600氏による強制肥満化SS

600氏による強制肥満化SS

 

 

私の名前は佐倉仁(さくらじん)。
主に人間社会の食文化を研究している。
周りからは博士とか変人とか呼ばれているが、言いたい奴には言わせておく。
私が天才であることに変わりはないのだから。
これから私はここに、ある実験のレポートを掲載しようと思う。
この実験は我々人類の近い将来に起りうる「食」の恐怖を浮彫りにするものとなった。
だから君達にも是非知っておいてほしいのだ。
なお、私は理系である故、文章力には多少の難があるが、その辺りは多目に見てほしい(滝汗)

 

佐倉仁監修『人類肉食計画』

 

○月×日
飽食の時代と呼ばれる昨今、偏食が進み、いわゆる成人病だのメタボリックだのと非常に様々な生活習慣病を引き起こしている。
まったく嘆かわしい話である。
このまま偏食が進むと人類の未来はどうなってしまうのか?
私は時々気になって夜も眠れなくなる。いやまじで。
このままでは人類は確実に絶滅するであろう。
いよいよ私が立ち上がるときが来たようだ。
今回のテーマは「偏食による人体への影響」だ。
実験内容は至って簡単だ。
人間に同じものを与え続けその経過を観察する。
そして今回はやはり代表選手である「肉」にしようと思う。
被験者に豚肉なり牛肉なり鶏肉なりを毎日食べてもらい、その様子を記録する。
もちろんこの実験が全ての結果を物語るものになるとは思わないが、偏食が人体に及ぼす危険を知る第一歩となるだろう。
しかし今回の実験は被験者にとってかなり危険なものになると予想される。
だが人類の未来のためだ。多少の犠牲は否めない。
まずはちょっと可愛そうだが被験者を探すとこから始めなくては。

 

○月×日
被験者が決まった。
先月新卒で入所した宮下真琴ちゃんだ。
古株所員どもには二つ返事で断られたが(まぁ当然か)
素直で真面目な真琴ちゃんは一日考えた末、被験者になることを引き受けてくれた。
まだ入所したばかりで断れなかっただけなのかもしれないが、
私は学者として彼女の志にいたく感動した。
しかしそれとは裏腹に、私の好奇心探求心、そういったものが沸々と沸き上がるのを確かに感じた。

 

ここで少し真琴ちゃんについて紹介しておこう。
真琴ちゃんは先ほども言ったが新卒で先月入所した22歳の所員だ。
うちの研究所にはもったいないほど真面目で明るく、素直でかわいらしい子だ。
それでいて少し世間しらずなのか、見ていて少し危なっかしい所もあり
よく所員に怒られているところを目にする。
未来を担う若者に、しかもこんなうら若き女の子にこんなことをさせるのは非常に心苦しいが、どうにも被験者がいないことには始まらない。
それにあれだ、死ぬわけじゃあるまいし…うん。多分…。

 

とにもかくにも実験は明日からだ。
明日のこと思うと、年甲斐もなく興奮して眠れない。

 

○月×日
いよいよ実験開始だ。
昨日は一睡もできなかった。
真琴ちゃんはいつもどおり笑顔で私に挨拶してくれた。
真琴ちゃんも昨日は一睡もできなかったという。
私は「気楽に考えてくれていいよ。毎日ステーキだけど食費もいらないし、全部が自由時間だ」
と声をかけた。
真琴ちゃんは強い眼差しを私に向けて「はい。頑張ります」と答えた。
若いというのは素晴らしい。

 

真琴ちゃんにはこれから一ヶ月の間所内にある巨大ケージの中で過ごしてもらう。
壁はこちらからすべて丸見えのガラス張り。
向こうからはこちらが見えない。
トイレ風呂の簡易ユニットバス以外の部屋はなく、テレビや家具などの設備もない。
全面真っ白で殺風景な部屋だ。
暇潰しの為の雑誌や本の持ち込みはOKだ。
そして原則として所員が食事や着替えを運ぶとき以外は部屋の鍵は開かない。
食事は基本的に朝昼晩の三回。
原則として与えられるのは肉のみである。
つけあわせの野菜や白米は当然禁止。
一ヶ月後に彼女の身体を検査してコレステロール値などの数値を
ビフォアと比較するといった算段だ。
無論真琴ちゃんがこの部屋から出ることは出来ない。
なに、一ヶ月の辛抱だよ真琴ちゃん。
「よろしくお願いします」
そう言って真琴ちゃんが部屋に入る。

「はいよろしくお願いします」
私もそう言って真琴ちゃんを送り出した。
ここからが本番である。

 

ケージに入って3時間後、最初の食事が運ばれる。
メニューは定番のビフテキである。
「わあおいしそう!」
無邪気な顔でまるで子供のようにはしゃいでいる。
ちなみに私の厚意で食材はなるべく高級なものを用意するようにしてある。
一ヶ月も監禁するのだからせめてうまいものを食わしてやりたい。
「おいしいです!すごいやわらかーい」
真琴ちゃんがかわいらしい声を上げる。
喜んでくれて何よりだ。
とりあえず順調な滑り出しだ。
私は少し安心した。

 

○月×日
2日目
3回目の食事(ビフテキ)にて
ついに真琴ちゃん飽き始めた様子。
すごく嫌そうに食べる。
もう食事に一時間かかっている。
目の前のステーキとにらみあってナイフとフォークをプラプラさせている。
私はここらで真琴ちゃんを一喝してみた。
「宮下くん!これも仕事なんだぞ。これで給料もらってるんだろ。頑張って食べるんだ!」
「はっはい!ごめんなさい」
ビクッとして返事をする真琴ちゃん。
基本的には真面目な子なんだ。頑張れ!

