500氏その6

500氏その6


#型月,TYPE-MOON,月姫,メルティブラッド,MELTY BLOOD,メルブラ

 

?「志貴、貴方や真祖(アルクエイド)代行者(シエル)が捜している死徒… この街の噂の元凶は『タタリ』と呼ばれるモノです」
深夜の公園で、2人の男女が会話をしていた。
女性の方は凛とした表情に全身が紫を基調とした制服を身に纏っている。
彼女の名前は、シオン・エルトナム・アトラシア…
エジプトにあるアトラス学院の錬金術師である。
?「タタリ… 祟り?」
もう片方の男性… 彼の名前は、遠野志貴。
平凡な黒い学生服に眼鏡をかけた一見何処にでもいる一般人の様だが『直死の魔眼』と呼ばれるあらゆるモノの死が視えるという異能の少年である。
シオンと志貴は、街に巣食った吸血鬼の情報の事を話し合っていた。
シオン・エルトナム・アトラシア(以後シのみ)
 「詳しい説明は長くなるので省略します… タタリは主体性のない吸血鬼です。限定空間の不安を摘出し、その通りに吸血行為を繰り返します。要するに、人々の不安や恐怖を感じるモノを具現化する力です」
遠野志貴(以後志のみ)
 「な、なるほど…」
シオンの説明は省いてある部分が多かったが、大体的を射た説明だった。
シ「一夜限りの殺戮の舞台の幕が上がったら、対抗策はありません。なにせ相手は街の人々が思い描いた悪夢ですから… そして、その中でも志貴、貴方はその舞台の主賓扱いでしょう。実際に多くの血を、吸血鬼達に見て来た志貴のイメージは、架空の存在を想像するしかない人々よりはるかに優れている… つまり貴方のイメージが重要視されるのです。より具体的なイメージを伴う志貴の不安はタタリにとって都合が良い… 理解出来ましたか?」
志「あ、ああ、なんとなくだけど…」

いまいち理解が出来てないのか頭をポリポリとかく志貴に、シオンはむっとした顔をしたが、不快に思った訳ではない様だ。
シ「さて、今日の捜索はここまでにしましょう志貴。また明日、この公園で会いましょう」
志「ああ、分かったよシオン。けど俺は、もう少し街を捜索してみるよ。それに、ここに来る前に屋敷で秋葉に見付かってそのまま逃げて来ちゃったからな… 怒ってるだろうから帰るに帰れないし」
シ「秋葉を怒らせたのは志貴の責任です……… つまり秋葉の機嫌が直るまで志貴は帰らないつもりですね。まあ、身体には気を付けて下さい、捜索に支障が出ますから(といっても、秋葉の機嫌はすぐには直らないでしょう… 1日野宿する事に志貴はなりそうですね)」
そう言って志貴と別れたシオンは、とんでもない… タタリによるある意味最強の悪夢が発生する事に、この時は全く分からなかった。

 

そして、次の日、志貴は夜の公園に来ていた。
志「あれ? …おかしいな、いつも先にシオンが着いてる筈なのに…」
志貴は、辺りを一通り見回してみたがシオンの姿は見当たらなかった。
志「まあ、たまにはこんな事もあるよな」
気長に待つ事にした志貴の後ろから怒りの篭った声が聞こえて来た。
シ「志貴……… 貴方は一体何をどう想像したのですか!?」
志「な、何だよシオン。出会い頭…に!?」
振り向いた志貴の目の前には、3桁を確実にいっていそうな荒い呼吸を繰り返す肥満女性がいた。
一瞬他の誰かと間違えたかと思った志貴だったが、その肥満女性が着ている服は、間違いなくシオンの物と同じだ。
志「シ、シオンなのか!? …その身体は一体?」
慌てた様子で問い質した志貴に、肥満女性… シオンは怒鳴った。
シ「恐らく貴方が想像したからです! …昨日言ったでしょう!? タタリは貴方を主賓扱いしていると! 全く、何をどうしたらこういう事を連想出来るのですか!? こんなものを具現化したタタリもタタリですが… はぁ、はぁ」
膝に手を付いて息切れしているシオンに、志貴は答えた。
志「あ、いや… もし、シオンや皆がこのじめじめした熱帯夜で凄く太ったら暑苦しくて嫌だな〜って思っただけで…」
しどろもどろになりながら答えた志貴だったが、何となく確信犯的な雰囲気が出ており、それに気付いたシオンは、普段の冷静沈着さを無くして志貴に怒声を上げた。
シ「ふざけるのも大概にして下さい! 志貴! 貴方は一体どんなetc…」

志貴はシオンをなだめながらシオンの身体をじっくりと凝視した。
まず足は、ムチムチとした感じがあり丸太の様に太くなっていて、紫のブーツがとても窮屈そうだ。
お尻も白いミニスカートが隠し切れずにチラチラと下着が見え隠れしている。
腕はまるでバームクーヘンを通した様に太くなり、手首の辺りに付けている細い黄色のブレスレットの様な物が若干食い込んでいた。
お腹の方も、貫禄のある大きな丸いお腹になって、摘んでみればムニュウっと柔らかい感触がありそうだ。
そして、その大きなお腹に甘える様にビーチボール大の大きさの爆乳が乗っかりユサユサと揺れていた。
顔の方も、プニプニとつねくりたくなる衝動に駆られる肉付きになっていた。
志「(う〜ん、昨日の夜にインターネットカフェに寄って偶然見たサイトにあったけど… これは中々)」
試しにわざと連想してみたら目の前にこうして肥満体シオンが現れた事に志貴は、少しだけタタリに感謝した。
シ「聞いているのですか!? 志貴!? …はぁ、はぁ」

 

そして、同時刻… 遠野の屋敷にて。
?「琥珀! 貴方の仕業でしょう!? 早く私の身体を元に戻しなさい!!」
長い黒髪をなびかせ、目の前にいる丸々太った割烹着を着た女性を問い詰める。
この屋敷の当主、遠野秋葉と屋敷の家政婦、琥珀である。
琥珀「秋葉様〜、さっきから何度も言っていますが今回は、私は無実ですよ〜! ほら、私もこんな太った身体に… あうう、翡翠ちゃんも何とか言って〜」
琥珀は、秋葉側の壁際に立っているメイド服を着ているメイド、だが立派に太ってしまっている双子の妹、翡翠に助けを求めたが、翡翠は無表情で一言。
翡翠「姉さんを犯人です」
ビシッと指差しされた琥珀は、はわわ〜っとわざとらしく慌てる。
琥珀「私は本当に無実ですよ〜! 翡翠ちゃん! 秋葉様も、太っても全く育たなかったからって私に当たらないでくださいよ〜!?」
遠野秋葉「琥珀っ!!」
あはは〜、という琥珀の笑い声と秋葉の怒声が部屋に響き、翡翠が溜息を付いた。
こうして、今回のタタリは殺戮の舞台ではなく、真祖や代行者をも巻き込んだ一夜限りの肥満の舞台となった。


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