123氏による強制肥満化SS

123氏による強制肥満化SS

 

 

「ヒロコ??どんな感じ?開けちゃうよぉ♪」
「ん〜、今出るってば。どうだろ、まぁまぁかなぁ…」
終業式だった今日、ヒロコは親友のミカを誘って買い物に来ているところだ。
というのも、この夏休み中に、初めて彼の家にお邪魔することになっていたからだった。
シャーっとカーテンが揺れて、水色のワンピースにサンダルを引っ掛けたヒロコが試着室から出てきた。
こげ茶の緩やかなウエーブがかったロングの髪にクリッとした黒目がちの二重。
かわいい顔立ちで、背こそ小さいがなかなか魅力的なヒロコに店内からも視線が集まる。
「お〜〜!かわいぃぃ!!すごい似合ってる、ヒロコ色白だから薄い色もきれいだね。それなら彼ママもOKでしょ。もうそれにして、お昼にしよぉよ。」
「うん…、とりあえず着替えてくるね…。」

 

ヒロコは上の空で再びカーテンの向うに消えると、何とか耐えていた息を一気に吐き出した。
その瞬間、ヒロコの腹部はその存在を主張するようにせり出し、胃からおへそくらいまでの薄手の生地をはりつめさせた。
少しでもかがんだら、服は悲鳴を上げてしまうかもしれない。
目をそらせていたヒロコは恐る恐る鏡に映る自分を眺めた。
どの角度から見ても腹部は以前よりずいぶん厚みを増し、さらに張り付いた服によって、ムチムチに強調されていて肉感もすごい。
おへその下にいたってはぽっこりとした膨らみのせいで服は横ジワを作っている。
後ろを向くと、無理やり上げたファスナーが食い込んで、力を抜いても息が苦しい。
ついこの春まではお腹を引っ込めるようなことなく着れたはずのサイズだ。
呆然として、そのお腹回りを触ってみる。
なおも窮屈そうに押し込められたお腹。
(ぇ、服の作りが小さい?でも、このお腹…。)
お腹の膨らみに耐え切れず出来た、服の横ジワの間を指で挟んでみる。
生地越しに、むにむにとした贅肉が逃げ場を失って指の間に集まるのがわかった。
ぷにんっ。
(そんな…。完全につまめる。私、こんなにも太っちゃってたんだ。お腹も背中も、骨が見えない??)
なんとかワンピースを脱ぎ、制服を拾おうとかがむと、鏡には、パンツのゴムとおへその間のやわらかい脂肪が重力に逆らえず盛り上がり、段を作る一歩手前といったヒロコが写っていた。

慌てて隠そうと手を添えると、ぷるるんっと柔らかいが弾力のある贅肉の質感が自分のものとして手に広がる。
(これが私…?どうしよう、こんなに贅肉がついちゃってる、他はまだわからないけど、お腹ははっきり別人みたい。本当にどうしよう…。痩せなきゃ。このままじゃ、また…。)

 

「ねぇ、どうかした??まだ着替えおわんないの??」
「な、なんでもない。買ってくから、外で待ってて。」
ミカの声で我に返り、慌てて制服を身に着けると、ヒロコは堅い表情でレジに向かった。
付き合ってくれたお礼に、お昼をミカにご馳走する約束をしていたものの、サラダをつつくのですら気が重い。
「さっきから全然食べてないじゃん。具合でも悪いの?少食だし、心配だよ。ダイエットとか言わないよね?ヒロコならもっと食べた方がいいくらいじゃん。ダイエットは夏休み中にアタシがやっとくから★」
「そんな…。ミカちゃんの方こそ背もあるしスタイルよくて、ダイエットなんて全然いらないでしょ。」
「ん〜、来月、タカシが海行くってはりきってて、3kg痩せたらビキニ買ってくれるって言うからさぁ。『胸はそのままでケツと脚頑張れ!』とかって言ってんのよ。
 胸といえば、ヒロコ、けっこう大きくなったんじゃない?制服じゃわかんなかったけど、さっききつそうなくらいでびっくりしちゃったよ。彼に感謝だねぇ(ニヤニヤ)」
「ぇ…。そんなことないよ、服のせいでしょ…。」
「もう照れちゃってかわいいなぁ。顔、真っ赤だよぉ。幸せでなによりじゃん。アタシ達にも感謝忘れないでね。」
「恥ずかしいなぁ、からかわないでよぉ。ミカちゃんには本当に感謝してるもん。タカシ君がマサ君の従兄弟じゃなかったら絶対付き合えなかったって思うし。」
「いえいえ。じゃあ、生クリーム増量キャンペーンやってるみたいだし、バナナチョコレートパフェ追加しちゃっていい?あ、ダイエットだった…。でも食べたい!よし、半分こしよ♪」
「う、うん…。(だめ、太っちゃうよぉ。ミカちゃんはいっぱい食べても太らないみたいだからいいけど…。)」

 

―帰宅後―

 

