口は肥満化のもと?

口は肥満化のもと?

 

 

久地羽業子(くちは わざこ)が気付くとそこは自分達の学校の体育館だった
バレー用コートの端にいて向かいにはクラスメートの上岡 奏(うえおか そう)
スコアボードが置かれる辺りに校医の藍実佳也(あい みかや) がいる
「まず、今からお前達には規則破りの罰を受けてもらう」
「しかし、それを受けるのは一人、そうゲームの敗者だ」
「ゲームについてだは、まぁ言ってしまえば「口喧嘩」だ」
「制限時間内に言った言葉の数が少なかった方が敗者になる」
「そして敗者の罰は勝者との言葉の差によって決まる」
「勝者は晴れて無罪放免、ただしこのことを口外したらまた罰を受けることになるからな」
「それでは 3分後にゲームスタートだ」 藍は淡々と説明を始め淡々と説明を終えた

 

「ば、罰ぅ!?」衝撃の事実に驚きの声を上げる業子
無駄だと思っても言わずにはいられなかった
ただあれだけの違反でここまで怪しいことになるとは思いもしなかった
しかし「口喧嘩」とは・・・
(勝つことならラクショーだけど)ちらりと対戦相手である奏を見る
中学2年として低くもなく高くも無い背丈と整った肢体、綺麗な顔立ちをしているが
とても無口で無表情なためクラスではいつも一人でいる
声をあげた記憶すら一つもないのだ、口喧嘩なんて出来るはずがない
(勝ち方で罰が決まるならなるべく少ない差で勝っておく)
(それでこの場を納めてまた調べ 「あんた、何考えてるの」 !
ここで声をあげたのは奏、しかもその言葉にこもっているのは  憎悪
「いや、とりあえず僅差で勝ってこの場を納め 「勝って私に罰を与えて
自分だけ助かろうと考えてたのね、巻き込んだこの私に罰を与えて自分だけ助かろうと」
「あんたはいつだってそうだった」
「いや、それは「べらべらと喋って近づいていざって時に手のひらを返す」
「手のひらを返すなんて 「そうやって他人を傷つけても自分は悪くないと信じ切ってる」

「ち、ちが 「違わないさ、あんたの本性はドブネズミがごとき畜生!」
「ち、ちくしょ 「いや、それ以下のムシケラだ!!」

 

奏の罵詈騒言はそれからも続いた、問題にもならないはずの小さなことや
とっくに終わったはずのことを正確にそして脚色して業子の悪行に仕立て上げていく
業子は全く反論出来ずこれは夢だ、永い悪い夢だと信じ込みこらえようとするも
「10分経過、5分のハーフタイムを挟んで後半戦だが途中経過に応じて
ここでちょっとした変化を与える」
しかし藍のアナウンスとその直後の事態にこれが現実だと思い知らされる
業子は背丈は高めだが年相応にほっそりとした体をしている
それが急激に膨らみ出した
「これが敗者に与えられる罰、肥満化刑だ」 
「聴神経が相手の声を認識した数と口から音声を発した数の差の分だけあらかじめ
撃ち込んでいたバクテリアが稼働し、いや理屈の説明はいいか」
「ともかくそれが現在の結果だ、後半で逆転すれば今ついた脂肪も消えるから、
「ひぃぃぃ!」「聞こえちゃいないか」
きっちりと制服に覆われた体がむくむくと制服を押し上げ膨れていく
腕は大きく太くなていくが付いた脂肪がやや垂れて力強さなど感じられない
顔も脂肪がつき頬をパンパンにしてしまう

胸も腹も大きく成長し生地こそ何とか耐えているが、
布地が押し上げられボタンが千切れ飛び、くっきりとした胸肉の谷間と
たっぷりと肉がのって柔らかそうなへそが丸見えになってしまう
ここで上半身の肥大化に耐えきれなかったのか、
業子はバランスを崩し尻餅をついてしまう
下半身は下半身で巨大になりメロン大の胸と丸太の様な太ましさの脚だが
やはり脂肪で大きくなったのでは支えられないか
膨張が一段落した業子の体を見返すと重度のぽっちゃり、
もしくは小デブといった具合だろうか

 

「自業自得だ、この豚女!」 「ひっぃ!!」ドカァ!!
奏が業子の大きなお腹を蹴りつけた、二発、三発と絶え間なく蹴りこまれる
その間の罵詈騒言も絶え間なく続く
「あんた自分の見てくれ随分気に入ってたようだが、
「ダ!・イ!・ナ!・シ!じゃねーか!!
「くっ、ははははは 友達を出汁にしてまで整えようとしてたのによ!」

 

それから10分が経過しコートには制服をズタズタに切り裂かれ
無数の擦り傷と殴打痕を残した肥満した裸体をさらす業子が倒れ込んでいた
顔には深い傷こそなかったが目の焦点が消え流した涙の跡がくっきりと残っている
奏は少しでも表情をつければすごく可愛いとクラスメートに表される顔を
妖艶に紅潮させて悦に浸っている
「藍博士、終了の合図を」 「ん、もう終わりか」
「では規則と誇りに基づいた罰を定める儀、正々堂々たる闘いの末
今敗者へ罰が与えられる」 藍は淡々と終了宣言をする
その間際業子が痛みをこらえながら口を開いた
   ごめん きづいておけられなくてごめんね
しかし、その声は奏に届かない
そして業子に罰が与えられる

