お嬢様の秘密
浅岡悠香(あさおかゆうか) 21歳 身長:162cm 体重:43kg
長いストレートの黒髪と、少々やせ気味の体つきが特徴。胸はぺったんこ。
日本人的体型。
森丘エリカ(もりおかえりか) 22歳 身長:165cm 体重:48kg
父親が製薬会社の社長兼研究所の所長なお嬢様。
ハーフのため金髪碧眼ですらっとしつつ、出るところは出る体型である。
「ねぇ、悠香ちゃん。肉の日って知ってます?」
バイト中に、同期に入ったエリカが、突然聞いてきた。
なかなかのお嬢様らしいが、社会勉強のためにバイトをしているんだそうだ。
一人暮らしの私なんかは日々の生活費ですらかつかつしてるのに・・・
まぁこの子自体は気取ってないし、気もきく良い子だけどね。
「肉の日って毎月29日にお肉を食べましょうって奴?」
そう聞くとはい〜とすこし間延びした声で答えてくれた。
「実はですね、我が家で29日にお肉をメインにした食事会をすることになったんです
良かったら来ませんか?」
「エリカの家の食事会・・・?」
是非も無い。ものすごく良いお肉とか出そうだし。
そもそもここ最近まともに食事してないし。
「行くわ!」
「よかったぁ〜断られたらどうしようかと思ってました」
断るわけ無いじゃ無い。
こんなおいしい─懐的にも、味的にも─話はなかなか無いものね。
しかし、私は暫くしてこの選択を後悔することになる。
まさかあんな事になるなんて・・・
当日、私はお屋敷について唖然としてしまった。
「そこそこの金持ちとは聞いていたけど・・・これのどこが「そこそこ」なのよ・・・」
映画でしか見たことの無いような豪邸だった。
「どうしよう・・・一応おしゃれしてきたけど・・・」
正直言ってこれじゃ浮いてるだろう。
私の恰好は所謂シフォンフリルワンピースという奴なのだが、なにせこちとら貧乏学生、
一応奮発して買ってはみた物の、5000円程度の奴だ。
場違いになるのは明白よね・・・
「・・・こんなんで来ちゃってアレだったかな
・・・やっぱ、帰ろう!」
そう決意したのだが、天はこういうときに限って微笑んでくれないらしい。
「あ、悠香ちゃん!来てくれたんですね〜!」
見つかってしまった。
「あ、あははは・・・こんばんわ」
「こんばんは〜可愛い衣装ですね〜
ささ、会場に行きましょう」
そういうとエリカは腕を組んでグイグイと引っ張って行こうとする。
こうなれば腹をくくるしか無い・・・
「はいはい・・・」
中に入ってみてさらに驚いた。
壁には高そうな絵画が飾られ、途中には綺麗な壷─これも高そうだ─やらなんやら。
さらには西洋甲冑なんてのも並んでて、なんだか西洋貴族のお屋敷のようだ。
「でも何よりも気になるのは・・・」
「はい〜?」
「ここのメイドさん・・・でいいのかな?なんでみんなその・・・太ってるのかしら?」
そう、見かけるメイドさん全員が全員ぽっちゃりから、
大きな人は相撲取りなのかしら?と思えるぐらいに太っている。
エリカに聞いた話では、エリカの母方の祖父が所謂由緒正しき貴族らしい。
その祖父が「メイドを見るだけでその家が分かる。」という事を信条としていたらしく、
メイドの質、数。そして体型を重視したらしい。
ふくよかな体型のメイドを数多く雇っており、さらにメイドの精度が高い家というのは
それだけ繁栄しているのだそうだ。
「だから家のメイド達もふくよかな子ばかりなんですよ〜
まぁ見栄みたいなものなんです」
そんなものなのだろうか。
こういった世界の話は一般市民代表たる私には分からない話である。
料理はまさに豪華絢爛だった。
ほどよく脂ののった牛の刺身、綺麗に焼かれたローストビーフ。
それ以外にも様々な料理が所狭しと並んでいる。
ただ、予想外だったのが参加してる人達だ。
もっとこう気取った感じかと思ったら割とラフな格好の人が多い。
堅苦しくないのはこちらとしても嬉しかった。
「すごいわね・・・」
感心して居ると近くに居たメイドさんがシャンパンを渡してくれた。
「皆様、本日はようこそおいで下さいました」
いつの間にかエリカはステージに上がっており、マイクで挨拶をしている。
気がつけば周りの人々もエリカの方を注目してた。
「それでは、皆様。乾杯!」
『乾杯』
数分のスピーチが終わり、エリカが乾杯の音頭を取ったので渡されていたシャンパンを飲む。
炭酸とアルコ−ルが喉を刺激する。
一瞬変な風味があったがもしかしたらこういうものなのかもしれない。
