責と功 GM少女の後日談とメイド少女の前日談

責と功 GM少女の後日談とメイド少女の前日談

 

 

アパートの一室、巨大なベットにはみ出しながらも身を委ねぐっすりと眠っているのは佐々木悠。
その横に何故かソファーに座り込みながら寝ているのは宇野千弘。
目覚まし時計が鳴り悠が目覚めたが、 「ん、んん・・・」
起き上がろうとしても、腹がつかえて起き上がれない。
「はいはい」のっそりと悠の体をずらし、立ち上がらせる。

 

 

あの重さの神の事件から2週間程経った。
この2人、体型の急激な変化にこれまで暮らしていた家では生活に支障が出てきたので、
他の条件が悪い分、部屋が広く家賃が安いこのアパートに引っ越し共同生活をしだした。
「タッチー、いつになったら来るんだろうか?」 「分かりません・・・」

 

被害を受けた2人はこうして立ち直ったが、
重さの神を封じた2人の恩人にしてGMの橘作乃は
あれから程なくして大学に姿を見せなくなってしまった。
「私達は住所も知らないし」 「携帯にも出てくれないし・・・」
トントンと、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「はい、今開けます」
悠が考えを中断し、とてとてと駆け寄りドアを開ける。

 

入ってきた相手は悠の突き出たお腹に軽くぶつかってしまった。

 

「! すみません!」 相手がすぐさま頭を下げた。 
結果、相手の頭が胸に当たり、そのまま深く埋もれてしまう。
「!・・・重ね重ねすみません・・・」
「いや、いいって、いいって」 
「そりゃぶつかりもしますよ、見ての通りの体型ですから」
「それであなたはどちら様でしょうか?」
入ってきた相手は薄金色の綺麗な短髪と人懐っこい印象の可愛らしい顔、
そして出るべき所は出て引っ込むべき所は引っ込んでいる体型をした橘と同年代の少女だった。
「過龍、光樹です」

 

橘は自室でパソコンと2冊のノートを机に広げ、何かを書き込んでいた。
そうしていた橘の耳にピンポーンとチャイムの音が入ってきた。
「通販で頼んだあれが・・・」 ドアの方にドスドスと駆け寄る橘。
ドアを開く、それと同時に玄関の段差に足をつまずかせる。
その勢いで飛んだ先にいたのは光樹、橘がその見知った顔を認識する前に、
成人男性並みの体重でのぶちかましで押しつぶしてしまう。
「光樹・・・」 「作乃・・久しぶり・・・熱いからどいて」
「重いってはっきり言いなよ」 

 

今光樹の視界を埋めているのは橘のメートル近いサイズの胸。
その重量をもって光樹の呼吸の自由を奪っている。
お腹も今当たっている光樹の胸と同等のサイズであり、
互いに押し合い変形している。

 

のっそりと起き上がる橘。視界を取り戻した光樹の目に入ったのは、
橘の見知った顔に、見知らぬ体。
切れ長の瞳に整った鼻筋にさっぱりとした黒髪、
そして以前の怜悧な印象を辛うじて残している膨れた頬に丸い顎。
その下の胴体は、その横に大きな体をジャージに押し込めた、
成人男性以上の体重があろう肥満体だ。
まず、頭と繋がる首筋は脂肪がみっちりとつき、鎖骨が見えなくなってる。
太鼓腹とまではいかなくても、ぽっこりとした大きなお腹。
以前は小さめだった胸も、今では立派な巨乳である。
しかし、その重さからやや垂れてお腹に乗っかりながらせり出している。
二本の脚はズボンの布地を押し上げ棒風船の様に膨れあがっている。
その真上のお尻は丸く大きく膨れていてそれこそ風船の様だ。
しかし、実際には空気ではなく瑞々しい肉がみっちりと詰まっており、
そう考えると、ウインナーと桃の様だとも言える。

 

