双子の思い

双子の思い

 

 

加藤 由比(かとう ゆい) 15歳 身長152cm 体重39kg
双子の姉の方。成績優秀であり、見た目も良い完璧超人を地でいく人物。
事故で元気を無くした妹のことをとても気にかけている。
加藤 陽菜(かとう ひな) 15歳 身長152cm 体重39kg
双子の妹の方。姉と同じく見た目は良く、運動神経も良かったが、
事故で足を負傷したせいで運動が出来ない体になってしまった。
その事に対して酷く絶望している。

 

 

 

 

「・・・陽菜?」
「何?」
「これ・・・今日友達から貰ったんだけど食べる?」
「いらない・・・」

 

加藤家内の陽菜の部屋。
由比は部屋の隅で力なく座る陽菜に声をかけていた。
陽菜はここ最近ずっと引きこもっている。
原因は先日陽菜が巻き込まれた事故だ。
幸い命に別状は無いが、足の筋肉への損傷が酷く、
日常生活を送る分には苦労しないが激しい運動は出来なくなってしまった。
陸上部で活躍していた陽菜にとってはそれは死刑宣告に近く、
彼女は自分の部屋から一向に出ようとしなかった。
幸いというか、陽菜は家族からの呼びかけには答えるし、食事も摂っている。
だが、本当にそれ以上の事はしなかった。

 

「そっか・・・あ、そうだ!今度映画いこ?
 この前陽菜が見たいって言ってた映画そろそろでしょ?」
「いい・・・」
「でも」
「いいから!・・・ほっといて」

 

陽菜の強い拒絶を受け、由比は力なく頷いて陽菜の部屋を後にした。

 



 

「・・・神様仏様、陽菜の代わりになれというのなら私がなります。
 だから・・・陽菜をもう一度運動が出来る体にして上げてください」

 

効果は無いと知りつつ、それでも由比は祈らずには居られなかった。
勿論由比は別にクリスチャンでも仏教家でも無い。だが、何かに祈りたかったのだ。
自分は運動はそんなに得意じゃ無い。
だからどうせなら自分が肩代わりするから陽菜にもう一度走るチャンスを・・・
そんな事を祈っていた深夜。突如由比の部屋の窓がバタバタと鳴り出した。

 

『美しい姉妹愛か・・・ヘドが出る』
「えっ・・・?」

 

窓の音が止んだかと思えば、低く、ノイズの混ざったような声が近くから聞こえてきた。
由比がその声の聞こえる方を向くと、そこには『何か』が居た。
大凡人の形をして居らず、ぽっかりと目と口と思わしき穴が開いているだけの『何か』。

 

「あ、ああああ・・・」
『ふん・・・だらしのない女だ』
「あ、貴方・・・何?」

 

腰を抜かし、身動きが取れない由比の問いに、それはこう答えた。

 

『俺は悪魔だ』

 



 

『どうだ、俺と契約しないか?』
「け・・・いやく・・・?」

 

謎の物体に声をかけられ、心底怯えている由比の気持ちを知ってか知らずか、
それは淡々と話を進める。

 

『そうだ契約だ。
 俺はこっちに来る際力の大半を失ってしまった。それを取り戻したい。
 お前がそれに協力するのならお前のさっきの願い、聞いてやろう』
「願い・・・」
『お前の妹の足、治してやるというのだ』
「!?」

 

由比の顔が強張る。

 

「嘘・・・ですよね?」
『嘘な物か。悪魔というのは約束を守るのだぞ?
 お前が俺に協力するのなら妹の足を治してやろう』
「で、でもさっき力が無いとかどうとか」
『ああ、確かに大半は失った。だがお前等人間を治す位屁でも無い』

 

普通の人間なら信じられないし、信じない話だ。
だが、由比には・・・とても甘美な響きに聞こえた。

 

