夢心地で見る現実

夢心地で見る現実

 

 

勇久 風利(ゆうひさ かぜり) 17歳 身長163cm 体重48kg
食事が何よりも好きな少女。しかし少女らしく体重の増加は嫌がっている。

 

 

 

 

 

「はぁ・・・お腹減ったぁ」
「もう?さっき一緒にお茶したばっかりじゃん」
「そうは言ってもお腹減ったの〜」

 

とぼとぼと肩を落としながら歩く二人組の少女達。
片方は勇久風利。もう一人は宇津々真(うつつ まこと)である。
学校も終わり、二人で先程近くのカフェで甘味を堪能してきた帰りである。
だというのに、風利の方はまだ何か食べたい様子だ。

 

「もうすぐ夕ご飯になるんでしょ?折角細いんだから我慢したら?」
「そうなんだけどさぁ・・・うちご飯の量少ないんだよねぇ・・・」
「でもここで食べると、後でまたダイエットするー!って騒ぐんだからやめときなって・・・
 それに今月お小遣い厳しいって言ってなかった?」
「う〜・・・」

 

真にそう言われるが、風利はどうにも納得出来ないようだ。

 

「じゃあ私は向こうだから」
「あ、うん。じゃあまたね」
「また明日〜夕ご飯前に食べちゃ駄目だよー?」
「もう!食べないよ!!」

 

そんな会話をして、真は別の道へと進んでいく。
一人になった風利ははぁっ・・・とため息を付いてからと腹に手を当てつつぼとぼと歩き出す。
少し進んだ所でふと風利が前を見ると、一人の男が立っていた。
一見女のようにも見える程綺麗な黒髪を長く流しており、整った顔立ちの細身の男だ。

 

「やぁこんにちは」
「え、あ・・・こんにちは?」

 

突然話しかけてきた男に驚きつつも返事を返す風利。
男は爽やかな笑顔を浮かべると、風利に向かっていくつかの紙をまとめた物を差し出してきた。

 

「さっきの話、悪いとは思うけど聞かせて貰ったんだ。
 実は僕、製薬会社に勤めていてね?今ウチはダイエット用の薬品を研究していてる最中なんだ」
「はぁ・・・」
「臨床試験までは終わって安全性も確認出来たんだけど・・・
 広告用のモニターさんが見つからなくてね」
「モニター・・・ですか?」
「そうそう。良ければ君みたいにに可愛い子にやって貰えないかなと思ってね」
「か、かわいい!?私が!?」
「うん、とっても可愛いよ」
「そ、そうですか〜?」

 

褒められた風利は途端にいい気気分になる。

 

「薬の効果なんかはその紙に書いてあるんだ。もし興味があったら協力してくれないかな?」

 

そう言われた風利は渡された紙に目を通す。
薬の成分表から始まり、中に入っている成分の情報、副作用の主立った症状。
そして薬の効果が書いてあった。
薬の効果というのは体の代謝効率を大幅にあげ、摂取したカロリーを普段よりも
ずっと消費しやすくする体に変えるという物だった。
副作用として若干頭がボーッとしやすくなることと、体に軽微な疲労感が来るという物だった。

 

「・・・安全なんですよね?」
「勿論!薬自体は安全だよ!この薬を飲めば君の願い通りいくら食べても太らない体になるんだ!」
「いくら食べても・・・」

 

風利は紙としばらくにらめっこをしていたが、やがて男に向かってこう告げた。

 

「分かりました、私モニター役やります」

 



 

目覚ましの音が鳴り、風利は音の方へと手を伸ばす。

 

「ふぁ・・・朝かぁ」

 

ベッドから起き上がり、風利は欠伸をかみ殺す。

 

「ご飯なにかなぁ・・・ショウガ焼きとかだといいな、ご飯いっぱい食べられるし」

 

そんな事を呟きながら部屋を出る風利。

 

「おはよう」
「ん、おはよー」

 

