工房の使者

工房の使者

 

 

アルマ 18歳 身長159cm 体重47kg
自称天才かつ自称悪の錬金術士の怪しい女性。助手のエイプーと今日も実験をする。

 

エイプー 26歳 身長169cm 体重53kg
アルマの助手をつとめる女性。アルマに翻弄?されている。

 

 

 

 

 

「エイプー君。君に頼みたいことがあるんだが・・・」
「嫌です」

 

エイドと呼ばれた女性は、目の前の少女の頼みをばっさりと断る。
少女の方もむっとした顔をして、エイプーにこう声をかける。

 

「断ると給料ださんぞ?」
「ぐっ・・・卑怯な・・・」
「卑怯で結構!私は悪の錬金術師だからな!!」
「はいはい・・・」

 

どや顔するアルマとやれやれ顔のエイプー。

 

「・・・で、結局頼み事ってなんなんです?」
「うむ、実は世界征服をしたくてな」
「・・・はい?」
「世界征服だぞ世界征服。悪の錬金術師なら一度は企むだろ?」
「・・・博士はバカですか?」

 

あまりにも下らない事に言葉を失うエイプー。
アルマは腕を振りまわしながらエイプーに向かって叱るように叫んだ。

 

「こら!!私の事を博士と呼ぶんじゃ無い!!アルマ様かもしくは錬金術師様だ!!」
「長いんで嫌です。あと様付けしたくないですし」
「なんだと!!」
「それよりも・・・なんで世界征服を?」

 

脱線している話を無理矢理元に戻すエイプー。
アルマは納得がいかないようだが、アルマが何を言ってもエイプーはスルーするだけだった。

 

「全く・・・世界征服は悪の基本だろ?ショッ○ーしかり、ワ○リーしかり」
「やめて!世界の圧力で消されるからやめて!!」
「とにもかくにも!世界征服は我ら悪の目標だ!となれば目指さない訳にはいかないだろ!!」
「・・・それって最終的にヒーローに退治されますよね?」
「馬鹿か君は。現実にヒーローは居ないだろ」
「馬鹿って・・・だったら○ョッカーもワイ○ー博士も居ませんよ」
「だぁが私は居る!」
「・・・頭痛くなってきた」

 

頭を抱えるエイプーを横目に、ずるずるとホワイトボードを持ってくるアルマ。
彼女はホワイトボードをバンッと叩くと、さらに声を張り上げて説明をする。

 

「今回私が錬金術の秘技を使って作り上げたこの薬。一見ただの健康食品の様だが
 その実はなんと時限爆弾なのだ!」
「まさか体内で爆発して身体が・・・!?」
「そ、そそそそんなグロテスクなことするか!!時限爆弾は喩えだ喩え!!
 この食品を食べてから2週間後、身体に異変が起こる」
「・・・何が起こるんです?」
「うむ、実はランダムだ」
「・・・はっ?」

 

固まるエイプーをよそに、アルマは次々と説明を続けていく。

 

「症状が1種類だけではすぐにウチの商品が原因だと気付かれるからな。警察とかその辺に」
「・・・そりゃそうですけど」
「だから数十種類の症状が出るように調整してある。
 これを出荷し、その後この症状にそれぞれ合わせた薬を発売する。
 錬金術の症状は錬金術でしか取り除けんからな!!
 結果、ウチの商品は大儲け!その資金で世界を裏から牛耳るという訳だ!」
「わーマッチポンプ」

 

どうだと言わんばかりのアルマを横目に見つつ、エイプーは少し考える様子を見せる。

 

「しかし・・・博士にしては珍しく具体的かつ有効そうな手立てですね」
「そうだろそうだろ!なんせ私は天・才!だからな!
 ・・・ところで今私を馬鹿にしなかったか?」
「してませんよ。それで・・・私に何をさせるおつもりですか」

 

ようやく本題に入るエイプーに、アルマはうむと大きく頷いてからこう答えた。

 

「さっきも言ったように様々な症状が出る。君にはその被検体になって欲しい」
「お断りします」
「そうかそうか引き受けて・・・なぬ?」

 

