帰ってきたハンク・危うし恵・怒れるデブティオ!

帰ってきたハンク・危うし恵・怒れるデブティオ!

 

 

日本、とある倉庫の中で2組の魔物とパートナーが戦っていた。
幼い少女の魔物、ティオと彼女の本の持ち主、大海恵。
精悍な顔つきな壮年男性、蒼島、
そしてティオよりかは大きいが、恵より貧相な体つきをした
パンツルックの少女、ハンク・クーリー。

 

 

勝負は、2種類の術を活かしたハンクの猛攻を、ティオは防御の術と恵とのコンビネーションで
凌ぎ、優位に立っていた。

 

だが、押されているはずのハンクが笑いだした。
「いいね、いいね、いいね!!そのコンビネーション、パートナーとの絆!
あんたみたいな小さな子はストライクゾーンから外れてると思ってたけど・・・ぐっと来たよ!」

 

「な、何よ・・・コイツ」
ティオはハンクの様子に少しだが、怯えを感じていた。
(・・・この子は一体・・・)
恵も困惑していた。善良な魔物とは言えないが、
悪い魔物でもない様にハンクは思えた。

 

「行けるよね、蒼島ぁ!!」
「当たり前だ、俺達はこの一点だけで結びついてるんだぜ!」
蒼島の持つ卵色の本が異様な輝きを放ちだす。
「イルリノル・バスガルク!!」

 

ハンクがティオに向けて、左手を出すが、・・・
「・・・何も起こらないじゃない」
いや、起こった。ティオがそう言った矢先に、
彼女の体が膨れ出した。
「!?いやぁ〜〜」 「ティオ!?」

 

「イルリノル・バルガルクは対象を肥え太らせる、そう相手を脂肪で包む呪文」
「その効果は相手に萌えるほど、燃えあがる」

 

「そんな・・・こんなに太っちゃうなんて・・・」
ティオの体は、すっかり太ってしまい、今の体重はこの4人の中でも一番重いであろう。
背丈を超える程に突き出たお腹が突き出ていて、
手足は太くなった分、短くなった様に見える。
顔も胴体ほどではないが、丸く膨れている。

 

 

「この呪文には更に面白い特性があってね・・・リノル!」
ハンクの右手から、油の塊が撃たれる。
「くっ、こんなもん、防い・・・で・・・」
ティオはお腹がつかえて、リノルの方を向くこともできなかった。
(呪文を出しても防げない!?くっ・・・)
恵はティオの前に出て、リノルの油をその身で受けた。
「恵!?」
「期待通り、魔物を庇ったか。ただ、その結果・・・」

 

恵の体も太り出した。
元から大きめだった胸が、くびれていたウエストが、きゅっとしていたお尻が
膨れ上がっていく。

 

「イルリノルを使ってる間は、リノル系統の呪文も当たった相手を太らせるようになるのさ」
(ガデュウの方も威力が上がるけど、まぁそれはどうでもいいか)
「ギガノ・リノル!」
(この呪文なら、相手の方を向けなくても!)
「ギガ・ラ・セウシル!」
ハンクを包む様にして、バリアが形成され、
ハンクが放った油の激流はバリアに阻まれ、ハンク自身を襲ったが
油の激流が引いた時、彼女はずぶ濡れになりながらもその体は全くの無傷だった。

 

 

「ちょっ!何であんたは太らないのよ!」
「そりゃ、自分に萌える趣味はないからね」
「さて、心の力はまだあるだろうが、体がそれでは上手く戦えないだろうな」

 

 

「くっ・・・」
恵の体は、リノル一発ですっかり肥えていた。
顔はそれ程丸くなってないが、
メートル近いサイズの胸は、服をはち切れんばかりに押し上げていて、
お腹はその下でぽっこりと出ている。
大きくなったお尻はスカートからはみ出しそうになっていて、
そこから伸びる太ももも、太くなったせいで、脚と脚の隙間が無くなりかけている。

 

 

「・・ぜぇ、こんな奴らに負けたく・・・はぁ、はぁ・・・」
ティオもまだ戦おうとしていたが、一歩ずつ歩くたびに重い足音が響き、
体の脂肪が揺れていて、動くのも精一杯だった。

 

「では、お持ち帰りといき――!」
二人の視線が倉庫の入り口の方に向く。
ハンクが右手を向け、蒼島が呪文を唱える。
「ガデュウセン!」
ハンクの右手から火炎弾が放たれる。
「ザケル!」
その火炎弾を電撃がかき消した。
その爆煙をかき分け、出てきたのは――

 

「ガッシュ!」
「清麿くん!」

 

