モバP「ウサミン事件 肥満化編」

モバP「ウサミン事件 肥満化編」

 

 

「菜々さんが怪我!?」

 

ある日、事務所に着いた俺に、ちひろさんから唐突な言葉が届いた。
怪我をしたのは安部菜々、俺がプロデュースしているアイドルの一人だ。
折角昔からの夢であるアイドルになったばかりなのに・・・

 

「それで、怪我の具合は!?」
「駅の階段で足を踏み外したそうで、両足を骨折だそうです・・・」
「両足!?」

 

なんてことだ・・・

 

「・・・今は?」
「病院に入院してます・・・完治には半年以上かかるそうで・・・」

 

やっぱりか・・・骨折はそう簡単に治らないよな・・・
歌の収録はついこの間済んだばかりだし、回せそうな仕事が全然無いぞ・・・!?

 

「と、とにかく見舞いに行ってきます!」
「そうして下さい。ここが病院の住所ですから」

 

そういってちひろさんはメモを渡してくれた。
場所は・・・良かった、事務所からそう遠くないぞ。

 

「と言うことだから、晶葉。
 悪いんだが今日の打ち合わせはまた明日にして貰えるか?」

 

俺は振り返って近くにいる少女に声をかける。
眼鏡をかけた彼女は池袋晶葉。彼女も俺の担当しているアイドルだ。
彼女はふむと頷いた後、こう返してきた。

 

「それは構わない、しかしだ助手」

 

知的に見える眼鏡を光らせ──実際に天才だが──晶葉は口を開いた。

 

「私も一緒に見舞いに行っても良いのだろう?」

 



 

扉をコンコンコンと三回ノックし、返事を待つ。
すぐにはーいと聞き慣れた返事が返ってくる。

 

「失礼します」

 

そう言いながら扉を開けると、菜々さんがやや驚いた顔をしていた。

 

「プ、プロデューサーさん!?それに晶葉ちゃん!?どうして!?」
「そりゃ怪我したって聞けば見舞い位来ますよ・・・」

 

俺は手にした荷物を近くの机に置くと、畳んであった椅子を広げる。
近くにはもう一つ椅子置いてあるので晶葉も問題無く座れる。
俺はちらりと菜々さんの足の様子を見る。
両足に巻かれたギブスが痛々しい。

 

「あはは・・・ごめんなさい。ドジで」

 

俺の視線に気付いたのか、菜々さんが謝る。

 

「あ、いや・・・そ、そうだ!これみんなからのお見舞いの品です」

 

俺は机に置いた荷物からいくつかの品物を取り出す。

 

「これはちひろさんから。ドリンク剤です」
「プロデューサーが何時も飲んでるやつですよね?」
「はい。で、こっちが輝子からのキノコ茶です」
「き、きのこのお茶ですか・・・?」
「ええ、怪我に効くそうですよ。それと卯月からの果物の詰め合わせです」
「あははは・・・卯月ちゃんらしいですね。みなさんにありがとうと伝えて下さい」

 

一通り品物を見せると、菜々さんは若干苦笑いしながらも全て受け取ってくれた。
・・・果物を見ながら菜々も昔は風邪を引くとよく桃の缶詰開けて貰ってましたねーとか
言ってるのは聞こえない事にする。

 

「それと、私からもあるぞ?」
「晶葉ちゃんから?」

 

こっちの話が終わるのを見計らって、晶葉が話を始める。
どや顔で晶葉が持ってきたのはウサミンロボだ。

 

「あれ?ロボちゃんですか?」
「これは私が制作した介護ロボの試作型だ。
 ついでだから試験して貰おうと思ってな」

 

どや顔で胸を張る晶葉。
カワイイが、個人的にはこのロボ心配なんだよな・・・主に試作型って辺りが。

 

「へー・・・どんな機能があるんです?」
「まずは身体を支える機能だな。優しく人を持てる上に、細かい動作も可能だ。
 車いすとベッド間の移動なんか楽々だな。さらにロボ自身が車いす形態にもなれるな。
 他には──」

 

様々なロボの機能を説明する晶葉とそれを熱心に聞く菜々さん。
俺はそんな二人を眺めながら、今後の予定を考えていた・・・

 



 

菜々さんが怪我をしてから約一週間が経った。
菜々さんの穴は幸子に埋めて貰っている。
割と監督とかからの受けが良いんだよな・・・

 

「あ、プロデューサーさん、今日もお見舞いですか?」

 

