キノコ爺

キノコ爺

 

 

片瀬 由香里(かたせ ゆかり)
21歳 身長171cm 体重42kg B:83cm W:52cm H:74cm
大学の授業の関係上、秋の長期連休が出来たため、
忙しくて中々来ることが出来なかった祖母の居る田舎へと遊びに来ている。

 

岸元 菊代(きしもと きくよ)
78歳 身長167cm 体重38kg
由香里の祖母でこの辺りに昔から住む一人。
普段から農作業をしているためボケてはおらず、
寧ろ最近になって携帯電話でメールを始めたぐらいである。

 

 

 

 

 

「やっとついたぁー!」

 

私は大学が長期連休になったのを利用してお祖母ちゃんが暮らす田舎へと遊びに来ていた。
お墓参りも兼ねているが、何より毎年行っていた夏休み中に遊びに来られなかったことが
ここに来たい理由だった。
お彼岸とは言え両親は仕事なので今回は私だけとなったが・・・
そんなわけで私は長い間電車とバスに揺られながらようやくお祖母ちゃんの家に着いた訳である。

 

「はい、いらっしゃい。
 よく来たねぇ・・・」
「お祖母ちゃん、久しぶり!」
「ええ、久しぶりですね」

 

お泊まり用の道具が入った鞄をお祖母ちゃんに案内して貰った部屋に置く。
ようやく一息つける。
縁側に出て深呼吸すると空気が綺麗なのかなんだかとってもリラックスできる。

 

「ほら、お茶淹れましたよ」
「あ、ありがとう!」

 

ゆっくりと縁側でお茶をすする。
涼しくなってきた風が秋の到来を教える。

 

「お墓は明日で良いわね。今日はゆっくりしましょう」
「そうだね。流石に疲れた〜」
「はい、お疲れ様。夕飯まで少し時間があるから散歩でもしてきたらどうかしら?」
「ん・・・そうだね。ちょっとゆっくりと散歩してみる」

 

長時間の移動で疲れては居たが、なんとなく涼しげな山の空気に誘われて
ぶらっとしてみたくなった。
まぁ簡単な散歩だから良いだろう・・・

 



 

「もし・・・そこのお嬢さん・・・」
「え?私?」

 

散歩中に知らないお爺さんに話しかけられる。
どうやら露天商のようで、おじさんの前にはいくつかのキノコがざるに乗せた状態で置いてある。
舞茸や椎茸なんかにならんで見たこと無いキノコもいくつか並んでいる。

 

「どうだい・・・こいつなんかオススメなんだが・・・」

 

そういって一つのかごを持ち上げるお爺さん。
見慣れないが椎茸に似た形をしていた。

 

「これは?」
「トフリタケと言ってね・・・椎茸の一種なんだ・・・こっちに焼いたのも売ってるよ・・・」
「あ、良い匂い!」

 

お爺さんが近くにあったビニール袋を開けると中にはパックに入ったキノコがあった。
既に焼いてあるのか香ばしくて良い匂いがする。

 

「ちょっとしたおやつにどうだい・・・美味しいよ・・・8個入りで300円・・・どう・・・?」
「んー・・・美味しそうだし・・・じゃあ一個頂戴」
「はい・・・毎度・・・」

 

私はお爺さんから袋を受け取った後、付いていた割り箸で早速一個食べてみる。
まだ焼いてからそんなに経ってないのだろう、ほんのり暖かい。

 

「はむ・・・ん!美味しいこれ!」

 

椎茸に似た味だけどこっちの方がより香りがいい。
醤油の香ばしい味がより一層風味を増している。

 

「ちょっと怪しいお爺さんだったけどこれは当たりかも!」

 

私はおいしさの余りそのまま散歩しながら全部食べてしまったのだった。

 



 

「ただいま」
「はい、お帰りなさい。もう少ししたら夕飯にしますから手を洗ってらっしゃいな」
「はーい」

 

あの後さらにぶらぶらしてからお祖母ちゃんの家に帰ってきた。
あれだけキノコを食べた割にはお腹はいつも以上に空いていた。
秋は食欲の季節とはよく言ったものだ。

 

「はい、おまたせ」
「わぁ・・・!」

 

続々と運ばれてくる料理達。
カボチャの煮付けにサンマの塩焼き。
なすの浅漬けに豆腐とナメコのお味噌汁。
どれも美味しそうだった。

 

「じゃあ・・・いただきます」
「いただきます」

 

二人揃って頂きますをして、一緒に食べ始めた。

 



 

「ごちそうさまでした!」
「はい、お粗末様でした。
 由香里ちゃんったら健啖家なのね」
「うんん。いつもこんなに食べないよ。
 きっとお祖母ちゃんの料理が美味しいからだよ」

 

そう、普段私はこんなに食べない。
これでも花も恥じらう乙女だ。ダイエットに興味が無い訳が無い。
だと言うのに今日は随分と食べてしまった。

 

「あ、栗を蒸したんだけど食べる?」
「うん」

 

まぁ秋が悪いんだ、そうに違いない。

 



 

「ふぁ・・・ん?」

 

翌朝、起きたときになんだか違和感を感じた。
身体を起こそうとしても起き上がらないのだ。

 

「よぉ・・・こいしょお!
 ・・・ってなんじゃああああ!?」

 

頑張って起き上がった私の目の前には信じられない光景が広がっていた・・・

 



 

「どうします?病院でみてもらいます?」
「そうだね・・・でもこれ解決できるかなぁ・・・」

 

