肉が鳴らし音は、彼女へのララバイ

肉が鳴らし音は、彼女へのララバイ

 

 

深夜。窓から差す月の光が、2つのベッドと物が散乱した床を照らす寝室に風鳴翼はいた。
彼女は着ていた寝間着を脱ぎ捨て、全裸になる。
そこから、全身に気を張り詰めさせる―――その結果――――
翼の体が、ゆっくりと膨れ始めた。
風船に空気が入っていく様と似ているが、彼女の体に入っていく
いや、`入っていた`のは脂肪だった。
くびれた腹が弛んでいき、しなやかな手足が太くなっていき、
そして薄かった胸が膨らんでいき、クリスの、実は今、同じ部屋にいた彼女のそれを超える巨大さになっていく。

 

変化が終わった時、翼の体は完全に様変わりしていた。
何処を取っても、重厚感溢れる巨体。
横幅はぱっと見でも元の2倍以上あり、体重はそれ以上の上がり幅であろう。
元からあった筋肉に支えられ、体の脂肪は垂れたりはしてないが、
肉がはち切れんばかりに張り詰めているその様は、その巨大さを更に引き立てていた。

 

二本の脚が余りの太さに隙間無く密着しているその様は、一本の大木の幹の様であり、その真上の尻はさながら、完熟した桃の実の様な巨大さであった。
薄かった筈の胸も今や、クリスのそれが、小さく思えてしまう程の巨大さだ。
そして、そんな胸を乗せている腹の巨大さは、サイズで見るとこれまたクリスの、それも身長を上回りかねない程だ。
顔にもしっかりと肉が付き、元の端正さを保ちながらもパンパンに膨れ上がっていて、
顎の脂肪に飲まれて、首が殆ど見えなくなっていた。

 

風鳴翼 167cm ?kg 81・57・83
→124kg 132・151・140

 

 

翼とクリス。元から対照的な体型な二人だったが、今の二人の体型は別の意味で対照的だった。
小柄で、胸や尻を除いては華奢な体のクリスに対し、元より長身な事に加え、今では横幅も大きく、何処を取っても、肉厚な体の翼。
「しっかし、何回見ても不思議だな。その変わり様は」
「シンフォギアの余剰エネルギーを体内に溜め込み、脂肪に変換する。生まれながらに適合率が高いからこそ、出来る一芸だ。・・・雪音なら出来ると思うぞ。良かったら、やり方を教えるぞ?」
「・・・背伸ばせるのなら、教えてくれ」
「それは無理だ」
翼のその一言を最後に、二人は口をつぐみ―-体を重ね始めた。
それからは、嬌声と、肉と肉が重なる音がしばらくの間部屋に鳴り渡った。

 

数時間後、クリスはベッドに入り、寝息を立てていた。
その寝顔を、肥満体のままの翼と新たに入ってきたマリアが見つめていた。

 

「お休み、雪音」
翼がそっと呟く。彼女は何の理由も無しに、こんな事――肥満化しての性行為をやっていた訳では無い。
二課に保護された直後のクリスは、これまでとの環境の違いから夜、殆ど眠れなかった。
解決の為に試行錯誤した結果、翼が例の`一芸`を使ってからの添い寝が一番効果があったのだ。
・・・最も、クリスは割とすぐに一人で眠れる様になった。
ましてや、`行為`をする必要など元より無かったのが・・・
「・・・私と雪音が楽しみでやってるだけだな」
「それで、いつになったら、元の体に戻るの?」
「そうだな・・・マリアとベッドで語り合った後だな」
そう言うなり、翼はマリアをもう一つのベッドの方に引き寄せた。
「え!?」
不意を突かれた上、体重差もあって、マリアはたやすくベッドの上に押し倒された。
ただ、その顔に驚きはあっても、はっきりとした拒絶は感じられなかった。
翼がその上にまたがろとしたが、不意に動きを止めた。
「さっきは受けだったから、今度は攻めに回ろうと思ったが・・・その前に一つ言わせてくれ・・・分かりきった事だが、それでも敢えて言おう・・・・」
「・・・・?」

「すまんが、重いぞ。それももの凄くな」
翼がその丸々としながらも、端正な顔をほんのりと赤く染めながら言ったその一言は、
何度も体を重ねてきた相手に、それも今、ベッドに押し倒してから言う様な言葉では無かった。
でも、それを言ってしまう翼を、マリアはとても愛しく感じて―-
「でも、そんな貴方に抱かれるのも気持ち良かったわよ。それも凄く」
これまた分かりきった言葉で返した。
その一言に翼は微笑みを返してから、その肥満体でマリアの上に覆い被さった。
そこから再び、独奏が如き嬌声と肉と肉が重なる音が部屋に鳴り渡った。
その音を、逆に子守歌にでもしてるかの様に、クリスはすやすやと眠っていた。

 

おわり
#戦姫絶唱シンフォギア


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