「・・・その話が本当だとして、なんで私なんですか?」
『ふん・・・ただ近くに居ただけだ』
「・・・手伝うというのは?」
『俺達悪魔の力の源は人間の生命エネルギーだ。
 それをお前から分けて貰いたい』
「・・・それって私死ぬんですか?」
『まさか、暫くはお前にくっつくことになるだろうが、
 お前が死ぬほど吸ったところで殆ど回復しない。
 人間というのは一度に持てるエネルギー量が決まっている。
 俺達と違ってエネルギーが無くなれば自動で回復する様になってるしな。
 だが、一度で吸い尽くせばその人間は死ぬ。
 だったら一定量ずつお前から吸った方が良いだろう?』
「・・・それってどの位かかります?」
『そうだな・・・早くて2年。遅ければ10年だな』
「そんなに・・・!?」
『お前じゃ一度に溜められる量が少ないからな。

 そうなるとこっちも貰える量が少なくなる。結果として長くなる。当たり前だろ。
 まぁ早める方法が無い訳では無いが』
「・・・どうすればいいんですか?」
『教えても良いが、どうする?聞いたら契約しませんは無しだぞ』
「・・・しますよ、契約。その代わり絶対に陽菜を元のように運動できるようにしてくださいよ?」
『分かっている。では契約成立だ。
 さて・・・早める方法だが、お前から貰える量を増やす。
 つまりお前の一度に溜められる量を増やせば良いだけだ』
「そのやり方は?」

 

由比の問いに、悪魔は笑いながら答えた。

 



 

「うーむ・・・信じられませんな・・・」
「でも・・・治ったんですよね!?」
「ええ、若さ故か、それとも・・・とにかく治っているのは確かです。
 私も長い間やってますがここまで驚異的な回復を見たのは初めてですよ・・・」

 

由比が契約してから2週間。
陽菜は定期検診のため病院を訪れ、そして医師から足が完治していることを告げられた。
それは陽菜にとってはまるで夢のようで、今にも飛び跳ねんばかりである。
医師は今後も定期的に様子をみると陽菜に告げ、陽菜は嬉しそうに診察室を後にした。

 

「どうだった?」
「あ、由比!聞いて聞いて!スゴイ回復したとかで運動できるかもって!」
「本当!?良かったわね!」
「うん!」

 

はしゃぐ陽菜をたしなめつつ、由比は心の中でほっとしていた。
陽菜のこんな笑顔をまた見られるなんて。
由比がそんな事を考えていると、頭の中に響く声があった。

 

『どうだ?俺は約束を守ったぞ?』
「・・・そうですね」
「ん?由比何か言った?」
「ううん、何でも無いよ。それより帰ろっか?」
「あ、そうだね!」

 

頭に響いたのはあの悪魔の声。
良く判らないが、何らかの方法で由比の頭の中に話しかけてくるのだ。

 

『くくく・・・言い忘れていたが頭で念じるだけで俺と話せるぞ?』
(・・・そういうことは先に言ってください)
『良いじゃ無いかそう細かいことは。それよりもきちんと支払いしろよ?』
(それはわかってます・・・そういえば質問なんですが、わざわざ契約なんてしないでも
 人を襲ったりすればいいんじゃないんですか?)
『ふ、俺よりもよっぽど悪魔的な考えだな』
(茶化さないでください)
『ふ・・・人間界というのは割と面倒でな。俺達悪魔を狩ることを専門にしている連中が居るのさ。
 だがそいつらの決めたルール通りにやれば問題ない。それが所謂“契約”と言う訳だ』
(つまり・・・正当な報酬だからエネルギーを奪っても問題ない、
 でも勝手に奪えばその人達が・・・)
『来るだろうな。別に相手にしてやっても良いが、今の俺では勝てんだろうからな。時間の無駄だ』

 

そんな会話をしていると、悪魔から質問してきた。

 

『ところでこの前の話、どうするんだ?』
(・・・エネルギー量を増加する方法ですか)
『そうだ。どうだ?』
(・・・確かに、今の状態で吸われるのは厳しいですけど・・・)
『なら増やせ。別にそう難しくもあるまい』
(・・・)

 

