547氏その46

547氏その46

 

 

「一口でこれまでのパンじゃないと分かったの」
喫茶ラビットハウスにて、リゼとチノが話していた。

 

「最近、ココアがパンの試食を頼んでこないな」
「そのことでしたら、10日前に来たモカさんが「試しに作ったものを他人に食べさせるのは
 失礼だと思う」って言われてから試作したパンは家の方に送ってるそうです」
「そうだったのか、私達なら気にしないのに」
そう話してた所に、ココアが来た。
「チノちゃん、リゼちゃん。お姉ちゃんが明日ここに来るよ」
「モカさんが?」
「うん、久しぶりに私の顔を見たいって言ってた」
「・・・確か、前に来たのって、10日前ですよね」
「うん・・・やっぱり私がお姉ちゃんとしてやっているか心配なのかな?」
「まあ、別に心配でなくても会いたいと思うだろ」

 

 

そして、翌日。

 

「お久しぶりです皆さん、いつもココアがお世話になってます」
「・・・い、いえこちらこそ」
「・・・・・」
「ココア、お前も挨拶しないと」(口がきけなくなるのも無理はないが・・・)
「お、お姉ちゃん、お久しぶりです」

 

モカを迎えるココア達は、どうにも硬直気味である。
その理由は、モカにあった。
10日前に会ったモカは、すらりと痩せていた。
特にココアは、そんな体の姉と育ってきたのだ。
しかし、今目の前にいるモカの姿はそれとは真逆の肥満体であった。
ぱっと見の横幅は以前の倍近く、
服は今の体型にあったものを着ているが、
それが却って体型の変わり様を引き立てている。

 

以前から大きかった胸は、より大きくなって
リゼと見比べても、文字通り桁違いのサイズとなっていた。
対して、くびれていたお腹周りは
妊婦の様に大きく出っ張っていた。
下半身もそんな上半身と釣り合う程の太さである。
顔は元の可愛らしさを保ったままに丸く膨れていて、
首が殆ど見えない。
全体的に見れば、「お姉さん」から「おばさん」になった様な変わり様だった。

 

保都モカ  →76kg 104・85・102

 

 

そして、そんなモカをココアは―――
あっさり受け入れた。

 

 

「ココア、パンを焼いてきて」
「うん、わかった」

 

ココアがパンを焼くためにその場から離れた。
その後、モカにリゼとチノはしばらく何も言えずに見つめあっていたが、
モカの方から切り出した。

 

「ごめんなさい。パンの試食を実家だけにしたのは、私が食べたかったからなんです」
「そうだったんですか」と、チノ。
「それよりも、驚いたのはモカさんの・・・その・・・」
リゼは流石に面と向かって太ったことは指摘できず、言いよどむが、
そのことを察してモカの方から言った。
「太ったのははただの食べ過ぎですよ。私、ココアと違って太りやすい体なんです」
「そうだったんですか!?」と、驚くチノ。
(そ、それで済ますには無理があるんじゃあ・・・)と、納得できてないリゼ。
「え、本当なの!?」ココアも驚いた。

 

「って、ココアさん。いつの間に戻ったきたんですか?」
「『太りやすい体なんです』のところから、お姉ちゃんが太りやすかったなんて・・・
 全然知らなかった」

 

「ココアが家に居るときは気をつけてたんだけど、
ココアのパン、前より美味しくなってたから、つい食べ過ぎちゃった」
「・・・え、そんなに美味しくなってたの?」
「うん。これなら、こちらの皆さんに出しても構わないと思うわ。
 あ、でも私が太ったのは、太りやすい体でもあるから、気を抜かない様に」

 

「うん、わかったよ。チノちゃん、リゼちゃん。明日からまたパンの試食をお願いするね」

 

「・・・あ、あぁ。期待してるよ」
「・・・た、楽しみです」

 

確かにより美味しくなったらしいココアのパンを食べられるのは
2人にとっても楽しみだったが、その結果である今のモカの体型を見ると
素直に喜べなかった。

 

 

おわり


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