547氏その41

547氏その41

 

 

シオン・エルトナシム・アラトシアは自室で、今日起こったタタリによる異変――
秋葉の肥満化という事態について、レポートにまとめていた。
それを書き終わると、今度は別のノートを取り出した。

 

 

1日目
「タタリが、まさかあの様な事態を引き起こすとは思いもしなかった。
 タタリをどうにかしなければ、秋葉は元の体型に戻れないだろうし、
 琥珀や翡翠、下手したらさつきや全く関係の無い人たちまで同じ目に会ってしまうかもしれない。
 ・・・志貴は被害を受けないだろう。根拠は無いが、何故か確信できた」
「念のために、研究とは別に1日毎の日誌をここにまとめることにした。
 今日は一先ずここまでにして、続きは明日からにしよう」

 

 

2日目
「・・・お腹が痛い。秋葉があんなにも大量の食事を出してくるとは・・・
 苦しくて、研究は出来そうにない。せめてこの日誌だけでも書いておこう・・・
 明日になれば、秋葉の気も変わるだろう・・・」

 

 

3日目
「・・・また、大量の食事が出された。
 しかも昨日食べた分が消化されて、脂肪になっている。
 つまり太ってしまった。
 私は、いや私たちはこれから先、どうなってしまうのだろうか・・・」

 

 

4日目の朝
目覚めたシオンは、寝間着を脱いで、下着姿になる。
今の彼女の体には、元の体から考えると結構な量の脂肪が乗っている。

 

まず、元から大きかった胸がもう1回り大きくなった。
脚もよりむちむちとして太くなり、
その上のお尻は胸以上に大きくなっている。
そして、たっぷりと付いた腹肉がパンツに乗っかっているお腹回り。

 

シオンはそのお腹回りに手をやって・・・
腹肉がしっかりと掴めたことに深いため息をついた。

 

 

4日目
「また太ってしまった・・・
 これでもうはっきりした。
 秋葉は八つ当たりしてるのだ・・・
 全く・・私を太らせても自分が痩せる訳ではないのに!」

 

 

5日目
「相も変わらず大量の食事が出てきたが、
 胃も大きくなった様で、食事の後で少しだが考える余裕が出てきた。
 秋葉は八つ当たりなどする様な人ではない。
 恐らく彼女はタタリに操られている、
 どうにかしないと彼女は太ったままで、私は太り続ける・・・」

 

 

6日目
「どうにかしようにも、まず大量の強制飲食を何とかしなければならない。
 多少の余裕は出てきたとは言え、満腹感で研究を行えなくなるのは変わらない・・・
 せめて一食だけでも逃れないと・・・」

 

 

7日目
「今日から、昼間は町の図書館に行くことにした。
 これで一食分は抜けるし、運動も多少出来る。
 正直、焼け石に水だろうし、肝心の研究が出来なくなるが、
 それでも時間稼ぎにはなるはずだ・・・」

 

 

7日目の昼
図書館へ向かうシオン。その体は完全にぽっちゃり体型となっていた。
以前の服もギリギリ着れるが、パツパツで恥ずかしいことになるので、
今着ているのは、秋葉から借りたワンサイズ上の洋服だ。

 

メートルの大台も間近であろう大きな胸は、歩く度に上下に弾んでいる。
しかし、今はブラウスに隠れているが、お腹の方の肉付きも凄い。
括れが完全に消え失せ、たっぷりの脂肪が覆っている。

 

下の服はミニスカートで、サイズ自体には余裕があるのだが、
シオンが気を抜くと、大きなお尻が見えてしまいそうになる。
そこから伸びる太ももは、かなり太く、
これ以上太くなると、色気よりもだらしなさが目立つようになるだろう。

 

顔も結構丸く、ふっくらとしており、
顎のラインも真ん丸である。

 

 

それでも、体型の割に足取りは軽いし、
今のシオン位の体型は、それ程珍しいものでも無く、
周囲の視線を集めることも無かった。
 今の所は。

 

 

8日目
「図書館に行く様になってからは、太るペースは大分抑えられている。
 間食攻撃からも逃げられたのが大きかった様だ。
 ・・・太ること自体は止まってないし、研究も進んでないが・・・」

 

 

9日目
「・・・図書館に行こうとすると、秋葉が弁当を持たせてきた。
 翡翠も手伝いにつけられたが、実際には、監視役だろう。
 ・・・やはり、弁当はとても大きかった」

 

 

