なら、私は祝うっ!!

なら、私は祝うっ!!

 

 

パティシエを育成する専門学校であるここ、岩井パティシエスクール。
この度フランスで行われたコンクールにここの女学生が参加し、
最優秀賞を受賞して今日帰ってくるのだ。
凱旋帰国と言っても過言でないのだ。
スクールの皆はさぞ鼻が高い、はずだった。

 

 

(何であいつが参加したんだよ)
(ちくしょう、うちらのメンツ丸潰れだよ)
(優勝するなんて、大手の機嫌曲げる様なことしでかしやがって)
(これのせいで来年の入学生徒は増えるよなぁ・・・
来年度の予定がメチャクチャになっちまったよ・・・)

 

ホールに集まった生徒と教師は、皆呪詛の言葉をポツポツと呟いてた。
飾られた写真に映っているのは、短く切り揃えた薄茶色の髪に端正な顔、
細身の肢体の中で一回り飛び出た美乳を持つ少女。
彼女がこの度最優秀賞を受賞した生徒、口島裕華(くちしま ゆうか)である。
この様に優れた容姿も持っているのだが、

 

(最優秀賞・・・フランス行ってまで腰振ったのね、あいつ)
(さぞ向こうでフランス人の男達と楽しんできたんだろうな、
俺達を差し置いて)

 

 

・・・そうこう言ってる内にホールの大扉がゆっくりと開いていく。
「主役のお出ましの様だな」
誰ともなく言った言葉に、皆が作り笑顔を浮かべる。
そして入ってきた主役の姿を見て皆の表情は、
ある意味での、本当の笑みに代わった。

 

「兄崎先生、口島の出迎えパーティーに出なくていいんですか?」
「   そうゆうことは性に合わないんだよ」
「でも先生、校内審査じゃ俺達担任の生徒を全員負かして、
一般枠で申し込んだ先生も負かして」
「審査に不服を申し立てて、審査員にボロクソに論破されて・・・」
「そんなあいつが、留学を経て比べものにならない程大きくなって帰ってきたんですよ」
「ともかく、私はパーティーに行かない。君達は行くなり自分の練習するなり好きにしなさい」 
そう切り捨て、自分達の生徒に背を向け去っていった女性、兄崎朱美(けいざきあかみ)、
ここの教師であり裕華と同じく優れた容姿とパティシエとしての高度な技術、
そして男女問わず高い人気を持っている。
「口島さん・・・大きくなったのね・・」

 

 

パーティーが終わる時間、ホールから参加者達がぞろぞろと出て行く。
そして主役が最後の最後に出てきた。 
「口島、最優秀賞おめでとう。しかし、あくまでこれは通過点でしかない」
「これに慢心する事無く、今後も精進を重ねて欲しい」
偶々通りすがったのか、脇の廊下から現れ一気に言い切る兄田。
「ありがとうございます、兄田先生」 返事をする裕華。
目を開く、(閉じたままさっきのセリフを言ってた)、兄田。
そして、絶句した。

 

目の前に居るのは丸々と太った少女。
LLサイズのスパッツから伸びる二本の脚は間に隙間が無く、
内股が密着しムッチリと変形している。
お尻はスパッツに収まりながらも、その上でその大きさを主張し
上半身に釣り合う安定感を醸し出してる。
二の腕は以前の倍以上の直径になり、ブラウスの袖口がパツパツになってる。
胸は綺麗な円形をしながらも十数kgの質量を有するであろう爆乳で、
その胸と比べると小さいが、妊婦の様にせり出しているお腹。
そして、二重顎の上のパッチリとした瞳にくっきりとした鼻立ちと
汗できらめいている、薄茶色の綺麗な髪。
紛れもなく、口島裕華である。

 

 

「・・・ああ、この体型ですか」
「勉強の為に向こうのお菓子を食べていたら、食べ過ぎちゃいまして」
「そ、そうなのか・・・」
   「  明日の早朝にこのホールに一人で来てください 」
「!?」 混乱が収まらぬ内に小声でこう言われて更に混乱する兄田だった。

 

まだ日も昇りきってなくて、早朝と言うにも早過ぎる時間帯。
休日という事も有り人気は全く無かった。いや、
「どういうつもりなの・・・」 兄崎がホールの扉の前に居た。   
(まさか呼びつけただけじゃないよね、口島さんはそういう事する様な娘じゃない・・・)
あの娘は本当に優秀で、熱心で、優しい子。
でも周りの人達はそんなあの娘を嫌う。
今回のコンクールも出場できた時点で凄いのに、
スクールの皆は妬んで羨んで、呪うだけだった。
「だから、私だけでも・・しようと思ったのに」 
そう呟いて扉を開く兄崎。

 

「本当に、ありがとうございました!兄崎先生!!」 ホールの照明が一斉に付き、
大量の、形の整った上等なお菓子が乗ったテーブルと、
深々と、と言うには残念ながら胸とお腹がつかえてしまってる、
頭を下げる裕華が照らし出された。
「 有り難う・・って、どういう事なの? 口島さん」
「私のコンクール出場を祝ってくれたことですよ」 「えっ・・・」
「フランスに着くとすぐに、テーブルに乗ってるのと同じくらいの量のお菓子が送られてきました。」
「『出場おめでとう』って書かれたカードがついてました。」
「名前は書かれてませんでしたけど味で分かりました。」
「これは先生が作ってくれたものだって」

 

