

「ふぅー、今日はつかれたねぇ〜」
リコとシオンは風呂場にいる。
大人4〜5人は入れる大きな浴槽とそこそこの広さのある洗い場がある。
「さて髪でも洗おうかな」
ざばりっと浴槽からシオンが出ると急に浴槽の水位が下がる。
(うっ!あたしの想像以上にキてるわね…)
一応バスタオルで体を覆ってはいるもののあまりに大きくなりすぎたシオンの体ははみ出している部分のほうが多い。
「ねぇ、シオン?あんたちょっと太りすぎよ。改めて見ると相当凄いわね」
シオンが一瞬ビクっとなる。
気にしてたことをずばり言われたからだろう。
「だって…毎日あれだけ食べてるわけじゃない?しょうがないよ…」
そのまま洗い場へ向かうシオン。
リコは浴槽から上がりそして後ろからにシオンに抱きついた。
「ひゃっ!」
シオンが驚いて声を上げるが無視し、その手をお腹へまわす。
「シオーン、このお腹はちょっとマズイんじゃない?私が手を伸ばしても届かないじゃない」

リコがまわした両手はちょうどおへその左右2センチほどのところで止まっていた。
そのまま両手でシオンのお腹をもみ始める。
ぶよぶよとしたお腹を思いっきり広げた手でつかみ
「もうお腹の肉だってつかみきれないじゃない」
シオンの方は顔を真っ赤にしている。
「ほらほら、二の腕だってこんなになっちゃって。もうぷよぷよじゃん」
リコがシオンの二の腕を軽く叩きふるふると揺らす。
「もうっ!やめてよぉ」

 

リコの腕を振り払ってシオンがリコの方を向く。
さほど身長差があるわけではないが横幅だけならリコの倍近くはある。
(シオンを怒らせるのは心苦しいけど、ここは心を鬼にしなくちゃね)
手にしていたタオルのスッとシオンの太ももへまきつける。
太さを確認するとそれを自分のウエストに当ててみる。
「ねぇシオンの脚って私のウエストよりも太いよ〜。」
今度はすばやくシオンの横に回ると横からお腹をつまむんでぶるんぶるんと上下に振る。
それにあわせてシオンの全身も波打つようにぶるぶると脂肪が揺れる。
「これで剣士やってけるの?鎧と槍装備したらオークと間違えられちゃうよ」
さすがにカチンと来たシオンが乱暴にリコの手を叩く。
そのままドスドスと洗い場へ向かい腰掛に座った瞬間
バキッ!
真っ二つに腰掛が折れる。
支えを失ったシオンは大きなしりもちを付く。
シオンのしりもちの衝撃で水面に波が走る。
「いった〜い!」

思わず声を上げるシオンに
「ほらね。太りすぎだからそうなるのよ」
と冷たく言い放つリコ。
もうシオンは恥ずかしさとリコに対する怒りで顔が真っ赤だ。
転んだ時に落としたタオルをひっつかむとそのまま風呂場の出口までドスドスと歩いていった。
(やれやれ…これで少しは痩せる気になってくれるといいんだけど)
真っ二つになった腰掛を手にシオンが消えていった出口の方を見ながら思う。
良く見ると腰掛には予め切り込みがありシオンの体重だけで壊れたわけではないらしい。
(もっとも、ちょっと太ってるくらいじゃ壊れはしない程度の仕掛けだったんだけど)
今頃シオンはリコがもう1つ仕掛けた罠で四苦八苦しているころだろう。
彼女の寝巻きの寸法を2〜3センチ詰めておいたのだ。
太りすぎで買い替えたばかりの寝巻きがまた入らなくなれば当然焦ってくれるだろう。
(それじゃ…お金の方の問題はどうしようかな。このままじゃジリ貧だねぇ)
その日結局それからもいいアイデアは思いつかないまま床に着いた。
シオンといえばさっさと部屋に戻って(寝巻きはパツパツでボタンも留められない有様だったが)先に寝ていた。
(これで痩せないようだったら、ベットの脚でも切ってやろうかね)

自分と同じ高さのベットのはずなのに自分より深く沈みこんでいる相棒を見ながらリコは思った。

 

「…おい、聞いたか?村外れでゴブリンを見た奴がいるって」
「本当か?ちょうど刈り入れ時だってのに…」
宿の酒場で村人たちがぼそぼそと会話をしている。
どうやらまだ未確認ながらゴブリンが現れたらしいのだ。
モンスターとしては強い部類ではないがそれでもただの村人となると脅威になることは間違いない。
加えて、今の時期が大麦の刈り取り時期である。
刈り入れに行っている間、警備が手薄になった馬や家畜が襲われるかもしれない。
(ふふふ…これはビジネスチャンスね…)
こっそり盗み聞きしていたリコに思わず笑みがこぼれる。
(ゴブリン退治で借金チャラ+礼金ゲットといきますか)
さっそく村長の下へ向かいゴブリン退治をもちかける。
村長にとっても渡りに船だったらしくトントン拍子で話は進んだ。

 