これ以上無いぐらいの速さで断るエイプー。

 

「いや、引き受けるんだ!!そうしないと給料ださんぞ!?」
「いやですよ!!だって様は病気に慣れって事でしょ!?」
「大丈夫だ!そんなに重い物は無い!!」
「じゃあ何があるんですか?」
「風邪っぽくなるのと下痢っぽくなるのと偏頭痛っぽくなるのと・・・」
「お疲れ様でした。先上がりますね」
「ま、待て待て待て待て!!」

 

さっさと帰ろうとするエイプーを慌てて引き留めるアルマ。
エイプーは無視して帰ろうとするが、その袖をアルマが掴んで無理矢理引き留める。

 

「私の解毒薬ですぐに治るから大丈夫だ!そ、そうだ!!給料弾んでやろう!!
 この前欲しがってたバッグも買ってやる!!だからな?な!?」
「・・・はぁー。わかりましたよ・・・」

 

あまりの必死な様子に可哀想になったのか、エイプーは足を止めてアルマの方を向きなおる。

 

「・・・ホントか?」
「本当です。それで・・・薬は?」
「う、うむ!これだ!」

 

そう言ってアルマが近くの棚に置いてあった箱からビスケットの様な物を取り出す。
エイプーはそれを受け取ると、少し眺めた後えいと口に運んだ。
もそもそとした食感に口の中の水分が一気に持って行かれ、軽くむせるエイプー。
エイプーはそれを無理矢理押し込み、飲み込む。

 

「・・・ところでこれ2週間後に効果出るんですよね?」
「ああ、それは試験用だからすぐに効果出るぞ」

 

アルマがそう言うか否かのタイミングで、エイプーが軽くうめき声を上げてうずくまる。
エイプーの息が荒くなり、身体が震える。
その瞬間・・・

 

【ブチッ・・・】

 

エイプーの腰から何かがちぎれる音が響いた。

 

「えっ・・・?」

 

エイプーが恐る恐る腰を見ると、履いていたスカートが見事に縦に裂けていた。
勿論穿けないスカートを無理に履いていた訳では無い。
朝まではぴったりどころか少し余裕がある程であった。
ということはである。

 

【ブチッ・・・!】

 

二度目のちぎれる音が響き、近くの床からカラカラという音が響く。
音の正体はちぎれた上着のボタンが床に転がったために鳴った音だ。
つまるところ・・・

 

「わ、私太ってます?」
「う、うむ!そ、そのようだな・・・!」

 

エイプーの身体は徐々に膨らんで・・・いや、太っているのだ。

 

「そのようだなって・・・これそういう効果じゃ・・・」
「・・・正直言うとそんな効果が出るようには作ってない」
「ちょっとー!?」

 

顔を反らすアルマに対し、エイプーは詰め寄ろうとする。
だが・・・

 

「あたっ!?」

 

急激に太ったからか、バランスを崩したエイプーはその場に転んでしまう。
その間にも彼女の身体は徐々に太っていく。
大きめだった胸はさらに前に飛び出ていくし、腹はそれ以上に前に垂れ下がる。
壊れてズレ落ちたスカートの下からは下着が見事に食い込んだ巨大な尻が現れ、
太くなった太ももが更にスカートを裂いていく。
シャツの袖が太くなる腕で張り詰めていき、やがてスカートと同じ様に裂け目が出来ていく。
背中には贅肉の段が少しずつ刻まれ、首も徐々に太さを増していく。
身体が重くなる度にエイプーの呼吸が荒くなり、溢れていく頬肉がぷるぷると蠢く。
10分程経過し、ようやくエイプーの肥満化が終わった頃。
彼女の身体は大きく様変わりしていた。
バレーボールほどの大きさを持つ胸に、妊婦のような腹。
下着がTバック状に成る程肥大化した尻に丸太の様な足。
分厚く、電話帳ほどの厚みが掴める背中にだるんだるな腕。
首は殆ど顎との境界が無くなり、頬肉が顔の角を完全に取り除いている。

 

「うぅ・・・」

 

思わぬ状況に殆ど泣き顔のエイプー。
アルマはその様子を見てあはははとにが笑いをしているだけだ。

 