「  いやあれは私じゃないっ!」
「カードには『がんばって』ってしか書いてないし!」
「 言っちゃいましたね」 「あっ・・・」
「そのお陰で、素直に向こうの味を吸収して自分の技術を高めて・・・
「優勝する事が出来ました」

 

「でも、そのせいでそんなに太ってしまって・・・」丸々と膨れ上がった裕華の体、
整った容姿も周囲から嫌われる一因だったが、これで好転するとは思えない。

 

「どうしても気になるってなら、その分のお返しも兼ねて」 
「フランスで買ってきたものに、コンクールで出品された作品を再現したもの、
そして最優秀賞を受賞した私の、現時点での、最高傑作」
「どうか、全部召し上がって下さい♪」
「・・・全部?」 「食べないなら捨てますよ?」
「これはあなたと、百歩譲って私自身にしか食べさせる気は無いですから」
「分かった・・それじゃあ、いただきます」 
「二人だけの、本当の最優秀賞受賞記念パーティーの始まりですっ」

 

 

 

二つの受賞記念パーティーから、1ヶ月が経った。

 

(口島の奴、相変わらずバクバク食ってやがる)
(最優秀賞とって、ますます調子に乗りやがったな)
(兄崎もすっかり口島の太鼓持ちになっちまった)
(最優秀賞受賞者さんのご機嫌取っておこぼれでも欲しい訳かい)

 

裏庭で一緒に昼食をとっている少女と女性、
裕華と朱美にかけられる陰口。
裕華は全く気にかけてないが、朱美は少々気になる様だ。
「そりゃあ嫌われるよね、こんな体・・・」
「私は大好きですよ先生のその体、それより早く食べないと昼からの授業に遅れますよ」
「あ、あぁ、そうね・・・裕華さんこの卵焼き美味しい♪」
「先生の鮭の煮付けの方が美味しいですよ♪」

 

笑顔で互いが持ち寄ったお弁当を食べる二人。
その体は真ん丸い肥満体である。

 

朱美はあのパーティーで大量のお菓子の大半を食べ、
それで胃が一気に大きくなってしまい、激太り。
何とか減量しようと運動もしたのだが、
いかんせん食事の量が多くなったので余り効果を出せずにいた。
裕華と親しくしだしたのがご機嫌取りとみなされたのと、
変わってしまった体型のせいで人気は急落し、
今では裕華とためを張るほどの不人気ぶりである。

 

裕華は、朱美の運動に付き合い胃もそれ程大きくなってなかったので、
とても緩やかながら減量に成功しており、
二重顎は消え、以前のすっきりとした顔にほぼ戻っている。
しかしそれ以外は分からない程度の減量である。

 

 

モデルの様な体型だった朱美は、相撲取りの様な体型になっていた。
本物の相撲取り程引き締まってる訳ではないが、
垂れたりはしてない綺麗な太り方をしている。

 

以前はスカートから伸びる細長くすらりとした脚が男子から人気だったが、
今はジーンズをはち切れんばかりに押し上げる太く肉感的な大根脚である。
そのしなやかさで繊細な菓子を作っていた細い指も、
その技術こそ損なわれてないが、パンパンに膨れ、
丸太の様な二の腕につながっている。
元々巨乳だった胸は最早スイカ並みの大きさと重さを持つ爆乳であり、
お腹に乗っかりながらせり出している。
男子からは奇乳扱いされ、朱美自身もその大きさを嫌がってるが、
以前の綺麗な形は保っている。
その上彼女の作るプリンの様な極上の感触を持っている事は、
(時々触っている裕華を除いて)誰も知らない。
お尻はお尻でとても大きい、こちらはパンパンに張り詰めていて、
バランスボールの様である。
そして一番の変化を遂げたお腹、
裕華よりも遙かに重く大きいその様はまさに臨月の妊婦
それでいて胸の様に柔らかく、

座ると変形して二段腹を形成する様になった事も朱美の悩みの一つだ。
後、顔は今の裕華と同じように少し頬が膨れた程度である。

 

 

口島裕華 17歳 163cm 46kg 82・57・76
→86kg 103・91・98
→83kg 103・88・95

 

 

兄崎朱美  28歳 169cm 52kg 86・53・82
→102kg 121・132・118

 

 

 

「 げふ・・・ご馳走様でした、それじゃあ裕華さん、今度は休みの日にスポーツジムでね」  
「ええ、楽しみにしてます(その後のディナータイムを)」
自分の授業の準備に向かう朱美。
彼女の送った菓子、すなわち祝いの心が元で大きくなったお腹をさすりながら
裕華は思う。 (賞なんていらなかった。)
(私の作るお菓子を喜んで食べてくれる友達が一人でいいから欲しかった。)
(先生と友達っていうのも変だけど・・・でも本当に嬉しい)
(お返しのせいで太らせちゃったけど・・・)
(でも痩せてたときより今の方が笑ってる様な気がする、私もそうだけど) 
(こういうことってこう言うのかなぁ)

 

歩く度に揺れる胸とお腹、自分の送った菓子、すなわち祝いの心が遠因となって
ここまで大きくなったその重みを感じながら朱美は思う。(人気なんていらなかった。)
(互いに競い合うライバルか互いに遊び合う友達が欲しかった。 
(まさか、生徒とこういう関係になるとは思わなかったけど・・・でも嬉しい。)
(まさか、お祝いが元で太っちゃうなんて思わなかった)
(・・・でも、よく笑う様になった今の方がすっといい)
(つられて私も太って・・・よく笑う様になって・・・) 
(こういうのってこう言えるかな)

 

 

 

「「人を祝えば、笑顔二つ」」


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