「と、言うわけで私はこれからゴブリン退治に行って来るから、いい子で待ってなさいよ」
リコがシオンに告げる。先日の一件からダイエットに励むようになったシオンだが見た目はほとんど変わらず大して効果があったようにも思えない。
「えぇー、私もいくよー」
シオンが丸い顔をさらに丸くして抗議するがリコは取り合わない。
「あんたその体じゃ足手まといもいいところよ。おでぶちゃん守りながらゴブリン退治なんて私には無理!」
「ふーんだ。じゃぁ私は私で勝手にゴブリン退治に行くからそのつもりで」
シオンも1歩も譲らない。
コンビをずっと組んできたリコに足手まとい扱いされるのが我慢ならないのだろう。
「あぁーもうっ!わかったわよ!その代わり危なくなっても自分で何とかしてよね!」
黙って1人で行動されるよりは自分の目の届く場所においていた方が安全だ。
そう判断したリコはしぶしぶながらシオンの同行を許可することになった。
「それじゃ、さっさと準備してよ」
しばらくして準備を終えたシオンが部屋から出てくきた。
いろいろ苦労したのだろう。
レザーアーマーの止め具と止め具の間を紐で結んでなんとか装備。
鞘をぶら下げるベルトは最大限に引き伸ばされた上にお腹に食い込んでいた。

脚が太くなったせいでロングブーツの紐の長さが足りず途中で結び目がつけられている。
これで本人はやる気満点なんだから滑稽で仕方がない。
(あれで戦えるのかねぇ。本当に足手まといになりそうで頭が痛いわ…)

 

「さぁ、ここが目的地よ」
リコがシオンをつれてきたのは村からそう遠くない洞窟だ。
たいていの場合ゴブリンはこういった洞窟を住処とし、昼は洞窟に潜み、闇夜にまぎれて活動する。
奴らを叩くのは日が高いうちの方が利口である。
幸い洞窟に見張りも立っていないようだ。
「いい?奴らが出てくるまでここでじっとしててよ?」
リコはそういうと洞窟にこっそりと忍び寄り中に何かを投げ入れた。
しばらくすると大量の煙が洞窟からわきだしてくる。その煙にまぎれて子供の背丈ほどの子鬼が何匹も飛び出したきた。
相手は混乱している。
リコと(かつての)シオンならば全く問題ない相手だが…
(どこまで戦えるのかなぁ)
飛び出した子鬼の後ろから短剣を突き刺し次々としとめていくリコ。
一方シオンもやや鈍い動きながらもゴブリンを倒していく。
(思ったよりいけそうね。動けるデブって感じ?)
その間にも次から次へとゴブリンが飛び出してくる。
(思ったより数が多いな。大丈夫かしら)

煙で目をやられているため仕留めるのは簡単だ。
だがこうも数が多いと処理が追いつかずに囲まれてしまう恐れもある。
子鬼の血で切れ味の鈍くなった短剣を捨てると腰の短弓を構え、放つ。
逃げだしたゴブリンの背中に矢が突き刺さり そのまま地面に倒れこむ。
シオンといえば4匹ほどのゴブリンに囲まれて少々苦戦気味だ。
「はぁ…はぁ…」
体が重いうえにスタミナ切れ。
近づいてくれば切り伏せるものの、逃げるものを追うだけの余力はない。
「うりゃぁ!」
全身の体重をこめて文字通りの重い一撃でゴブリンの盾ごとふっとばす。
ふっとんだ仲間にぶつかって転んだ子鬼に剣を突きたてる。
背後から飛び掛ろうとした子鬼を振り向きざまに籠手で叩き落し踵で頭を踏み抜く。
…ところまでは良かったのだが直後、ゴブリンの血肉に脚を取られて盛大にすっころんでしまった。
どしーん!
「いたたたた…」
思わず声が漏れてしまう。幸い周囲の敵は見当たらない。

(おかしいな?あと1匹いたんだけど…?)
自分の数え間違えかはたまた逃げ出したか。
とにかく早く立ち上がらなければ。
「よいしょっと」
(うそっ!)
立ち上がって自分の転んだ跡を見るとぺしゃんこにつぶれたゴブリンが1匹。
哀れなゴブリンはシオンの体重によって潰されてしまったのだ。
「もう!失礼にもほどがあるわ!!」
自分で潰したくせにゴブリンに向かって文句を垂れる。
ゴブリンだってまさかこんな死に方をするとは思ってもみなかっただろうに。
周りを見回すとリコの方も全て片付いたようだ。
リコにこんなゴブリンの死体を見られてはなんと言われるか知れたもんじゃない。
そそくさと現場を後にしてリコと合流する。
いくら生命力の強いゴブリンと言えどこれだけ数を減らされれば今の刈り入れ時に村を襲うことは不可能だろう。
撃退の証拠にいくつかゴブリンの耳を切り取ると村への帰途についた。

 

「1、2!1、2!」
「ふひぃ、ふひぃっ、リ…リコ…もう休もうよぉー」
「何言ってるのよ、さっさとオランへ戻ってこのネックレスを換金するの!」
「だっ、だからって走って帰らなくてもいいじゃないの」
リコとシオンは無事ゴブリン退治の功績を認められ借金の帳消しとそこそこの礼金を手にすることができた。
ゆっくり歩いて向かっても宿代には困らないだけの金はある。
「それに、自分の体重でゴブリンをぺしゃんこにしちゃうような相方なんて恥ずかしいじゃないの!」
「うっ…リコ、見てたの…?」
「見てた!」
シオンの顔が恥ずかしさで赤くなっていく。
「さぁ、キリキリ走って!早くもとの体型に戻りなさい!」
「はぁ〜い」
ぐぅぅぅ〜〜〜〜〜
シオンのお腹が盛大に音を立てる。
どうやら彼女が元の体型に戻れるのは当分先のことになりそうだ。

 

-END-


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