ショートカットの彼女
エマ・グレニール 16歳 身長168cm 体重39kg B:74 W:51 H:79
エドワード魔法学院の学生。よく言えばスレンダー、
悪く言えば貧乳である自分の身体にコンプレックスを持っている。
「あー・・・めんど」
「こらこら・・・サボっちゃダメよエマ」
今日はエドワード魔法学院の名物でもある「箒マラソン」の日。
エマは友人のノルとスタートラインに立っていた。
とは言え、学院の高等部に所属する生徒全員で飛ぶため、彼女たちは割と後ろの方にいるのだが。
「大体さーなんでこんなのやら無きゃいけない訳?箒なんて大体誰でも乗れるでしょ?」
「まぁまぁ・・・箒で飛ぶの気持ちいいじゃ無い」
「森じゃなきゃねー」
エマの言う通り、このマラソンは森の中で行われる。
木々の合間を縫い、目的地まで曲がりくねった道を飛ぶのだ。
「せめて広いところでやれっつーの」
「あはは・・・あ、ほら!そろそろ始まるわ」
ノルが露骨に前の方を指さしながら話題を変える。
そこにはハーミー先生が一段高いところに立っており、よく通る声で説明を開始していた。
「あー皆さん!箒マラソンの注意ですが・・・
一つ、ショートカットはしないこと。
二つ、森の上を飛ばないこと。
三つ、誰かを故意に箒からたたき落とさないこと。
四つ、先生方に意地悪をしないこと。
以上を注意しながら楽しく飛びましょう。
もし破ったらペナルティが有りますからねー。
では合図をしたら先頭の方から順々に飛んで下さい」
そういうとハーミー先生は横にズレ、杖を一振りする。
すると杖の先から薄い光の筋が出て、ポンという軽い音と共に光の先が破裂した。
それを合図に次々と先頭の方から生徒が飛び立っていく。
「やれやれ・・・とっとと終わらせましょ」
「ええ、頑張りましょう!」
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「よっと・・・あーもう何だってわざわざこんな所で飛ぶのよ・・・」
エマは木々を避けながらゆっくりと飛んでいた。
あんまり全力で飛ぶのも面倒だし、かといって遅く飛びすぎると先生に注意される。
適度に力を抜くのが楽なのだ。
「ノルもどっか行っちゃうし、だるいわねー」
地図で現在位置を確認しつつ、エマはヒョイヒョイ木を避けていく。
「・・・ショートカットしちゃおうかな?」
それはちょっとした好奇心だった。
「ペナルティって言っても精々得点引かれるぐらいでしょ」
そう考えた彼女はそのまま道を外れ、一直線に突っ切る道を飛び始めた。
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「うんうん、やっぱり楽だわー」
くねくねと森の中を飛び回る。
完全な直線では無いとは言え、それでも真面目に飛ぶよりはずっと楽だ。
スレンダーな──悪く言えば貧乳な──体はこう言う時は便利で良い。
最も、嬉しいとは言えないが。
「よっと」
細い木の間をいつものように通ろうとしたエマ。
だが・・・
【ガサ!】
「っと!・・・あぶなー」
木に引っかかってしまった。
幸いケガをした様子は無く、すれただけのようだ。
「見誤ったかな・・・まぁいいや、とっとと抜けちゃおう」
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「・・・思ったよりもペースが上がってないなぁ・・・?」
暫く飛んでいた彼女だが、地図を確認するに、どうにもペースが落ちている。
「なんでだろ?速度が落ちてる・・・」
そんな彼女の疑問の答えはすぐに分かった。
「ふぎゃ!」
木の間に引っかかったのだ。
「痛たた・・・なんで引っかかるの──って、なにこれ!?」
彼女が引っかかった理由。
それはスレンダーだったはずの彼女がぶよぶよに太っていたからだ。
くびれていたはずのウエストはドンとせり出し、
見事に腰の部分がローブを引っ張りパツパツになっている。
箒にまたがっていた尻は安産型を通り越し、まるで桃のようだ。
胸はそれなりに育ったが、残念なことにお腹やお尻に比べたらがっかりな成長具合だ。
ゆったりとしたローブを着ていたせいか、こんなになるまで気付かなかったのである。
それにそこそこ速度の出ている箒で空を飛んでいるのだ、服が締め付けるような感覚は
飛ぶ時には常につきまとうのも発見を遅らせた。
「ぺ、ペナルティってこれなの・・・!?」
こんな所にいられない!
そうエマは思い立つと体制を立て直し、正規のルートへと戻っていった・・・
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「疲れたー!」
「ダイエットお疲れ様、はい飲み物」
「サンキューノル。
はぁ・・・きついわー」
「あはは。でもズルしたエマが悪いんだよ?」
「そーだけどさー・・・」
箒マラソンから一週間後、エマは学院の中庭で運動をしていた。
だが・・・残念なことにダイエットの効果は出ておらず、
エマは日々息切れを起ながら重くなった体を動かしていた。
「もーさぁ・・・やめてもいいやー」
「えー・・・太りすぎはよくないよー?」
「もうね・・・だるい」
「まったく・・・ほら、私も協力するか・・・ね?」
うなだれるエマをノルは必死で励ます。
彼女は今後痩せられるのかは誰も分からない。
「あー・・・誰か痩せる魔法開発しないかなぁ!」
エマ・グレニール
身長:168cm
体重:39kg→131kg
B:83→98
W:56→129
H:78→134