親への挨拶もそこそこに椅子に腰掛ける風利。
目の前にはご希望通りのショウガ焼きが大量に積まれていた。

 

「やった!いただきます!!」

 

そう言って箸を持ちショウガ焼きを口に運ぶ風利。
追いかけるように飯を口に放り込み、咀嚼する。

 

「うーん!美味しい!」

 

そう言ってドンドン食べ勧めていく風利。
やがて皿の上が空になり、風利は満足げに一息付くと椅子から立ち上がった。

 

「さて・・・学校行かなきゃ」

 

そう言って部屋に戻る風利。
制服に着替えると、部屋を出て外へと出て行く。
すぐさま学校が見えてきて、途中で真と合流する。

 

「おはよー風利」
「おはよー!今日宿題あったっけ?」
「確か数学があるよ」
「そっか・・・やってないや」
「大丈夫じゃない?」
「だよねー」

 

そんな事を話しつつ、気がつけば二人は教室にいた。
席に着き、適当な話をする二人。
やがてチャイムが鳴り、授業が始まった。

 



 

気がつけば授業は終わり、放課後になっていた。

 

「お腹減ったなぁ・・・」
「じゃあなんか食べに行く?」
「お、いいね!いこっか!!」

 

真を引き連れ、学校を出た風利は商店街へと歩いて行く。
ケーキ屋へとたどり着いた二人は店内に入り、思い思いの注文をする。
すぐにカットされたケーキが運ばれてきて、二人は美味しそうにそれを頬張る。
だが物足りないのか、風利は更に別の物を注文する。

 

「お腹壊さないの?」
「大丈夫!」
「ふーん・・・」

 

それだけの会話を終え、風利は新しいケーキにかぶりついた。

 



 

「ただいま〜」
「おかえり、すぐにご飯出来るから」
「は−い」

 

帰宅した風利は親と簡単な会話を交わし、自室へと戻って着替える。
テーブルの上には風利の大好物のハンバーグが幾つも幾つも皿に乗っており、
美味しそうな香りをさせている。

 

「いただきまーす!」

 

ハンバーグにかぶりつき、ご飯をかっ込む風利。
まるで自分が太る事なんて考えてもいないような様子だ。

 

「おかわり!」

 

茶碗を突き出し、そう叫ぶ風利。
やがてハンバーグが消えた頃、風利は満足そうな笑顔を浮かべた。

 

「ごちそうさま!」

 

席を立ち上がり、扉を開けて自室に戻る風利。
すぐさまベッドの上で横になり、安らかな寝息を立てるのだった。

 



 

暗い部屋の中。
目の前には小さな小窓。
風利は自分の口に付けられたチューブをボーッと眺める。
ふと、自分の体が妙に重いなと感じ、体を見つめる。
ほっそりとしていたはずの体は丸々とし、ぽっちゃりをやや通り越した位になっている。
どうやら永遠とチューブから何かを食べさせられているようだ。
目の前にはあの時出会った男が立っており、何かを呟いている。
やがて男が風利の方へと近づき、手を伸ばしてきて──

 

「んぁ?」

 

そこで風利は目覚まし時計が鳴っていることに気付いた。
かちゃりと目覚まし時計を止め、ベッドから起き上がる風利。

 

「・・・変な夢」

 

そう言って、風利は扉を開けて居間へと向かう。
テーブルの上には青椒肉絲が大皿いっぱいに盛られており、
風利はそれを山盛りの白米と一緒に食べていく。

 

「あ〜・・・幸せ!」

 

そう呟きながら食事を終え、何時ものように学校へ向かう風利。
途中真と合流し、雑談をする。

 

「今日ってテストだっけ?」
「そうだね。國語だったかな?」
「そっか・・・」

 

そんな話をしている内に教室へとたどり着いた二人はそれぞれの席へと着く。
そしてチャイムが鳴り、授業が始まる。
やがてチャイムが鳴り、授業が終わって放課後になる。

 

