若返りの薬

若返りの薬

 

 

加山 玲子(かやま れいこ)36歳 身長167cm 体重51kg B:89 W:61 H:87
元グラビアアイドルで現在は結婚を期に引退した。
最近体の衰えを感じ、あせっている。

 

 

 

 

 

「やだ・・・小じわ・・・」

 

鏡を前に私ははぁとため息をついた。
現役時代にはこんな悩みなんて無かったのに・・・
30代も半ば過ぎ。
そりゃあ衰えっていうのは誰にだって来るものだとわかってはいるけど・・・

 

「やっぱりショックね・・・」

 

鏡から目線をはずし、もう一度ため息をつく。
女は常に美しくありたい。
テレビで「あの人の今!?」見たいな番組を見るたびに「私はこうならないぞ!」と
思っていたのに・・・
やっぱり引退してもう10年近く経つし・・・ゆるみがあったのよね。

 

「知り合いに色々聞いてみましょう・・・」

 



 

「これね・・・」

 

数日後、私の手元にはひとつの小瓶があった。
中には錠剤がいくつも入っている。
名前は「小じわきれいさっぱりナクナール」。
ちょっとふざけた名前だけど、知り合いのアイドル仲間たちはみんな愛用していると言う。
これを飲むだけで小じわが目立たなくなり、まるで5歳は若返ったように見えるらしい。

 

「物は試しよ・・・」

 

ゆっくりと蓋を開け、薬を取り出し飲み込む。
これで後は効果の程を見るだけね・・・

 



 

数日後、予想以上の効果を私は実感していた。
今まであったはずの小じわは無くなり、失われつつあった肌のハリも戻ってきた。
旦那も「最近きれいになったか?」なんて言ってくれるし、この薬様々ね!

 



 

最近薬の効果が薄れてきた気がする。
小じわが少し目立ってきたし、ハリも衰えた気がする。

 

「効果なくなっちゃのかしら・・・そうだ!飲む量を増やしてみましょう!」

 

効かないのならその分量を増やせば問題ないはず。
そうと決まればと薬を一粒多めに飲む。
これで大丈夫だろう。

 



 

結果から言うとだめだった。
ハリは戻ったような気がするけど、小じわはだめ。
幸い化粧で隠せるけど・・・

 

「・・・もう少し飲む量増やしてみましょう」

 

私は今までよりも多めに薬を出すと、それを飲み込んで寝た。

 



 

「えっほ・・・えっほ・・・」

 

気を抜いていたら、ここ最近急激に太ってしまった。
三十台過ぎると肉がつきやすくなるというのは本当だったのね。
というわけで、私はマラソンをしている。
現役時代もこうやって絞ったなぁと懐かしい気持ちになる。
体を動かすたびにプルプルとお腹が揺れる感覚がわかる。
その度に「ああ、太ったのね」と実感させられる。

 

「・・・頑張ろう!」

 

決意を新たに、私は気合を入れなおすのだった・・・

 



 

「あたた・・・無理するもんじゃないわね・・・」

 

マラソンを開始してから数日後、久しぶりの運動だったせいか、足を捻挫してしまった。
日常生活が送れないほどではないけども、激しい運動はお医者様からNGを出されてしまった。

 

「歳ね・・・こりゃ」

 

仕方ない、ダイエットは一旦中止して怪我の治療に専念専念。
それとまた小じわが目立ってきた気がするから薬の量も増やしましょう。

 



 

「よっこいしょっと・・・」

 

重くなった体を何とか起こす。
あれ以降すっかり怠け癖がついてしまい、マラソンは全然やっていない。
おかげでここ最近体重がさらに増加。80の大台を記録してしまった。
と言っても全然行動を起こす気にならないのだが・・・

 

「今日のお昼はなんにしようかなぁ・・・たまにはピザ焼くのもいいかもしれないわね!」

 

趣味兼家事の一環として久しぶりにピザを作るのもいいかもしれない。
生地をこねるのも結構いい運動だしね。

 



 

「痩せないわねぇ・・・何でかしら?」

 

体重計の針は100kgを少し越えたあたりで止まっている。
流石にこれ以上はまずいと思いダイエットを再開したものの、一向に痩せる気配が無い。
とはいえ、無理してまた足を壊したりしても仕方ないが。

 

「まぁ気長にやっていきましょう」

 

そう結論付け、私は薬を飲んで眠りについた。

 



 

「ぜひぃ・・・ふひぃ・・・」

 

のしのしと歩く。
その度に汗が出てる気がする。
荒い息を吐き出しながら私は冷蔵庫まで頑張って歩く。
120kgを超えた体はとても重い。
いくらなんでもこんなに急に太るのはおかしいと思い、医者にかかったが結果は異常なし。
結局食べすぎではないか?なんて診断結果で終わってしまった。

 

「そりゃあ最近食べる量増えたけどさ・・・それだけなのかしら?」

 

冷蔵庫をあけ、炭酸ジュースを取り出しラッパのみする。
シュワシュワとした炭酸が喉を通るのが心地いい。

 

「っぷは。さて・・・今日は何食べましょうかね・・・カツ丼もいいけどラザニアも
 捨てがたいわね・・・」

 

ここまで来るとどこか開き直りが出るのか、最近痩せることよりも食べることが楽しくて
仕方ないのだ。
おかげでダイエットが全くはかどらない。
まずいとは思うのだが・・・

 

「やめられない止まらない・・・って感じね」

 



 

「はぐ・・・むぐむぐ・・・んぐ・・・」

 

ひたすらに目の前の食べ物を食べる。
すべて私の手作りだ。
量をみれば5人前はあるだろうか?
でも・・・

 

「足りない・・・」

 

それを平らげたが全然足りない。
椅子から立ち上がり、追加で料理を作るためにキッチンへと向かう。
距離にして10m程。
それがすごく遠い。
最近体重を量ってないからわからないが、多分150を超えているだろう。
それなのに全然運動しないから筋肉が少ないのだ。
だけれど・・・

 

「料理おいしい・・・」

 

最近はもう料理以外の事をする気が起きないのだ。
最近のサイクルは起きる→料理を作る→食べる→料理を作る→食べる→満足したら寝る。
こればかりだ。
それ以外のことに興味がわかないのだ。
旦那はあきらめたのか、それとも何か考えがあるのかはわからない。
だが基本的にはもうかかわってこない。

 

『続いてのニュースです。最近流行している薬品、「小じわきれいさっぱりナクナール」。
 この薬品から日本の安全基準を満たしていない薬品が使用されていることが発覚しました。
 この製品を大量に摂取すると食べ物を食べたいという衝動が非常に高まり、
 また体の肥満化も誘発するという研究結果が・・・』

 

ニュースで何か言っているが最早私の耳には雑音でしかない。
テレビを消し、食事に集中する。
脂っこい食事が何よりも今の私を幸せにしてくれる。

 

「はぁ・・・幸せ・・・もう・・・なにもいらない・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加山玲子
身長167cm
体重51kg →  64kg →  81kg  →  102kg →  121kg → 163kg
B:89cm  → 95cm → 105cm → 114cm → 125cm → 137cm
W:61cm  → 78cm →  91cm  → 109cm → 117cm → 142cm
H:87cm  → 93cm → 103cm → 111cm → 122cm → 139cm


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