薬売り

薬売り

 

 

「君には随分と目をかけてきたつもりなんだがね・・・吉浜君」

 

コンクリートに囲まれた窓すらない部屋。
あるのは簡易なトイレと食事を入れるための穴が開いた鉄製の扉があるだけだ。
白衣を着た男が目の前に居る女性に声をかける。
吉浜(よしはま)と呼ばれた女性は両手両足を縛られており、身動きは取れない。

 

「・・・」
「黙りとは随分嫌われたようだね・・・やれやれ」
「私は貴方達のしていることを許す気は無いわ」

 

きっとした表情で男をにらむ女性。
はぁ・・・とため息をつき、男は扉に向かって声をかける。

 

「アレ持ってきて貰えるかな?」

 

それを聞いた女性の顔が恐怖に歪む。
彼女は知っているのだ。
それがなんなのか・・・

 

「君には悪いけどね、話してくれないんじゃ仕方ない。
 上からも喋らないようなら何しても良いって言われてるからね」
「そんな・・・!資料は全て破棄したはず!」
「あのね、私がバックアップを取らないと思う?
 まぁ取らなくても資料ならここに入ってるけど」

 

頭を指先で叩きながら男は喋る。

 

「まぁどっちにしろ君は失敗したわけだ、ねぇ?吉浜君・・・いや山川早穂(やまかわ さほ)君?」
「・・・っ!どこでその名前を!」
「私達も無能では無くてね。その位の情報、調べればすぐ出てきたよ。
 山川早穂、28歳9月14日生まれのO型。身長165cm、体重45kg。上から91/52/81。
 大学を出た後現所属組織である公安に就職。後に我がクレイスサイエンスにスパイとして入社。
 なにか違うことは?」
「・・・」

 

ぎりっと歯を食いしばる。
全部筒抜けだったのだ。
恐らく最初から。
吉浜・・・いや山川は考えを巡らす。

 

(どうする?現状どうやっても動けない・・・けどあの薬を打たれたら・・・!)

 

開発に関った一人だからこそわかる。
あの薬の効能が。

 

「失礼します、薬を持ってきました」
「うん、ありがと」

 

白衣の男は別の男からアンプルを受け取る。
それを山川の腕に刺そうと手を伸ばす。
じたばたと暴れて刺されないようにするが抵抗むなしくぷすりと針が刺さる。

 

「いやー臨床実験できてなかったか丁度良かったね。
 もっとも、私自身はこんな結果は嫌だったけどね」
「なにを・・・!」
「まぁまぁ。ところで気分はどうかね?」

 

最悪だった。
この薬の正体は別に毒物というわけではない。
いや、毒物であったほうがましだったかもしれない。
服用すると血液中の酸素と結合し糖分を体内に生成するのだ。
それだけであれば高血糖になるが、同時にインスリン生成量を増加させ、
同時にインスリン抵抗性を下げる。
分かりやすくいえば呼吸するだけで太る薬なのだ。
もちろん酸素がほかに奪われれば細胞の活動が悪くなるので
低酸素でも活動できるようになる成分も入っている。
副作用として体内のホルモンバランスが崩れるともある。

 

「どうかな?即効性があるタイプなんだけど・・・って、早速効いてきたね」
「くっ!」

 

実際先ほどから山川は自分の服が体を徐々にしめつけるようになっていることに気づいた。
その事実が彼女をさらなる恐怖に誘う。
そしてもうひとつ気づいた。
太る速度が速いのだ。

 

「気づいたようだね?本来この薬は10倍に薄めて使うんだけど、
 君には特別に原液のまま注射したよ」
「げ、げんえき・・・?」

 

さっと血の気が引く。

 

「そう、原液。まぁ実験のひとつだから簡便してね」

 

そういうと男は部屋を出て行く。
太り行く山川を残して・・・

 



 

一時間程たった頃、男が部屋に戻ってきた。
はぁはぁと息を荒げる山川の姿は先ほどとは大きく変わってしまった。
元々豊満な体つきの彼女は肉肉しい体へと変貌した。
胸はスイカを彷彿とさせるサイズで、年のせいもあってか少々たれ気味だ。
そんな胸を支えるかのようにドンと飛び出た腹は柔らかな段を形成している。
括れを作っていたウェストは消え去り、今では山と表現するべきだろう。
当然レディーススーツのボタンはとうにはじけ飛んでおり、
下に着ているワイシャツのボタンは今にも弾けそうな位ぱつぱつになっている。
もちろんスカートだって無事ではすまない。
ホックがはずれ見るも無残な姿だ。
だがそれでも巨大な尻に邪魔されてか下にずり落ちてはいない。
まるで熟れた桃のようなその尻はクッションのように彼女の体を支えている。
また太くなった太ももに破かれたのだろう。スカートにはスリットのように亀裂が入っている。
そこから覗く下着と太ももには非常に色気が感じられる。
顔はまだあまり肉がついてないようだが、しっかりと輪郭が丸くなったようだ。
その趣味の人間が見ればたまらない体系になった彼女は俯いたまま荒い息を吐くだけだ。