「タッチー!?」 「橘さん!?」
悠と千弘は光樹の後を少し離れてつけていたが
橘の転倒とその膨れた体を見るなり慌ててそちらに駆け出した。
その走りは、全身の脂肪を震動させての体型相応のどてどてとしたものだが、
その速度は、揺れる脂肪に遮られた分を引けば元の体型のものと大差ない。
「佐々木さんに宇野先輩・・・」
橘は久しぶりに会う二人に驚き、一瞬ばつの悪そうな顔をして
「えっ!?お二人ともその体重でそんな早く動けるの!?」
光樹は二人の走りに驚き、失礼なことを口走った。
「体重?ああ、そういやタッチーも過龍さんも知らなかったね」
「ちょっと借りるよ」家に入った千弘は廊下にあった体重計の上に立つ。
体重計に映った数字は、54、5kg
「!?・・・これは・・・」
「体重、つまり重さは戻った様なの、姿は戻らなかったけどね」
「え、でも172kgと164kgってどこかに書いてませんでした?」

 

 

 

 

 

 

 

「  い、いや、それは外見から判断した数値だから・・・」
「その長い間は何ですか、まさか今考えたって訳ですか?」

 

「そんなことより橘さんはどうして今まで引きこもっていたの?」
「まさか・・・」 
「いや私別に引きこもってた訳じゃないし、家族と一緒に旅行に行ってたんです」
「で、その時に風邪引いちゃって、一昨日まで寝ていて、昨日今日は土日だったから・・」
「じゃあ何で旅行のこと言ってくれなかったのさ」 
「 言う必要無いと思ってたんです」
千弘の問いに橘はすぐに返答する。
「風邪引いたならお見舞いに行ったのに」 
「  移すといけなかったから」
悠の問いに橘は少し間をおいて返答する。
「責任、感じてるんでしょ」  「・・・・・」 
光樹の問いに橘は押し黙ってしまう。
「図星の様だね」 「まさか、あんたに当てられるとはね」
「タッチー・・・」 「橘さん、責任って・・・」

 

「あの重さの神に言ったとおり元々アンフェアダイスを持ち込んだのは私なのに」
「その私だけ元の体型を保っていた」
「そう考えるとどの面下げて二人に会えばいいか分からなくて・・・」
「自分の責任から目を反らしたくて・・・逃げたくて・・・」
うつむいてふるふると震える橘、
その体を程よい重さととてつもない柔らかさが覆った。
そう、悠と千弘が橘を抱きしめたのだ。
「責任なんて無いさ」
「・・・宇野先輩」
「一番怖い神から目を反らさずに戦って私達を助けてくれた」
「佐々木さん・・・」
「「また、一緒にセッションしようよ」」 
「・・・今度はアンフェアダイズは抜きましょうね・・・」
「そうだね、サクノンをまた危険な目に遭わす訳にはいかないしね」
「でも、また作乃さんの活躍が見れるのなら、使ってみたくもある」
「・・・今度は見捨てますよ?」

「そんな気なんかないでしょ」 
橘達三人のやり取りを見ながら、微笑みながら呟く光樹だった。

 

その後、三人は減量の為に早速ジョギングを、しようとしたが、
千弘「サクノンは太ったばかりだからいきなり激しい運動は負担がかかりすぎる」
(それもそうですよね)
光樹「つもる話があるだろうし、今日の所はゆっくりしようよ」
(そうだね、あんたとも話をしたいしね)
悠「せっかくだから色々とお菓子でも食べながらくつろごうか」
(いや、それはダメだと思う!)
との数々の意見により、「(作乃の)ダイエットは明日からにしよう」という結論が出て、
今日の所は橘の家でくつろがせてもらう事になった。
(これには反対意見が出なかった)

 

「ところで、何でこんな体型になってるの?」
ソファーにどっかりと座り込んでいる悠が橘に聞いてきた。
「その、旅行先で色々食べ過ぎたのと、お母さんが風邪を治すために栄養を付けなさいって、
いっぱいご飯出してきたのを全部食べてたら・・・」
「えっ、それだけで?
「私結構太りやすいんですよ・・・」
顔を赤らめながら自分の突き出たお腹をさする橘。
「一番酷い時には今の佐々木さんと宇野先輩位太ってました・・・」
「ふぅーん」 少し間をおいて、悠が右手で橘の胸を鷲づかみにする。
そして自身の腕の肉を震動させながら、橘の胸を上下に揺らす。

