ヘンゼル氏による強制肥満化SS

ヘンゼル氏による強制肥満化SS

 

 

パパとママは…? 戻ってこない。
まさか置き去りに… 捨てられたんだ…!
グレーテル「ねえ、お兄ちゃん、寒くなってきた…」
僕「…どこか、休めるところを探そうか…」
グレーテル「お願い、離れないで」

 

二人で森の奥をさまよっていると、どこからか甘いにおいが…
引き寄せられるようにふらふらとたどり着くと、1軒の小さな家が…
そしてその家にはお菓子が全面に貼り付けられていた。
グレーテル「わあ、おにいちゃん、これ!」
僕「ま、待て!」
グレーテル「おいしーい! ほらお兄ちゃんも食べてみて」
僕「グレーテル! 離れろ!」

 

老婆「だれだ? 私の家を食べているのは…」
グレーテル「えっ?! きゃ! ごめんなさい!」
老婆「おなかが減っているのなら、中にお入り… もっと良い物を食べさせてあげるよ」
グレーテル「…いえ… お、おにいちゃ…」
老婆「遠慮しなくていい。さあ… ほら、あんたも来な」

 

背中を押され、グレーテルは家の中に誘導された。僕も後に続く。
家の中にはまるでクリスマスのようなごちそうが並んでいた。
明らかに老婆が一人で食べる量ではないのだが、僕たちはそんなことを怪しむ余裕もなく… 飢餓感におそわれ、ただ一心不乱にごちそうにむしゃぶりついて行ってしまったんだ。
お腹いっぱい食べること自体が本当に久し振りだった。
ふとグレーテルを見ると、ソファで眠りこけている。
疲れていたんだろう。ああ、僕も眠くなった…

 

 

婆「起きな、少年! 朝だよ!」
僕「…え、何…」
婆「食べた分はきっちり働いて返してもらうからね?」
グレーテル「おにいちゃぁん…」
僕「…グレーテル! いったい…?!」

 

グレーテルはオリに入れられていた。
老婆はニヤニヤして言った。

 

婆「あんたの仕事はね、妹を太らせることさ。」
僕「…妹をどうする気だ…」
婆「さあ? そりゃあんたの知ったこっちゃない。逆らえば妹は皮むいて狼の餌にしてやるよ。あんたの目の前で。」
僕「…やめろ… 言うこと聞くから…」
婆「わかったらサッサと妹に朝飯を食わしてやんな」

 

…朝食にしてはやけにボリュームのある食事。デザート付き。
柵の隙間から手を入れ、グレーテルの口に運ぶ。

 

グレーテル「…あたし、どうなるの…」
僕「とりあえず… 言うことを聞くふりをして、チャンスを見つけるんだ。」

 

…いったい妹を太らせてどうするつもりだろう。

 

婆「はやく食わせちまいな! 掃除が待ってるよ!」
僕「は、はい!」

 

こうして何も訳がわからないまま、妹の肥育計画が開始されたのだった…。

 

***

 

まいにちまいにち、老婆の言うとおりに働いた。
だんだん分かってきたのは、この老婆はどうやら魔法使いなのだろうと言うこと…
そりゃ、この家… ふつうの人間ではないよな。
グレーテルと言葉を交わせるのは、朝と夜の食事の時だけ。
しかも、僕はグレーテルを太らせるために食事を運ぶ…
日に日に太っていくグレーテルを見て、胸が締め付けられるようだった。

 

 

グレーテル「おにいちゃん…もう食べられないよ… スカートが苦しいよ…」
僕「しかたないな… 僕が手伝うか。ばれないように…」
老婆「…なにやってんだよ!」
…杖で殴られた。老人とは思えないすごい力だ…

 

老婆「あたしは目が悪い分ね、地獄耳なんだよ! 生意気なことしやがって! カラスに変えてやろうかい!」
僕「…ぐっ…」
グレーテル「やめて! やめてください! 私がちゃんと言うことききますから!」
老婆「そうかね? じゃあ、今までの二倍の量をたべるんだ。いいね?」
グレーテル「たべます! 私、たべますから! おにいちゃんは悪くない!」

