もし、世界を超えて伝えるものがあるなら―――

もし、世界を超えて伝えるものがあるなら―――

 

 

その宝石箱の中には、色とりどりの宝石を付けた指輪がいくつもあった。
風鳴翼のしなやかな指がその中から、3つの指輪を取り、宝石を布で拭き始めた。

 

 

「それ、手入れしてたのか?」
「ああ、何せ世界を超えた友情の証だからな。大切にしたいんだ」
「そうか・・・」(それは最もたけど、あんたは部屋の掃除を先にすべきだって・・・)

 

フロンティア事変よりも前、翼たち三人の装者は
世界を超えて、集った仲間達と共に戦ったことがあった。
宝石箱の中の指輪は、その仲間達がくれたものだった。
何でも、「付けた者に友の今をその体に伝えてくれる」という言い伝えがある逸品だそうだが・・・

 

拭き終わった指輪はそんな言い伝えを抜きにしても、
付けたくなるような輝きを放っていた。

 

「・・・・」
「付けてみるか?雪音」
「しまったり、磨いたりするものじゃなく、付けるものだ」

 

その言葉に甘えて、クリスとその場にいたもう一人の装者と翼自身が3つの指輪を
その指に付けた。

 

「・・・・・・!?」
クリスは無言で指輪を見ていたが、その輝きに、一瞬不吉な予感を感じ、
指輪を外そうとしたが、外れなかった。

 

 

「くっ!」
その事から次に起こる事を予測したクリスは、服を脱ぎ捨てた。
翼も同様の予測をした様で服を脱ぎ捨てた。
そして・・・

 

 

「またこのパターンかよ・・・」

 

クリスの縦には小さかった体は、横に大きな肥満体となった。
元より背丈が低い分、胸と尻の大きさが際立っていたが、
今となっては、体全体の丸さが強調されていた。
お腹とお尻が重点的に太っているが、
元のサイズから、胸も十分な(?)巨大化を果たしており、
全体的に見ると、樽の様な体型になっていた。
そんな中、顔は丸く、ふっくらとした程度で済んでいる。

 

雪音クリス 153cm ?kg 90・57・85
→82kg 130・91・136

 

 

翼の無駄な肉の無かった(必要な肉も無かったが)しなやかな体も、
今のクリスと同等の肥満体となっていた。
その体型は胸とお腹が重点的に太った、正真正銘のリンゴ体型であった。
そんな太り方の為に下半身、特にお尻の肥大化は抑え気味だった。
サイズだけ見れば立派な巨尻であるはずが、胸とお腹と見比べると小さく見えてしまう。
元の筋肉に支えられ、パンパンに張り詰めた足も同様に細く見えてしまう。
そんな印象を与える胸は元のサイズの差を超えて、今のクリスと同等の巨大さを誇っていた。
そして、一番の巨大さと重量を有する妊婦の様な太鼓腹。
顔は、クリスと同じ程度の肉づきで、むしろ元の端正な顔つきは柔らかく変形し、何とも言えない可愛らしさを醸し出していた。

 

風鳴翼 167cm ?kg 81・57・83
→80kg  123・111・97

 

 

「すまん、雪音、それに・・・」
翼がクリスと三人目の装者に謝った。

 

「暁も」
「何で私なんデスか――――!?」
「そりゃお前が指輪を付けたからだろ」
指輪を付けて、肥満化してしまったのは切歌だった。
その肥満体は下半身にいく程太くなっている。
上半身(というか、顔と胸)もそれなりに太くなっていたクリスとは違い、
切歌の顔や胸は全く変わってなくて、その分下半身の質量がより強調されていた。
今、投げ出されている脚はとても太くなっていて、立ったとしてもその体重をしっかりと支えられる様に見えた。
腕はしっかりと太くなっていて、指先までパンパンに張り詰めていた。
元は大きめだった胸も、今の体においてはお腹に大きく水を上げられて全く目立たなくなっていた。
そんな胸を乗せて大きく突き出たお腹は三段腹を形成している。
それも下の段ほど大きくて、まるで鏡餅の様であった。
そして、一番巨大な尻は、身長を超える程の直径を誇っており、
その巨大さは、座っている今でも、切歌の座高を大きく押し上げて、存在を出張する程であった。
なお、切歌は肥満化を予測して服を脱ぐことが出来なかったため、
肥満化による当然の結果として、服は胸の辺りを残して破れてしまっていた。

 

暁切歌 155cm ?kg 82・56・83
→91kg 82・121・140

 

「うー、あの服お気に入りだったのに・・・」
「3回目なのに予測できなかったお前も悪い」

 

その後、色々と試した結果―――

 

「結論から言うと、指輪を付けると太ってしまい、外すと元の体に戻れる訳だ」
「そんな指輪がもう1個あって、全部で4個だった訳か・・・そもそも一体なんで指輪を付けると太るんだ?」
「・・・私だけが太るなら、まだ分かるんデスが・・・いや、だってこの指輪本当ならお二人と‘あの人‘との友情の証ですし、私が付けたらバチが当たってもおかしくないデス・・・」
「・・・ったく、んな訳無いだろ?お前や調、マリアだって、あいつらとも会えば絶対仲間になれるって!」
「きっと、この指輪をくれた彼女達も元の世界で新たな絆を結んでいるはずだ」
「・・・ありがとうデス」

 

クリスは、指輪の箱を見てふと思った。
(あんな事が無ければ会うはずの無かった、世界の違う仲間から送られた指輪。
あいつが無茶しなきゃ助かるはずの無かった、違う道を歩いていたはずの仲間。
・・・そう考えると切歌や私達こそ付けるのに相応しいのかもしれないな・・・
って、付けると太るって分かってる指輪に対して、何考えてるんだ、私は・・・)

 

(そもそも何で、指輪を付けると太るんだ?「付けた者に友の今をその体に伝えてくれる」って逸話があるらしいけど・・・まさか、な・・・)

 

(おわり)
#戦姫絶唱シンフォギア


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