肥やし屋本舗 上岡奏

肥やし屋本舗 上岡奏

 

 

人が去って久しい廃ビルの小部屋、ここに3人の女性が連れ込まれていた。
「ここは一体どこなのでしょうか・・・」 
蟹座波佐美(かにざはさみ)24歳の中学教師。 
「うぅ、怖いよぉ・・」
鱈場阿和子(たらばあわこ)8歳の小学3年生。
「あーもぉ、びびってないでこんなとことっとと、出ようや」 
御雌雅白子(おめがしらこ)18歳の高校三年生。
この3人、年齢も性格もバラバラで大まかな共通点など無さそうである。
しかし、それが1つ有った。 それはこれから辿る運命であった・・・
バタンッ!! 「「「!?」部屋のドアが蹴破られ、
突如3人の所に茶髪を短く切りそろえた調理服姿の大柄な少年が入り込んできた。
少年は突然の事態に固まった3人の中から阿和子を捕まえ、引きずり出し・・・ 
大きな右手を阿和子の小さな口に突っ込んだ。
「!!」阿和子は異物を挿入される痛みから暴れ出すも、
大人並みの体格を持つ少年はものともせず、右手を入れたままだ。 
「て、てめぇ!何のつもりだ!」 「そ、その女の子を放しなさい」

残る2人も事態を受け止め少年に掴みかかろうとしたが、
その直前に少年は右手を引き抜き、ドアがあった方から駆け出していった。
阿和子はその場に乱暴に放り捨てられる。
「あんた、その子を見ててくれ!あたしはあいつをとっ捕まえる」
波佐美にそう言って、白子は少年を追いかけていった。
「は、はい」波佐美は素直に聞き阿和子に近づく。
ゲホッ ゲホッ 阿和子は咳き込んでいた、口からは小さな赤色の粒がこぼれてる。
少年にこれを押し込まれたのか、これは飴玉だろうか。
「だ、大丈夫、すぐに吐き出そうね」
波佐美は阿和子の首筋をとんとんと叩く、返ってくる感触は子供らしくほのかに柔らかい、
その柔らかさが急に大きくなった。 「!?」 「うえぇ!?」

 

阿和子の年相応に細い体がどんどんと肉を付けて膨れていき、
数十秒後には体重だけなら成人女性の波佐美を上回る程の肥満体と成り果ててしまう。
手足は二倍強の太さになったが、付いた肉が垂れていて安定感など感じさせない。
パンツが破れスカートも押し上げられ、
サッカーボール程に大きくなったお尻が丸見えになってしまってる、
お腹は妊婦の様に大きくなっていて、服のボタンも一番上と一番下を除き弾き飛んでしまってる。
年が年だからか、胸との境目がはっきりしてない。
首も膨れた顎肉に埋もれてしまった、波佐美が叩いてた辺りで丁度肉の段差が出来てる。
しかしその上の顔はあまり脂肪が付いていず、以前の輪郭を保っている。

 

ショックの余り阿波子は気絶してしまい、波佐美も突然の事態に何も出来ずにいる。
周囲は沈黙に包まれてる、ひび割れた壁の隙間から銃弾が飛びスーツに小さな穴を開け、
波佐美の首元に当たったが、彼女は気付いてない。
「と、と、ともかくあの人と合流してここを出ないと」 
波佐美は意を決して重さによろけながらも阿波子を背負い、
少年が蹴破ったドアから出ようとする。
しかし、出れない。 「あれっ?」
出ようとしても何かがつっかえた様な感触が返ってくるだけで    つっかえる? 「!!」
そう、つっかえてる。 段差を作りながらせり出ているお腹とそのお腹も上回る大きさの胸の幅が、
ドアの幅を上回ってしまい、つっかえてる。
お尻もパンパンに巨大化し脚は間の隙間が無くなるほどに大きくなり、
さながら一本のドラム缶である。
二の腕は、脚と同等の太さと大きさでしっかりと阿和子を抱えてる

 

「そ、そんな、私までぇ・・・」 ドアに引っかかりつつも何とか後ろに下がった波佐美は、
一旦阿和子を下ろし自分の体を触る。返ってくるのは厚く柔らかい脂肪の感触、
しかし顔を触ったときの感触は以前と全く変わってない・・・
「え?何でカオだけ・・・それに何で服が着れてるの・・・?」 
そう体型が激変したにも関わらず服は以前と同じように着れている・・・
「おっと、そこまでですよ」 少年の澄んだ歌声が響いた・・・

 

