心の物置

心の物置

 

 

葉山 裕子(はやま ゆうこ) 25歳 身長159cm 体重49kg
片付け下手な女性。部屋がいつも散らかっており、足の踏み場もない。
その上消費家で、気に入ったものがあるとついつい買ってしまうタイプ。

 

 

 

 

 

 

「これと・・・あとこれも買おうかな?」

 

駅に併設しているデパートの一角。
ファンシーなぬいぐるみが所狭しと並ぶキャラクター物のショップ。
そんな場所に葉山裕子は居た。
仕事終わりにここによって色々物色するのが彼女の何よりの楽しみである。
昔から可愛い物に目がない彼女の部屋はこんな調子で買い集めたぬいぐるみやら何やらで
足の踏み場もない。

 

「あ、この子もいいかも・・・すみませーん!これ下さい」

 

そんなことはどこ吹く風とぬいぐるみの山から一体のぬいぐるみを追加で持ち、
彼女はレジへ向かった。

 



 

「はぁ・・・この子どこに置こうかな・・・?」

 

そして帰り道で後悔するのもいつもの通りだった。
物が多いのもそうだが、そもそも彼女は片付けが得意ではない。
それもあって、彼女の部屋は他人を呼べる状態ではなく、恋人も作りにくい状態だ。

 

「・・・あれ?こんなお店あったっけ?」

 

そんな帰り道、裕子の目の前に一軒の店が目に留まった。
細い路地のような道でほかに明かりのついてる店がないからかもしれない。
なんとなく、裕子は店の中へと入って行った。
店の外には小さな看板に『美貌換金屋』と書いてあった。

 



 

カランカランとドアに付いて居るベルが鳴り、店の奥で動く気配がする。

 

「いらっしゃいませー」

 

店に入ると、これまた変な格好の女性が居た。
黒いワンピースだろうか。その上に赤いジャケットを羽織っている。
その女性がニコニコと笑いながらカウンターの向こうで立っている。

 

「ご利用は初めてですね?」
「あ、はい。えっと・・・」
「あ、お店の説明ですね?では説明させていただきます!
 当店はお客様のご希望をお客様の美貌と引き替えに変えさせていただきます」
「美貌ですか?」
「はい!例えるならば・・・お金が欲しいという方にはその代金に見合った分の
 お客様の美しさを頂くシステムです」
「・・・?」
「そうですねぇ・・・例えば美しい髪の毛をお持ちならそれを、綺麗な肌をお持ちでしたら
 その質感をといった感じですね」
「はぁ・・・」

 

胡散臭い。それもこれ以上無く。
そう感じながらも裕子はどこか引かれる物があった。

 

「お客様、何かお悩みでは?」
「悩み事・・・うーん・・・家の片付けとかですかね?」
「お片付け!私も悩むんですよねぇー・・・
 あ、ならいい道具がありますよ!」

 

そういうと女性は店の奥に引っ込み、暫くしてから出てきた。
それは50cm四方程の箱で、両開きの扉が付いて居る。

 

「この箱はですねー中にいくらでも物が入れられるのです」
「い、いくらでも・・・?」
「はい!ですが、最初は容量が決まってます。最初のサイズはお客様次第なのですが・・・
 でも普通の箪笥なんかよりはずっと入りますよ!
 それでも足りなくなったとしてもご安心を!なんとお客様の美貌と引き替えに拡大できます!」
「・・・なんだか漫画みたいな話ですね・・・」
「まぁ信じるか信じないかはお客様次第という奴ですわ。
 今ならサービス価格で・・・そうですね、お客様の髪の毛10cm程頂ければ」

 

裕子は少し迷ったが、最近髪が伸びてきて邪魔にも感じてきたしと、
渡りに船だと思いその箱を受け取った。

 



 

「裕子の部屋綺麗になったねぇ。あのぬいぐるみとかどうしたの?」
「ふふ、ちょっといい保管場所を見つけてね〜そこに仕舞ってるわ」

 

数日後、裕子は学生時代からの友人を部屋に招いていた。
あの箱の効果は素晴らしく、あれだけ物でごった返していた部屋がスッキリとしていた。
逆に言えば現状あの箱は物でごちゃごちゃになっているとも言えるが・・・

 

「ふーん・・・所で裕子さ?」
「うん?」
「あんたちょっと太った?」
「・・・」

 

さっと視線をそらす裕子。
それは肯定と見て良いだろう。

 

「はぁ・・・折角部屋が綺麗になってもこれじゃ結局彼氏できないわよ?」
「うっ・・・大きなお世話よ!」

 

裕子が太った原因は実のところ箱の所為だ。
店の店員が言っていた「美貌と引き替えに容量を拡大」がこれに当たる。
つまり、箱が拡大すればする程裕子の体重が増加するのである。
裕子自身は何となくそれに気がついている物の、次々に増える荷物を入れるためならと、
少しばかりの体重増加は構わないと思っているようだ。

 

「まぁいいけど・・・見てくれは良いんだから少しは気を遣いなさいよ?」
「はいはい・・・そのうちね」

 

そんな会話をしながら、裕子は友達のとの時間を過ごしたのだった。

 



 

「うーん・・・これかわいいなぁ・・・でもこっちも・・・」

 

裕子のいつもの日課であるファンシーショップでの買い物。
今日もいつものように買い物を済ませ、帰宅する。
そんな時だった・・・

 

【クスクス・・・ナニアノオバサン・・・トシカンガエナサイヨネ・・・クスクス・・・】

 

