Turn Run 芽生えた心は・・・

Turn Run 芽生えた心は・・・

 

 

バレンタインデーからしばらく経ったある日のことだった。
レンとリトは、彩南高で顔を合わせていた。

 

「結城、ボクはしっかりと気持ちに応えたぞ。キミも・・・頑張れよ」
「・・・あぁ、そうだな
何やら、深刻そうな話だが、実際の所はバレンタインに贈られたチョコレートをレンは
残さず食べたという話だ。
ただ、リトと違いレンは一般の女子に人気があるため、贈られたチョコレートの量はずっと
多かった。更に、ルンがファンから贈られた大量のチョコレートも、二人で話し合った結果、
レンが全て食べた。

 

「はっ、はっくしょん!」
レンは盛大なくしゃみをした。
勿論、今のレンはくしゃみでルンと入れ替わったりしない・・・筈である。
「お、おい。大丈夫か?」
リトは声をかける。彼もくしゃみで入れ替わらないこと知ってるが、どうしても気になるのだ。
それに、バレンタインデーの後から、レンはしょっちゅう、くしゃみをする様になっていた。
「ふふ・・・今のボクはくしゃみなんか」
クシュン!
「く、くしゃみなんかで動じな」
クシュン!
「・・・くしゃみなんかで変わったりしない、大人のおと・・・
ハックション!

 

レンが一際大きなくしゃみをしたのと同時に、彼の体が煙に包まれた。
「レン!?どうしたんだ!?」
リトは、煙の中のレンに駆け寄ろうとして、
その結果、煙の中にいた「彼女」にぶつかった。
「「うわあぁぁ!!」」
ぶつかったリトと「彼女」は転倒し、
勢いのあったリトが「彼女」を押し倒す形になった。

 

 

(この感じ・・・春菜ちゃんと・・・アイツともやっちまったキスと同じ・・・)
(その上、温かくて柔らかくて・・・気持ち良い・・・)
目を開いたリトが見たものは・・・
「ルン!?」
ルンの顔だった。ただ、以前見た彼女の顔より大分丸くなっていた。
まるで、今のレンみたいに―――

 

リトが困惑していると、目の前の「ルン」が口を開いた。
「え・・・ルンがどうしたんだ?結城」
「・・・ええ!!?」

 

 

数時間後、保健室にて
「ええ――!?何でまた私になってるの!?」と、驚いているのはルン。
彼女の前にいるのは、ベットの上に座り込み、泣きじゃくっているもう一人の「ルン」。
ただ、その体型はルンとはかけ離れていた。

 

泣きじゃくる度に、二の腕についた肉が振動している。
むちむちを通り越し、丸太の様に太くなった脚。
その上のお尻は、座り込んでいるのに前から見える程の大きさだ。
大きなお腹は、座り込んだことでより前に押し出され
正に、太鼓の様に丸く大きく突き出ていた。
そして、元から大きかった胸は、メロンの様な巨大さを持って、
お腹に乗っかっていた。
ふっくらとした頬を、涙がつたっている。
「どうして・・・どうしてボクがこんなことに・・・」
そう、ベットに座るルンは、くしゃみと共に変化したレンだった。

 

レン・エルシ・ジュエリア(ルン)
158cm 49kg 85・55・83
→68kg 102・83・101

 

 

居合わせたティアーユがその理由を説明する。
「メタモル星人は、一度に大量の栄養を摂取すると、その栄養を使って、
肥満体になったもう1つの性別に転換する体質の人が稀にいるの」
「それで、太ったレンがより太った私になってしまったんですか・・・」
「元の体型に戻れば、自然に元の性別に戻れるんだけど・・・」

 

 

泣き続けるレンに声をかけたのはリトだった。
「レン、元気出せって。ダイエットすれば戻れるって、ティアーユ先生も言ったろ」
「でも、こんな太った体、簡単に痩せられないよ・・・外に出て、晒すワケにもいかないし・・・」
「御門先生に、効果的なダイエットメニュー作ってくれるだろうし、
モモとナナの電脳サファリパーク借りれば、人目に付かないって、
それにさ・・・言っちゃ悪いかもしれないけど、太ってても可愛いと思うんだ」
「・・・ったく、君に言われるまでもない!
ボクは男の中の男、レン・エルシ・ジュエリア!
必ず元の体に戻ってみせる!」

 

 

「リト君・・・ありがとう」
奮起したレンを見て、ルンは安堵した。
「・・・あれ?」
ただ、レンのリトへの眼差しの中に、自分と同じ感情を感じ、
一抹の不安を抱くのだった。
(そういや、あいつ・・・これでリトくんと2回キスしたことになるよね・・・)

 

 

おわり


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