 

「やれやれあいつらも悪趣味だな」
「社会で闘うための強さをつける、とかいって少しヘマした生徒を戦わせるとはな」
「おまけに負けた奴は好きにしろってね」
藍は車を走らせていた
その後部座席には眠りこけた業子がいた
その体は「肥満体の人間」と「肉塊」の境目にいるかの様な巨体だった
今瞳は閉じられているが起きても頬肉に遮られほとんど開けないだろう
鼻や口といったパーツもなかば顔についた脂肪に埋もれかけている
一番目立ているといえるのは最も変わり果てた顔だが
一番大きいのは腹、後部座席から藍の座席に届く程の大きさで
人間のそれとは思えない、いやその腹の持ち主は人間ではないのではないか
そう思わせるほどの異様な巨大さである
逆に人であることを示していると言えるのが、胸 
大きさはスイカをも超えてて垂れて腹に乗っかっているが、
一定の形は保っていてある程度の張りも持っている
下半身は大きさ、太さでは上半身に引けを取っていないが

さっきのことを考えると身動き一つできないかもしれない
何故か付けられた傷も消えていて特注サイズであろう制服を着せられ
業子は眠っている、その浮かべた表情は笑み
楽しい夢でも見てるのだろうか、辛い現実から逃げるために・・・

 

業子どーしたんだろう 一体罰ってなんだったんだろうか
ただ幼稚園児をいじめてる他の中学の生徒を止めようとして
ちょっとケガさせただけなのになぁ
逃げようとした幼稚園児を自転車でひいた上岡はこうしているってのに
おーい上岡、罰ってなんだったんだ
「・・・・・・・」 奏は何も答えない
やはりこうか、と思いつつ奏の席から離れる業子の友人達
奏は無表情のまま  いやほんの一瞬あざ笑うかの様な笑みを浮かべた・・・

 

久地羽業子 165cm 45kg 77・63・72
→ 72kg 91・96・90
→ 221kg 162・180・160

 

 

 

市立比堂学園。
その教育方針は「成果」をあげることを第一とする、前時代的とも言える熾烈なものである。
その方針は確かな成果を出していたが、その反面内外での負傷事故が続出してもいて、
そのことを批難、もしくは忠告する者もちらほらいた。
その一人がスクールソーシャルワーカーの串田智次だった。
彼が事故増加の確かな統計を持って肥堂学園を訪れ、現状に対する指摘を行った。
その翌日、彼の家を一人の少女が訪れた。

 

串田の家に来たのは、比堂学園中等部の制服をきっちりと着こなした端正な顔立ちの
しかし全くの無表情な少女、上岡奏
出迎えているのは、ブラウスとスカートの上下を着た清楚な印象の若い女、
串田の妻である串田隣子(くしだ りんこ)

 

しかし、 「・・・・・」 「それであなたは何の用で家に来たの?」
「・・・・・」 「主人が行ってる学園の生徒の様だけど、その事で話に来たの?」
「・・・・・」 「・・何か言ってくれないかなぁ・・・」
隣子は全く口をきかない奏に手を焼いていた。

 

(この子一体何を考えているだろう、本当に喋れないなら筆談するはずだし・・・)
(比堂ってこんな子ばかりなのかなぁ、
(口出ししちゃいけなかったのかも・・・) 
実は夫に比堂への相談を提案したのは隣子だった。
「口出ししちゃいけなかったそう思ってるな」
奏がようやく口を開いた。 だがその言葉に込められているものは確かな敵意。
「え? ええ」しかし隣子は口を開いたことに気を取られて、その敵意に気づけない。
「自分が面倒に巻き込まれたからそう思ってるんだろ」
「・・・!  」 図星だった。
しかし返答も反論も奏の言葉と視線に込められている敵意に気づき出来なかった。
「ただこの厄介事が終わればいいこの小娘が家から居なくなればいいそう思っているのだろ!」
「言い返される覚悟も無しに口出しするんじゃない!」
(こ・・・怖い・・・わ・私のせいでこんなことに・・・?)
奏の強い言葉に隣子は何も言い返せず、ただ怯え怖がった。 
そう恐怖を感じた。 その感情を引き金として肥満化が始まる。

 