 

…僕は助かったけど、グレーテルは今までの二倍の量を食べることになってしまった…
グレーテルのスカートはついに、ホックがはまらなくなってしまった。
一刻も早く、ここから出るようにがんばらなければ。
グレーテルが、豚になってしまうまえに…

 

***

 

どうしよう。スキをうかがいつつも、オリの鍵が取れず、時は過ぎて行くし、グレーテルはどんどん太っていくし…

 

老婆「ほぅーら、さわらせてみな! けっこう肉付きがよくなってきたじゃないか!」
グレーテル「ひゃああっ! やめ…っ!」

 

…グレーテルの腹や腕の肉をつかんで、手触りを確かめている老婆。
それにしてもグレーテルは太った。おそらく僕の倍の重さはあるだろう。
もし逃げるにしても、走ったりできるのだろうか。
僕はこんなに太った妹を守れるんだろうか…

 

老婆「ひっひっ! タップタプじゃないか! どうしてやろうかねえ! 丸焼きにして食ってやろうか!」
グレーテル「やめて… いや… いやあ…!」
老婆「いーや、やめないね。うまそうじゃないかね…! …おい小僧! 釜の火を!」

 

なんと… グレーテルを太らせてたのは食べるためだったのか?!
釜に火をくべながら必死に考える。
今日逃げなければ… どうしようか。
釜に入れるために、グレーテルはオリから出されるだろう。
その一瞬をねらうしかないか…

 

やつめ、オリの鍵をチャラチャラさせて待ちかまえてやがる。

 

僕「準備… できました」
老婆「ひっひっ、じゃあ出してやろうかねえ、グレーテルとやら。」

 

…鍵が開いた! 今だ!

 

僕「…あっ! ちょっと待ってください? 急に釜の調子が! …あの、妙な煙が… すいません! ちょっと見て頂けますか…?!」
老婆「やれやれ… あたしゃ目が悪いんだと言っているだろう?」

 

背後に立ち… そっと近づいて… 老婆が釜をのぞきこんだ瞬間!!

 

老婆「…ぎゃ…×◎▲※ぁ☆あああああ?!」

 

後ろから、老婆を釜に突き飛ばす!! 釜を閉め、棒で固定!

 

僕「グレーテル! 逃げるぞ! グレーテル!?」

 

…オリから出たグレーテルは、「家」を食べていた。
お菓子の家… 僕たちが最初につられた、悪魔のスィーツを…
グレーテルは、必死にむさぼり食っていた。

 

グレーテル「まっふぇ… おにいひゃん… ひょっとらけ… これ、とっへもオイひいのぉ… むしゃむしゃ…」

 

そうしているまにみるみるグレーテルのからだが肥満化していく!
あいつの… 老婆の魔法が暴走しているのか?!
このまま太り続けたら、ドアから出れなくなっちまう…! たのむからやめてくれ!

 

僕「やめろ! グレーテル…! もうやめろ!」
グレーテル「あむあむ… あむあむ…」

 

ああ、膨れていくグレーテルの肥満体。
服は無惨にひきちぎれ、半裸の肉塊は立つこともつらいのか、座り込んでしまって…
それでもお菓子を食べ続ける。それを見ていると… 全身の力がぬけた。
もうだめだ… グレーテル。僕は、おまえを助けてやれなかったんだな…。
おまえがこんなになってしまったのは、僕にも責任があるだろう…僕が太らせてしまったんだから。
しかし… もう好きなだけ、食べればいい。
ただ僕はもう、おまえを見ているのがつらいから…
可哀想だが、ここに置き去りにしていくよ。
おまえのことは忘れることにする。
さようなら、グレーテル。許さなくて良い。さようなら。
僕は、お菓子の家を後にして、逃げるように走り出した。

 

#グリム童話,ヘンゼルとグレーテル


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