(はぁ。やっぱりパフェ食べなきゃよかったかなぁ。
ミカちゃんも気づいてたっぽいし…。
たしかに、ここ数週間、いつも以上に運動もしなかったし、お菓子も食べてたかも。
ナオ君と付き合ってから、デートで外食も多かったしなぁ。
でも、ナオ君、いつも私が食べるの嬉しそうに見てるからつい…。
で、でも、ご飯なんかミカの半分も食べてないのに。
気のせいなのかな?…
いや、ほんとは気づいてた。
ちょっとジーパンも苦しくて、ベルトで隠してたけど、ボタン穴ほつれそうだったじゃん…。
あと、なるべくちっちゃめのスカートなんかは避けてたし、
制服はプリーツのホック1つずらしてたし、
お風呂の鏡も、体重計も見ないように気にしないようにしてたっけ。
便秘ぎみだから、とか、服が古いからほつれが…とか、なんとか言い訳して…。
一体、今何キロあるんだろう。
1、2キロじゃそこまで変化ないだろうから、3キロ?
でも、3キロであんなに変わるわけないか…。

でも、Sサイズがなんとかはいるんだから、私が思ってるほどじゃないのかな…。
たしか、健康診断で測ったのが最後だから、もう、3ヶ月も体重計乗ってなかったのね。
あの時、154cm・39kg。
やっとの思いで念願の30kg台になってたのに…。
まさか、45はいってないよね。
どうしよう…。でも、測らないとダイエットにならないけど、怖い…。
なんで、もっと早く思い立たなかったんだろう。)

 

脱衣所で鏡の前に立ち服を脱ぐと体重計を出した。
さっきは焦りと、試着室という至近距離がおおげさに見せたせいもあっただろうが、家の鏡にもしっかりと、ぷるんとしたお腹は写っている。
横を向くと、おへその下がわずかに張り出しなだらかな山を作っていた。
息を抜くと、さらに厚みをつけ、ふくらみが広がる気がする。
元が痩せていたため、それでも充分「普通」以内のスタイルだが、確実に体重増加が認められた。
片足ずつそっと体重計の上になるべく重さを掛けないように乗せていく。
デジタルの表示は音も立てないが、どんどん数値を上げていった。
(…まだ、片足にだいぶ重さ掛けてるのに、もう40?そ、そんなぁ…。)
ヒロコは目をぐっと閉じて残りの脚を乗せた。
…46.2。赤いデジタルの数値は予想を上回って点滅している。
うっすら目を開け、自分の重さを認識したヒロコは呆然として部屋に戻った。
(45超えちゃってたよ…。たった3ヶ月で5s以上も?でも、そんなことって…。)
しばらくはいていなかったジーンズを出して、おそるおそる脚を通してみる。
すんなりと履けたはずのジーパンだったが、膝の上あたりできつさを感じた。
なんとか力をいれてあげてみる。
太ももはパンパン、腰で履くタイプなのだが、お尻の途中でこれ以上開けないファスナーが壊れてしまいそうに広がってしまった。

(…そりゃ、履けるわけないよね。第一、このまま上がっても、お腹、閉まるわけない。)
確かに、入らないお尻の上で、お腹の肉が集められて盛り上がってしまっている。
ひとまず、ジーパンを脱いで部屋着に着替えると、ベットに倒れこんでヒロコはため息をついた。

 

2年前。
まだ、中学から高校に上がったばかりの秋、ヒロコはクラブ中に膝を痛めた。
スポーツで有名なS高校に、水泳での実力がかわれて、特別推薦で進学していたのだ。
しかし、もともと華奢な体つきで、技術はあったものの、過酷な練習に体はついていけなかったのだろう。
故障は、思ったより深刻で、3週間の入院と、引退を余儀なくされた。
入院中、毎日、付加のかかる水中で使っていた筋肉を完全に休ませる生活で、退院する頃には、しなやかに引き締まった体中の筋肉はほとんどなくなり、一時的に体重も減少したほどだった。
引退という二文字にショックを隠せないヒロコだったが、やはり普通の高校生だ。
その後は、スポーツから離れ、今までできなかったことをすることで悲しみを癒していた。
しかし、練習漬けの日々から180度変わった生活は、あっという間にヒロコの体に異変を起こさせていたのだった。
ヒロコが気づかないうちに少しずつ、少しずつ…。

 

(大好きだった水泳から離れてもう2ヶ月かぁ。
最初は悔しくて苦しかったけど、こうして辛かった練習の毎日から開放されると、今まで我慢してたことがいっぱいできてそれはそれで楽しいなぁ♪
みんなで毎日マックもよれるし、無理して体作りのためにお肉とかお魚とか食べなくてもいいから好きなもの食べられるし。
ピザもパスタも今まで我慢してた分取り戻さなきゃね。
って、さすがに今日は食べ過ぎたかなぁ…。
でも、ケーキバイキングなんて初めてだったけど、どれもおいしかったなぁ。
やっぱ、生クリームたっぷりのショートケーキが1番だったけど、制覇できなかったのが残念だったなぁ。
う〜、お腹苦しいよぉ…。)
ヒロコは暢気なものだったが、生活の変化は見た目にもしっかり表れていた。
そんなある日、昼休みにトイレに入っていると、洗面台で話す会話が聞こえてきた。

 