 

「山川君、気分はどうかね?」
「最悪よ・・・!」

 

きっと睨み返すが、その顔は赤く高揚しており、まるで男を誘うかのようだ。

 

「ふむ、ホルモンバランスの崩れの所為かな?ずいぶんといやらしい香りがするようだが・・・?」
「ふざ・・・けない・・・で!」

 

強がって見せるが男の言う事が本当のことなのは山川自身が一番わかっている。
実際彼女の秘所からは蜜が垂れている。
ムラムラとして落ち着かないのだ。
だが両手両足ともに縛られて身動きの取れない彼女はどうすることもできない。
また太った所為で縄が手首足首に食い込んでおり、痛い。
だがそれは一種の希望でもあった。
つまりこのまま縄が切れるほど太れば自由になるだろうという考えである。
その時に動ける状態かは賭けであるが。

 

「まぁいい。私には関係のない話だからね。別段気分も悪くないようだしまた後で来るとしよう」
「もう・・・来るんじゃ・・・ないわよ!」

 

山川は悪態をついて見せるが男には効果はなかったようだ。
そのままガチャリと扉を開け、部屋を出て行ってしまった。

 



 

「さてと・・・あれから二時間ほどたったけど、被験者の様子は?」

 

男がいるのは山川のとらわれているあの部屋ではなく、モニタールームだった。
わからないようになっているがあの部屋には多くの監視カメラが付いており、
様々な角度で観察できるようにあっているのだ。
また部屋自体に仕掛けがされており、室内にある部室の質量を測定できるようになっている。
つまり最初から彼女はこの部屋で実験体となることが決まっていたのだ。

 

「体重は順調に増加中、現在132kgを突破。先ほどボタンが飛び散ったようです。」
「あ、そう・・・その様子見れる?」
「録画した映像がこちらに」
「流石、よくわかってる」

 

そう言いながら男は別のモニターに視線を移す。
そこには10分程前の山川が映っている。

 

【ブチッ!カラン・・・カラン・・・】
『えっ・・・?』

 

何かが千切れる音がしたかと思えば直後何かが転がるような軽い音がする。
映像では良くわかるが胸の部分のワイシャツのボタンがはじけたのだ。
バルン!と今まで閉じ込められていた胸が飛び出て来る。
ブラジャーはフロントホックだったのだろう。すでに外れていたのか谷間が良く見える。
もちろんウェスト部分も一緒にはじけたらしく、白いおなかが見えている。

 

『い、いやぁああああああああああああああ!』

 

思わず悲鳴を上げる山川。
自分がの体が戻れないところまで来たとこを実感したのだ。

 

「はは!これはいいね。これならお偉いさん方も喜んでくれるだろう」
「教授・・・この薬を上はどういう風に使うおつもりなんですか?」
「ああ、君にはまだ説明してなかったっけ?
 この薬は本来薄めて使うのは知ってるよね?」
「はい、さらに言えば注射ではなく口頭摂取だったかと」
「うん、そうだね。でだ、これを水道局にぶち込むとどうなると思う?」
「水道で生活している人間は徐々に太って・・・まさか!」
「そう、そして家は薬を売り出すのさ。『必ずやせる脅威の薬』ってやつをね。
 実際にはこの薬の中和剤・・・いや解毒薬って言うべきかな?
 まぁそういう話だよ」
「つまりはマッチポンプ・・・ですか」
「ま、平たく言えばね。
 まぁ私としてはこの薬を作れただけで満足なんだけどね」
「そうえば教授は以前飢餓対策の研究をなされていたとか・・・」
「そう、学会でこの薬の試作品ともいえるものを発表したんだけどね・・・相手にされなかったよ。
 だけどこれで私の研究が間違ってなかったことがわかったわけだ。」

 

さて・・・と、腰掛けていた椅子から立ち上がり部屋の出口へと向かう男。

 

「どうかなさいましたか?」
「ちょっと彼女に挨拶をね」

 



 

