欲張りなお姫様

欲張りなお姫様

 

 

平和を謳歌しているとある小国、その王宮に異国からの商人が来ていた。

 

「欲張りには毒になる菓子、だと?」
「ええ、欲が無い、または欲が軽い者にはとても美味な菓子ですが
もし欲張りな者が口に出したら毒になってしまうのです」
「毒と言っても、命に関わるようなものではありませんしすぐに治る様な軽いものです」

 

「では、この私が毒味を」 
王宮の毒味役である厳つい顔つきの中年の男が菓子を口に運ぶ。
「これは・・・とてもおいしゅうございます」
他の毒味役や罪人にも与えてみたが、何も問題は無かった。
そこで王はこの菓子を数百個ほど買い、まず自分を始めとした王宮の皆で食した。
ある一人を除いて。

 

 

王宮の中で最も美しい装飾がなされた部屋、そこであの菓子を食べているのは
長い薄い金色の髪をロールしてまとめた見目麗しい少女。

 

「どうしてお父様は私にだけこの菓子をくれなかったのかしら・・・?」
この少女は王の娘、この国の姫君である。
王は国の後継者となる姫君に毒になりうる物を与えるわけにはいかないと、
考えていたが、分かってもらえなかった様である。
そして王の親心の方が正しかったことが明らかにされる・・・

 

姫君がこっそり菓子を食べた日の翌日、
その日は王宮主催のパレードが開かれる日だった。
当然姫君も民の前に姿を見せる。
シンプルで綺麗なドレスにその細身を包み、かつ自然にその存在を主張している豊かな胸。
その姿に多くの民が、ある欲望を強く抱く。
  その結果、あの菓子が姫君にとって毒となり、毒としての効能を現す。

 

 

突然姫君の体が膨れだし始めた。 「!?」
ドレスがパンパンに押し上げられていき、
より大きくなった胸が覆っていた布地を引き裂き、揺れながら飛び出す。
その時点で姫君の膨張が止まった。

 

見ていた民達も王達もこの異常な事態に何の行動も起こせず、
ただ傍観することしか出来なかった。

 

全体として元の体から2周り程太くなったが、
その体は胸を除いてドレスにギリギリ収まっていて、顔に変化が起こらなかったこともあり
ぱっと見では以前よりグラマラスな体で、
姫君が荒い呼吸をする度に飛び出している胸が重々しく震動している。
   その様を見た民の一部が、前屈みになった。

 

 

  その直後、姫君の体がもう一回り膨張した。
お腹が布地を破ってしまい大量の脂肪を蓄えでっぷりとしたその姿を見せる。
大きくなりすぎた胸が大きさで上回ったお腹に乗っかり、
下半身を覆う布地も押し上げてくる脂肪に耐えきれず引き裂かれてしまう。
顔も脂肪で膨れ輪郭が丸くなっていった。
姫君の印象をがらりと変えたところで今度こそ完全に変化が止まった。

 

 

変化を遂げた姫君の今の体は全身が脂肪に覆われた肥満体で、
以前の倍以上の重さがあろう。
変化のショックか全身の脂肪が紅潮し汗ばんでいる。
下半身は一部しか見えないが、それでもその太さが分かる。
布地の亀裂から丸太の様な太ももどうしが密着している様子がチラリと見えてしまう。
まだ保っている布地で見えないが、お尻も巨大化しておりメートル越しは確実だろう。
それでも上半身に比べたらまだ細く見えてくる。
細長いほっそりとした二の腕は、太くでっぷりとしたものに成り果て、
手袋がパンパンに押し上げられている。
元々大きかった胸も更に巨大化し、頭よりも大きくなってしまい
やや形が崩れてお腹に乗っかっている。
乳首の辺りは辛うじて隠れているが、ほぼ丸出しであり、
お腹に乗っかっているその様はまるで特大の「プティング」である。
そして一番の変化を遂げたお腹。大きさこそ臨月の妊婦だが、
その柔らかさと張り詰め方は紛れもなく脂肪にして肉のそれだ。
顔にも結構な量の脂肪が付き、頬がぷっくりと膨れた丸顔である。

 

姫君 163cm 44kg 91・57・82
→93kg 112・121・105 

 

 

ショックからひとまず立ち直った姫君は
「ど、ど、どーしてこんなことにぃぃぃ!!・・・」
涙混じりの絶叫を響かせた。
この後、ショックでとち狂った王が、
国中の女性に姫君よりも太るお触れを出したり
痩せさせるために他国の商人から怪しげなアイテムを買い、
いらぬ騒動真を招いたりと様々な事件が起こることになるのだが、
それを経てもこの国の平和が乱れることは無く、
姫君は、太った体のまま、幸せな一生を送りましたとさ。
めでたしめでたし。

 

 

 

 

 

 

 

 

青い木々が生い茂った森、その中の小さな湖。
姫君が肥満化を果たす一部始終がそこに映っていた。
それをのぞき込んでいるのはあの商人だった。

 

「あーあ、あのお姫様が一番の欲張りだったわけか」

 

この商人とあの国の人々にとって欲張りという言葉の持つ意味はかなりずれていた。
商人、ひいては彼の国にとっての欲とは、
現在で言うところの「性欲」のみを指していて、
「欲張り」とは多くの人間から性欲の対象になっている者のことを指していた。
王宮において互いに交わしたり民が王宮に向けたりする感情は、
「愛情」や「信頼」が主なものだった。
しかしあの姫君はその美しさから多くの民や、
王宮の一部の者にとっては性欲の対象でもあった。
そのため、あの菓子が毒、現在で言うところの「肥満化薬」となったのだ。

 

「まあ、欲張りなのはお姫様だけじゃなかった様だけど」
商人が湖を指で突く度に湖に映る映像が別のものに変わっていく。

 

メイドが服を脱ぐと同時に押し込まれていた腹肉が飛び出す。
 仕える騎士にベットに押し倒され全身の肉を揉みほぐされ歓喜に悶える侍従。
 地下牢の一室には脱獄するために壁に空いた穴に無理矢理体を突っ込んだ結果、
腹肉がつっかえて動けなくなってしまった囚人がいた。

 

「それにあの国は末永く平和を保つ様だし」
指で軽くかき混ぜると、未来の映像に移り変わっていく。

 

「それじゃあ次の営業ははこの世界でしようか  欲張りも多そうだし」
ある映像を映したところで商人が湖に飛び込んだ。
そこに映っていた像は紛れもなく現在の日本の町並みだった。


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