「真〜今日もどこか寄っていこうよ」
「いいよ〜。菜に食べる?」
「もち甘い物!」

 

そんな事を話しながら、二人揃って商店街へと向かう。
茶屋に入り、各々注文をすると雑談をする二人。
やがて運ばれてきた料理を食べる二人・・・が、風利は物足りなさを感じて新しく注文をした。

 

「そんなに食べるとふと瑠よ?」
「大丈夫だよ〜私食べても太らない体質になったし!」
「何デ?」
「・・・なんでだっけ?」
「変な風理」

 

そんな会話をしながら甘味を食べる二人。
食べ終えた二人は、それぞれの家へと帰っていく。
帰宅した風利はすぐに夕食を摂り、自室へ戻ってベッドに横になった。
まるでそれが当然と言わんばかりに慣れた動作で・・・

 



 

薄暗い部屋。
目の前の小さな小窓からは光が溢れている。
風利は自分の口に付けられた太いチューブをボーッと眺める。
ふと、自分の体が凄く重いなと感じ、体を見つめる。
ほっそりとしていたはずの体はでっぷりとし、デブというよりは贅肉の塊となっている。
呼吸する度にぶるぶると全身の肉が蠢く感触が風利に伝わる。
目の前には男が立っており、風利に向かって何か話しかけている。
やがて男が風利の方へと近づき、手を伸ばしてきて──

 

「・・・ん」

 

風利は目覚ましを止めながらベッドから起き上がる。
体を確かめ、いつも通りの体型である事を確かめる風利。

 

「変な夢だなぁ・・・」

 

それだけ言うと、風利は居間へと向かい、食事を摂るのだった。

 



 

放課後に真といつものように食べ歩きをする風利。
アイスクリームを3段重ねた物を手にしながら、もう一方の手にはクレープを持っている。

 

「風邪利、大丈夫なノ?」
「なにが?」
「そんなに食べ手大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!」
「翻刀に?」
「ホントに大丈夫だって」

 

そう言って風利は手にしたアイスにかぶりつく。
アイスはいつまでも溶けること無く、そのままの形を保ったままだ。

 

「あぁ・・・ホント美味しい物いっぱい食べれるって幸せ!!」

 

風利がそう叫び、真はそれを見つめるのだった。

 



 

「・・・」

 

呆けた顔でえへへと笑う風利。
その体は酷く肥え太っていた。
それこそ・・・風利とは分からないほどに。
つぶれた山とでも表現するべきだろうか。
でろんと垂れて足を覆い隠す様に前に出た腹。
その上に溶けかけたアイスの様に乗る胸。
横に広がり、まるで垂らした水飴が広がるかのようになっている尻。
背中は腹とは対照的に幾つもの段を刻み、腕はまるで振り袖のように贅肉が垂れ下がっている。
すでに首と顔の境界線は消え去り、辛うじて顔のパーツと髪型で頭の場所が判断出来る程度だ。

 

「ふむ・・・中々面白いデータだな・・・」

 

風利をモニターに誘った男は近くの小部屋から風利の様子を小窓越しに眺めている。
近くにあるコンピュータには風利の状態がデータとしてまとめられ、分単位で更新されていく。

 

「・・・どんな夢を見ているのやら」

 

男はそう呟くと、部屋をそっと出て行く。
薄暗い部屋の中で、風利は一人チューブから流れる食事をただただ楽しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇久風利
身長:163cm
体重: 48kg  → 74kg  → 133kg  → 355kg
  B:85cm → 98cm → 119cm → 177cm
  W:55cm → 93cm → 138cm → 236cm
  H:82cm → 94cm → 117cm → 170cm

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・風利ちゃんどこ行っちゃったんだろ・・・家にも帰ってきてないって言うし・・・」
「こんにちは、お嬢さん」
「え・・・こ、こんにちは?」
「突然ごめんね?僕、製薬会社に勤めてる者なんだけど、
 今新商品のモニターをやってくれる人を探していてね・・・」


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