 

○月×日
5日目
ついに5日目に突入。
いやいやながら毎回完食している。
しかし5日目にしてほんとに辛そうになってきた。
たったの一ヶ月だと思っていたがやはり肉ばかりの偏食はかなりつらいようだ。
本人に意思確認をすると、まだやれます大丈夫ですとのこと。
本人がそう言う限り実験は続行だ。

 

日中真琴ちゃんは本を読んだり腹筋したりと比較的自由に過ごしている。
気が向いたらガラス越しではあるが談笑したりしてなかなか楽しい。
このままなんとか一ヶ月無事に終わることを願う。

 

○月×日
10日目
ここ最近は何日か前が嘘のように非常にスムーズに食べるようになった。
胃が大きくなってだんだん慣れてきたようだ。
今までは一食にステーキ一枚だったのだが、
それが最近は少しもの足りなくなったように見受けられた。
そこで真琴ちゃんに「ちょっと少ない?」と聞いてみたところ、
「す、少し…はい…」とのこと。
顔を赤らめてかなり恥ずかしそうに答えるので私はおかしくなった。
明日からステーキ二枚に増やそう。量が多い方が結果も如実に表れるだろう。

 

○月×日
20日目
ついに20日が経過した。
寝起きの真琴ちゃんに声をかけてみる。
「おはよう真琴ちゃん。調子はどう?」
「あ、おはようございます。全然胃ももたれてないしいい感じです。むしろもう何か食べたいくらいです(笑)」
そう言いながら何気なくこちらを見た真琴ちゃんの顔を見て私は驚愕した。
真琴ちゃんの顔が、なんと異常なぐらい脂でテカッテカになっていたからだ。
まるでサラダ油でも塗りたくったかのようだ。
数日前の真琴ちゃんはこれほど脂性ではなかったのに。
これは確実に肉だけを摂取した影響である。
本人は気付いていないのかキョトンとしている。
「どうかしましたか?」
こういうことは本人は気付きにくいものだ。
「いや、なんでもないよ。それより朝食だ」
そして最近の真琴ちゃんの食欲には目を見張るものがある。

ステーキは今では3枚に増え、それも一日に五食の生活になった。
そして最初はよく運動していた真琴ちゃんも、今ではまったく動こうとしなくなった。
寝転がって雑誌をパラパラめくる生活。
その生活習慣はついに身体の方にも影響を及ぼし始めたようだ。
まだはっきりとはわからないが、少し顔が丸くなってきたような気がする。
ほんの少しだがね。

 

それにしてもあの真面目で元気いっぱいの真琴ちゃんがこんな風になるとはね。
まあ予想通りなわけだが(笑)

 

○月×日
30日目
ついに明日で実験は終りだ。
真琴ちゃんももう出なければ危険だ。
たかだか一ヶ月とはいえ肉だけを摂取し続けるということは非常に危険なのだ。
動物の肉というのは麻薬のようなもので、癖になるともうやめられない。
最初は拒んでいた身体が一旦受け入れてしまうと、底無し沼のような食欲に襲われてしまう。
真琴ちゃんは今そのような状態になりつつある。
今出ないと取り返しのつかないことになるだろう。

 

しかし、本当にこのまま終わっていいのか?
私は最近このような考えにとりつかれている。
実験は明日で終わり。大成功じゃないか。
いやしかし…ここで終わると単なるあるある大○典の検証で終わってしまう。
私はもっと先を見てみたい。
私は科学者として、この実験に満足してはならないのだ…。

 

○月×日
実験終了。
身体検査を行う。
久しぶりにケージの外に出た真琴ちゃんは、動物性の油のようなむわっとした臭いを放っていた。
「お疲れ様です。ああやっと外に出られる!」
手でパタパタ顔を扇ぎながらにっこり笑う。
しかしその顔はどろどろに脂ぎっており、手足も常に細かい汗をかいていた。
風呂には毎日入っていたはずだが、それでもやはり脂のような汗はとめどなく分泌されるため清潔さはほとんど保てない。
真琴ちゃんの体重は以前に比べると10kgほど増量し、全体的にふっくらしたかなといった印象。
もともとが細かった子なので肥満とまではいかないが、
頬に肉がついて少し顔の印象が変わってきている。
以前のシャープな輪郭も少しぼやけてきたようだ。
体の方は一回り大きくなったように見える。
胸や尻の部分がはじけるようなムチムチ状態になっていた。

 

コレステロールやその他脂肪、血糖値などを調べると、通常の二倍以上の数値を示していた。
体内は油でギットギトの状態である。

 

「お疲れ様。気分はどう?」
「やっぱり太ったのがちょっとショックですね…。ある程度は覚悟してたんですが。明日からは野菜しか食べません(笑)」
そう言いながらはにかんだような笑顔を見せる真琴ちゃん。
以前より一回り大きくなった身体が圧倒的なフェロモンを振り撒いている。
子どものような可愛らしい印象だったが、少し太っただけでこんなにも大人っぽくなるのかと、私は言いしれぬ感動を覚えた。
思わずパツンパツンになった太股に目がいってしまう。
「……もう痩せなくていいんじゃない?(ボソッ)」
「え?何か言いました?」
「いやいやいやいやいやなんでもないなんでもない!」

 

「じゃあ私そろそろ帰りますね。一ヶ月間お世話になりました!」
「あー宮下君。悪いがまだ君を帰すわけにはいかないんだ」
「え?それってどういうことですか?」
「実は君に食事をご馳走したいんでね」
「えーほんとですか?何をご馳走してくれるんですか??」

 

「そんなの、君の大好きなステーキに決まってるじゃないか…。
ケージの中で食うステーキは最高だったろう?」


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