「笑ってないで早く解毒薬下さい!!」
「そ、それがだな・・・そんな症状が出るとは思って無くてな・・・解毒薬が効くかどうか・・・」
「・・・博士?」
「い、いやー!やはり実験は大事だな!!うんうん!!
 では私はこの事をまとめてきちんとした商品を作る事にする!では気を付けて帰るように!!」
「逃がすか!!」

 

部屋をさっさと出ようとするアルマと、重くなった身体とは思えない速度で動くエイプー。
火事場のなんとやらか、アルマをあっさりと捕まえたエイプーは、徐々に棚の方へと移動していく。

 

「な、なにをする!?」
「いえ、博士にも実験台になっていただこうかと」
「ま、待て!!そんな事をしたら私まで太ってしまうだろ!?」
「実験は大事なんですよね?」
「それはそうだが・・・あ、ちょ、やめ!!もがっ!!」

 

先ほど自分が食べた物と同じ物をアルマに無理矢理食わせるエイプー。
無理矢理咀嚼させられたアルマの叫び声が上がるのはそのすぐ後のことであった。

 



 

「ふぅ・・・博士、お茶が入りました・・・」
「う、うむ・・・そこに置いておいてくれ」

 

数日後。
重くなった身体を引きずり作業する二人。
端から見ればただの太った姉妹にしか見えないだろう。

 

「それで・・・はひぃ・・・原因はわかったんですか?」

 

お茶を入れるだけで重労働なのか、エイプーはお茶をアルマの机に置くと
すぐに近くの椅子に座った。
その瞬間に腹が余計に前に飛び出し、新調したはずのシャツのボタンが悲鳴を上げる。

 

「うむ・・・この商品は錬金術を組み込んでいるんだが・・・
 錬金術といえど元は科学とそう変わらん。
 化学式で考えれば物質と物質がくっついて別の物になるなんて当たり前だった・・・
 本来身体を不調にするはずの成分が食品の成分と結びついて誤作動を起こしたわけだな」
「つまり・・・この商品は発売出来ない訳ですか」
「いや、カプセル状にして薬剤を混ぜればいいんだが・・・それじゃ気付かれるし・・・
 うぅむ悩ましい」
「ってそれはどうでもいいんですよ。私が知りたいのは解毒薬の方です!!」

 

声を荒げるエイプーに、アルマは悲しそうに俯いた。

 

「・・・りだ」
「・・・はい?」
「無理だと言っているんだ!!ここまで変異した毒素の解毒なんて無理に決まってるだろ!!
 そもそも毒薬っていうのは3種類も混ぜれば解毒するのはほぼ不可能に近いんだぞ!?
 どうやっても無理だろ!!」
「逆ギレですか!?天才ならなんとかして下さいよぉー!!」
「うるさーい!!大人しくダイエットのメニューでも考えてろ!!」
「そっちこそもっと頑張りなさいよ!!」
「上司に向かってなんて言葉を!?」
「私はただの雇われ家政婦ですから上司は寧ろ旦那様です!!
 お嬢様の遊びに付き合わされるこっちの身にもなって下さい!」
「ええいうるさい!メイドなら部下みたいな物だろ!!」
「大体なんですかエイプーって!私には四月一日百合子って名前がですね・・・」
「四月なんだからエイプリルでエイプーだろ!!
 コードネームで呼び合うのは悪の組織じゃ常識だろ!!」
「知りませんよ!!だったらなんでアルマなんですか!!

 あれですか、有馬だからアルマですか!?」
「・・・」
「図星ですか!?比奈子お嬢様!」
「だから本名で呼ぶな−!」

 

ギャーギャーと騒ぐ二人。
彼女達が元の体型に戻れる日は遠そうである。

 

 

アルマ(有馬比奈子)
身長:159cm
体重: 47kg → 157kg
 B:86cm → 114cm
 W:59cm → 138cm
 H:81cm → 147cm

 

エイプー(四月一日百合子)
身長:169cm
体重: 53kg → 162kg
 B:91cm → 148cm
 W:62cm → 135cm
 H:86cm → 142cm


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