子供の特権・大人の権利
坂本 絵里(さかもと えり) 8歳 身長128cm 体重23kg B:68cm W:42cm H:55cm
大人に憧れる少女。
「ママばっかりずるい!」
絵里はそう叫ぶと、母親の袖を引っ張る。
「いいじゃないの、ママだってたまには甘いもの食べたいの」
「だって私にはダメって言ったのに!」
「絵里ちゃん今食べたらお夕飯食べれなくなるでしょ?」
「食べれるもん!」
事の始まりは母親がケーキを買ってきた事だ。
母親は絵里には夕食後に、自分はおやつとして食べようと買ってきたのだが、
運悪くおやつタイムを絵里に見られてしまった。
絵里には母親がケーキを独り占めしているように見えたのだろう。
「お夕飯の後だったら食べて良いって言ってるでしょ?」
母親が絵里に優しく諭す様に絵里に語りかけるが、子供はそう簡単に納得してくれない。
「もういいもん!」
そう叫ぶと絵里は自分の部屋に帰ってしまった。
母親はため息を吐くと、どうやってご機嫌をとろうか考え始めた。
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「なによ・・・ママばっかり・・・私も大人だったらいいのに・・・」
ベッドでうつ伏せになりながら、絵里はぶつぶつと文句を言う。
そのまま暫くごろごろとしていると、どこからか声が聞こえてきた。
『絵里ちゃん・・・聞こえるかい絵里ちゃん?』
「誰!?」
頭の中に響くような声を聞いて絵里はあたりを見渡す。
『ここだよ・・・君のベッドの下だよ』
絵里がベッドから降りて下を覗くと、そこには別の世界が広がっていた。
ふわふわと柔らかそうな地面に、甘い香りのする風。
ファンシーでメルヘンな世界の中に、白い生き物が居た。
小さなパンダとでも言うべきか、ぬいぐるみのパンダをさらにデフォルメにしたような物が居る。
どうやら先ほどから絵里に話しかけてきているのはこいつのようだ。
「あなたが私を呼んだの?」
『その通りだよ!僕の名前はクネマコ。君の願いを叶えに来たんだ!』
こっちにおいでと絵里を手招く。
絵里はそれに従ってベッドの下を潜っていった。
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「ようこそ!僕たちの世界へ!」
「わぁ・・・」
小さな穴を屈みながら通ってきた絵里は、思わず声をあげた。
無理も無い。
まるで御伽噺のようなそこは、少女である絵里にはまさに夢の国に他ならない。
「でも、何で私を呼んだの?」
「君が大人になりたいって強く願ったからさ!
僕たちは君みたいな子の願いを叶えるのが仕事なんだ」
「お仕事なの?」
「そうだよ!さぁ着いてきて!みんなを紹介するよ!」
そういうとクネマコはとことこと歩いていく。
絵里はその後を慌てて追った。
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「いらっしゃい。おやクネマコじゃないか」
「やぁトルータ。皆を集めてくれるかい?女の子を連れてきたんだ」
クネマコにつれられた絵里は、村のような場所に着いた。
建物は全てクッキーで出来ており、地面はココア味のスポンジケーキだ。
川にはオレンジジュースが流れ、草の代わりにキャンディが生えている。
どうやらこの世界は全てお菓子で作られているらしい。
クネマコは村の入り口に居た亀の様な生き物に話しかけると、絵里を紹介した。
「ほっほー!こりゃ珍しい。よかろう、すぐ集めてくるから広場で待っているといい」
そういうとトルータは村の中に入っていく。
クネマコは絵里をつれて中央の広場へ移動していく。
少しの間待つと、ゾロゾロと様々な生き物がやってきた。
「皆、彼女は絵里ちゃんって言うんだ!
大人になりたい子なんだ」
そういうとザワザワが一層強くなる。
すっと、誰かがその中から出てくる。
フクロウのようなそれは、絵里にこう聞いた。
「君は大人になりたいんだね?」
「うん。だって大人になればもっと自由になれんだもん!」
「そうだね。子供は窮屈だ。でも大人はもっと窮屈だぞ?」
「そんなことない!ママはあれやれこれやれってうるさいし、
好きにお小遣い使っちゃダメだって言うし!