 

「な、な、なにを・・・・」 
「どーーーーしても、私達のことで責任があるって思うなら、
もっと太るってのはどうかな? それこそ私達以上に」 
「や、やめてぇ・・・」 
「ははは、冗談だよ」
しかし手は止めない。

 

その様を赤面しながら見ていた千弘だったが、
それこそ目をそらすかの様に、振り返り光樹に礼を言う。
「光樹さん、今日はありがとう。 サクノンに会わせてくれて」 
千弘はその太い右手をあげる。
(あっ、あだ名変えてる) 「どういたしまして」
千弘の意を察し 光樹も細い右手をあげる。
二人が右手を勢いよくあわせ、ハイタッチが交わされた。 
その反動は普通体型の光樹にはどうということの無いものだ。
しかし、見た目200kg近い超肥満体型の、
それも胴体の中心が大きく突き出た千弘の体にはバランスを崩してしまうのには十分な反動であり、
「あ、あれれれ、た、立ち止まれな・・・」慣性に従い後ろによろけ倒れ込もうとしてる。
「千弘さん!」 それにすぐさま反応した悠が支えるためにダッシュし、
ようとして足をもつれさせて、転けてしまう。
その拍子に千弘の足に飛び付く形になり、逆に前方に強く押してしまい、
どってん! これまた千弘を支えようと近寄ってた光樹を
千弘の体で押しつぶしてしまった。 

「だ、だ、大丈夫!?光樹さん!?」 
「い、いやケガはありませんよ、体重は変わってないんですし」
「でも、速くどいて下さい・・・その、肉が邪魔で起き上がれません・・・」
丁度光樹の顔は千弘の胸に埋もれてしまってる。
「いや無理 だって手届かないし・・・」 
もう一度言うが千弘の体は胸・腹・尻が特に大きく突き出た球体の様な肥満体だ。
その為、手足の長さより地面についた胸とお腹の前幅の方が大きく、
手足をただじたばたと振ることしか出来ないでいる。
悠も同じ様なことになってしまってた。
「右に同じです・・・ところで光樹さん」
「これで作乃さん、千弘先輩、私の三人全員の胸に顔をうずめたことになりますが、
「誰の胸が一番良かったですか?」
「あーそれ気になる。やっぱメリハリがある悠の?それとも重量感があるサクノンの?
「   それとも私?」 
「そんなこと言ってないで速く助けてくださーい・・・・」
「「ごめん、無理」」

 

「何やってんだか・・・」 三人の有様を見て微笑む橘。
助けるためにソファーから重い体を起こす。
そうしながらポケットからサイコロを取り出し、上に軽く放り投げ受け止める。
手の中のサイコロの目は、橘と同じように一つの答えを出していた。
(  少なくとも、あの二人を助けたことは罪でも、過ちでもない)
(私の、重くはないけどそれでも大きくて・・優しい確かな功績なんだ)

 

 

 

 

橘作乃(19) 159cm 70kg 97・88・91
  ちなみに『通販で頼んだ例のあれ』とは、ダイエット用のサプリで、
  千弘と悠にこっそり贈るつもりだった。 

 

 

佐々木悠 152cm 50kg(164kg) 148・123・139
  付き合っていた男というのは、実は好きでもないのに相手の勢いに逆らいきれず
  惰性で付き合っていたので、振られて良かったと思っている。
  あと「かっこ悪い男よりかっこ良い、またはかわいい女の方が好き」だとのこと。

 

 

宇野千弘 162cm 54kg(172kg) 173・165・170
  一度陸上部を引退したが、自分の体重が変わってないことに気付いたので再入部ができ、
  今ではマネージャーとして活動している。
  あと「形がどうあれ自分を受け入れてくれる人は、男であっても女であっても受け入れようと
  思ってる」だとのこと。

 

 

過龍光樹(19) 165cm 54kg 90・58・84
  橘とは、中学・高校と一緒だった。
  高校卒業後は、空手の大手流派の本家である牛坂家の家事手伝いという進路をとった。
  橘とは逆に太らない体質であり、太ったことは一度も無かった。
  あの迷宮に落ちるまでは


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