857氏その1
日満華町 一見平和に見えるこの街には 恐ろしい悪の軍団『イレギュラー』の本拠地があった。
イレギュラーの目的は町内征服
遺伝子操作を行った屈強な兵士たちをしたがえた彼らになすすべはなく
日満華町は征服されてしまう・・・ということはなかった
なぜなら 軍団のメンバーの大半が阿呆だったからである
例をあげると
屈強な兵士たちを使った活動が小学生レベルのイタズラ
“秘密”基地にかなり大きな看板をたてている
目的がなぜか町内
などときりがない
遺伝子操作兵(怪人)を独自につくりだすことから技術は相当なものなのだが・・・
そんなどーしようもない軍団にも一応国から討伐命令が出ていた。
国から送り込まれたのは女性一人
さすがに無謀だとおもうかもしれないが彼女は普通の女性ではなかった
あらゆる兵器を組み込みさらに肉体を強化するパワードスーツの適合者であった
彼女が町に来て一か月後 彼女が強すぎるのか彼らが阿呆すぎるか(おそらく両方)
恐ろしい(笑)悪の軍団『イレギュラー』(爆笑)は残りの戦力が
最初の3割になるまで追い詰められていた
イレギュラー秘密基地(笑)作戦室
「ついに幹部は二人だけになってしまった・・・」
「そうですね私と首領のふたりですね」
幹部が2人になっていまさら作戦会議とかもっと前にやっとくべきだろこいつ本当に阿呆だな・・・救いようがない
まあ阿呆だからいろいろと好き勝手に研究ができていたのだが
「次にやつが来るとしたらこの秘密基地だな」
「ええそうですね」
「地獄のマッドサイエンティスト後藤よ!」
ださいしめんどくさいこの呼び名は首領がつけてくださったものである 死ね
「なんでしょう」
「確か怪人を作っていたのはおまえがつくったものだったな!!」
「・・・そうですけど?」
「あの女の武力を上回る怪人はつくれないのか!」
「さすがに国の設備で作った物に、こんな小規模な場所で作ったものでは
かなうはずはありません。」
「むう・・・」
「ですが・・・武力を上回らなくても彼女を倒す兵士ならすでに完成しております」
「おお!!さすが地獄のマッドサイエンティスト後藤!!して、その怪人とはどんなものだ!!」
「別に彼女自信はそれほどの脅威ではありません問題はパワースーツです。
ですからパワードスーツを使えなくする怪人をつくればいいのです」
「ほう!きたいしているぞ後藤」
「・・・はい」
結局じぶんもめんどくさくなってよぶのやめてんじゃん
「ここが秘密基地みたいね」
分かりやすく看板がおいてあったしたぶんそうだと思うけど
さすがに罠かなとおもってここら一帯を調べたけどそんなことはなさそうだし・・・
どこまで阿呆なの?この軍団 まぁいいや
「変身っと」
私の言葉を腕時計型の装置が認識すると
一瞬にして私はひかりにつつまれいつものパワードスーツ姿になっていた
詳しい原理はわからないけどすごいものよね
「さて入るかな・・・ってうわっ」
がしゃあああああああん!!
大げさに扉を突き破って出てきたそいつはものタコみたいな触手のあるものすごく太った怪人だった
ていうかわざわざ扉こわさなくっても中で待ってたらいいじゃん
「ブヒィー!!俺様は貴様を倒すために作られた豚タコ型怪人オクトン様だ!」
べつに名前なんて聞いてないのに語り始める。
他の奴らも同じでなかには自分の弱点を教えてくれるやつまでいたっけな・・・
「いまさら怪人一匹になにができるの?
おとなしくしてたら保健所に引き渡してあげるからさがってて」
「ブヒイイイイイイイ!!なめやがって!!すぐに泣きわめかせてやるブヒいい!!」
ブビビビビ
大きな鼻から黒い液体を飛ばしてくる
いきなり!?
足に力をいれ全力で回避しようとする
!?
