モバP「幸子のわがままボディ」

モバP「幸子のわがままボディ」

 

 

 

「おはようございます」
「あ、プロデューサーさん、おはようございます」

 

ある日の朝、いつも通りに出社した俺をちひろさんが迎えてくれる。
挨拶を返して、俺は今日の予定を確認する。
確か、あいつの仕事が入っていたはずだ。

 

「おはようございますプロデューサーさん。
 今日も可愛い僕を褒めていいんですよ?」

 

噂をすれば何とやらか。
俺は後ろを振り向いて、すぐそばに立っていた少女に声をかける。

 

「おはよう幸子。今日も大した自信だな」
「当然ですよ!僕は可愛いですからね!!」

 

ドヤ顔で決める幸子。
俺は片手で幸子の頭をなでてやる。

 

「ふふっ・・・そういう扱いで良いんですよ」

 

ご満悦なのか、ニコニコと笑う幸子。
俺はそのまま幸子をなでる力をどんどんと強くする。

 

「わっふ・・・!ちょ、プロデューサーさん!
 強すぎます!!あ、ちょ、やめ・・・!」

 

わしゃわしゃと一通りなでたところで、俺は幸子の頭から手を離して仕事の確認に戻った。

 

「もぅ・・・!
 まぁ許してあげますよ。僕は可愛いですからね!!」
「・・・」
「え・・・ちょっとプロデューサーさん?な、なにを・・・うぎゃぁあああああ!」

 

俺は体を幸子の方へ向きかえると、今度は両手で幸子の頭をワシャワシャし始めたのだった。

 



 

「ところでプロデューサーさん、今日お仕事で行く化学工場ってどんな所なんですか?」

 

車での移動中、助手席に座っていた幸子が質問をしてきた。

 

「ああ、なんでも栄養ドリンクを開発している所らしいな。
 ・・・ちひろさんが何故かコネを持ってってな・・・」
「あっ・・・」

 

何かを察したのか、幸子はそれ以上聞いてこなかった。
俺はその後ただひたすらに車を走らせるのだった。

 



 

「はーい、おっけーです!」

 

収録も無事終了。
今回の仕事は幸子の初CM撮影だったわけだが、割とすんなり行ってくれて助かった。
まぁ幸子自身、かなり真面目だからな。こう言う所は本当に助かる。

 

「プロデューサーさん!見ててくれました?」
「ああ、よくやったぞ幸子」
「ふふ!当然ですよ!
 だって僕は可愛いですからね!」

 

いつもの調子で返してくる幸子。
全く・・・本番前にあれだけがたがた震えてたのに・・・

 

「CGプロさんお疲れ様です!」
「あ、お疲れ様です」

 

そんなことをやっていたら工場の方がこっちに駆け寄ってきた。

 

「良ければこちらいかがでしょうか?」

 

そういって工場の方はドリンク剤を差し出して来た。

 

「こちらは?」
「我が社の新商品です!
 この工場では試作品の開発もやっておりまして、こちらは今度発売するやつなんですよ」
「へぇ・・・折角だ、幸子戴いたらどうだ?」
「そうですね・・・プロデューサーさんがそういうのでしたら戴きます」

 

幸子はドリンク剤を受け取ると、ぐいっと飲み干した。

 

「うぅ・・・ドリンク剤の味って苦手ですね」
「まぁ慣れないとな・・・俺は慣れたけど」

 

慣れたかったわけでじゃないけどな・・・
どうやら俺が言いたいことがわかるようで、幸子は少し視線を泳がせていた。
そんなやり取りをしていると、ふと周りが騒がしくなっているのに気づいた。
耳を澄ますと、どうやら何かが無くなった様だ。

 

「すみませーん!ちょっといいですかー?」

 

向こうから工場の職員と思わしき人が駆け寄ってくる。

 

「はい、どうかしたんですか?」
「ええ、今試作中のドリンクが一本無くなってて・・・
 それ失敗したと判断されて、処分する物ですから・・・誤って誰かが飲んだら大変なんです」