「ちくしょう、あんにゃろう、何処逃げやがった」
その頃白子は阿和子に飴玉を突っ込んだ少年を見失ってしまってた。
「仕様が無い、戻るか」白子が後ろを向くとそこに自身と同年代の少女が居た。
「おいあんた、どうしてこんな所いるんだよ」 少女は答えない。
「あんたもいつの間にかに連れてこられたのか?」 少女は答えない。
「黙ってないでなんか言ってくれよ・・・逃げた野郎を見かけたりしてないか?」
「逃げた野郎なら今目の前にいんよてめーだよ」少女は答えた。
「え・・・」 「義味にびびって理由をつけてもっともな理由をつけてその場を逃げ出したんだろ
とんだヘタレじゃねぇかガキを見捨てるなんてよぉ」
「いや、そういう訳じゃないって」 
「どういう訳なんだこらこんな目に遭いたくなくて逃げた以外のどんな訳があるってんだよ」
少女は携帯電話を開く、その画面に映っているのは変わり果てた阿和子と波佐美だ。
「!ど、どういうことな 「びびったろ!怖がったろ!!恐れおののいたろ!!!てめぇは逃げたんだよ!こんな目に遭いたくなくて!!こいつらみたいに豚のようになりたくなくて!!!」 
「・・・ご・・ごめん・・」
少女の叫びを聞き、二人の変貌を見て、白子は罪悪感を抱く。
それが少女の、肥やし屋本舗工作員、上岡奏の狙いだった。

「さぁてめぇの罪を量りな!!!」
白子の着ていたブレザーを膨らむ体が押し上げ、引き裂く。
スカートもホックを千切られ、ストンと落ちる。
衣服を引き裂くだけあって、その体の肥大化は凄まじい。
全身くまなくブクブクと脂肪に包まれていく。
顔にも容赦なく肉が付きパンパンの丸顔になり、
目も少しながら頬肉に圧迫されてしまってる。

 

「ひ、ひ、ひぃやぁ「うるせぇぞ!このヘタレデブ!!このビビリ豚!!!」
白子の悲鳴を奏の蹴りと悲鳴を遙かに上回る音量の罵声がかき消す。
肥満化に対応しきってない体は蹴り一発で転び、
丸くなった体はゴロゴロと転がってしまう。
蹴られた腹を太くなった腕で覆いうずくまる白子。
「けっ!こんなもんで済むわきゃねーだろ!!」
奏は白子を更に踏みつけようとしたが、
横から出てきた空色の髪をした小柄な少年がそれを遮る。
「奏さん、この位にしてくださいよ、体の傷は俺でも消せないですからね」
「ちっ分かってるよとっとと消しちまいな響也!」
響也は歌い出した、その澄んだ歌声は白子の傷ついた心に染みこんでいき・・・

 

人が去って久しい廃ビル、ここからまた3人の女性が出て行った。
「全く私たちはどうしてこんな所にいたのでしょうか」
蟹座波佐美 24歳の中学教師。3桁を越してるであろう肥満体をきっちりとスーツで覆っている。
いや、胸の辺りのボタンが閉じきれず深く大きな胸の谷間が露わになってる。
それ以外はピッタリと着れているが、その分かえって体の大きさが際だっている。
特に胸を乗せたメートル越しのお腹と巨体を支える脚は歩く度に微かに揺れている。
「早く帰らないとパパに叱られちゃうよぉ」
鱈場阿和子 8歳の小学3年生。 身長は年相応だが体重は成人男性と並ぶだろう。
LLサイズのジャージを着ているが、それでも腹回りは丈が足りておらず、
でっぷりとズボンに乗っかている下っ腹が丸見えになっている。
「あ・・あだしここから帰れるかも分からないよ」
御雌雅白子 18歳の高校3年生。
横幅とぱっと見の重さは波佐美と大差ない肥満体だが、足取りは二人と比べ明らかに遅い、
それと二人は顔にはほとんど脂肪が付いてないが、白子の顔は丸々と膨れあがってしまってる。
その下の首にもたっぷりと脂肪が付いていてそのせいで喋るのもままならない様だ。
「本当にどうしてここまで来たのでしょうか・・・」

「おウチからどこまで離れてるのかなぁ・・・」
「ま、まっだく自分の体型考えとふべきだったなぁ・・・・」
白子に合わせてえっちらおっちらと歩いてく3人。
この3人、重度の肥満であることは一緒だが、脂肪の付き方も太った影響もバラバラで、
それ以外の大まかな共通点など無さそうだった。いや、1つだけあった。
それは今その様を見つめニヤニヤと笑っている男に恨まれていたということである。