由比は迷っていた。
確かに時間をかければ増量せずともこの悪魔との取引も無事終えられるだろう。
だが、数年間もこの悪魔と一緒にいるのは嫌だった。
プライベートも何もない。
それに、2週間の間だ、少しずつだがエネルギーを吸われた時、激しい脱力感を感じ、
体を動かす気力すら無くなったのだ。
悪魔が言うには容量を増やせばずっと楽になるという。
さらに言えば、隠し事を長時間家族に・・・それも陽菜にするのは気が引ける。
だったら・・・

 

(わかりました、努力してみます)
『良いぞ。なんなら手伝ってやろうか?』
(どうせ別料金でしょうから嫌です)
『くくく・・・なら精々頑張ることだ。応援位はしてやろう』
(・・・嫌な人ですね)
『当然だ。悪魔だからな』

 



 

陽菜の足が治ったと医者に判断されてから二週間。
陽菜は少しずつではあるが部活動にも顔を出し始めていた。
それを少しはなれた所で見ながら、由比は微笑む。

 

「あれ?由比?」

 

その視線に気付いたのか、陽菜が由比に駆け寄ってきた。

 

「ごめんね練習中に。私先に帰るね」
「あ、うん。分かったよ・・・ねぇ由比?」
「ん?何?」
「最近少し太ったよね?一緒に汗流す?」
「あはは・・・いいよ。私運動苦手だし。」
「まぁ・・・いいけど。あんまりおデブさんになるのはよくないよ?」
「大丈夫、分かってるから」

 

簡単に挨拶を交わし、由比は一人家へと帰る。
途中、コンビニでスナック菓子を大量に買い込む。
勿論食べるためだ。
陽菜は由比が太ったと言っていた。それは正しくて正しくない。
正確には"由比が自分で太った"のだ。
悪魔か教えた生体エネルギー容量を増やす方法。
それは体の体積を増やす・・・つまり太るという方法だ。
生体エネルギーはそもそも持っている容量がある。勿論これは個人差がある。
これは普通は不変の物である。
だが普通じゃ無い方法がある。
一つは悪魔を殺しエネルギーを奪う方法。
一つは外道に身を落とし、人を吸収する方法。
そしてもう一つ。
悪魔の手助けを受ける方法。
今回由比が選んだのは悪魔の手助けを受ける方法だった。
だが、エネルギー容量を悪魔が直接弄るのは難しい。

だが脂肪にエネルギーを蓄える力を備えるように体を弄ることは出来るらしい。
結果、由比は悪魔に体を弄ってもらい、太れば太るほどエネルギー容量を増やせる体となったのだ。

 

「・・・はぁ」
『どうした?』

 

重いため息をつく由比に悪魔が囁く。
由比に悪魔の表情は分からないが、恐らくニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべているだろう。

 

(別に・・・何でも無いです)
『そうか。何か有ればいつでも言うが良い』
(お断りです)

 

手に食い込むビニール袋の重さを感じながら、由比は家へと帰った。

 



 

一月が経ち、陽菜は以前よりは劣る物の、十分に動けるまで調子が戻ってきた。
その代わりに由比はどんどんと太っていく。

 

「由比さぁ・・・太りすぎじゃ無い?」
「そ、そうかな・・・?」

 

お菓子をついばみつつ、由比は答える。
陽菜はその様子に眉間に皺を寄せつつ、言葉を続けた。

 

「そうかな、じゃないよ。ちょっとはダイエットしたら?」
「あ、あははは・・・そうだね」

 

由比はいくつかのお菓子を手に持ち、自分の部屋へと逃げるように帰った。

 



 

「陽菜はああ言うけど・・・やめる訳には行かないし・・・」

 

そう言いつつ、自分の姿を見る由比。
くびれが消え去った腰。
それどころか多少ぽっこりと腹が出始めている程だ。
胸は大きくなったが、多少重力に負け始めてるのが分かる。
尻は巨大な桃を彷彿とさせるようなサイズだ。
太ももはむっちりと太くなり、立派すぎる大根足である。

 

『ふむ・・・大分良い体になったな』
「・・・御陰様で」
『おいおい、そう睨むなよ』

 

いつの間にか居た悪魔に皮肉たっぷりと返す由比。

 

