49氏その3

49氏その3

 

 

「祥子先輩ってさ、けっこう太ったよね。」
「そうだねー。前からその気があったけど、こないだ会ったときなんか、けっこうきてたもん」
「ねー。もともと、太りやすいのかな?」
祥子と彩はひさびさに会った山本祥子が太ったことについて、話していた。
彼女たちは同じサークルの友人。祥子は、祥子と彩の直属の先輩なのである。
ちなみに祥子は、彼氏もちの20歳。
性格は姉御肌でいわゆるクールアンドビューティーといったところ。
「そういえば、脚とかかなり太かったもんねー。ジーンズがパッツンパッツンだったよ。」
「あ、そうだ。私、去年の写真持ってるんだ。ちょっと見てみよう。」
そう言って祥子は引き出しからアルバムを持ったきた。
「ええ〜と、祥子先輩は…あ、あった。」
「う〜ん、やっぱり祥子先輩太ったなぁ〜。」
「あ、でもこの写真、去年て言っても、まだ三ヶ月しかたってないよ。」
「ええ〜ウソ〜!やっぱ祥子先輩かなりヤバイじゃん!いったい何があったんだろ?」
「ねー。」

 

「よいしょっと……うっ!!」
祥子は着替えの途中、圧迫感に襲われた。
ジーンズのズボンを履こうとしていたが、どうにもキツイ。
「うんしょっと。ふぅ〜」
ようやくズボンを履いたものの、そのズボンはパッツンパッツンで今にもはちきれそうである。
「く、苦しいかも…。まさかまた太ったかな〜?」
ズボンのサイズは、ヒップ86〜95。わりと大きめのサイズである。
祥子はその格好のまま、体重計の前に立った。そしておそるおそる体重計へ脚をのせた。
「ええ〜ウソでしょ〜!!2キロも増えてる!!」
体重計の針は59を指していた。
実際、祥子はこの三ヶ月で太った。
身長161センチは変わらないが、三ヶ月前、53キロだった体重が今は59キロである。
実に6キロの増加である。
体のサイズも82・63・90から84・67・98にまんべんなくサイズアップしていた。
まさに肥満寸前であった。
「ヤバイなぁ〜。ダイエットも失敗しっぱなしだし…。

 …ってああー!!もうこんな時間じゃん!早く行かないと、待ち合わせに遅れるじゃん!」
そう言うと祥子は、あたふたと出ていった。

 

「っと間に合ったぁ。まだ彰来てないかぁ。あー良かったぁ。一休みっと。」
なんとか待ち合わせに間に合った祥子は彼氏の彰を待つため、ベンチに腰をおろす。
時刻は夕方なため、人もまばら。祥子はどうにも手持ち無沙汰で、あたりを見回すと
クレープ屋の看板が見える。
「クレープ屋かぁ。でも、食べたらまた太っちゃうなぁ。でも…1個くらいならいいよね。」
祥子は決心してクレープを食べ始める。
「んーおいしいー。」
と、そこへ彼氏の彰がやってきた。
「ごめんごめん、待たせちゃったかな?って、また食べてるのか?お前、最近太りぎみだぞ。」
彰は歯学部の学生で祥子と同じ20歳。178センチの長身で62キロの痩せ型。
理系を絵に描いたような性格である。
「なによぅ。あなたが待たせるからでしょう?まぁいいや。それで、今日はどこに行くの?」
「そうだなぁ、とりあえず夕飯を食べにいこう。いい店があるんだ。ポポロンって店で、食べ放題の店だ。」
食べ放題と聞いて祥子の顔色が変わる。
「ちょっとあなた、人のこと太りぎみとか言っといて、食べ放題って…私を太らせる気!?」
「まぁまぁ、たまにはいいじゃないか。ダイエットの間にも息抜きは必要だぞ。

 それに、お前は心配するほど太ってないだろ?俺より重いってなら話は別だが。」
確かに祥子は彰より軽い。が、その差はたった3キロである。
「さ、行くぞ。」
ポポロンは寿司からケーキまでなんでもあるバイキング形式の店である。
料理は、どれもおいしいと評判である。
「さ、祥子。思う存分食べよう。2時間だからな。その間に元をとるんだ。」
祥子はここまできたら食べるしかないと思い、彰の言うように、思う存分食べることにした。
「よし、じゃあ食べるわよう。彰、ケーキを中心にじゃんじゃん持ってきて!」
彰は彼氏らしく、祥子の前に次々と料理を運ぶ。それを祥子は口に運ぶ。
「これ、おいしいじゃん。これなら、いくらでも食べられるよ。」
食べに食べた祥子だったが、さすがに苦しくなってきた。
もともとキツイズボンだったため、ベルトはしてなかったが、チャックを開けた。
「ふぅ〜、これでまだ入るわ。」
そしてまた食べ始めた。
お腹はもうかなり膨らんでいたが、彰が持ってくる限り、祥子は食べ続けた。
…そして、2時間後、かなりの量を食べた祥子のウエストはズボンのチャックがしまらなくなっていた。

「まったくしょうがないヤツだな。おれが家まで送っていくよ。」
彰は食べ過ぎて動けない祥子を背中にのせた。
「お前、ずいぶん重いな。やっぱり相当太ったんじゃないのか?」

 

「ほら、家に着いたぞ。じゃ、俺は帰るから。」
彰は帰っていった。祥子は、そのまま寝入ってしまった。

 

次の日、祥子は愕然とした。
「ウ、ウソでしょ…」
ズボンのチャックがしまらないばかりか、まったく届かないのである。
「昨日だけで、こんなに太っちゃったの?そ、そうだ。体重計。」
体重計におそるおそるのる。
「そ、そんな…」
体重計の示した数字は、69。昨日だけで、10キロも太ったのである。
祥子は太りやすく、やせにくい体質なのだ。
あっという間に脂肪がついて、豊満な肉体になってしまう。
昨日、彼女が摂取したカロリーは6780キロカロリー。
結果、彼女のスリーサイズも86・76・106と大幅アップしてしまった。


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