◆t3E9hfR0Bc氏その1
人物紹介:
・鹿取 美香(かとり みか) 21歳
身長:162cm 体重:38kg B 75 W 48 H 79
ウェーブがかった栗色のセミロングが特徴的なやや小柄な女性。
今回友人の栄子の誘いでとある村を訪れるが・・・
・渡辺 栄子(わたなべ えいこ) 21歳
身長:165cm 体重:44kg B 87 W 52 H 82
すらりとした体つきと長い黒髪で、見てくれはそこそこなのだが、
趣味と服のセンスが悪いというのが周りからのもっぱらの意見である。
オカルトサークルに所属しており、友人の美香を誘って滅ぼされた村を探索しに行く。
「ねぇ美香、肉の日って知ってる?」
大学の昼休み、食堂でA定を食べてた私に、同じ科の栄子がふと聞いてきた。
ほっそりとした体つきで、顔も可愛いのだが、服が黒一色というセンスの所為で
今一モテないのが欠点である。
「肉の日ってあのお肉の宣伝のやつ?」
「そうそう、毎月二九日にはお肉を食べましょうってやつ」
にやにやしながら栄子は面白いことを聞いたのと話を続けた。
「実はね、あの話には裏話があるのよ」
「裏話?」
なんかうさんくさくなってきたわね・・・
この子オカルト部にいたはずだし・・・
「そう、裏話。
日本って元々肉を食べる文化がないのは知ってるよね?」
それぐらいならもちろん知っている。
確か宗教の関係で肉食が禁止されてたのだ。
彼女は顔をずいっと近づけながら続ける。
「でもね、とある村には肉を食べる文化があったの。
でも、宗教の弾圧でその村は滅ぼされちゃったんだって。
でも、その村を滅ぼした人たちが次々と謎の死をとげるの!
で、これは呪いだとして、その村が毎月29日に肉を食べたことに由来して、
29日を肉の日にしたんだって!」
栄子は嬉しそうに語る。
そしてこのパターンはまずい。
「じゃあ、そういうことで」
早々に立ち去ろうとする私の腕を、栄子がぐっとつかむ。
「で、その村に一緒に行きましょう?」
ほら来た。
「いやよ、オカルト研の人と行けば良いじゃない」
「だってみんな都合悪いんだもの・・・」
知ったことか。
「ねぇお願い。ちょっと行って少し調べるだけだから!」
「そもそもどこにあるのよそこ・・・」
栄子が言うには割と近く、車で4、50分ほど行った所らしい。
「お願い!一生のお願い!ちょっとで良いのよ!」
「・・・はぁ、わかったわ。その代わり運転は栄子がしてよね」
しぶしぶではあるが、頼みを聞いてあげることにした。
一応高校からのつきあいだし。
「本当!?じゃあ今度の二九日で!」
「また急な・・・ま、いいわ。じゃあまたあとで連絡頂戴」
わかったーと騒ぐ栄子を尻目に私は食器をもどし、授業へと向かった。
後に私はこの選択を非常に後悔することになる。
そして当日、栄子に連れて行かれたそこは
「・・・滅んだのよね?この村」
「・・・そのはずだけど・・・」
ーお祭りかと思うほど賑わった村がそこにあった。
「どういうことなの?ここ滅ぼされたんでしょ?
にしてはすごく発展してるわよ?」
そうなのだ、滅ぼされた村にしては人が多い。
確かに建物やらは昔の建物が多いのだが、綺麗に手入れは行き届いてる。
ここまでの道も砂利道では有ったが、山奥なこともありまだ整備が行き届いてないだけのようだ。
「いやそのはずなんだけど・・・
確かに私の見つけた歴史書ではここは弾圧やらでなくなったはず・・・」
「だって現にこうなってるわけなんだけど?」
「私だってなにがなにやら・・・とりあえず少し回ってみる?」
なんともいえない顔でおずおずと提案する栄子と一緒にとりあえず見て回ることにした。
「お、巫女様だね!これ食べてきな!」
「あら?巫女様、こちらもどうぞ!」
「おう、巫女様!こいつも食いねぇ!」
ぶらぶらと歩くと、みんなが何故か食べ物をくれる。
それに巫女様ってなんだろう・・・?
「すみませーん?なんで私たちを巫女様って呼ぶんですか?」
お好み焼きをくれた人に栄子が聞いてみる。
そろそろ両手に余るぐらいになってきた。
「ああ、昔話なんだけどね。
村が飢饉で大変な時期があって、そんな時に外から巫女様がいらっしゃったそうなんだ。
で、巫女様にに食べ物を献上して、代わりに村の飢饉が収まるようにと
神様に祈ってもらったそうなんだよ。
だから外から来た女の子には食べ物をあげるってわけ」
そういって彼は去って行った。
「へー・・・巫女様ね・・・」
「村が飢饉の時にわざわざ、それもそとから来た人に食事をあげるなんてね」
「まぁ当時の概念なら巫女様は神聖な人だろうしね、それに祈って貰うってのもあったんでしょ」
何となく二人で今聞いた話について色々と意見を言い合う。
それにしてもなんとも言いがたい場所だ。
村の人たちはお祭りだからか、みんな昔の格好してるし・・・
これでは普通の格好の私たちが浮いてしまっている。
因みに私は以前間違って買った少し大きめのシャツの上にジャケットを羽織り、
下はゆったり目のジーンズをはいている。
栄子は白と黒のチェックロングスカートに黒のロングシャツという出で立ちだ。
「いやーなんか当初と目的が違っちゃったけど、これはこれで良いじゃない?」
栄子はもうお祭り気分だ。
あーあ、あんなにソースこぼしちゃって・・・まぁ服が黒だからあんまり目立たないけど。
・・・ん?
