2氏による強制肥満化SS

2氏による強制肥満化SS

 

 

 

―人生において、非常識というものは往々にして突然訪れる物である。
  大体、そんな物が最初から見えてたら人生はとてもつまらないだろう。
  だが…―

 

「流石にさ… 帰ったら家が壊れてるのはどうかと思うわよ…」

 

私の自宅兼仕事場である先祖代々受け継いできた小さな家が帰ったら壊れていた。
それも完膚無きまでにである。
破片が残ってるというよりは欠片が散らかったと言った感じだ。

 

「…そんなアイテムあったっけ?」

 

私の仕事というのは所謂呪いのアイテムやそう言ったマジックアイテムのお払いや、
私の手では余る物をもっと大きな場所へ移すまでの管理等である。
科学が進んだとはいえ、まだまだそう言った類の物は消えては居ない。
闇は何時までたっても闇のままだ。
まぁそんなことはどうでもいい。それより―

 

「…今日の宿、どうしようかな」

 

 

 

「うひゃ… こ れ は ひ ど い」

 

家(だったもの)の中心の辺りは綺麗さっぱり何もかも無くなっている。
丁度この辺で爆発か何か有ったのだろう。

 

「ここは… リビングのあたりよね?」

 

何かがガスに引火して爆発したのかしら?
にしても何か燃えるようなものあったかしら?

 

『いやぁ済まない済まない… ちょっと登場が派手すぎたようだ…』

 

ふいに綺麗な ―でも闇の匂いがする― 声が響いた。
いや、響いたという表現はおかしい。
周りには声を響かせる物なんてない。
つまりは―

 

「魔族… かしら?」

 

人では無いと言うことだ。

 

『いやー済まなかったねぇ… 何分人間界の物は我々の物に比べ脆すぎるものでね…』
「ほぉ? 分かってるのなら手加減したんでしょうね?」
『もちろんだとも。ただ…』
「…何よ?」
『君の家が少々… 脆すぎた』
「大きなお世話だ!」

 

魔族であるこの男、一応紳士的な態度では有るが、気を抜くことは自殺行為だろう。
どんなことをされるか分かった物ではない。

 

「…で? その【ちょっと】派手な登場をしたあんたの名前は?」
『ああ、これは失礼。私はエルウェス。君が持っていた''あれ''に封じられていたのさ』

 

と、やつはあいつの言う''あれ''を指さした。

 

「…ゲーム?」

 

それは昔懐かしいゲームのカセットだった。
確か、一昨日ここに持ち込まれた物で、今日調べる予定だったものだ。

 

『そう、あの忌々しい仮想現実の世界にに私は長いこと封印されてきた…』

 

あー… なんか明後日の方向いて語り始めたよ…
つーか、あんたファ○コンのカセットで封印出来る程度かよ…

 

「あんたの身の上なんか知ったこっちゃ無いわ。こっちとしては封印する気はないし、
 どっか勝手に行きなさいよ。あ、でも家は直して行ってよね」
『おや? 君は魔払い師ではないのかね?』
「おあいにく。私は呪いを解くのが専門。魔払い師とは別物なのよ」
『ふむ…』

 

よし、これで終わりそうね。一応家の方は保険効くし。
このカセットもこいつが離れたなら要らないか。あとで処分しよっと。

 

『ふむふむ… そうかそうか…』

 

なんかぶつぶつ言ってるし。

 

『つまり、君は私に何もしないつもりなんだね?』
「そ、だからとっとと家を直してどっか行って」
『家を直すのは構わない、寧ろもっと立派にして見せよう。』
「あら、それは良いわね」
『ただし、』
「…ただし?」

 

なんか嫌な予感が…

 

『私の遊びにつきあってくれたら… だがな』
「嫌よ」

 

そんな事だろうとは思ったけどね。

 

『いや、遊びと言っても非常に簡単なものさ。ほんの数分で終わるさ』
「だとしても嫌」

 

魔族と関わるのなんて御免被りたいわ。

 

『まぁまぁ… それにもう実は始まって居るんだよ』
「え?」

 

それは丁度あのカセットを拾った瞬間だった。
私の意識は闇に飲み込まれていた。

 

「ようこそいらっしゃいました、この世界を救う勇者様」
「…は?」

 

意識がはっきりしたかと思えば、目の前にはよく分からない衣装を身にまとった女性が立っていた。

 