エリカが舞台から降りるとみんな思い思いに食事をし始めた。
「遠慮せずに食べてくださいね〜」
すぐさま近寄ってきたエリカがにこやかに言う。
言われなくても食べるつもりだ。
さぁ、何から手をつけようか・・・
「・・・にしてもおいしいわね。私ってば、こんなに大食漢だったかしら?」
暫く食事を楽しんでいたのだが、いささか食べ過ぎたようだ。
ウエスト部分が苦しいぐらいだ。
「あら悠香ちゃん、どうしたのですか?」
エリカが私の不調を察したのか声をかけてくれた。
「うん、ちょっと食べ過ぎちゃったみたいで・・・」
「あら、じゃあ休憩できるお部屋へ案内しますね」
「あ、お願い」
エリカが近くにいたメイドさんを呼び止め、2、3言話すとメイドさんが判りましたと返し、
案内をしてくれた。
「こちらでお休みください」
予想通りというか、案内された部屋も豪華だった。
天蓋つきのベットなんて初めて見たわ・・・
とりあえずいすにでも腰掛けよう・・・
「どうぞ、紅茶です」
いつの間に用意したのやら、いい香りのするお茶がテーブルの上に置いてあった。
「あ、どうも」
「いえ、では失礼いたします。何かありましたらそちらの鈴を鳴らしていただければ参りますので」
そういうとメイドさんは部屋を出て行った。
「・・・せっかく淹れていただいたし、飲もうかな」
そう思い、紅茶を口にした。
「あ・・・おいしいなこれ」
この紅茶の効果か、それとも疲れで限界だったのか。
つい、うとうとしてしまい。
そして
「・・・Zzz」
私は寝てしまった。
「・・・あ、いけない寝ちゃっ─」
・・・なんで?なんで起きたら手錠がついておまけに壁に全裸で固定されてるの?
それに・・・
「なによ、この体・・・」
私の体が大きく変化していた。
やせ気味のはずが、ぽっちゃりを超えてそろそろデブといえるぐらいになっている。
括れが自慢だった腰にはむにっとした贅肉が存在してるし。
胸は大きくなったけどお腹を考えるとまったく嬉しくない。
お腹と胸が邪魔で見えないけど多分太ももも大変なことになっているだろう。
お尻は考えたくもない。
「あら?悠香ちゃん起きたんですね」
ドアが開いたかと思ったら、にこやかに笑いながらエリカが部屋に入ってきた。
「ねぇ、エリカ?これはどういうことかしら?」
「どうって、そのままの意味ですよ〜
悠香ちゃんをお薬で眠らせて、壁につないだんです」
にこにこと、本当に嬉しそうに話すエリカ。
「そうじゃなくて、なんだってこんなことをしたの?」
「ああ、そういうことですか。
実はですねぇ〜悠香ちゃんには太っていただこうかなって〜」
「・・・は?」
突然すぎるカミングアウトに面食らう。
「太ってて・・どうして!?」
「あのですねぇ、私は悠香ちゃんのことが好きなんです。
もちろん、LikeじゃなくてLoveの方でです。
さらにいうと所謂デブ専っていうんですか?太った女性が好きなんです〜」
・・・駄目だ、意味がわからない。
ぽかんとする私を横目にエリカは続きをしゃべる。
「でですねぇ、こうなったら悠香ちゃんを太らせて私のものにしちゃおうかなと思ったんですよ〜」
「ちょっと待ってよ、私の意志は?」
「ごめんなさい、どうしても我慢できなくて・・・」
こ、これがお嬢様か・・・
普段は気が回るし、我侭なんていわないからいい子だと思ってたのに・・・
「って、ちょっと待って。
いくらなんでも急にこんなに太るわけないじゃない、これはどういうことなの?」
「ああ、それはですねぇ、お父様のお薬なんです」
話を要約すると、最初に飲んだシャンパン、あの中に薬が入っていたらしい。
その薬とは拒食症の患者のために作られた新薬で、満腹中枢の機能を弱め、胃腸の働きを強め、
吸収をよくするものらしい。
これにより私はいつもよりも多く食べ物を食べたわけだ。
さらに今回出た食事は全部油っぽい肉系ばかり。
吸収のよくなった私の胃腸は普段よりも多く栄養を取る。
おかげでこうなったんだと言う。
「つまり・・・最初から私を太らせるためだった訳ね」
「はい、そのためにこのパーティも開いたんです。
お客様も悠香ちゃん以外は全員エキストラを雇いました」
よくそこまでやるわ・・・
「そもそも・・・なんで私だったのよ?」
「それはもちろん、一目ぼれしたからです!」
「はぁ?」
「だって悠香ちゃんを初めて見たとき、まさに電撃が走ったようでした!
