131氏による強制肥満化SS

131氏による強制肥満化SS

 

 

「・・・。」
またバイト先からクビの通達が来た。
「俺が何をしたって言うんだよ・・・。」

 

この話を読むにあたって俺に名前がないと少々不便な気がするので仮に佐藤とでもしよう。
全国の佐藤さんすまん。

 

俺には何一つ欠点などなかったはずだ。
厨房でミスをしたことはない、オーダーを間違ったことはない、上司に逆らった事もない。
完璧すぎて人に疎まれるほどの能力も持ち合わせていないはず、人間関係もうまくいっていたはずだ。
既にクビにされるのは7回目だ。ここまで来ると理由がわからないワケでもないが確証は持てない。

 

「そんなオカルト話があってたまるか。」
そう呟く。どうやら俺は身近な女性を太らせる能力を持っているらしい。
俺の顔立ちはそんなに悪くない、今まで3人の彼女がいたが
一人目は高校の時、彼女は一年で20kg増えて自心喪失になり別れた。
二人目は大学の時、彼女は8か月で夏の水着デートを直前に太り始めて俺に八つ当たりした挙句に離れた。
三人目は4つ目の職場の時、彼女はバイトをやめて同棲していたが半年で20s
(むしろ痩せすぎだったから丁度いいはずなのだが)
俺の能力について話をしだしたので俺から別れた。
(この時は能力なんぞ信じられるわけもなく付き合いきれないと思った。)
バイト先の女性全員が太っていく。
その女性達は俺が入ってから太り始めた事に感づいてよからぬ噂を流す。
その話が店長の耳に入る。今までずっとこのパターンだったのだろう。
彼女達は所謂逆恨みで俺を辞めさせるのだ。まぁそのついた肉は簡単には消せないのでざまぁみろと言ったところか。とても虚しい。
その逆恨みが今回で正しい物だと思い始めた、まったく迷惑な能力である。

 

男だけの職場?こっちから願い下げだ。そんなむさ苦しいとこにいてたまるか。
少し能力についてネットで調べてみた。
信じる信じないはともかくして案外そこらにも転がってるらしい。
そんな事をしている内に自分の能力の事について少し考察する気になった。
結果をまとめると
1、周りの女性を無差別に太らせるわけではない。
2、話をしたり触れ合ったりするなど、密接な関係であるほど太りやすい。
3、意図的に体重を操作できるわけではない。能力で減らす事は不可能。
ますます意味がわからない。わかっているが使い道もない、恨まれたりするだけだ。
怠惰な生活に巻きこんでいるわけではない。むしろ俺の生活は完璧で身体も完璧な健康体で医者から心配されるほどだ。

 

能力について考察にふけっていると日が落ちていた。
幸いにも給料だけもらってクビにされたので(優しい店長ありがとうでもクビなのはどうかと思う)今日は飲みに行くとしよう。

 

場所は変わってとあるバー。
明日はハロワにでも行かないと、先の心配をしながら酒を飲むのはあまりよろしくない。
グッといっちゃえ。
「あら、またクビになったの?」
バーのママはママと言っても男なので能力の適用外だ。
そんなことよりいつも優しいママの言葉が今日は胸に刺さる。
「ほっといてくれよ・・・」
「あらいい仕事紹介してあげようって言うのに、つれないわね。」
「初めてだな、ヤバい仕事はよしてくれよ。」
「そんな事させないわよ、ただその能力。活かせるんじゃないかって思って。」
俺は結構高い酒を吹き出した。ああもったいない
「太りたい女性を補助する仕事、どう?興味ある?」
どこの世界でもママは最強なんじゃないかと思う。ありえねー
「ま、まぁやせ細った女よりも肉つきのいい方が俺は好きだが・・・」
なんて暴露話をしてしまったからにはもう戻れない。どうやら今すぐにでも人が欲しいらしい。
俺はママの言う事を信用してその仕事に関わっている人に会わせてもらった。一枚の渡された紙には