隣子の体が膨れ出した、
ゆっくりとしたものだが本人にはしっかりと分かるようで、
「!!? まさかあなたのし・・・」 立ち上がり奏を問い詰めようとしたが、
「仕業だとしたら言うのか誰かに」
「訴えるのか!警察に!!」
「泣きつくのか!旦那に!!」
「甘えるのか!!!誰かに!!!」
「ひぃ!」 奏の反論、いや口撃にたじろぐ。
その拍子に足をすべらせ大きくなったお尻で尻餅をついてしまう。
 ビリッ! その衝撃もあってか履いていたスカートが破れてしまう。
顕になった両の脚は肉で出来た丸太とでも言えるような太さだ。
「ひ・・ひぃぃ・・・」 
現状を認識する事も出来ずただ奏から逃げ出すために部屋を出ようとするが
パシャッ カメラのシャッター音が聞こえ、慌てて振り返る。
バツッン!それと同時にブラウスのボタンが弾けとび、
メロン大の胸が飛び出てくる、その真下のお腹はたっぷりと脂肪が付いた寸胴で

スカートがあったら確実にマフィントップを形成するだろう。

 

奏はスマートフォンを、隣子とは明後日の方向の窓に向けていた。
その代わりに、満開の笑顔を向けていた。
「しかしすっごい体になりましたね」
「カメラに撮りはしませんよ法に触れますし何よりそんな体撮ったらカメラが壊れかねません」
「こんな嫁さん貰って旦那さんもさぞ可哀想なことで」
ガラリと変わった明るい口調で、込めた敵意はそのままに、言葉を紡ぐ奏。
その度に隣子の服が裂け破け、脂肪で膨れた裸体がさらけ出されていく。

 

「どうしてこんなことになったのか誰のせいでそうなったのかじっくりと考えて
「ゆっくりと後悔するんですね」
数分後、座り込んで泣きじゃくる肉塊を尻目に、
奏は自分の着ていた制服を脱ぎだした。

 

 

『先日は貴重な意見をありがとうございました。
話の続きをそちらが希望されるなら連絡をお願いします。
それとこちらの生徒が一人そちらの家にお邪魔していた様です』

 

 

これがさっき携帯に届いた比堂の教師からのメール。
そして、今串田の眼前には何も言わずにただ泣きじゃくるだけの肉塊、いや妻の隣子。
最後に見てから半日も経ってないのに、その時より4倍近い横幅になってしまってる。
誰が着せたのか知らないが、何故か比堂学園の制服を着ている。
いやむしろ全く着れておらず、むしろ全裸よりも惨めさが引き立っている。
お腹は最早隣子の身長を越すほどのサイズで、下っ腹が床に付いてしまう程だ。
脚はドラム缶、それを倒したかの様な有様である、
腹に遮られ動かすこともできずに無造作に投げ出されている。
これでは立って歩くことも出来ないかもしれない・・・
丸太の様な太さの二の腕もだらんと横腹に添えられているだけだ。
手も十本の指に至るまでパンパンに膨れ上がり、
こちらは物を持つことも出来ないかもしれないと思わせる・・・
一番の肥大化を遂げたのは胸だった。
そう言えばまだ救いがあると思うだろう。
しかし実際には重さで垂れ下がり
お腹に乗っかりながらせり出している奇乳でしかない。

尻は胸よりかは幾分か小さいが、それでも人一人の体重を上回りかねない程の質量がある。
今は全体重を持って圧迫されているお陰で綺麗な円形を保っている。
顔にはそれ程脂肪はついておらず、目鼻立ちはギリギリ保たれているが、
首は埋もれてしまい、嗚咽の声は野太いものだった。

 

(これが私の口出しに対する比堂学園の返答・・・・)
串田も何も言えずに立ち尽くすだけだった。

 

 

串田隣子(25) 166cm 54kg→223kg
80・57・78→201・170・188

 

 

 

早朝の比堂学園の中等部の校舎、奏が教室に入る。
居たのは、壮年の男子教師だけだった。
「上岡、市役所に務める学園の職員から連絡があった。」
「口出ししてきたあの夫婦は離婚した、それも嫁の方から言い出してな イイ気味だ」
教師の言葉に奏は一瞬耳を傾け目尻を吊り下げ微笑を浮かべる。
それからすぐに元の無表情に戻り自分の席に着く。
「『自分の仕事が成功したのは嬉しいが、成功したことをそれ以上振り返る気はありません』
教師はその表情の動きから奏の考えを正確に読み取っている。
「その心意気だ、それでこそ我が学園の一員に相応しい」
教師の言葉を聞きつつ学生としてその日の授業の予習を始めた奏。
その途中、不意に自分が『処分』した隣子と串田が離婚に至るまでにどんな経緯を辿ったのか、
変わり果てた体になった隣子のこれからを想像して、
何か楽しいことでも考えた時の様に少し笑った。

 

 

 

【解説】
 奏は自分に対して恐怖心を抱いた女性を肥満化させることが出来る。
 これはそういった薬物を摂取した結果の体質変化であり、
 メカニズムは 
 @対象と十数分間近距離でいることで
   自分の息を通して相手の体内に肥満化薬を送り込む。
 A言葉を使い相手を怖がらせる。
 B脳が恐怖を感じたことをトリガーにして
   相手の体の細胞に入り込んだ肥満化薬の成分が反応し脂肪細胞を増殖させて
   相手を太らせる。
 尚数分で肥満化薬の成分は消滅し、その際に相手の体に耐性が出来るので
 同じ相手を二回以上太らせることは出来ない。


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