肥に至らせる道 合格と肥満化への奮闘

 

 

とある大学の合格発表の場にて、林田五子(はやしだ いつこ)は、
自分の受験番号を見つけ、大学に合格したことを確認した。
(受かった・・・!)
自らの努力が実を結んだことを喜ぶ五子だが、
ちょうど周りに悲しんでいる受験生が多数いたことからその喜びは内心に止めておく。
それに加えて、手放しで喜べない事情もあった・・・

 

 

自宅に戻った五子はまず鏡の前に立った。
「・・・やっぱり太ってるなぁ・・・」
姿見に映るのは、百貫デブとしか言いようの無い程に太りきった少女。
―――これが「現在の」五子の姿である。

 

「この一年、よくここまでやってきたなぁ、私・・・」
こうなった経緯を思い返す五子。

 

かつての彼女は、スレンダーな体型かつ勉強が苦手な少女だった。
しかし部活の引退を機に、進学に対して本気で考える様になり、
必死に勉強に取り組む様になった。
それを支えてくれたのが、彼女の両親と兄弟達だ
勉強への活力を与えてくれた毎日の三食、それに間食と夜食。
時間と体力を少しでも浮かすために参考書や文房具などの購入も代わりにやってくれた。
・・・それは学力の向上と同時に、過食と運動不足による、五子の体型の変化も促進させたのだが。

 

(・・・・・)
五子はこの一年の記憶を思い返す。

 

勉強も初めは全然分からず、ストレス発散のためにしょっちゅう外に出て運動していた。
だけど、やがて解けなかった問題が解ける様になったりして、勉強に集中して取り組む様になった。
それと同時に外で運動しなくなった。

 

夏場には、家族は精の出る様にコッテリした食事メニューを出してくれたお陰で
夏バテとは無縁だった。反面、熱さをより増加させる様な体型になってしまったが。

 

入試一ヶ月前を切った頃に、ようやく模試でB判定が出た。
それと同時にウエストが1メートルを突破した。

 

そして入試前の一週間は験担ぎを兼ねて、験担ぎも兼ねて、
これまで食べてきた料理をひたすら食べながら、総復習に取り組んだ・・・

 

その努力の結果が志望校への合格と80kg越えの体重だ。

 

(あれ・・・私むしろ太ることに努力してたんじゃぁ・・・
 それでみんなはその太ることに協力してきた・・・そ、そんなこと無いって!)
(流石にもうダイエットしないとね・・・)
「・・・うん、今日は合格祝いということで、みんなでパーティーをやろう!」
(ダイエットは明日・・・いや入学してからでもいいよね?)


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