ああ、恋心ってこういうのを言うんだと思ったんです」
「・・・」
思わず絶句してしまった。
「・・・ともかく、これをはずして私を自由にして!
そうすれば今までやったことも許してあげるし、今までどおり付き合ってあげるから」
「あら、残念ながらそうはいきません。
悠香ちゃんにはもっと太ってもらわないといけませんから」
その程度では足りませんと言わんばかりにあっさりと語るエリカ。
さすがにカチンときた。
「あのねぇ・・・もうこれ以上太るのはいやなのよ。
第一どうやって私を太らせるのかしら?」
「ああ、それに関してはこれを見ていただくのがわかりやすいですね」
そういうとエリカは袖からリモコンのようなものを取り出した。
カチャカチャとそれをいじっていると上からチューブのようなものが下りてきた。
よく見ると上の方にタンクのような物があり、その中には黄色い液体のようなたっぷりと入ってる。
「・・・何これ?」
「ふふ、流動食ってご存知ですか?
これは高カロリーな、簡単に言うとゼリーのようなものです。
これを食べていただきますね」
「ふざけないで!食べるわけないでしょ!?」
「素直に従っていただけませんか?」
「従うわけ無いでしょ!」
そう叫ぶと、エリカはやれやれといった感じで
「そういうと思ってましたので、一つ勝負をしません?」
「はぁ?」
訳の分からない提案をしてきた。
この子は一体何を言っているのだ?
「勝負に従う義理なんて私には無いわ」
「私は勝負を受けていただかない限り貴方への食事の制限やらを
しなければならなくなるのですが・・・」
「ぐっ・・・!」
それって簡単に言えば脅しじゃ無いの・・・
この状態だと私は条件を飲むしか無いのか・・・
「判ったわよ・・・で?勝負って?」
こうなったら腹をくくるしか無いか。
「簡単なことですわ。今から私が悠香ちゃんの目の前で食事を食べます。
私が食べ終わるまでに、悠香ちゃんが一度でも「食べたい」と言ったら私の勝ち。
見事我慢できれば悠香ちゃんの勝ちです」
・・・意外と簡単な話じゃ無い。
「・・・私が勝ったら?」
「もちろん解放して差し上げます。
さらにダイエットのお手伝いもします」
「エリカが勝ったら?」
「うちのメイドとして私に使えて貰いますわ」
「・・・一度の食事の時間は何分ほど?」
「大体平均して三〇分ほどですね」
・・・随分と話が良すぎるわね。
「妨害とかはしないわよね」
「もちろんしませんよ〜
勝負には一切手出ししません」
よし、これで言質は取ったわ。
「判ったわ、その勝負受けるわ」
「では、これから勝負を開始します。準備宜しいですね?」
「ええ、初めて頂戴」
そういうとエリカは鈴を鳴らして、メイド達を呼び込んだ。
すると良いにおいが立ちこめてくる。
思わず口の中に唾がたまるが、慌てて飲み込んだ。
「では、頂きます」
こうして、私と彼女の静かな戦いが始まったのである。
最初の数分は余裕だった。
だが・・・
「はぁ・・はぁ・・・」
「悠香ちゃん、どうしたんですか?まだ一〇分位ですよ?」
「わ、判ってるわ」
どういうわけだが私の体は目の前の食事を食べたくて仕方ないようだ。
普段ならこんなに空腹感を感じることは無いはずなのに・・・
「うーん、おいしいですね。
でも少々味付けが濃いかしら?シェフに言って次からは少し薄めに作って貰いましょう」
エリカはそんな私の状態を構うこと無くもぐもぐと食べている。
「どうですか?悠香ちゃん。
食べたいと思いません?」
「だ、誰が・・・!」
「あら残念です。でもいつでも食べたいと言って良いんですよ?」