『まぁいい。その調子で太れば期間は大幅に短縮できるぞ?』
「それってどの位・・・?」
『そうだな・・・今の二倍に太れば1年かからずにいけるんじゃないか?』
「そこまで太っても一年・・・」

 

落ち込みつつもお菓子を食べる手を止めない由比だった。

 



 

「由比さぁ・・・」
「い、いいじゃない・・・」

 

今日は両親が二人とも仕事で遅く、二人だけで夕食を摂っているのだ。
だが、二人の目の前にある料理はどう見ても5人前はあるかといった感じだ。
因みに今日の食事の当番は由比である。

 

「・・・まぁいいけど。最近食べ過ぎだと思うよ?」
「いやぁ・・・あはははは・・・」

 

笑って誤魔化す由比に、陽菜は呆れたのかため息を付きながら食事を始める。

 



 

食事を食べ終え、由比は風呂に入ろうとしていた。

 

「・・・太ったなぁ」

 

洗面所で服を脱ぐ際、由比は嫌にでも自分の身体を目にする。
以前に比べてもさらに太った由比の体は完全にデブの領域に入っている。
胸は爆乳と呼べる程で、より重力に負けた印象がある。
その胸が乗っかる腹はぼっこりと妊婦の様になっている。
だが胎児の代わりに入っているのは脂肪だが。
そんな体を支える太ももは太く、競輪選手のようだ。
パンツを脱ぎ、そのサイズを確認する。
大きく、まるで相撲のまわしかと思う様なそれが必要な尻はそれは大きいだろう。

 

「・・・」

 

由比は視界の端にある体重計を見つめる。
最近あえて乗らないようにしていた体重計だ。

 

「・・・うん!」

 

意を決し、そっと体重計に乗る。
ギシッと音を立て、体重計の針が動く。

 

「・・・93kg!?」

 

太ったとは思っていた。
だが3桁の大台目前とまでは思ってなかったのだ。

 

「・・・」

 

すっと体重計を元に戻すと、由比は浴室へと入っていった。

 



 

さらに暫くが経ち、陽菜の怪我が治ってから数ヶ月が経った頃。

 

「ねぇ・・・居ますよね?」

 

由比の部屋、一見誰も居ない方向に向かって由比は話しかける。
勿論そこには悪魔が居るのだが。

 

『む・・・何か用か?』
「あとどの位なんですか?」
『もう少しだ・・・後2週間程で十分だ。くくく・・・頑張ったじゃ無いか。
 俺の予想よりもずっとな』
「そうですか・・・私も太った甲斐が有ると言うものですね」
『そうか、良かったでは無いか』
「・・・」

 

皮肉を言っても通じないというより気にしていない悪魔に、
由比はため息をつきながら頭を軽く振った。

 

「終わったらダイエットしましょうかね」
『なんだ、手伝ってやろうか?』
「貴方とこれ以上居るより自力でどうにかした方が良いです」

 

そう言うと由比は立ち上がった。
その拍子にブツッと嫌な音がする。

 

「・・・〜〜〜っ!」
『はははは!服が合わなくなったか!その服は先月買ったのでは無かったかな!?』

 

悪魔が笑う。
音の正体は由比が着ていたシャツのボタンが飛んだ音だった。
慌ててボタンを拾おうとするが、腹の脂肪が邪魔で上手く屈めない。
そんな様子の由比を見てさらに笑う悪魔。
恥ずかしいのか、由比はボタンを拾うと部屋から出て行ってしまった。
由比が廊下を歩いていると、姿見に姿が映る。
由比は少し考えた後、鏡にに向き直った。
途端ぎょっとした。
今まで意識してか、それとも無意識か。
鏡に向き合うことを避けていた。
体重計に乗った後は特に。
それもあってか、久しぶりに見た自分の身体に、由比は驚いた。
まず胸。
でかくなったとは感じていた。
だがまさかバレーボールどころかスイカがくっついたようなサイズになっていたとは
思ってなかったのだ。