私に起こった現象・・・それは『急激に太った』と言うことだった。
平均的だった胸。そりゃもう少し欲しいと思ったけど・・・これはでかすぎる。
バレーボールが二つくっついたようなでかさで正直重い。
それに他も増えたため全然嬉しくない。
他というのは勿論お腹だ。
どうも私は腹が一番太りやすいようで、お腹が大変なことになっている。
太鼓腹なんてよく言うが、今までが小太鼓なら今は和太鼓だ。
所謂漫画的表現で腹を叩くとポンといい音がするが、あれは嘘だった。
叩いてみたらぼよぉんと揺れたが音は鈍かった。
太ももなんかお腹が邪魔で見えない。
姿見用の鏡が無いため自分で見える範囲はこの程度なのだが、
それが幸運だったのかそれとも不幸だったのかは判らない。
まぁ自分の身体をつまんでみれば何となく判るのだが・・・

 

「・・・本当にどうしよう?」

 

困っていると家の扉がノックされる音が聞こえた。

 

「はい?」
「こんにちは。お嬢様はいらっしゃいますか?」

 

狐耳の女性がが扉の前に立っていた。

 



 

「ではこちらでお待ちください」

 

狐の人に案内されて山奥にお祖母ちゃん共々連れてこられた。
良く判らないが彼女たちの長から話があるらしい・・・

 

「待たせたな」
「い、いえ・・・」

 

暫くして大柄な男の人が出てきた。
筋骨隆々と言った体つきで、身長は多分180ぐらいだろうか。
だが筋肉の分より大きく見える。
何より気になるのは額に鬼のような角が見える・・・

 

「ウチの長が別の仕事で忙しいため補佐である俺が話そう。
 おい、アイツを連れてこい」

 

その人が近くに居た別の人──
人に見えるがどうも肌色が悪かったり妙に赤かったりする──
に指示を出す。
少しするとその人達が誰かを連れてきた。

 

「あ!昨日のお爺さん!」
「やはりか・・・」

 

連れてこられたのは昨日私にキノコを売ってくれたお爺さんだった。
・・・気のせいか何度か殴られたような痕も有る。

 

「もう気付いているかもしれないが俺たちは妖怪と呼ばれる者達だ。
 俺は見て判る通り鬼だ。先ほど君達を案内した物は化け狐だな。
 でだ・・・こいつはキノコ爺と言うのだが・・・キノコを見つけるのが上手く、
 また自分だけの特別なキノコを出すことが出来る。
 ・・・非常に言いにくいのだが君が食べたキノコがそれでな・・・」
「は、はぁ・・・」
「・・・すっぱりというとどうやら悪戯目的で君に「食べると太るキノコ」を売ったらしくてな」
「た、食べると太る・・・?」
「ああ、本来キノコというのはいくら食べても太らない物なんだが・・・
 どうやらこいつの能力で食べたら食べただけ太る様な物を作ったらしい。
 しかも食欲も増加し、他の物を食べても太りやすくなるような毒素があってな・・・」
「あ・・・じゃあそれを食べた所為で・・・」
「その体型になったという訳だ・・・」

 

なんじゃそりゃ・・・

 

「で・・・なんでここまで私達は連れてこられたんでしょう?」
「うむ・・・一部の人間しか知らないのだが、
 我々妖怪と人間達の間には一種の不可侵条約があってな。
 こっちの存在をおとぎ話として語る代わりにこちらもなるべく
 人に被害を出さないようにすると言う物だ」
「なるべくなんですか?」
「・・・妖怪の中には人間の肉を食べないといけない種族も居てな」
「ああ・・・なるほど・・・」
「まぁそういった奴は人間の政府から貰ってきた死体なんかを食べさせているんだがな」
「は、はぁ・・・」

 

何となく日本政府の嫌な部分が見えた気がしたが気にしないようにしよう。

 

「とにかく、こう言った事はウチの縄張りでは許可をしていなくてな。
 こいつはこの前流れ着いたばかりだったようで、
 まだこっちに顔見せに来てなかったので対処が遅れた」
「い、いえ・・・そんなことは・・・」
「それでだ・・・君が痩せるのを手伝わせて欲しい」
「え?」
「お詫びという奴だ。勿論君が嫌なら別の詫びをさせて貰う」
「・・・じゃあ」

 



 

「仕事・・・終わりました・・・」
「はい、ご苦労様です」

 

あの後鬼の人と相談した結果、キノコ爺をお祖母ちゃんの畑仕事手伝いとして寄こして貰った。
痩せるキノコも勿論開発して貰っている。
というか能力だというからこうポンッと出せるのかと思ったら調整が凄く面倒だという。
だから結局私は太ったままだ。
というか・・・

 

「お嬢さん・・・食べますかい・・・?」
「う・・・うん・・・」

 

あのトフリタケの味がどうしても忘れられなかった私はあの後定期的にキノコ爺から貰っている。
お陰であの時よりも二回りほど太ってしまった。
最近は動くのも億劫だったりする。

 

「くくく・・・お嬢ちゃんも好き者だね・・・」
「うっさい!」

 

とりあえず・・・秋が全て悪いのだ・・・そうに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

片瀬 由香里成長記録
身長:171cm
体重:40kg → 117kg → 158kg
B:83cm  → 107cm → 126cm
W:52cm  → 129cm → 147cm
H:74cm  → 113cm → 134cm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局大学始まるまでに完成しなかったな・・・あのキノコ・・・」
「・・・あのぉすみません」
「あ・・・はい?」
「・・・良い体つきですね、どうでしょう?ウチのメイドとして働きませんか?」
「えっと・・・どちら様?」
「あらごめんなさい、私は森丘エリカと言いますわ」
「森丘・・・さん?」
「ええ、どうでしょう?貴方のような体型の方を求めてますの」
「は、はぁ・・・」
「悪いようにはしませんわ!ですから是非どうでしょう!」
「あ・・・か、考えておきます」


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database