一日の仕事終わり、俺が退社の準備をしているとちひろさんが話しかけてきた。

 

「ええ、何かあれば持って行きますよ?」
「あ、じゃあこれを」

 

そういってドリンク剤を渡してきてくれる。

 

「これ俺にも一本位サービスでくれません?」
「ダメです」

 

即答だった。

 

「ちぇ・・・じゃあ行ってきます」
「ええ、菜々さんによろしくお願いしますね」

 

俺は法子おすすめのドーナツの入った箱を手にすると、事務所を出て菜々さんの病院へと向かった。

 



 

「あ、プロデューサーさん、いらっしゃい!」

 

病室に入ると、奈々さんが笑顔で迎えてくれる。
横にはあのウサミンロボも居る。というか相変わらず半端ない存在感だな・・・

 

「お邪魔します。入院生活は慣れましたか?」
「はい!看護婦の皆さんも良くしてくれるし、ロボちゃんも頑張ってくれますから」

 

ねーと言わんばかりにロボの方を向く菜々さん。
俺は机に見舞いの品を置くと、椅子をベッドの近くまで持ってきて座った。

 

「今日は法子からドーナツが届いてますよ」
「わぁ!法子ちゃんのおすすめなら間違いなさそうですね」

 

顔を輝かせる奈々さん。
やっぱり女性は甘い物好きだよな・・・
そこで、俺はふと、違和感を感じた。

 

(菜々さん、少し太ったか?)

 

若干ふっくらとした気がする。
まぁ入院中だしな、運動も思うように出来ない状態だから仕方ないか。
俺は深く考えず、菜々さんと雑談してその日は帰った。

 



 

そして一ヶ月。
俺はここ最近忙しくていけなかった菜々さんの見舞いに向かっていた。
一応メールなんかで連絡はしているが、やっぱり直に会わないとな。
ついでだし、サプライズっぽくしてやろう。
そう考えた俺は、菜々さんに今日も見舞いに行けないと連絡してから、
いくつかのプレゼントを買いに走った訳だ。
久しぶりに会う菜々さんのことを考えながら、俺は車を走らせた。

 



 

扉をノックして中に菜々さんが居るかを確認する。
返事が返ってきたので扉を開けると、奥には人影が見える。
俺はその人影に近づく。
そして固まった。

 

「ぷ、プロデューサーさん!?な、なんで!?」
「いや・・・そのサプライズをしようと思って・・・その・・・どうしたんですかその体?」
「み、見ないで下さい!!」

 

菜々さんの身体は丸で相撲取りのような程に太っていたのだ。

 



 

「えっと・・・どうしたんです?」
「私にも何が何だか・・・
 お医者さんも入院生活で太る人は良く居るがここまで太る人は初めてだって」

 

落ち込んだ様子の菜々さん。
だから最近見舞いに行けないと言ってもどこか安心した様子だったのか・・・
その体を軽く眺める。
元々身長の割には大きかった胸は、完全に爆乳レベルだ。
括れていたはずの腰は妊婦の様にぼっこりと膨らんでいる。
毛布の上からでも分かるんだから相当だ。
腕は前の二倍程の太さで、顔は丸々としている。

 

「もう!見ないで下さいってば!!」

 

菜々さんに言われて俺は視線を外す。
とはいうものの・・・

 

「運動不足だけじゃここまでは普通・・・」
「菜々もそう思います・・・一応お医者さんが言うには稀にすごく太りやすい人が居るとかで・・・」

 

そういう物なのだろうか・・・?

 

「足の調子は?」
「まだ骨がくっついてないそうなので、暫くはダメですね」

 

そうなるとすぐに痩せるのは無理か・・・

 

「そうですか・・・とりあえず体を治して、少しずつでも痩せて行かないとダメですね・・・」
「はい・・・」

 

ショボーンと落ち込む菜々さん。
俺は横目で持ってきた見舞いの品を見る。
中身はかな子おすすめの店のケーキだ。
頑張って並んで買ったのだが・・・どうするかな?