それを支えるかのように飛び出た腹はまさに太鼓腹である。
その下に伸びる太ももは、もしかしたら片方だけで以前の由比の腰ほどの太さがありそうだ。
慌てて背中や尻も確認する。
背中にもたっぷりと肉がつき、段を形成している。
その下の尻は少し垂れ気味になる程に脂肪が付いている。
顔の方はまるで頬袋を膨らませたハムスターのようだ。
こう言えば可愛く思えるが、実際は贅肉がついただけで酷く醜い。
その頬を触る手もまるでウインナーを繋げたような太さで、
そこへと繋がる腕は動かす度にぶるぶると震える。

 

「・・・だ、大丈夫。あと二週間だもの・・・そしたらダイエットすれば・・・」

 

無理矢理自分を納得させる由比。
そのまま台所へと向かい、食べ物を探した。

 

(そう・・・少しでも期間を短くするために、今は体重を増やすべきなのよ)

 

そう自分に言い聞かせながら。

 



 

『ふむ、これだけ貰えれば十分だろう』

 

ある日、ついに悪魔がそう言った。
由比は菓子パンを食べる手を止め、悪魔の方に向き直る。

 

「終わったんですか?」
『ああ、これだけ貰えれば十分だろう』
「・・・やっと終わった」
『くくく・・・お前は中々良かったぞ。姉妹愛なんて下らない感情でここまで耐えたのだ。
 人間にしてはよほど欲が深いと見える』
「欲?」
『そうだろう?誰かに助かって欲しいというのはエゴという名の欲だ。
 誰かを助けたいなんていう高等な目的にみせかけたな。
 まぁお前の妹は喜んだからな。どっちもどっちだが』
「・・・」
『そう睨むな。それでは俺はお前の前から消えるとしよう。精々体に気をつけることだ』
「ご忠告どうも。私としては二度と貴方と会いたくありませんが」
『くくく・・・随分と嫌われたようだな。まぁいい。ではな』

 

悪魔はそう言うと、来たときと同じく窓を鳴らし、すっと姿を消した。

 

「・・・」

 

辺りを見渡し、悪魔が消えたことを確認すると、由比は深くため息をついた。
結局、あれから陽菜に問題は起きて無く、悪魔は約束をきちんと守ったらしい。
とはいえ、ボッタくられた可能性はあるのだが・・・

 

「・・・まぁいいか」

 

由比は立ち上がると、財布を持ち、家を出た。
明日からダイエットするのだ、
最後に契約が終わった事を記念してぱーっとやっても良いだろうと考え、
コンビニにお菓子を買いに行くためだった。

 

そして、コンビニで買い物を済ませた数分後だった。
目映いライトが由比を照らす。
低い駆動音が響き、それは一直線に由比に向かって行く。

 

「えっ──?」

 



 

「由比!」

 

救急病院に駆けつけた陽菜を迎えたのはなじみの医師だった。
以前陽菜の足の手術をした医師である。

 

「陽菜君。由比君の事だが・・・」
「助かりますよね。助かりますよね!?」
「今手を尽くしている所だ。・・・だが、覚悟をした方が良いかもしれない」
「そんな・・・」
「・・・済まない、だが嘘はつきたくないんだ・・・
 とにかく、信じて待っていて欲しい」
「・・・はい」

 

そう答え、陽菜は近くの椅子に力なく腰掛けると、頭を抱えた。
医師はそれを見ると病院の奥へと向かって行った。

 

「由比・・・大丈夫だよね?」
『困っているようだな』
「えっ・・・?」

 

陽菜が顔を上げると、目の前には大凡人の形をしてなく、
ぽっかりと目と口と思わしき穴が開いているだけの『何か』が居た。

 

『どうだ?救ってやるぞ、お前の姉を。俺と契約すればな?』
「けい・・・やく・・・」
『そうだ、俺の手伝いをしてくれれば良い。俺の力を増やす手伝いをな・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

加藤陽菜
身長152cm
体重39kg  →  46kg →  64kg  →  93kg → 131kg
 B:79cm → 87cm → 98cm  → 112cm → 126cm
 W:53cm → 59cm → 73cm  → 101cm → 124cm
 H:74cm → 82cm → 96cm  → 109cm → 127cm


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