大人のほうがいい!」
「そうか・・・だが大人には責任が伴うぞ?」
「責任・・・?」
「わかりやすく言えば自分の行動は自分で最後まで面倒を見るって事だよ」
横からクネマコが口を挟む。
「クネマコ・・・」
「いいから黙って。僕は絵里ちゃんの望みを叶えたい。
・・・絵里ちゃん、君は大人になりたいんだね?」
「うん!」
「どうしても?」
「どうしても!」
「そうか、じゃあ皆、絵里ちゃんにパワーを!」
「「「「「「いいとも!」」」」」」
クネマコが皆に呼びかけれると、周りの生き物たちから光があふれる。
それはどんどんと絵里に降り注ぐ。
その途端、絵里の体がどんどんと大きくなっていく。
すっと背が高くなり、胸が大きくなる。
腰がきゅっと括れ、むっちりと尻に肉がつく。
髪も長くなり、腰に届くほどになった。
着ていたはずの服はいつの間にか無くなり、代わりに綺麗な純白のワンピースを着ていた。
「これが大人の体・・・」
「そうさ!君が望んだ体だよ」
クネマコがそう叫ぶと、周りの連中も口々におめでとうと叫ぶ。
「さあ絵里ちゃん。暫くこの世界で暮らすといい。
大人の体に慣れないといけないからね」
「うん、そうする!」
絵里はそう返事するとこの世界を探索し始めた。
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それから暫く絵里は思いっきりこの世界を満喫した。
色々な場所を巡り、色々な物を食べ、大人の体を満喫した。
そして・・・
「そろそろ帰るのかい?」
「うん、そろそろ戻らないと心配するだろうし」
そう絵里が答えると、クネマコは笑いながらこう言った。
「そっか!じゃあここに居た滞在費を払って貰おうかな?」
「タイザイヒ・・・?」
「簡単に言うと、君がここに居た分のお金を払って欲しいんだ!」
「えっ・・・?」
絵里には衝撃的な話だった。
今まで彼らからお金の話が出たことは無い。
とても友好的で、よくして貰っていただけだ。
「お金・・・いるの?」
「それはそうだよ!君は大人なんだ!
最初に言ったよね?『自分の行動は自分で最後まで面倒を見る』って」
「それは・・・でも・・・だったら最初から言ってくれなきゃ分からないよ!」
「それは君が子供でこの世界に来たからさ。
君が子供のままならここはいつだって無料で使えるんだ。
でも君は大人になってしまった。だからお金がかかるのさ」
「なんで言ってくれなかったの!?」
思わず声を荒げる絵里に、クネマコはしれっと答えた。
「聞かれなかったからね。
それにちょっと考えれば分かることさ。
例えば食べ物を買うときに無料で貰えるかい?違うよね?
君のお母さんが払ったりしていただろうけど、食べ物は無料では貰えない。
当然じゃ無いか」
「そんな・・・」
「といっても君がお金を持ってないことは分かってるよ。
だから君には働いて返して貰いたいんだ」
「働く・・・」
オウム返しのように答える絵里に、クネマコはこう続ける。
「そうだよ!別に難しい事をするわけじゃ無いさ。
ただ少し僕たちの栄養になって貰うだけだよ」
「え、えいよう・・・?」
ニタニタと笑うかのような顔のクネコマに、絵里はこの時初めて恐怖を感じた。
「うん、簡単に言えばご飯だね。
君がすっごく怖い思いをすればそれでいいんだ。簡単でしょ?」
「怖い思い・・・?」
「うん!僕たちと鬼ごっこをすればいい。僕たちが満足すればそれで終わり。
難しくないでしょ?」
「そ、それなら・・・」
「待て!」
いいよと、言おうとした絵里の言葉を横から遮る声がした。
最初に大人になるのを止めたフクロウっぽい生き物だ。
「ローフ・・・なんで止めるんだい?」
「・・・もう疲れた。こんな下らないことをするのに」
「・・・下らない?」
「そうだろう。
年端もいかない少女をだますかのようにしてここに連れ出し、絶望を与えて糧とする。
そんな事に何の意味がある」
「世界は等価交換さ。僕たちは彼女達の願いを叶える。その代わりに僕たちのご飯を貰う。
おかしいかい?」
「ああ、おかしいとも。望んだ形で無いものをあたかも魔法をかけたかのようにしてごまかすのは
詐欺では無いのか?」
「詐欺とは酷いなぁ・・・きちんと契約してるじゃないか」
「ホゥ・・・契約のけの字も知らない子供相手に一方的に交わすのが契約と言うのか」