そう、金色のガッシュとそのパートナー、高嶺清麿だ。
「ウヌ!遅れてすまなかったのだ!」
「ティオ、恵さん、二人とも大丈・・・」
清磨はティオと恵の有様を見て、何とも言えない表情になったが、
すぐに気を取り直し、ハンクと相対する。
「・・・ず、随分変わった術を使う様だな」

 

「安心しろ、お前には使わない。というか、使えねぇよ」
「あのゾフィスの軍勢を打ち破ったガッシュ・ベル。
ちょっと戦ってみたいけど、今はお楽しみの最中だから・・・」
「「とっと片付けるか!」」
蒼島の本が、先ほどよりかは弱いが真っ当な輝きを放ちだし、
ハンクが両手を組み、その手をガッシュに向ける。
「グラオウ・リノガデオン!!」
ハンクの手の前で、油と炎が巨大な獣の顔面を象り、
燃え盛る獣の顔面がガッシュ達に迫る。

 

「お前の最大術がすぐに撃てないことは知ってる!」
「これで消えてもらうよ!」
「させない!」

 

ティオが転がるようにして、グラオウ・リノガデオンの前に出た。
「げ!?」
「危ないから、どいて――!!」
敵であるハンクと蒼島がうろたえるが、
恵は全く動じずに呪文を唱えた。

 

「マ・セシルド!」
ティオの前に巨大な盾が出現し、グラオウ・リノガデオンを止める。
しかし、長くは持ちそうになかった。

 

(よし、これで――)
「SET!」「ウヌ!」
清麿の出した指が3つの箇所を差した。
ガッシュがそこを向くと同時に――
「ザグルゼム!ザグルゼム!ザグルゼム!」
清磨が3回呪文を唱えた。
その度にガッシュの口から光球が撃たれる。
1つ目は、マ・セシルドに、
2つ目は、グラオウ・リノガデオンに、
そして3つ目は、ハンクに当たった。

 

(連鎖のラインは整った!)
「ザケルガ!!」
ガッシュの口から放たれた電撃は、マ・セシルドに当たり、
それを突き破って、より巨大になって、グラオウ・リノガデオンにぶち当たる。

 

「いくら何でもその術じゃあ破れないよ!」
気合を入れるハンクだが、その体に溜まった電撃が強く輝きだし、
連鎖して、グラオウ・リノガデオンの電撃も輝きだす。
そして――
「いっけぇ!」
ティオの叫びと共に、ザケルガがグラオウ・リノガデオンをぶち破った。
ザケルガはそのまま、ハンクに直撃し、大爆発。
煙が晴れた時、ハンクの姿は無く、倒れた蒼島の側で一冊の本が燃えていた。
そう、魔物は本が燃え尽きると魔界に帰ってしまうのだ。
「本が・・・俺の本が・・・!!」
蒼島は涙を流していた。

 

 

戦いが終わって、恵とティオ、それに清麿とガッシュは帰路についていた。

 

「清麿くん、また助けられちゃったね」
「・・・いや、もっと早く来れたら・・・」
「いいの、清麿くん。・・・でも、ダイエットには協力してくれるかな?」
そう言って微笑みかける恵の顔は、丸くなってたが、
清麿の目には、かえってより可愛らしく見ていた。
「・・・ハ、ハイ!」

 

 

動けないティオはガッシュに抱えられていた。
「・・・ガッシュ、その・・・」
「ティオ、今日はありがとうなのだ」
「え・・・?」
ガッシュの方から、礼を言ってきた。
「ティオと恵がフォローしてくれたおかげで、あの魔物に勝つことができたのだ」
「・・・バカ、礼を言うのはこっちの方よ。・・・ありが」
「それに今のティオはとても美味しそうなのだ」
「・・・え?」
「丸々と太っていて、ブリの次に美味しそうなのだ」
「・・・・!!」
ティオがガッシュを睨みつける。
溢れる殺気は丸くなった今の顔も、恐ろしい顔に見せていて、
その殺気と体重を乗せて、ガッシュの首を締めあげる。
「ガァァシュッ!!言っていいことと悪いことがあるでしょうが!!」
「ヌォォォッ!!?清麿助けてくれ〜、ラ、ラウザルクを・・・!」

 

 

倉庫では、蒼島がまだ泣いていた。
「燃えた、俺の・・俺達の肥満化コレクションが・・・」
「私達のコレクションが・・・」
ボロボロになったハンクも泣いていた。
さっきのザケルガで燃えた本は、2人のお気に入りのデブ写真を集めたアルバムだったのだ。
「おのれ・・・ガッシュ・ベル!高嶺清麿!」
「この落とし前はいずれきっちり付けてもらうからね・・・!」

 

 

 

おわり


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