・・あなたは太った女性が好きですか?・・ はい 氏名 住所 電話番号 とあった。
俺は はい に丸をして男に渡した。

 

果たして夢だったのだろうか。とかありがちな事を考えつつ翌朝を迎える。
携帯電話が鳴り響く、俺は電話をとった。聞きなれない声だ。

 

「最初の仕事ですが海外で・・・えーっと所謂樽ドルを目指している坂江真木さんのトレーナーをお願いします。」

 

・・・若干の不安と期待を混ぜ合わせながらとりあえず言われた場所に向かうことにした。

 

場所は裏路地で如何にも廃れた風貌の小さなビルだ、昨日もここに来た。
どうやら表向きには薬品を扱ってるらしい、まったくどこの薬品会社もロクな事を考えないなと思う。
だいぶ昔だったろうか。
とある場所で研究中の薬品が外に漏れて近くの女学校が大変な事になったとネットで知った。
遠い記憶なのでうろ覚えだ。果たして何があったのかもう一度家に帰ったら調べるのもアリか。

 

そうこう考えながら男にビルの地階に案内される。地上3階地下3階の完全に怪しい構造だ。
ママが言うにはこれまで何人かに紹介したがいずれも無事なので安心していい と。
階段を降りて扉を開ける。
地下一階の応接間の様な場所に彼女はいた。
渡されたプロフィールを眺める。

 

坂江真木 20歳
160cm/50kg
BWH 84/58/83
心身共に健康

 

ふぅむ・・・えらい可愛いなコイツ・・・

 

失礼、素が出てしまった。
ほどよく伸ばした黒髪に清楚な感じが漂うワンピース、外見格差社会の頂点に君臨できると言ってもいい。(あくまで個人の意見)
ソファに座っていた彼女と目が合う、こちらも立ったままではアレなので向かいに座る。
案内の男が軽い説明と紹介をする。どうやら今回の仕事内容は、

 

彼女が納得いくまで体重を増やす。期間は一年

 

だそうだ。
果たして何故その道に進んでしまったのか気になるがこちらから事情は聞かないのが契約らしい。

 

「よろしくお願いします。」
「こちらこそお願いします。」
彼女の礼に応える。これから彼女と共同生活をする事になるのだがさて・・・

 

さて・・・うん。

 

「おはようございます。」

 

なーんて可愛い女の子から朝起こされる都市伝説が今この身に起きている。
何を言っているかわからないと思うが今可愛い女の子が寝起きの俺の目の前にいる。
「おはよう」素っ気なく返す、息子が起きそうだったので平常心を保つ為だ、許せ。
「朝ごはんをとりあえずトーストを焼いておきました。」

 

状況整理だ。
仕事内容は一年間彼女と暮らして彼女を太らせる事。
寝泊まりする場所は企業側が契約したマンションの一室に住む事になっている。
食費から電気代水道代ガス代までは全て銀行に一年分預けているとの事で渡された通帳にはとんでもない額が入っていた。

 

で、今俺は可愛い同居人と共にトーストを頬張っている。
しかし実際はどうすればいいのだろう、太らせると言っても大量に食べさせるのか、それとも運動をさせないのか、太らせる能力と言っても効果は過信できない上にどのような状況で効果が出るのかわかっていない。
会話がない朝食を終える、お互い緊張しているのだろう。たぶん
「とりあえず外散歩しよっか。」
「はい」
朝6時だ、マンションのすぐ横に公園と河があるので散歩コースには困らない。
というか太るのは不健康な生活を送っているせいなのでこのように早起きして食後の軽い運動の超健康生活を送っていいのだろうか。
会話がない、一番に思った事は彼女が何故こんな依頼を出しているのかということだが、
これを質問するのはいけないと仕事上の注意にあるので聞くことができない。
「坂江さんあの…」
他愛ない会話を持ちかける事になんとか成功した俺は無言の一年を過ごさなくていい事に安堵感を覚えつつ果たしてこれはひょっとしてそのような関係になっちゃうのかもしれないという妄想を掻き立てて一日を過ごした。