「・・・残念だよローフ。君は僕達と歩んでいけないようだ」
悲しそうに顔を両目を閉じると、軽く何かを振り払うかのようにクネマコは頭を振る。
「図星となったら実力で黙らせるのか・・・絵里ちゃんよ」
「は、はい!」
「今すぐ逃げなさい。帰る場所は分かるね?」
「う、うん!」
「じゃあ、走るんだ!!」
ローフの声を受けて、絵里は背中を向けて駆け出す。
その直後、ローフの物と思われる絶叫が絵里の耳に届いた。
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「あった!ここだ!」
絵里は最初に来た場所へ走ってきた。
ぽかりと宙に浮いた穴は、未だに絵里の部屋へと続いている。
絵里は慌てながらその穴を通ろうとする。
そして詰まった。
それはそうだろう。なんせ子供が屈んで通る穴だ。
大人となった絵里に通れるはずが無い。
無理に通ろうとするが、今度ははまり込んで抜けなくなってしまった。
「はは、捕まえたよ。絵里ちゃん」
後ろでクネマコの声が聞こえる。
他の連中の声も一緒だ。
がたがたと震える絵里に、奴らの手が触れる。
その途端すさまじい力で絵里は引っ張られる。
投げ飛ばされ、ドスンと尻餅をつく。
絵里が怖々と顔をあげると、周りを連中に囲まれていた。
「ふふ、鬼ごっこは僕達の勝ちみたいだね。
でもこれじゃあ全然満腹じゃ無いんだ」
ニタニタと笑いながらそういうクネマコ。
周りの連中も同様にしている。
「じゃあ次のゲームだ」
そういってクネマコはパンッと両手を叩いた。
途端に、絵里の体がリボンのような物で縛り上げられる。
同時に口に何かホースのようなものが入り込んできた。
そのホースを通って何かが絵里の口の中に入っていく・・・
「これはね、君達の願いの残滓なんだ。
君達の願いが綺麗に叶えられる訳じゃない。
どうしたってうまくいかない部分があるんだ。
それを集めたものがそれなんだよ」
クネマコがそうやって説明する間にも、絵里の口の中にどんどん入っていく。
そしてその度に絵里の体がまるで風船のように膨らんでいく。
「ああ、言い忘れていたね。
その残滓は人の体を膨らませるのさ。
君の体に混ざってどんどんどんどんと!
まぁそう気にすることでもないさ。
なぜならそうやって膨らめば膨らむほど君の絶望はおいしくなるからね!」
クネマコが説明するが、今の絵里にはこれっぽちも理解できなかった。
それもそうだろう。体がどんどんと膨らむ・・・いや、太っているのだから。
気づけば服は体に食い込み始め、ミチミチと嫌な音を立てる。
絵里はどうすることもできないまま、ゆっくりと自分の体が膨らんでいくのを見ているだけだった。
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「ぶはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
暫くして、ようやく絵里の口からホースが外れる。
同時にリボンも外れる。
ドスンと、その場に落ちる絵里。
その体は酷く様変わりしていた。
大人になって大きくなった胸は片方が頭よりもふた周りは大きくなったように見える。
くびれていた筈の腰は肉に覆われ、その肉はまるでエプロンのように前に垂れ下がっている。
服は完全にはじけ飛んでいるが、股間はその腹の肉で見えない。
太ももはまるで丸太のようで、尻は押しつぶされぶにっと変形するほどだ。
二の腕も太く、以前の腰ほどはありそうだ。
顎にもたっぷりと肉がつき、丸々とした頬は目を押し上げ細めている。
「うん、いい感じに太ったね。
君の絶望もとてもいい味だ」
「はぁ・・・はぁ・・・なら・・・もう帰して・・・」
「それはできないね。まだまだ足りないよ。
じゃあゆっくりと君から搾り取ろうか」
そう言うと、クネマコ達は一斉に絵里に群がる。
それはまるで餌に群がる蟲のようだった。
絵里の悲鳴はクネマコ達に遮られ、そのまま消えていった・・・
身長:128cm → 161cm
体重: 23kg → 43kg → 210kg
B:68cm → 87cm → 142cm
W:42cm → 52cm → 168cm
H:55cm → 81cm → 157cm