何だろうこの違和感・・・
「栄子・・・あんたなんかおかしくない?」
「え?なにが?」
「いや、なにがとは言えないんだけど・・・」
「なにそれ?変な美香〜」
そういいながら栄子は生姜焼きをほおばる。
私はなんだか嫌な予感を感じつつ、もらったお好み焼きを食べ始めたのだった。
一回りした頃にはもはや抱えきれないほどに食べ物を貰ってしまった・・・
「美香、一回どこかで食べちゃおうか」
「それより一回車に戻った方が良いんじゃない?」
「えー、そうすると冷めちゃうよ?」
「でもこの量はあれじゃない?」
「あそこで休憩出来るみたいだし、戻るにしてもこの量じゃ、
ちょっとずつでも食べないと結構やばいと思う」
「・・・確かに、これもって動くのはちょっときびしいかも」
仕方ないので休憩所のような場所である程度消化してから戻ることにする。
ただ、なんか嫌な予感がするのはなんでだろう・・・
「ハフ、このお肉おいしい!こっちのは郷土料理かな?良い感じに出汁が染みてておいしい!」
「栄子・・・あんたこんなに食べる方だっけ?」
「なんかねーするするっといけるの!美香も食べようよー」
「う、うん・・・あ、ホントだ、おいしい」
「でしょ!?こっちのもおいしいんだよ!」
「へーどれどれ・・・」
しばらく食べ続けてると、ふと違和感を感じた。
「・・・服がきつい?」
「そりゃこれだけ食べればお腹膨らむでしょ」
いや、そうじゃない。
そういいながら栄子を見た私は固まった。
「・・・栄子、あんたの体・・・」
ん?と口の中を食べ物でいっぱいにしながら栄子がこっちをみる。
その体は一言でいえば凄まじいとしかいえない。
栄子はほっそりとした体系のはずなのにその面影はどこにもない。
胸はそこいらでは絶対にお目にかかれないような、まるでおおきなスイカかといわんばかり。
そんな胸をこれまたどーんっとつきでたお腹が支える。
服を弾き飛ばしたのか、お腹が丸見えの状態で、もちっとしてやわらかそうだ。
座っているためわかりにくいが、お尻もむにっとして上半身を支えている。
太ももはスカートの上からでも判別できるぐらいに太くなっている。
顔にもだいぶ肉がついたのか、二重あごを通り越してそろそろ首があるか怪しいレベルになってる。
頬にもむっちりとついているためか目がすこし圧迫されて細まってる。
「栄子・・・あんたいつの間にそんな体に?」
「・・・え?・・・なに・・・これ?」
栄子はいわれてから気づいたらしく、食べるのをやめて体をまさぐり始めた。
そのまさぐる指もぶっとく、まるでウィンナーのようだ。
「ちょっと、栄子大丈夫?」
「み、美香。あ、あなたも・・・」
「え?」
いわれてから自分の体を見回す。
「・・・な!?」
栄子ほどではないが、私も確実に太っていた。
小さめだった胸はハンドボール大になってた。
細いねーとよく言われていたウエストはぶにっとつまめる・・・いや、つかめるほどになっていた。
太ももは競輪選手のように太くなっている。
この分ではお尻も大変なことになっているだろう。
そう、なぜ気づかなかったのか。
今日の私の服装は『ゆったりめ』ではなかったか。
それがすこしきついのだ。
つまり『大き目の服がきつくなるほど太った』───。
「美香、ここやばいよ、帰ろう!」
栄子がなみだ目になりながら提案してくる。
是非もない、と帰ろうとしたとき
「巫女様、どこへ?」
「まだ食べ終わっておりませんよ?」
「ささ、まだまだありますので」
気がつけば周りを村人たちが囲んでいた。
あ、あのー・・・私たちもうお腹いっぱいで・・・そろそろ日も暮れてきたし、帰ろうかなーって」
恐る恐る声をかけるが
「いやいや、巫女様たちにはもっと食べてもラワンと」
「そうソう、もっと一杯食べてモラって」
「この村ノ平和ヲ祈ッテモラワナイト」
「ケモノノカミサマニ、コノムラノヘイワヲ」
じりじりと村人たちがにじり寄ってくる。
その顔には生気がなく、まるで───
「も、亡者・・・いや!いやーーー!」
栄子が叫んで逃げようとする。
が、
どすん!
