336氏による強制肥満化SS

336氏による強制肥満化SS

 

 

池内紗枝。
俺のクラスメートにして、現役グラビアアイドル。
近い将来グラフ賞も狙えるのではないかと期待される人気者だ。
ロリッとした顔立ちに、見事な砂時計型の体。
高校生とは思えぬ巨乳を毎日オカズにしている男も多いことだろう。
多少男を見下している感があるが、容姿がよければそれも魅力的にみえる。
そんな彼女の大ファンである俺は、果敢にも告白する決心をした。

 

「ごめんなさい…」
はい、見事玉砕。ま、当然だわな。どうせ駄目もとだったし。
「私、太ってる人ってタイプじゃないの」
少しムカつく。俺が太ってるのは生まれつきだ! 悪かったな!
「それに太ってる人ってなんか自己節制ができてなさそうじゃない」
だからそれは俺の努力の範囲外のことなんだってば!
「ほら、私ってああいう仕事してるし、そういう人とおつきあいするとそっちの方にも影響でちゃうっていうか…」
言葉は丁寧だが目は冷ややかだ。
要するに私とあんたとじゃ釣りあいとれませんってことね。
クソッ!

 

「というわけでおっちゃん! 女を太らせる機械を貸してくれ!」
「そんなもんあるかバカ」
すげなく答える自称天才発明家のおっちゃん。
ちなみに俺の伯父に当たる。
「だったら作ってくれよ。あの高慢ちきな女をギャフンと言わせたいんだよ。頼むよ、な!」
「んなこと言ってもなあ、太らせるんなら薬になるだろ? 化学は苦手だ」
「そこをなんとか…」
「あのな、振られた女にいちいち復讐してたら身が持たんぞ。そんな女、さっさと忘れちまえ」
「……」 
がっくり肩を落とす俺。世の中そうそう上手くはいかないか…
「…まあ、太らせる機械はないが、太るように仕向けることならできるかもしれん」
「マジで!?」
あまりにがっくり来ている俺を哀れに思ったのか、おっちゃんはフォローを始めた。
「実はこの間タイムマシンを作ってな。過去にしかいけない代物なんだが、これで太らせるきっかけを作っちまえばいいんじゃないか」
「…ちょい待って、話が読めない」
なんで人を太らせるのにタイムマシンが出てくるんだ?

「バック・トゥ・ザ・フューチャーっていう映画を知っとるか?」
「名前くらいは」
「その映画の話なんだが、主人公が過去に行って両親に会ったことで歴史が変わって、元はデブだった母親がスマートでスポーツ好きな人間に変わるっていうエピソードがある」
「あー、わかった。つまりその逆をやればいいわけか」
小さい頃のあの女に会って、運動嫌いで食べるのが何より大好きとかいう人間にしてやれば現代に戻った頃にはすっかりデブ女になってるわけだ。
「言っとくが、そんなに都合よくいくとは限らんぞ。何の影響も与えられずに骨折り損ってことも十分ありうる」
「いいよ、それでも。何もやらないよりは気がまぎれる」
「まあ、それで納得するなら協力してやるがな。調整が面倒だから1回限りだぞ。いいな?」
「うん。ありがとう、おっちゃん」
よーし、それじゃいっちょ気合入れていきますか!

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「ほれ、到着したぞ」
「へえ…本当に昔っぽい懐かしい風景だ…」
「そりゃ昔だからな」
今…『今』と言っていいのかわからないが、今は1993年の4月。
ちょうど14年前まで遡って来たことになるわけだ。
「そんなにのんびりはできんぞ。こっちにいられるのは3時間が限度だからな」
「うん、それじゃ行ってくるよ」
「無理すんなよ」
おっちゃんに見送られ、俺はあの女が通っているはずの幼稚園に急ぐ。
「つーか、タイムマシン作れるなら太り薬とかも簡単に作れないもんなのかあ…」
そんなことを考えているうちに、目標の建物が見えてきた。
「牛川幼稚園…ここだな。んでは、これを着てっと」
おっちゃん自慢の作品、透明マントを身に着けて園内に侵入する。
透明姿で園内を探していると、ちょうどお昼寝の時間だったのか、園児達が何人も寝ている部屋にたどりついた。
「え〜と、この子も違う…あの子も違う…」
名札を頼りに探していると、ようやくお目当ての人間をみつけた。

「いけうちさえ…お、この子だな」
今は単なるちんちくりんだが、14年後には当代きっての人気グラドルとなる女の子…のはずだ。
「こっそり、こっそりと…」
起こさないようにそっと懐に抱きかかえ、そのまま部屋を出る。
よし! あとは教育しなおしてやればOKだ!
…でもどうやって教育しなおすか…?