 

そのままうつつを抜かしてしまった俺は超健康な他愛ない生活を3週間も続けてしまった。

 

しかし彼女の身体に目に見える変化が出てきた。

 

「あの…」
朝、彼女は何やら不安げに話しかけてきた。
今ではすっかり打ち解けて友達程度にはなっただろうか、いや同棲というのを含めれば友達以上かもしれない。
「なんだか最近…お腹が出てきたみたいで…」
この生活の目的を忘れたわけではないが急に言われたので思わずえっと聞き返してしまった。
「とりあえず測ってみる?」
メジャーを彼女のお腹に回す。
「63だね、+5かな。」
なるほど、確かに少し柔らかそうである。
つついてみようかという衝動に駆られたがなんとか思いとどまる。ぐっ
「その…全部測ってもらっていいですか…?」
彼女が控えめにそう申し出たので俺は無我の境地へ飛び去り雑念を払拭して測る事にした。
キャミソールなので直接見る事はないがそれでも男には危険が伴う作業なわけで、
「上が…86、下が89…」
ほとんど棒読みでそう告げて彼女を縛ったメジャーをベッドへ投げつける。
彼女は何事かという顔をしたが なに コントだよ。

「お尻の方が大きいですね…下半身太りするタイプだったんですか私…」
「ソウデスネ」
「…私、ちゃんと努力しないと…そう決めたんですから…」
「ボクモ、イッショニツイテアゲルヨ」
「…目が遠いですけど大丈夫ですか?」
「ダイジョウブダヨ、ジャアサッソクナニカタベニイコウ」
「え あ、はい行きましょう…」

 

無我の境地へと飛んだ自分が戻ってくるまでかなりの時間を要した、気づいたらここはレストランではないか。
「えっとじゃあ…(肉料理複数略)お願いします。」
「それと…(サラダ複数略)もお願いします。」
店員がサァーと奥へ消えていく。
「なんで野菜なんですか?太るには肉を食べた方がいいんじゃ…」
「いや、バランスよく食べないと身体によくないぞ。それに量を食べれば自然と肉はつく。」
彼女を納得させる。しかし量を食べるのは彼女にはつらいのではないか。
「がんばってみます」
「無理はしない様にな」

 

レストランで料理を多く食べる様になって二週間ほど経った。
「う…くぅ…」
彼女の食べる量を少しずつ増やして行った結果、最初は残しがちだった料理を腹に納められるようになってきた。
「ハハ 今日はちょっとがんばりすぎじゃないか?」
「いえ…大丈夫…けふっ…です」
大食い…とまではいかないがそれでも一般的な量に比べては多く食べている。
「やっぱりさすがにきつい…です」
「そうか…けどおぶってやるわけにもいかないしな…ふむ、タクシーでも呼ぼうか?」
「お願いします…」
彼女を近くのベンチに座らせてタクシーを呼ぶ。
(食べすぎもあまりよくないな…今度は量を決めるか)
彼女の健康を損ねては一緒にいる意味がない。

 

俺の目的はあくまでも 健康的な身体 である。

 

家に辿りついてからシャワーを浴びる。ちなみに別々な
「大丈夫かい?」
見るとキャミソール姿の彼女のお腹は少し張っている、というより最初の頃に比べて全体的に張っている感じがする(?)
「ん、んーちょっとゆっくりしてから寝ることにします…」
「わかった、じゃあ先におやすみ」
俺はかけ布団に潜り、アレをどうしようか 言ってしまおうか 行っちゃおうか なんて事を考えていた。
彼女が日めくりカレンダーをめくるのを見てから後の記憶はない。

 

7月1日、そろそろ海でも行こうか。

 

翌朝彼女のサイズを測る。
「えーっと」
BWH 88/66/92 体重58kg
「まだいけそうだね?」
「はい…」
「ならば少し荒治療になるけどあれを試してもいいかな?」


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