タグは体を表す?

タグは体を表す?

 

 

「なぁ、お前『タグ付け本舗』ってサイト知ってるか?」

 

ある日の授業終わり。
ふと、友人に俺はそんな事を言われた。

 

「なんだよそれ」
「アングラ系のサイトなんだけどさ、そこに女の画像を貼ってタグ編集ってーのをすると
 その通りになるんだってよ」
「・・・意味が分からん」

 

画像編集系のサイトって事か?

 

「俺も詳しくはしらねぇよ。お前パソコン詳しいだろ?」
「まぁ・・・」

 

コイツみたいにフラッシュ動画サイトばっかり見てる奴よりは詳しいだろう。
でも・・・

 

「そのサイト名で検索すりゃいいじゃん」
「検索したけどさ・・・なんかこう怖くて」
「ブラクラでも踏んだか?」
「踏んでねーよ・・・変なサイトの名前ばっかりヒットするんだぜ?」

 

検索元が変な名前ならそうだろうよ。

 

「つーちゃんとかか?」
「いやもっとこう・・・個人サイトの・・・なんかやばそうな奴」
「・・・」

 

ダメだ・・・頭痛くなってくる。

 

「大体なんでそんなサイト見たかったんだよ?」
「いや、面白そうじゃん?だから頼む!調べてくれよ!」
「・・・」

 

両手を合わせて頼み込む友人を見ながら、俺はどうした物かなと考えるのだった。

 



 

 

「えっとヤホーヤホーっと・・・」

 

家に帰った俺はさっそくパソコンを付けると、検索サイトを立ち上げる。
タグ付け本舗で検索をかけるが、確かに変な個人サイトでの噂話って言うのしか出てこない。

 

「つーちゃんでも調べるか・・・」

 

アングラ系ならアングラ系だ。
つーちゃんの花瓶をクリックし、インターネット系の掲示板で検索をかける。
いくつかそれっぽいスレはあったが、『糞スレ乙』や『逝ってよし』と言ったレスしかついてない。
中には面白がってブラクラURLを貼る奴まで居る。

 

「ひでーの・・・ん?」

 

そろそろやめようかと思った時だった。
1レスだけ、『みたけりゃここ』という短い文章と、他とは違う“感じ”がするURLが貼ってあった。
こういう勘は割と馬鹿にできない物で、何となくだが“当たり”のような気がした。

 

「・・・ウイルスじゃありませんように」

 

何となく祈りつつ、俺はURLをクリックする。
飛ばされたページは何ともシンプルなページだった。
画像をアップロードする部分だけ。
上げられた画像を見ることも出来なければ、他のページにリンクがある訳でも無い。
黒い背景の上に置かれたアップローダーが何とも悲しく思えた。

 

「・・・これだけか?」

 

やっつけ感ありすぎだろ。
詰まるところ、釣りページなんだろう。
多分スレが立ってから慌てて作り上げたページと言ったところか。

 

「これ試したらなんか起こるかな?」

 

となるとどこまで作ってあるか試してみたくなる。
俺はアップローダーに適当なアイドルの画像を上げてみる。
すると一応別のページが表示され、さっき上げた画像とその下にタグ編集が出来る部分が出てきた。

 

「へー・・・それっぽいじゃん」

 

俺は試しにと、タグに『巨乳』と付けてみる。
そのまま『適用』と書かれたボタンを押すと、再び画面が切り替わって
アップロードしたアイドルの画像が切り替わった。

 

「・・・あ、あれ?」

 

出てきたのはさっきの画像じゃなく、どこか別の画像だった。
グラビア写真だったはずの画像はまるでどこかの部屋を写し、
窓から見える空は青空では無く夕焼け空だった。
背景も、時間も、雰囲気も全部違う画像。
ただ一つだけ同じなのは・・・

 

「い、井手・・・優子」

 

画像に写っていたアイドル、井手優子の姿はどちらの画像にもいた。
ただ、ポーズも衣装も違う。
上げた画像では明るく笑っていた彼女だけど、今の画像では真面目な顔して
何かを読んでいるようだった。

