500氏その3
#テイルズオブシンフォニア,TOS
街外れの木下で、神子様御一行ことコレット達が野宿で食事を取っている。
ロイド・アーヴィング(以後ロのみ)
「コレット…もういいのか?」
ジーニアス・セイジ(以後ジのみ)
「どこか、調子が悪いの? 無理しない方がいいよ?コレット」
コレット・ブルーネル(以後コのみ)
「う、ううん、何でもないの…少しお腹が一杯で…」
困った笑みのコレットに、ロイドはすまなそうな顔をして。
ロ「ごめん…俺、まだ料理が下手だから美味くないのかな? 次はもっと美味く出来る様に頑張るからな!」
ジ「大丈夫だよ、ロイド! 姉さんの料理に比べれ…」
リフィル・セイジ(以後リのみ)
「ジーニアス? 私と一緒に、木の後ろにいらっしゃい、よろしい?」
ズルズルと引っ張られていき、ぺシーン!×2とお尻ペンペンの音が聞こえて来た。
コ「そ、そんな事ないよ!? ロイド!」
セイジ姉弟のやり取りは無視して、慌てた様子で答えたコレットだが、そこで黙々と食事を取っていた、傭兵のクラトスが声を上げた。
クラトス・アウリオン(以後クのみ)
「お前はまだ未熟だ、己を知り、知識を学べ、そうすればお前はまだ強くなる…」
コ「(な、何だか剣術指南のお話みたい…)」
そして、深夜…皆が寝静まった頃、コレットは眠れぬ夜を1人過ごしていた。
コ「ロイドに心配かけちゃった…本当ならロイドの作った料理は美味しく食べたいのに」
コレットは天使になる為の儀式…封印の開放を行う度に、人間としての…例えば、食べる事(食べる必要がないのと、味覚がないというだけで、一応食事は取れる)睡眠を取る事が出来なくなっていった。
コ「ロイドに心配かけない様にしなきゃ! …これからは無理してでも少しは食べないと!」
グッと拳を握って、決心するコレット………
そして、月日は流れいよいよ最後の封印、再生の塔を目指す日になった。
コ『あれが…最後だね、ロイド』
封印の開放で、喋る事も出来なくなっているコレットは、ロイドの手の平に文字を書く事で、自分の意思を伝えている。
ロ「ああ、そうだな………あのな…コレット」
珍しく真剣な顔をしたロイドにコレットはドキドキした。
それもその筈…他には誰も居らず、天使になる事で人間ではなくなってしまう最後の封印を目指す前日、そして、今居る場所はハイマの山頂…人間である内に自分の思いを相手に告げる………
愛の告白するにはもってこいな状況である。
コ「(ロ、ロイド………私…)」
コレットの心臓が高鳴り、顔は緊張から紅く、瞳を潤ませて…ドキドキも最高潮に達した時、ロイドが口を開けた。
ロ「その太った身体で、最後の封印の開放は大変だろうけど、頑張ろうな!! んじゃ…俺、先に宿行ってるからな」」
コ「(………へ?)」
爽やかな笑顔でそう言い、立ち去って行くロイドを見て、1人取り残されたコレットは、風がヒュオォ〜っと吹いて来た気がした。
ハイマの山頂で常に起きている風とは違う風が…。
コ「(………)」
自分の身体に手を当てて見てみるコレット…
無理して食べた結果(といっても満腹感や空腹感もない)華奢だった体つきは劇的なまでに変わっている。
足はドラム缶の様で、お腹は丸く突き出ていてる。
ぺったんこだったまな板胸は、新しく仲間になったしいなよりも大きく牛の様に実っている。
腕は丸太になっているし、顔は、丸顔でプニプニになっていて、戦闘の際は、天使の羽で飛んでいて、他の人よりも身体を動かしていないのにも関わらず、息は一番上がって、汗は噴き出し、疲れ果ててしまう………
確かに、この身体で封印の開放は大変だろうが、今この状況で言うセリフではない…絶対に。
コ「(ロイド…私、悲しい筈なのに涙が出ないよ………)」
神子様の苦難は、まだまだ続く。