10日目
「野良犬に弁当をあげようとしたら、秋葉に焼き殺されかけた。
 「折角、琥珀が作ってくれたのに、勿体ないことしないで」と、秋葉は言っていた。
 確かにその通りだ。問題は量が余りにも多すぎることだが・・・
 やはり、私が食べるしかない・・・」

 

 

11日目
「・・・今日の夜、現実と向き合うためにと、
 覚悟を決めて、体重計に乗ってみた。
 ・・・突き出た腹と胸が邪魔になって、数字が見えなかった。
 弁当攻めが始まった頃から、ウエストの成長が激しくなったと思ってたが、
 ここまで大きくなってたとは思ってもなかった。
 この事実は体重計の数字以上に、自分が女として越えてはいけない一線を
 越えてしまったという現実と・・・
 絶望と向き合わせてくれた・・・」

 

 

11日目の夜
自室のベッドに力無く座り込んでいるシオン。
その体は、見た目、今の秋葉と大差無いように見える。

 

胸は今やメロン並みの爆乳と化し、
さっき、服のボタンを弾け飛ばしたが、とても喜べるものでは無かった。
その下のお腹は、胸と同等の巨大さを有する太鼓腹で、
その大きさは足元への視線を遮る程だ。
下半身もとても太く、ミニスカートから投げ出されている脚は丸太の様な太さである。
顔も、「丸くなった」の域を通り越し、完全なデブ顔である。
頬肉は目を細める程につき、
とうとう、二重あごも形成された。

 

 

12日目
「昨日の出来事から、体がより重く感じる様になった。
 またこの頃は、外で少し動くだけでも、汗が噴き出す様になってしまってる。
 それでも、せめて図書館まで行かなければ・・・」

 

13日目 
「図書館に行く途中でさつきに会った。
 ・・・口を開くまで私だと分からなかった様だ。
 こんなに太ってしまっては無理もないが・・・
 私に・・・正確に言えば、私が太ってしまったシオンだと気づいたら、
 さつきは事情を聞いてきたが、詳しいことを言うわけにはいかなかった。
 さつきまで巻き込むわけには行かない」

 

 

13日目の昼
その日、さつきが会った彼女は、
背丈や紫色の髪、それに顔立ちはさつきの親友のシオンとよく似ていたが、
その体型は全く違っていた。

 

さつきの知るシオンは、スタイルの良い少女だが、
「彼女」は、3桁を軽く超しているだろう肥満体をジャージに押し込めている。

 

シオンのウエストは、へそ出しの衣服も合いそうに括れていたが、
「彼女」のウエストは、とても出っ張った太鼓腹であり、
ジャージの丈を圧迫し、今にも下っ腹が見えてしまいそうだ。

 

シオンの胸も大きかったが、
「彼女」の胸は、シオンよりも遥かに大きくて、
ジャージのチャックが閉められず、深い谷間が露わになっている。

 

シオンのヒップは程良く大きかったが、
「彼女」のヒップ、いや尻は胸以上の巨大さを持ってして、
ジャージの下のゴムを苛め抜いている。

 

シオンの顔は、贅肉など一つも付いてない端正な顔であり、
「彼女」も顔立ちはシオンに似ていたが、
顔は真ん丸を通り超す程に膨れ、
パンパンな頬が、目を細めている。
くっきりとした二重あごが形成されている。

 

そしてシオンの声は、
「・・・・さつき」 「!?」
「彼女」の発した声と同じものだった。

 

 

14日目
「今日は図書館で、お腹を引っかけて机を倒してしまった。
 心だけでなく、周りの人たちの視線も痛かった。
 私だって太りたくて、太ったわけじゃないのに・・・」

 

シオンがこう日誌を書いたところで、大きな物音が聞こえてきた。
秋葉の部屋の方からだった。

 

 

「一体、何が?」
シオンはよろけながらも立ち上がり、
鈍重な足音を響かせて、秋葉の部屋に向かった。

 

 

(終)

 

 

おまけ シオンの変化記録
・注 820氏のSSでの描写と、225氏のイラストからの自分が想像した数値です。

 

1日目   161cm 48kg 86・55・83
2日目   48kg  86・ 55・ 83 
3日目   54kg  88・ 62・ 87
4日目   57kg  89・ 64・ 88
5日目   61kg  90・ 67・ 89
6日目   66kg  92・ 71・ 91
7日目   72kg  95・ 74・ 94
8日目   74kg  95・ 75・ 94
9日目   77kg  96・ 79・ 96
10日目  92kg 102・ 90・110
11日目 102kg 108・106・115
12日目 110kg 112・121・120
13日目 122kg 118・132・124
14日目 131kg 121・140・130


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