 

「な、なんだよこれ・・・」

 

戸惑う俺の目の前で、新しいボタンが表示される。

 

「・・・更新」

 

『更新』と書かれた簡易なボタン。
震える指で俺はマウスを操作してそのボタンをクリックする。
少しの時間を置いて、画像が切り替わった。
そこには、さっきよりも胸がずっと大きくなってそれに驚く井手優子の画像があった。

 

「お、おい!!なんだよこれ!!」

 

訳も分からず慌てる俺の目に、再び更新ボタンが現れる。
もう一度押したら・・・どうなるんだ?
これ以上はいけない。
そう思いつつ、俺の指は更新ボタンをクリックしていた。
少し間を開けて表示される画像。
そこにはさっきよりも更に大きくなった胸を必死に隠そうとする井手優子の姿。
俺は慌ててタグ部分を消し、適用を押す。
しばらくして表示された画像では、相変わらず胸は大きいままだが
さっきよりも落ち着いた井手優子が出ていた。

 



 

俺はこの後何度かこのページを使ってみた。
そして分かったことがいくつかある。
1つ目は、このページは本物だということ。
2つ目は、画像は人間で無いといけない事。
3つ目は、タグを付けて適用とやった後、表示される更新ボタンを押すごとに
そのタグの効果が出ると言うこと。
4つ目は、タグを消して適用を押すとその効果が消えると言うこと。
5つ目は、リアルタイムでこの効果が出ると言うことだった。
一度、昼寝している妹の画像で『小人』とタグを付けたら
見る見る内に背が縮んでしまった事があった。
慌てて元の身長になるようにしたが、起きなくて本当に良かった。
俺はこのページのことを誰にも話さなかった。
怖かったというのも有るが、これを俺以外が使うのが気に入らなかった。
ここは、俺だけが知っているページ。
そう、それでいいんだ。

 



 

「おいてめぇ!!なにガン付けてるんだよ!!」
「ひぃ・・・」

 

あのページを見つけてからしばらくして、俺は街中で胸くその悪い光景を見た。
禿げたオッサンを囲む女達。
格好からして一人はうちの学校だろうが・・・記憶に無い。

 

「あーあ、あたしら傷ついちゃったなぁ?わかるよね?」
「え、あ、あの・・・」
「別にぃ?ちょーっとお金払ってくれればそれでいいんでぇ〜」
「アケミったらそれ酷くね?ゼンイって奴を期待するだけっしょ?」

 

アケミ、と呼ばれた奴は何となく思い出した。
1個下のギャルっぽい奴だ。
いつもよりメイクが濃くて分かり難いが確かに何度か見たことがある。

 

「・・・」

 

俺はその集団から少し離れた所に行き、携帯のカメラを構える。
画素数は160万だが、この距離ならズームで十分顔が分かる写真が撮れる。
俺は三人の顔を代わる代わる撮り、自分のパソコン用のメールアドレスに送る。
そして、急いでその場を離れた。
家まで走った俺はそのままパソコンを立ち上げ、いつものサイトにアクセスする。
すぐさま撮った画像を上げてみる。
そして、リーダー格っぽい奴の画像に『巨デブ』というタグを付ける。
適応を押してからしばらくして、画像が表示された。
近くのファミレスかどこかだろうか?
3人して小さな机でお菓子やらなにやらを食べているみたいだ。

 

「さっきのオッサンから奪った金で豪遊か・・・ふざけてるな」

 

俺は表示された更新ボタンを押し、どうなったのかを確かめる。
次に表示された画像では、リーダー格の女が制服を自分の腹で弾き飛ばしている画像だった。
見事な段腹が露わになり、まったくサイズの合ってないブラからは胸がボロンとこぼれ落ちている。
スカートは思いっきり破れ、肉まみれの顔で驚愕の表情をしていた。
俺はもう一度更新ボタンを押す。
すると今度はテーブルに腹がのっかり、椅子との間ではまり込んで動けない女の画像が表示された。
横の女二人が必死に引っこ抜こうとしているようだが、無駄だろう。
俺はもう一度更新ボタンを押し、次に表示される画像を待った。

