…氏による強制肥満化SS

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『スウィーツ☆パスポート』

 

 

 

「うう…もうダメっ… これ以上はお腹、破裂しそう…」
「わ わたしもぉ… 今日はこれくらいにしようか…」
「う… そうね またいつでも来れるんだし」

 

「ありがとうございましたー♪」
店員の女性の声に見送られ、甘い匂いの漂う店内から
セーラー服姿の少女が二人ふうふうと息を切らしながら顔を出した。
二人とも、限界まで胃袋にスウィーツを詰め込んで、歩くのもやっとという有様。
セーラーシャツは妊婦のように膨れた腹でずり上がり、へそがチラチラと覗いている。

 

かがみとつかさ、彼女たちの通う学校と実家の神社のちょうど中間にその店ができたのは半年前のことである。

 

「しかしこんな片田舎にスイーツバイキングなんてね!」
「でもいつ来ても流行ってるよね。だっておいしいもん!」
「そうね…確かにこれだけ通って飽きないのはすごいかも」

 

「奮発して年パス買って大正解だよ♪」

 

この店の特色、それは日替わりランチのようなメニューのバリエーションと、年間パスポートの存在である。
これによってリピーターを増やし、テイクアウトやドリンクで採算を取るという仕組みらしい。
開店時のキャンペーンで半額で作れたパスだが、それでも高校生の小遣いとしてはかなり高価で、もとを取るべくここ半年は日参に近い勢いで通ってきた。

 

「うーん…たしかにその点では正解だけど…」

 

かがみは、食べ過ぎでパンパンの風船のようにせり出した腹をちらっと眺める。
しかしそれは既に、スウィーツが詰め込まれたゆえの一時的な張りだけではなく…
たっぷりと腹部を覆う分厚い脂肪とともに我が物顔で鎮座している。

 

「この店、はっきりいってダイエットの敵よ!どうしてくれるのこの体!
 お腹だけじゃなくて…顔もお尻も太ももも、二の腕も、
 全部ぱんぱんのむちむちのみっちみちよ!!!!」

 

柊かがみ&柊つかさ(らき☆すた)

 

思わず声を上げて抗議するかがみだが、年パスの写真の美少女とはまるで他人。
満月のような顔に雪だるまのような体。
しかし顔の造作はあくまで可憐で、かろうじて同一人物だと分かる。
はちきれそうな腹と喉の周りの脂肪のせいで、愛らしい声もいくらかくぐもって聞こえるほどだ。

 

元は人一倍ダイエットに敏感な娘だったのだが、ノリで作ってしまったパスポートと、
スウィーツの魅力に負け… たった半年ですっかりと横に大きく育っていた。

 

「わ、私も最近お腹のお肉で制服がきつくて…
 走ったりするとたぷたぷして苦しいし、もしかしてちょっとふとりすぎかな」

 

同じくまん丸の顔に制服のシャツに隠しきれない出っ腹を重そうに抱えたつかさも顔を真っ赤にした。
こちらも可愛らしい顔立ちで、ぼよんと肉付きの良くなってしまった丸い体を
小動物のようなしぐさでさすっている。

 

「双子で揃ってデブまっしぐらなんて嫌よ!明日から絶対ダイエットする!!!」
「えっ?じゃあもうこのお店、来ないの?」

 

「い、いや、無理に我慢するとストレスで余計に太るっていうし…つまり、あれよ!」

 

「次から、『ヘルシー』って書いてあるのと、小さいサイズのケーキしか食べないことにする!」
「おおっ、お姉ちゃん、あったまいいっ!!!! でもちょっと物足りなくない?」

 

「バカね、そんなの…」

 

かがみは、頬にたっぷり付いたぜい肉のせいでいくらか細まってしまった大きな瞳をキラっと光らせ、

 

「食べ放題なんだから、新しいのを食べればいいじゃない!」
「そっか!それならお腹いっぱい食べれて、しかもだいえっとっ」

 

「明日はこなたたちも連れて来てパーッと騒いで、更にカロリー消費しましょっ」
「そっか!こなちゃんやゆきちゃんたちも最近お肉が邪魔とかやせたいって言い始めてたし、
 ちょーどいいよね」

 

既に考えがデブの思考…―――

 

そして二人は元通りやせたら着たい服の話や、思い切り食べたいスウィーツの話、どちらが先に痩せたと気づかれるかという話題で盛り上がりながらヨタヨタと帰路についたのだった。

 

 

ちなみにこの店はアメリカで流行していたチェーン店だったのだが、
現地で肥満化の著しい原因になるとして訴えられ、
日本で店名とメニューを改め新規開店した店舗だったのだが、それはまた、別のお話。

 

 

<おわり>
#らきすた,らき☆すた,泉こなた,柊つかさ


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