 

「けけけっあのアハズレ共いい気味だ」
「それでは報酬の方ですが、」男の脇に控えていた響也が電卓を出す。
「即効性肥満化のスイートコース1つ」
短髪で大柄な方の少年、義味が読み上げる。
「即効性肥満化のサイレントコース1つ」
スナイパーライフルを構えた細身の中年女性、疾風が読み上げる
「・・・」 「即効性肥満化のバイオレンスコース1つ」 
口を開かない奏に代わり響也が読み上げた
「合計がこちらになります」響也が提示した金額を現金で渡し男は去った。
「誰かを肥やしたい時はまたいつでもご連絡を」
響也が決め台詞を言った後、彼らもその場を去っていった。

 

響也「さてと、そろそれ夕飯の準備しないとね、今日の食事当番は?」
義味「私です」 響也「・・・そういや俺依頼人との打ち合わせがあったな」
「仕様が無いから、外で食ってくるよ」
疾風「響也君、嘘は良くない、ご飯は一緒に食べる物よ」
響也「だって義味さんの用意するご飯ってレトルト食品じゃん」
「それもどこで買ったのか知らないマッズイ奴」
義味「私の腕は肥やし屋の為に使うものですから」
奏は黙ったまま3人のやり取りを微笑みつつ見てたが、
携帯の液晶に映った今回犠牲となった3人に視線を移し、今度は嘲る様な笑みを浮かべた。

 

 

肥やし屋本舗 上岡奏 第1話「その名は肥やし屋、彼女の名は奏」 おわり

 

 

蟹座波佐美 24歳 先日ある男性の落とした鞄を届けたところ、
どう勘違いしたのかその男性に交際を申し込まれたが、遠回しに断っている。
165cm 56kg→102kg 
83・56・81→112・106・101 

 

鱈場阿和子 8歳 先日ある男性の近くのベンチに座ろうとしたら、
「児童ポルノ法違反で逮捕させる気か!」と言ってその男性は暴れ出し
止めに行った人を殴りつけたので傷害の現行犯で連行されている。
132cm 29kg→65kg 78・91・102

 

御雌雅白子 18歳 先日ある男性に援助交際を申しかけられたがきっぱりと断っている。
162cm 45kg→91kg 86・52・79→102・91・97

 

 

肥やし屋本舗 全国にネットワークを持つ肥満化代行業者。
多数の肥満化手段を有し体重・体型・体への影響等どの様なリクエストにも対応している
時間をかけて対象を太らせる長期性性肥満化と即時に対象を太らせる即効性肥満化及び
依頼者自身による肥満化計画のコンサルタントを行う
今回出たのは中部地方支部のメンツ

 

四季屋疾風(しきや はやて) 53歳の女性で中部地方支部の支部長。
消音性のスナイパーライフルを使い、薬物を装填し痛みを与えない特別製の弾丸で狙撃し、
対象に気付かせることなく肥満化させるサイレントコースを主に担当する

 

束井麻義味(つかいま よしみ)
18歳の少年で束井麻雨夫(拙作『肥らせの迷宮』シリーズ参照)の息子だが、
父親との確執で家出したところを奏に見込まれ肥やし屋の工作員となる。
栄養素とカロリーを凝縮した自作の菓子を対象に食わせて肥満化させるスイートコースを
主に担当する。

 

宍田響也(ししだ きょうや) 13歳の少年で母親に性的虐待を受けていたところを
肥やし屋に救われ、借りを返すために工作員になった。
改造された声帯から発する歌声は聞く者の記憶を消し、
それによる肥満化後の後始末と経理、依頼人との交渉を主に担当する。

 

上岡奏(うえおか そう) 17歳の少女  拙作『口は肥満化のもと?」より登場。
あれからも優等生として中学校生活を送っており、真っ当に高校進学をするはずだったが、
ある事件により進学を諦めざるを得なくなり、家にも居られなくなり
売春で日々の糧を得ていたところを肥やし屋に拾われ、工作員となった。
あらかじめ「罪悪感」をトリガーに発動する肥満化薬を対象に撃ち込んでおき
(今回は気絶させてビルに運び込む間に撃ち込んだ)、対象への言葉責めで
肥満化薬を発動させるバイオレンスコースを主に担当する。
上記の様に過酷な生活をしていたことから、真っ当に生活できている者への憎しみは深く、
今回の様に対象に肉体的暴力を振るうこともしばしばある。


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