どこからか聞こえる声。
ひそひそ話ではあるが、人間自分に向けられた言葉は意外と分かるものである。

 

「・・・」

 

裕子はそんな声を背中に受けつつ、急ぎ足で家へと向かった。

 



 

家に着き、買ってきたぬいぐるみを枕元に飾ると、裕子はベッドに倒れ込んだ。

 

「おばさん・・・」

 

裕子は自分はまだ若いと思っていただけにかなり効いた。
肌だってまだまだハリはある。
髪だってまだ艶が残ってる。
なのに・・・

 

「・・・体型?」

 

暫し裕子は考え込んだ後、鏡に向かった。
久しぶりに見た鏡には、予想以上に太った裕子が映っていた。
だるんとした胸。大きくはなったが少々出過ぎな気もする。
その下にあるぽっこりと出たお腹。
確かにおばさん体型に見えるような肉の付き方だ。
太ももも大分だらしくなったし、尻も少し垂れ下がりが気になるようだ。
二の腕は触るとたぽたぽと揺れ、何とも悲しい気持ちになる。

 

「・・・これはまずいかも・・・」

 

つい便利な物を頼りがちになる。人間誰しも経験する事だろう。
だが、裕子の場合、それが他人よりも頼りがちで、しかも頼ってはいけない物だったのだ。

 



 

「ふむふむ・・・これいいかも・・・あとこれも・・・」

 

カチカチと、キーボードを叩く音がする。
薄暗い部屋の中、裕子はラフな格好でパソコンと向き合っていた。
ファンシーショップで噂されて以降、彼女はぬいぐるみをネット販売で購入することが増えた。
受け取りにやや手間がかかるが、幸い彼女の業務はそこまで厳しくなく、
土曜は兎も角、日曜日は休みだ。
受け取りの日をそこに指定すれば良いだけ。
これも便利であった。
そう・・・便利だったのだ・・・

 

「よっとぉ・・・」

 

【ぶるんっ!】

 

椅子から立ち上がった裕子の体全体が揺れる。
胸はシャツからこぼれそうになり、その存在感を存分に出している。
その下の腹は完全に丸見えであり、三段腹が惜しげも無く晒されている。
座ってたせいか、それとも単純にずり落ちたのか、
尻の割れ目が見える辺りまでズボンが下がっている。
その所為か、ただでさえでかい尻がさらに巨大に見える。
太ももは内側が当たるらしく、どうも両側にこすれた跡が見える。
二の腕はまるで一般的な女性の二倍から三倍はありそうで、動く度に揺れ動く。
顔も大分丸くなり、顎には立派な二重顎ができている。
ネット通販の所為で仕事以外は完全に家に居る状況ができあがり、
通販で買った物を仕舞うために箱の中を拡大する。
そして太った分だけ動くのが億劫になっていく。
完全に悪循環であった。

 

「ふぅ・・・コーラコーラっと」

 

そんな事はどこ吹く風と言わんばかりに、冷蔵庫から2Lの炭酸飲料を取り出し、
ラッパ飲みを始める。
その姿は完全にデブその物であった。

 



 

「くちゃくちゃ・・・んぐんぐ・・・げっぷぅ・・・」

 

テーブルには様々な料理が並んでいる。
中華、洋食、和食等々・・・
それらをまるで飲み込むかのような勢いで裕子は食べていく。
最近、裕子は会社を辞めて食事ばかり摂っている。
その資金はどうやって出ているのか?
簡単な話だ。彼女はあの箱を貸金庫のようにして、片付かなくなった物を他の人から預かり、
代わりに保管すると言うことをしている。
そのお金で食料を買い、自ら太っているのだ。
実際は自分で太ったところで何の意味も無い。箱が拡大すれば勝手に太るからだ。
自分から太っても箱の中身は何も変わらない。
だが、今の裕子にはそんなことはどうでも良いのだ。
太れば太る程自分は儲ける。
儲ければ好きなだけ料理が食べられ、可愛い物が買える。
今の裕子にはそれしかない。
全裸でひたすらに食べ物をむさぼる彼女の体は酷く太っていた。
完全に自重に負けて垂れ下がった胸はでろんとしていて、巨大過ぎるその全貌を晒しだしている。

腹は股間を隠す程に育ち、まるで肉のエプロンのようだ。
椅子を二つ並べても横にはみ出す尻。その下の太ももはドラム缶を思わせる。
必死に動かす腕はまるで一般男性の腰よりも太く見え、肘の辺りでくびれになっている。
顎は完全に首と同化し、頬はまるで頬袋をパンパンにしたハムスターのようだ。
最も、詰まっているのは贅肉だが。
目も細まり、以前の顔付きの面影はどこにもない。
そんな状態になってもただひたすらに裕子は食べ続ける。
だが彼女は気付いていない。
このままではいつか動けなくなることを。
そうすればこのビジネスは続けられなくなることを。
そもそも出前すら頼めなくなることを。
それでも彼女は食べ続ける。
それ以外に今は考えられないからだ。

 

「むぐむぐ・・・おいしい・・・おいしいのぉ・・・もっとぉ・・・
 もっとふとるのぉぉおお・・・」

 

哀れに、ただひたすらに口を動かすのみだ。

 

 

 

 

 

 

 

身長:159cm
体重:49kg → 53kg →  71kg  → 104kg  → 192kg
B:88cm  → 92cm → 103cm → 124cm → 148cm
W:59cm  → 64cm →  79cm  → 103cm → 162cm
H:83cm  → 88cm →  99cm  → 104cm → 143cm


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