「まずは勇者様のお名前をお教えください」
「は? 勇者?」

 

ちんぷんかんぷんだ。

 

「''勇者''様と申されるんですね」
「え、いや、違うわ、アンジュラって名前よ?」
「''アンジュラ''様と申されるんですね」
「え、あ、う、うん」
「では アンジュラ 様 あなた様の性別をお教え下さい」
「はぁ? 見て分かるでしょ! 女性よ! 女性!」
「 女性 でございますね」
「そう!」
「分かりました。こちらで登録をさせていただきます。」
「はぁ? ねぇ、貴方頭大丈夫? 大体登録ってなんの…」
「ようこそ ディルードの世界へ! この世界での旅で、貴方に素敵な思い出がありますように」
「ディルードって何よ!? ねぇ! 聞いてる!? ねぇ―」

 

私はそれ以上しゃべれなかった。なぜなら私は光の中に消えていったからだ。

 

「おお、勇者 アンジュラ よ  よくぞ参った」
「…今度は何…?」

 

なんか童話でよく見かけるいかにもな''王様''がそこにいた。

 

「知っての通り、この国は魔王によって崩壊の危機に瀕しておる」
「いや、知らないし」
「そこで異世界からの使者たる勇者アンジュラよ お前の手で魔王を倒して欲しい」
「はぁ?」
「そうか やってくれるか ではこれで旅支度をするがよい」

 

【50Gを 手に入れた!】

 

「な、なんか出た!」

 

「さあ ゆくがよい 勇者 アンジュラ よ  この国を救えるのはお前だけだ」

 

 

 

 

 

「…なによこれ……」

 

そのまま兵士に連れられて、城(と思われる場所)をでた訳だけど…

 

「一体どうゆうこと?」
『お気に召したかな?』
「その声はさっきの魔族!」
『エルウェスだ。先ほど名乗ったろう?』
「知るか! これは一体どういう事!?」
『…君はこういった世界を知らないのかね?』
「わかんないから聞いてるんでしょうが!」
『おかしい… 最近の人間はこういった物が大好きだと聞いていたのだが…』
「わけわかんわよ! さっさと説明しなさい!」
『…ここは私が封印されていた仮想現実の中だ』
「…仮想現実…?」

 

それって、さっきのカセットの中ってこと?

 

『いや、最近の人間はこうった仮想現実が好きだと聞いていたのでな。
 ''遊ぶ''には丁度良いだろうと思っていたのだが…』
「私はゲームなんて全然やらないの!」

 

これだから魔族は!

 

『まぁ間違いなんて物は誰にだってあるものさ。気を取り直してこの世界のルールを説明しよう。』
「…」
『まず、君の目標は私を倒すことだ。』
「あんたが''魔王''ってわけ?」
『そうなる。次に仲間は基本的にいない。』
「なんでよ」
『そういうシステムだ。三つ目に君にはこの世界での一日ごとにペナルティが課せられる』
「はぁ? どういうことよ!」
『これも所謂システムの関係と言う奴だ。君に課せられるペナルティは…【日々体重増加】だ。』
「…は? ちょっと待ちなさいよ!なによそれ!」
『この仮想現実は特殊でな、''勇者''の能力が高めな代わりにランダムで一つ
 ペナルティが課せられるようになっているようだ。体重増加は''スタミナ''と''素早さ''が
 日々マイナスされてゆくらしいな。因みにマイナス値もランダムだ』
「…ふざけてるわね」
『これでも当たりな方だ。他のペナルティには【一回の戦闘ごとに
 勇者の運がマイナスされる】や【日々G減少】などがある』

「…これちゃんと攻略できるんでしょうね?」
『それは保証しよう。見事私を倒せれば君の勝ち。現実へ還し、家を立て直す事を誓おう』
「…私が負けになる条件は?」
『君が''ギブアップ''をしたら負けになる』
「…負けたら?」
『それは後のお楽しみだよ…』

 

ふざけてる…

 

「…他に出る方法なんて無いわけでしょ?」
『そうだとも』
「なら… 首を洗って待ってなさい! 必ず倒してやる!」

 

こんなくだらない世界、すぐに抜け出してやる!

 

 

アンジェラ
一日目
ステータス
Lv1
身長:172cm
体重:42kg
HP:68
MP:34
力:25
知力:16
スタミナ:37
素早さ:22


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