 

「えっと・・・もしかして」
「まぁ・・・その・・・」
「・・・ま、まだ治りかけですし!食べて骨の栄養にしますから大丈夫です!!
 ウサミンパワーに不可能は無いです!!」

 

・・・割と必死な感じもする。
まぁ折角買ってきたんだ。食べて貰えないのもそれはそれで悲しいし。
俺は包みを開けてケーキを菜々さんに渡す。
幸せそうに食べる菜々さんを見て、俺は今後の予定に頭を悩ませるのだった。

 



 

菜々さんが怪我してから早三ヶ月。
最近ようやくリハビリを始めたらしいのだが、太りすぎて難儀しているという。
この前見に言ったらさらに太ってたんだよな・・・
お腹は妊婦どころか3つ子レベルにまで育ってたし、胸は片方で頭よりも大きい感じだ。
多分雫よりもでかいだろうなぁ・・・
お尻が育ったせいか、座高まで高くなってるし。
菜々さん曰く、病院で出される食事以外は取ってないそうなんだが、
それでも体重増加が止まらないらしい。

 

「どうするかな・・・」

 

事務所で書類をまとめながら、俺は菜々さんの事を考えていた。
・・・最悪の決断もしなければならないかもしれない。

 



 

そして、菜々さんが怪我をしてから半年が過ぎた。
今日はいよいよ菜々さんの退院の日だ。
俺は車を走らせて、菜々さんの病院へと向かった。
横には晶葉も居る。
まぁウサミンロボの事は晶葉の方がよく分かるからな。

 

「なぁ助手・・・私はいらないことをしたのか?」
「どうした急に・・・」
「いや、あのウサミンロボの事だ。
 もしも私があれを渡さなければ、ウサミンはあんなにならなかったのかなと・・・」

 

横目でちらりと見ると、晶葉は真剣な顔をしている。
いや、真剣というか、どこか落ち込んでいるというか・・・責任を感じているのか。

 

「・・・気にすることは無いと思うぞ?
 菜々さんも喜んでいたし、あれは多分誰も予想出来なかったって」
「・・・ならいいんだが・・・」

 

まぁ気にするなって言われても無理だよな。
晶葉から視線を外して、俺は車を走らせることに集中した。

 



 

「お世話に・・・はぁはぁ・・・なりました・・・」
「はい、お大事にね?」

 

菜々さんがお礼を看護師さんに述べる。
そしてこっちへと歩いてくる。
その度にズシンズシンと音が辺りに響き渡り、目の前の菜々さんの体が揺れる。
まるで肉の山の様になった菜々さんは、現在体重は350kg以上。
以上というのは、今の所はかれる体重計が無いから分からないのだ。
胸はでろんと垂れ下がり、腹肉はエプロンの様になっている。
太ももはドラム缶のようになっているし、尻は巨大な桃のようになっている。
腕は向こうに居る晶葉の腰よりも二回りは太いし、首は顎と一体化して埋まっている。

 

「お待たせ・・・しました・・・はぁはぁ・・・」
「いえいえ、こっちですよ」

 

菜々さんの手を取り、一緒に車まで移動する。
後ろにはウサミンロボが支えて、菜々さんの動きを補佐している。

 

「・・・」
「晶葉ちゃん」
「ん・・・?」
「ありがとうございます・・・ロボちゃんの御陰で・・・ふぅふぅ・・・大分助かりました・・・」
「・・・」

 

太くなった手で頭を晶葉のなでる菜々さん。
こういう所は年の功だよな・・・

 

「プロデューサーさん?今失礼な事を考えませんでしたか?」
「いえ別に」

 

俺は菜々さんを車に押し込むと、晶葉の研究所に向けて車を走らせたのだ。

 



 

あれから暫く経った。
菜々さんは今必死にダイエットしている。
後で判明したのだが、輝子のキノコ茶と、ちひろさんのドリンクが
どうやら良くない事を起こしたようで、そのせいで菜々さんは太ったらしい。
これは流石に誰も読めんわ。

 

「ふひぃ・・・ぶひぃ・・・」

 

必死に動く菜々さん。
動くと言ってもレッスンではなく、ただの日常生活での話だ。
いつの間に作ったのか、何時ものメイド服のどでかい奴を着込んでいる。

 

「プロデューサーさん・・・」
「どうかしました?」
「菜々は・・・アイドルをやめませんよ!」

 

頑張ってポーズを取る菜々さん。
俺はそれに対して微笑みながらこう答えた。

 

「ダイエットは厳しいですよ?」
「覚悟の上です!」

 

はははと笑いあいながら、俺はトレーナーさんの予定を頭の中で確認しはじめたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安部菜々 
身長:146cm 
体重:40kg →  53kg →  98kg  → 183kg  → 402kg
 B:84cm → 91cm → 107cm → 149cm → 198cm
 W:57cm → 62cm → 119cm → 158cm → 232cm
 H:84cm → 89cm →  98cm  → 137cm → 217cm


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