「また・・・来た訳?」
「そう邪険にしないで欲しいなぁ・・・君に提案を持ってきたんだ」
「提・・・案・・・?」
「そう、提案。私自身は君の事を気に入っていてね。
 君が良い返事をしてくれるのなら君の事を助けてもいい」
「はっ・・・!誰が・・・あんたなんかに・・・!」
「まぁまぁそういわずに。何ならここで今すぐ中和剤をあげてもいい。
 そろそろ性欲がきついのではないかな?」
「うっ・・・」

 

山川の理性は確かに限界に近い。
今はまだ縄が食い込んでいるおかげで、皮肉なことだがその痛みで理性が保てている。
だがもうそろそろ限界だろう。
その提案は非常に魅力的だ・・・

 

「・・・」
「どうかな?決して悪い話じゃないはずだ。
 君は私に従うだけ。どうだい?」
「・・・よ」
「お?」
「お断りよ、って言ったの」

 

それを聞いた男は残念そうな顔をした後。

 

「それじゃあ仕方ない・・・残念だよ山川君」

 

そう言いながら薬のアンプルを取り出した。

 

「!?や、やめて!もう私には打ったじゃないの!」
「いやー上からの指示でね?濃縮した物を使ったときにはどうなるのか調べろって五月蝿くて」
「の、濃縮・・・?」
「うん、10倍の濃縮だよ」

 

それを聞いた山川の顔は恐怖に引きつる。
抵抗をするが元々急に太った所為でうまく動けない。
結局注射を打たれてしまった。

 

「うぅ・・・!」

 

【むく・・・】
【むくむく・・・】
【むくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむくむく!】

 

先ほどまでとは比べほどない速度で山川の体が膨張・・・いや太っていく。
大事なところを隠していた服は千切れ飛び、その巨体を余すところなく晒す。
まるで風船にボンベで空気を入れるかのようなその様子に男は満足げな表情を浮かべて
扉の向こうに話しかける。

 

「酸素ボンベ用意してあげて。
 流石にこれじゃ酸素の消費量が供給量を超えて酸欠になっちゃうから」

 



 

「あはぁ・・・きもちいいぃ・・・もっとぉ・・・」

 

数日後、あの部屋には変わり果てた彼女がいた。
400kgを超えたその巨体はまるで人というよりはオブジェのようだ。
当然、巨大すぎるその体に合う服などなく全裸である。
2mを超える胸の乳首からはたらたらと白い液が漏れている。
そう、母乳が出るよう体質になったのだ。
時々自分の口に運びごくごくと母乳をすするその様はひどく醜く、ひどくエロスだった。
当然他の部分も肉が大量に付いている・・・
腹はここだけで一体大人何人分の重さになるのだろうか。
柔らかく腕を入れればどこまでも沈み込みそうだ。
尻はまるでクッションというよりはソファのようなサイズとなり、
ぶよぶよとしており気持ちよそうだ。
そこから続く太ももは大柄な男性のウェストと同等かそれ以上の太さを誇り、
腹の肉と合わせて秘所を完全に隠している。
まるで鏡餅を彷彿とさせるその姿は最早人と呼べないかもしれない。
もちろん腕も太く、そして大きくなっている。
間接部分だけがくびれているその様はなにか悪い冗談を見ている気持ちになる。

当然首は存在せず、立派過ぎる二重顎が口を動かすたびにぷるぷるとゆれる。
頬に肉がたくさん付いた結果だろう。
目は細まりくりっとしていたあの頃を完全に消し去ってくれた。

 

「んぐ・・・んぐ・・・ぷはぁ・・・おいしいぃよ・・・」

 

左手で左の胸をいじりつつ右の胸から母乳を吸い、終わったら逆を行う。
そしてそれに飽きたら近くにいる男たちに向かって酸素ボンベを要求する。
未だに薬の効果は続いているらしくまだまだ彼女は太っている。
どうやら今の彼女は酸素を吸うのすら興奮するらしい。
そして両方飽きたら寝る。
これが彼女の一日だ。
彼女にとって今は幸せか、それとも不幸なのか。
彼女にはどうでも良かった。

 

「あはぁ・・・ボンベ頂戴ぃ・・・・もっとぉ・・・もっと太るのぉ・・・!」

 

 

 

 

 

山川早穂 体重移行データ

 

身長:165cm
体重:45kg
B/W/H:91/52/81

 

 

身長:165cm
体重:132kg
B/W/H:124/138/114

 

 

身長:165cm
体重:405kg
B/W/H:212/234/209


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