 

「というわけでおっちゃん! なんとかしてくれ!」
「自分でなんとかしろバカ」 
タイムマシンの中まで戻ってきた俺にすげなく答えるおっちゃん。
「そんなこと言わずにさあ…頼むよ、な!」
「ったく、どうせそんなことだと思って用意しておいたけどな」
そう言っておっちゃんは光線銃の様なものを取り出す。
「ほれ、これを使えば脳の中身をちょいちょいっと改造できる。どんな風に改造してみたいか言ってみろ」
「えっと…食うことが何より大好きで、体を動かすことが大嫌いな人間に」
「ふむ、ちょっと待ってろ」
俺の注文を聞くと、おっちゃんは銃もどきに接続されたキーボードで何かを入力し、さらに紗枝の頭に銃もどきの先端を押し当ててスイッチを入れた。
「ほい、これで終了だ。さっさと帰して来い」
「もういいの?」
「ああ。未来に影響が出るかどうかまでは責任持てんがな」
「ふうん…まあいいや、ありがとう」
おっちゃんにお礼を言って、俺は急いで紗枝を幼稚園に帰しに行く。
幼稚園ではいなくなった紗枝を探して大騒ぎになっていたが、こっそりと元のベッドに戻しておいたから直ぐに騒ぎも収まるだろう。

「つーか、あんな便利なものがあるならわざわざ過去に来なくてもちょいちょいっと脳を改造してやればよかったんじゃ?」
そんな疑問が頭を掠める。
まあ終わったことだしどうでもいいか。
俺は意気揚々と帰途についた。

 

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現代に戻った翌朝。
俺はワクワクしながら教室の扉を開けた。
「さーてと、どんな感じになってるかな」
俺は教室を見渡すが、紗枝らしき人物はいない。
「なんだ、まだ来てないのか…おわっ!」
突然背中に衝撃を感じ、俺は床に両手を付いた。
「ごめーん、高山くんだいじょうぶ?」
後ろを振り向くと、そこには肉の山がそびえ立っていた。
「…?」
誰だコイツ?
「もー、紗枝ったらトロすぎー」
肉の山の後ろから笑い声がする。
「さ、紗枝?」
…これが?この肉の山が紗枝ですと?
「ホントごめんね、しっかり前見てなくて…だいじょうぶ?立てる?」
「あ、ああ」

俺は制服のホコリを払いながら立ち上がり、紗枝を眺める。
乳は相変わらずでかい、つーかさらにでかくなってる。
元がEカップだったから今だとさらにその上、GとかHとかありそうだ。
腹が乳よりも出っ張っているのがみっともないけど。
「…つか、なんでジャージ着てんの?」
「やだ、今更そんなこと聞かないでよー。制服が入んないからに決まってんじゃん」
ガハハ…という擬音が似合いそうなほど大口を開けて笑う紗枝。
まるでカバのようだ。元の紗枝を知ってる奴がいたらさぞ嘆くことだろう。
「そ、それにしても池内さん、妙に明るいね」
「え、そう?別にいつもと変わんないけど?」
そう言って小首(じゃなくて太い首?)を傾げる紗枝。
くそ、暑苦しいデブだってのにちょっと可愛いと思っちゃったじゃないか。
「ところで池内さん、ちょっと変なこと聞くけど」
「ん、なに?」
「グラビアアイドルになりたいとか…思ったことない?」
「えー、あるわけないじゃん。私こんなにぽちゃぽちゃしてるしー。だいたいそんなのになったら食べたいものも食べられなくなるじゃん!」

そう言ってまた笑う紗枝。
…なんか調子が狂う。
太らせてやればちょっとは苦しむと思ったのに意外に気にしてなさそうだし、妙に明るくて人当たりも良くなってるし…
体が丸くなって心も丸くなったのか? 人間性は今のほうがよっぽどマシに思えるぞ。
「あ、そうそう、高山くんにこれあげる」
「へ?」
紗枝が差し出したのはこの間公開された某国民的アニメ映画のチケット。
「お姉ちゃんがバイト先でもらってきたんだけどさ、興味ないからってくれたの。高山くんこれを見に行きたいって言ってたでしょ?だからあげる」
「あ、ああ…ありがとう」
「そんじゃ、ホントぶつかってごめんね」
そう言ってドカドカと自分の席に歩きかける紗枝。
…それを俺を呼び止めた。
「あ、あの、池内さん」
「え?」
「こ、これ…もう一人分出すからさ…一緒に行かない?」

 

「というわけでおっちゃん! 女を痩せさせる機械を貸してくれ!」
「そんなもんあるかバカ」
すげなく答えるおっちゃん。
「だいたいなんだ、自分で太らせておいて。いい気味だって笑うつもりじゃなかったのか?」
「いや、それがさあ…なんか妙に可愛い性格になっちゃってて… それにほら、なんか俺のこと嫌いじゃないみたいだし! 俺とまともに話してくれる女なんて今までいなかったんだぜ!」
「あーあー、そりゃよかったな。とにかく痩せさせる機械なんぞない」
「だったらあれでいいよ、あの脳をいじるやつ。あれで痩せたくなるようにちょいちょいっと…」
「駄目だ。あれは何回も使うと脳に障害が出る。やりたきゃ自力で説得しろ」
「う…わかったよ…」
がっくり肩を落とす俺。
まあせめてぽっちゃりレベルまで肉を落としてくれるように説得してみるか…
「本当、世の中って上手く行かないもんだよな…」
「全部お前のせいだろがバカ」


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