「ねぇ、本当に気づいてないのかな??まじ、やばくない?」
「いい加減気づけって感じだよね。みんな引退でかわいそがって言えないんだろうけど、アタシだったら耐えらんないなぁ。筋肉だったのが嘘みたいにむちむちじゃん。」
「やっぱ、友達のよしみで何気なしにでもダイエット薦めるしかないかぁ。」
「ぇ〜、いいよ。勝手に食って太ってるんだから気づくまでほっとこ。それに、痩せる気ないのかもしれないじゃん。いずれにしても、ヒロコの自業自得でしょ。
 しっかし、バイキング行った時のあのお腹見た?強引にホックしてるもんだから、プリーツのヒダまで盛り上がって広がっちゃってるの。よくホック閉まったと思うと感心しちゃうよ。」
「悪いって。…でも、こないだ更衣室で着替えてるの見ちゃったんだけど、
 ショートパンツのボタン閉まんなくて、購買で新しいの買ってたよ。SからLなんじゃない?太もももパンパンだもんねぇ。隙間もなくなってたし、脚組めなそう。」
「みんなけっこう悪いとか言いつつ楽しんでんじゃん。じゃぁ、まぁいっか。でも、アタシ達はああならないように気をつけようね♪」

 

笑い声とともに、足音が遠くなり、トイレに静寂が訪れた。
個室の中には恥ずかしさと悔しさで真っ赤になったヒロコがいた。
(ぇ、私のこと?そりゃ、やめてから太ったけど、そこまでじゃないのに。でも、言われたことは当たってるけど…。みんなひどい。)
こうして、ヒロコはそんな友達を見返すためにも初のダイエットにチャレンジすることとなったのだ。
水泳をやっていたときですら(筋肉でだが)52sあった体重が、その時はなんと60s(もちろん脂肪で)にもなっていたのだ。
水泳をやめたせいで基礎代謝はかなり減り、且つ、脂肪になりやすいものばかり食べていた結果であった。
しかし、怪我もあるため派手な運動は出来ないし、ダイエットの知識もないヒロコは完全に間違った方向へと進みだした。
毎日の食事を、2食にし、ところてんや海藻サラダ、ヨーグルトのみにした。
当然、あっという間に体重は減り、平均体重を割って、一見もとの体系に戻った。
だが、筋肉はさらになくなり、疲れやすく体力もなくなっていった。
それでも、痩せることに大成功したヒロコは自信を取り戻し、いきいきして見えた。
当然、少し食べただけでも太りやすくなってしまったのだが、45sを切った辺りからは、大好物の甘いものを食べて、1日絶食して…といった食生活を繰り返していった。
もう、絶対太ってはいけない。
ヒロコにとって、肥満は最大の敵で恥ずかしく、恐怖の対象となっていたのだった。
そして春、ヒロコはS高を辞めT高に編入し、その出来事は一切隠しながら新しい生活を送っていたのだった。

 

(また思い出しちゃった…。でも今まで成功したんだから大丈夫!今晩から、ご飯半分にて様子みるか。)
リバウンドを繰り返し、その度に耐性がつき効果は薄れ、むしろ、太りやすさだけが残った状態であるとは全く気づかず、ヒロコは更に食生活を不規則にしていった。
1週間が過ぎても、体重はたった1sしか減っていなかった。
それも、どちらかというと、顔がやつれただけである。
焦りを感じつつも、毎回押し寄せてくる空腹に我慢の限界を感じながら、ほとんどを家で過ごしていた。
(暑いけど薄着で外出らんないよぉ。なんで痩せないの?お腹減った…。)

 

 ―ピンポーン―

 

ナオキが玄関に立っている。
スラリとして整った顔だちのナオキは大学生でちょこちょこモデルのバイトをしている自慢の彼だ。
ためらったものの、久しぶりに会える喜びでドアを開けた。
「具合悪いって言ってたから心配で来ちゃったよ。起こしちゃった?」
「あ、大丈夫。たいしたことないんだ。あがって。」
(ナオ君、優しいなぁ。ただダイエット中なだけなのに、嘘ついて悪かったな…。でも、痩せてかわいい姿で会いたかったし。パジャマならゆったりしてるから大丈夫だよね。太った?とか言われたらどうしよう…。)
「わざわざお見舞いなんてごめんね。ほんとにもう大丈夫だから。」
「いいんだよ、ヒロコの顔見たかったし。でも、顔色悪いな。ご飯食べてる?」
「あ、うん…。」
「だめだよ、ちゃんと食べないと。これ、好きだろ?具合悪い時は、しっかり食べてよく休まないと。」
そう言われて渡された箱を開けてみると、中にはクリームが溢れるほど入ったシュークリームと、大きなプリンが2個ずつ入っていた。
(これ、私の大好きなお店のだ…。ナオ君、わざわざ並んでくれたの?やだ、すごい嬉しい。)
「喜んでくれてよかった。シュークリーム食べるだろ、はい。」
そう言って器用に取り出すと、微笑みながらヒロコに手渡す。
(せっかくの気持ち、断るわけにはいかないし、昨日もほとんど食べてないから1個くらいいいよね…。)


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database