自ら肥に至る者 献身のキューナ王女

自ら肥に至る者 献身のキューナ王女

 

 

今から時を遡ること10数年。ウィル公国にてとある病が蔓延していた。
人が太るというその病を解決するために、1人の王族が立った。
キューナ・マイス・エルフート王女。
細身ながらも肉感的な肢体をした王女だ。

 

 

「王女様!お止めになって下さい!ウイルスは私が引き受けます!」
「いえ、私が!」
「民のために体を張るのが王族の務め。大丈夫、命までは張らないから」

 

 

家臣達の制止を振り切り、巨大な蔵の中にキューナ王女は入っていく。
その中に、(日本で言うところの)人参、キャベツ、大根、ミカン、リンゴ・・・
色とりどりの作物が山となって置かれていた。
しかしこれは全てこの国で蔓延している肥満化現象の原因である肥満化ウイルスに感染した作物だ。

 

肥満化ウイルスを一身に集め、自らが研究のためのサンプルとなる。
・・・無謀としか言えない策だが、これこそが事態を解決する最善にして唯一の策だと
(当時の)公国政府は判断した。
そしてそれを実行できるのは、ウイルスと相性の良い体質のキューナ王女のみだった。

 

「・・・・・いざ!」

 

数ヵ月後、王女の献身は功をなし、肥満化ウイルスの予防法及び治療法が発見された。
更に、逆にそのウイルスを活用した栄養食「フルナイン」が考案され、
ウィル公国だけではなく、世界各国の農業・畜産・ひいては救急医療の分野に多大な貢献をすることになったキューナ王女の功績は今なお語り継がれている。
・・・その時に増えた体重も、今なお健在であった。

 

いや、むしろウィル公国の化学者達が今でも改良の研究を続けている様に、
キューナ王女の体重も王女となった今でも増え続けている。

 

そんな彼女を国の人々は「女王にして、豊満と健康を司る生き神」として称えているのだ。


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