急に太ったためか、バランスを崩して転ぶ。
「栄子!」
助けようと私も立ち上がった、その瞬間
「ホラ、ドコヘイクンデスカ?ミコサマ」
がっしりと腕をつかまれてしまった。
離して!と叫びながら振りほどこうとするけどぴくりともしない。
そうしている間に口をむりやりあけられ、口の中に食べ物が次々と入れられてゆく。
「うぐぅ、ぐふぅ・・・」
「んぐ!ぐう!」
隣では栄子が同じ目にあっていた。
助けようにもこっちもつかまってて何もできない。
「サァ、ミコサマ。タップリトオタベクダサイ。ソシテワガムラニヘイワヲ・・・アハ、
アハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
私は遠くなる意識の中で村人たちの笑い声を聞いた・・・
「ん・・・んん・・・っはぁ」
ゆっくりと意識が覚醒する。
まるで酷い二日酔いみたいに頭がぼんやりする。
「こ・・こ・・・は?」
周りを見渡すと、どこかの廃屋のようだ・・・
「・・・!そうだ!栄子!栄子は!?」
ようやく意識がはっきりしてきた。
村人たちに変な料理を食べさせられて、そのまま気絶したのだった。
同じ目にあってた栄子が気になる!
「探さないと・・・きゃ!」
立ち上がろうとして思い切りバランスを崩した。
何故だと思い、自分の体を見て驚愕した。
なぜなら、昨日の二回り、いや三回りは体が大きくなっていたのだ。
それこそ昨日の栄子以上に。
胸は片方だけで私の頭よりも大きいだろう。
その二つが鎮座するお腹はもはや山と形容するしかない。
なんとか体をひねってお知りを確認すると、巨大な桃のようになっている。
手鏡がないため顔が確認できないが、触った感じだと相当酷いことになっているだろう。
首はもはや存在していない。
なんとか立ち上がり、栄子を探すためにあたりを捜索し始めた。
一歩歩くたびに体中の贅肉という贅肉が揺れ動き、私を辱める。
「栄子!どこにいるの栄子!?返事して!」
呼びかけるというよりは悲鳴に近い声で栄子を探す。
「・・・うぅん」
「栄子!」
廃屋の奥のほうから栄子のうめき声のような声が聞こえる。
数十mを普段の何倍もかけて栄子のそばに近づく。
そこには私と同じぐらいに─あるいは私よりも─太った栄子がいた。
私よりも下半身が太りやすいのか、お腹とお尻がすごいことになっていた。
「栄子!おきて栄子!」
「・・・んぁ・・・美香・・・?」
揺さぶりながら声をかけて栄子を起こす。
「・・・!美香!?私たちどうなったの!?」
「わからないけど、とりあえず村人たちもいないし、ここから逃げましょう!」
そういって栄子を立ち上がらせ、私たちは村から脱出することにした。
「・・・どうなってるの?みんな廃墟じゃない・・・」
「・・・考えるのはあと・・・とりあえず脱出よ」
廃屋を出た私たちの目の間には昨日と同じ村があった。
でも、全部廃墟になった状態でだが。
見た限り数年、いや数十年以上だれも立ち入ったことがないような、そんな感じだった。
私たちは大慌てで車まで戻り、自宅へと帰ったのだった。
・
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・
後日、あのあたりについての文献やらを調べたところ、こんな話しが見つかった。
あの村には独特の信仰があったらしい。
それは外から来た女性をを巫女と崇め、食べ物を与えるかわりに
獣の神様とよばれる独自の神へ祈ってもらうことで神の加護を受けるというものである。
そして毎月29日は巫女に食べ物をあたえ、自分たちは獣の神と同じである証として
肉を食べたのだという。
しかし、異端であるとされ、近隣の村に滅ぼされたのだという。
だが、それ以降襲った村々に色々な災害が起こるようになったのだという。
結局その村に毎月29日に肉をそなえることで災害を止めるようになったのだという。
「・・・で、それが今になって29の日となったと・・・」
「うん、みたいだね」
「やれやれね・・・」
あの日見た光景はあそこにいる人々の怨念のせいだったのかもしれない・・・
あの後、自宅へと帰った私を見た両親は驚いて腰を抜かしてしまった。
そしてすぐに病院で検査をするはめに。
結果としては太っているだけで健康面では異常なしらしい。
なので今は少しでもやせようと努力している。
努力しているのだが・・・
「・・・ねぇ栄子、何キロやせた?」
「・・・美香は?」
「・・・」
そう、一ヶ月ほどダイエットしてもやせるどころかますます太っていくのだ。
それは栄子も同じようで、また一段とお腹が出たようだ。
私も人のことが言える状態ではないが・・・
「とにかく、少しでもやせないと!」
「そうだね、ところで美香?」
「なに?」
「この前面白い話を聞いたんだけど─」
美香:身長162cm 体重376kg B:189 W:238 H:195
栄子:身長165cm 体重415kg B: 184 W: 248 H: 214