しまった!液体に気をとられきづかなかった!足元にはすでに怪人の触手が・・・
足元をすくわれるっ!うわっ
触手はあっというまに私をしばりあげてしまった
「く・・・離しなさい」
「ブヒヒヒヒヒヒ!!!どうしたさっきまでの威勢は!!」
「縛ったところでどうするつもりよ!!パワードスーツの耐久力を知らないわけじゃないでしょう?絞め殺すなんて到底不可能よ!!このデブ!」
「デブだとおおお!改造される前からのコンプレックスをよくも!!・・・まぁいい
いまから貴様にプレゼントをやろう!」
そういうと触手についていた吸盤があらゆるばしょにくいこむ
「どういう意味よ!」
「ブヒヒヒヒヒ!すぐに分かる!」
なにをいっているんだこいつは・・・
ん?吸盤から何か温かいものが送られてくる・・・
「これはいったい・・・?」
あれ・・・パワードスーツが急にきつくなったような
!!!
私のからだふくらんでいる!?いや太っている?
「いや!!なに!!これ!!え!?い・・いますぐやめなさい!!」
「ブヒヒヒヒヒ!いいぞもっとわめけ!!ブヒヒヒヒヒヒ!さあ俺の脂肪をうけとってくれ!」
怪人の醜い身体が縮むにつれ
みっともない姿に変えられていく私
パワードスーツを使いこなすため訓練を積んで鍛えられていたわたしの身体が
怪人の脂肪を吸収し
醜い肥満体にされていく・・・いやだいやだいやだ!!
「ううああ・・・・!!」
ある程度膨らむと今度は痛みが襲ってきた
パワードスーツは非常に耐久力のある素材で決してやぶれることはない
今回はそれがあだとなった
のびの限界に達したパワードスーツがわたしの膨らんだからだにようしゃなくくいこむ
「パワードスーツを解除したら楽になれるぞ!ぶひひひひ!」
「うる・・・さ・・・ああああ!!!」
体中に激痛が走る 痛い 痛い 痛い!!あまりの激痛に意識が飛びそうだ
痛い! 痛い!!!
もう・・・限界・・・だ
「うあああああ かい・・・じょお!!」
わたしの声を装置が認識しパワードスーツがきえていく
「ぶひひひ!!解除したなあ!!あとは残りの脂肪をながしこむだけだぶひひひひ!!」
「うう!ああそんなやめて!!なんでもするから!!!」
ブクブクブク
「いやあああああああああ!!!!」
からだ暑くなっていくにつれ感じる重力が増えていく
一瞬にして私のプロポーションは破壊された
代わりに与えられたのは怪人のぶくぶくに肥え太った醜い姿
「ぶひひひひひ!!おわったぶひ!オレの脂肪をぜんぶながしこんでやったぞ!」
完全に痩せ型といえる体系になった怪人は
私を触手から解放した
「ゆるざない!! ・・・ううぶっ!!もどしてよぉ!」
叫んだ声がいつもとちがう
おそらく声帯が脂肪で圧迫されているのだろう。
今の私にふさわしい醜い声
泣きながら立ちあがろうとするがかなりきつい
「力ずくでやってみたらどうだ “でぶ”!!ぶひひひひひひひひひ」
「・・っ!!あんただでってぇ!でぶだったくせにい!」
「今はおまえがそのデブだろうぶひひひひ!!
任務はすんだブヒ
パワードスーツも着れないただのデブには用は無いブヒそれではさらだぶひ!!」
「うううぅ・・・!!!まぢなざ!・・・はぁ・・・はぁ・・・さいよ!!」
追いかけようと全力で走るも異常に体が重い 汗が滝のようにでてくる
ガシャン
扉とはべつのシャッターが閉まる
間に合わなかった
「うう・・・うわああああああ」
パワードスーツをきればシャッターを壊すことも簡単にできるだろう
だがパワードスーツは先ほどまでの私の体系を基準に作られている
つまりいま変身すればパワードスーツは私のぶよぶよの身体をあっぱくし
私は内臓が破裂して死んでしまうだろう
完全にやられた
私はどうしていいか分からずそのばに座り込むだけだった
あきたし
END