 

「ぷっ・・・あはははは!!ざまあみろ!!」

 

次に表示されたのは、テーブルを腹でなぎ倒しながら大泣きしている女の画像だった。
まるで人間に見えない贅肉だらけの身体。
服はすでにビリビリになってはじけ飛んでいるが、股間は腹の肉で全く見えない。
逆にでかくなりすぎた胸は完全に丸見えで、乳首から何から全開だった。
首は肉で埋まり、折角決めたメイクも見るも無惨と言う感じだった。

 

「さて・・・次はもう一人の女だな」

 

俺は一度タブを消してから適応を押し、別の画像をアップロードする。
もう一人の女には『超巨デブ』とタブを書き、適応を押して待つ。
現れた画像はあのリーダー格の女の腕と思われるブヨブヨした物を必死で引っ張る姿だった。
俺は更新ボタンが現れるのを今か今かと待ち、そして押した。
次に現れた女の姿は、リーダー格に負けず劣らずの姿だった。
制服は一瞬で破けたのだろう、辺りに細かい布きれが飛んでいる。
急に太ったからかバランスを崩し、ひっくり返っているのがなんとも不格好で笑える。
飛び出た胸と腹が地面で身体を支え、みっちりと背中についた贅肉が醜い段を作っている。
尻はでかく育ち、あれじゃあ椅子一個じゃ足りないだろう。

 

「さぁ・・・最後はアケミだな」

 

タグを消して適応を押してから、画像を上げ直す。
今度は『超特大巨デブ』と書き、適応をクリックする。
現れたアケミはどうやら店の外らしく、道路を走っていた。

 

「おいおい・・・友達見捨てちゃダメだろ?」

 

笑いながら俺は更新ボタンを押す。
すると、次の画像は殆ど肌色だらけだった。
それがアケミの画像だと言うことに気付くのに少し時間がかかった。
全身肉の塊。
立っていても地面につく腹。
まるでバランスボールを2つ付けた様な胸。
尻はだらしなく垂れ下がり、足はドラム缶よりも太そうだ。
背中は肉のせいで尻と首との境目が分からないし、そもそも首は肉で埋まっている。
顔は肉で圧迫されて辛うじて元の面影を残すだけだ。

 

「・・・もう一度押してみるか」

 

俺は現れた更新ボタンを押す。
だが、次に現れた画像は真っ黒だった。

 

「あれ?」

 

バグか?
そう思う俺の耳に、変な声が聞こえる。

 

『・・・これ以上はダメ』

 

小さな女の子のような声。
俺がその声の正体を探る前に、俺の意識はそこで途絶えた。

 



 

あれから数日。
あのサイトは利用できなくなっていた。
俺が弄った連中もみんな元に戻り、アケミ達も普通に学校に来ているらしい。
ただ・・・あれは夢なんかじゃ無かった。
俺がやり過ぎなければ・・・
ここ最近それしか考えてない。
俺はつまらなくなった日常にため息を吐きながら、学校へと向かうのだった。

 

 

 

 

斉藤凛(リーダー格の女)
身長169cm
体重 45kg  → 109kg →  186kg  →  290kg
 B:88cm → 105cm → 134cm  → 169cm
 W:56cm → 117cm → 157cm  → 193cm
 H:81cm → 109cm → 149cm  → 188cm

 

吉岡由里(もう一人の女)
身長150cm
体重 40kg  → 287kg
 B:82cm → 186cm
 W:54cm → 168cm
 H:76cm → 201cm

 

加藤明美(アケミ)
身長169cm
体重 51kg  → 400kg →  843kg  → 1443kg
 B:89cm → 189cm → 245cm  → 287cm
 W:62cm → 234cm → 363cm  → 481cm
 H:88cm → 217cm → 301cm  → 399cm


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