さらに一〇分ぐらい経った。
さっきから目の前にある料理から目が離せなくなってる。
食べたいという欲求が私の中で抑えきれなくなってきている。
エリカが一口、また一口と食べる度にお腹からグゥゥとなるのが判る。
狂いそうなぐらいお腹が減っているのだ。
「ふふ、悠香ちゃん。
どうしたんですか?そんなに料理を見つめて?」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「あらあら、私の言葉も聞こえない位にこれが食べたいんですね?」
「う・・・うぐぅ・・・」
エリカが近づいてきてふぅと息をかける。
途端に鼻に彼女が今まで食べた料理の香りが広がる。
「・・・!!!!!!!!」
だめ、食べたいなんて言ったら・・・
「・・・い」
「あら?どうしました?」
言ってしまったら・・・
「・・・べたい」
言ってしまったら・・・
「食べたい!
どうなっても良いから食べたいのぉ!」
もう戻れない。
「・・・ふふふ、そうですか。でも良いんですか?
食べたら私のメイドさんになって、もっともぉっと太っちゃうんですよ?」
「いいのぉ!それでもいいから食べさせてぇ!」
もはや悲鳴に近い声で彼女に懇願する。
今の私には食べることしか考えられない。
その結果、例え彼女に使え、どこまでも太らされようと、
今目の前にある食事を食べることの方が重要だった。
「ふふ、判りました。誰か、彼女の手錠を」
後ろに控えてたメイドさんが私の手錠を外す。
自由になった私は一目散に料理へと駆け寄る。
スプーンやフォークなんか持ってられない。
なんだって良いから早く食べたいっ!
「残りは全て食べて構いません。
ただし、明日から私へ使えて貰いますからね?
私の可愛い可愛い悠香ちゃん・・・」
エリカはそんな私を慈しむようになでていた。
「悠香ちゃん、ちょっといいかしら?」
「はい、お嬢様」
あれから数ヶ月ほど経った。
私はあれからこの屋敷・・・いや、エリカお嬢様に使えている。
お嬢様のお気に入りである私は今やこの屋敷のメイド達の中でもダントツで太っている。
最初の数週間はメイドとしての仕事を覚えながらひたすらに食べていた。
もちろんあの流動食も大量に摂取したものだ。
みるみるうちに私は肥えていき、瞬く間にメイド中もっとも体重が重くなった。
その後はお嬢様専属のメイドとしてこの屋敷で生活している。
「悠香ちゃん、お腹揉んでも良いかしら?」
「かしこまりました、どうぞ」
ぱつぱつになってるメイド服をたくし上げ、脂肪の塊のような腹をお嬢様に見せつけるように出す。
お嬢様はこういったことをよくするので最早恥など無い。
「うーん・・・良い揉み心地ね。
今何キロだったっけ?」
「はい、366キロです」
これだけの体重になっても私はある程度は機敏に動ける。
良くは知らないのだが、旦那様─お嬢様のお父上─の開発した薬に足腰の筋肉を鍛える
薬品があるそうで、200キロを超えたメイド達はみんなこの薬を服用している。
「そっか。ねぇ悠香ちゃん?もっと太れる?」
「お望みとあればどこまでも」
「うん、良い返事ね。
その調子でもっともぉっと太って貰うわ、そうね。とりあえず目標は500キロね!」
「はい、頑張りますわ」
もしも、あの時。
あの時お嬢様の提案を断ったら。
もしかしたら違う未来があったかもしれない。
でも、今はこれで良いと思う。
私は今幸せなのだから。
HAPPY(?) END
浅岡悠香 最終ステータス
身長:162cm 体重:366.43kg バスト:194cm ウエスト:219cm ヒップ:207cm