 

・・・いやな予感がする。

 

「それって・・・まさかこんな容器じゃ・・・」

 

俺は幸子が持っているドリンク剤の容器を指差す。
職員の人はそれを見てサァッと顔を青くする。

 

「そ、それです!!もしかして・・・」

 

職員の問いにコクンと頷く。

 

「た、大変だ!!
 それはマウスでの実験で、脂肪の急激な増加が確認された物なんです!!
 なぜこれを!?」
「そこの方が・・・差し入れにと・・・」

 

職員は最初に持ってきた人を睨むと、胸倉を掴んだ。

 

「お前・・・!なんでこれを渡したんだ!!」
「だ、だって!差し入れを持っていけって言われて・・・それで・・・!」

 

ぎゃあぎゃあと騒ぐ二人。

 

「そんなことよりも!幸子はどうなるんです!?」
「・・・現段階ではなんとも言えません。
 マウスの実験では体重が20倍以上に膨れ上がってしまったものなんです。
 ただ、人間とでは色々と条件が異なりますから・・・」
「つまり・・・わからないんですか?」

 

力なく頷く職員を前に、俺と幸子はただ立ち尽くすだけだった。

 



 

その後俺たちは工場と提携している病院へ向かい、そのまま幸子は緊急入院となった。
いつどうなるかわからないのだ。医者も24時間体制を敷くと言ってくれている。
俺はベッドで横たわる幸子の横でただ座って、幸子の傍に居る事しかできなかった。
幸子は職員の話を聞いた後、しばらく取り乱していたが、
さっきようやく落ち着いたのか今は寝ている。

 

「・・・」

 

ただただ重い空気が流れる。
さっきちひろさんには連絡を入れ、今日の仕事は全てキャンセルさせてもらった。
ちひろさんからは気にせず幸子についているように言われている。
こう言う時は本当に頼りになるな、ちひろさん。

 

「・・・プロデューサーさん、居ますか?」
「幸子?起きたのか」

 

幸子が目を覚ましたらしく、俺を呼んでいる。
俺は椅子から立ち上がると、ベッドまで歩いていく

 

「・・・」
「・・・」

 

互いにかける言葉が見つからない。
重い沈黙だけが俺たちにのしかかる。

 

「・・・大丈夫ですよ!
 僕はとっても可愛いですから!ちょっと太ったところで可愛いままです!
 逆にこの位なければ勝負になりませんよ!!」
「・・・そうだな!なんていったって幸子は可愛いもんな!」

 

幸子が俺を励まそうと明るく言葉をかけてくれる。
俺もそれに合わせて明るい声をだす。
・・・くそ、俺がしっかりしないでどうする!!

 

「当然です!!というか普段からもっと僕を褒めてくださいよ!」
「普段から褒めてるだろ?頭も撫でてやってるし」
「あれは強すぎますよ!!」

 

あはははと二人で笑いあう。
きっと幸子の方が不安だろうに。

 

「・・・プロデューサーさん」
「なんだ?」
「手を・・・握っていてもらってもいいですか?」

 

ひとしきり笑った後、幸子がおずおずと申し出てきた。

 

「・・・ああ、いいぞ」

 

ぎゅっと幸子の左手を握ってやる。

 

「ふふ・・・プロデューサーさんの手、おっきいですね。それに温かいです」
「そうか?」
「はい」

 

そのままの状態でしばらくたった。
実際は数分だったかもしれないし、一時間近くだったかもしれない。
だが、突然その時間は破られた。

 

「・・・う・・・ぐっ・・・!」
「幸子!?」

 

突然、幸子が苦しみだした。
それと同時に幸子の手がすさまじく熱くなっていく。

 

「う・・・ぎ・・・ああああああああああああああああああ!!!」

 

まるで爆発するかのような衝撃だった。
幸子の体がどんどん、どんどんと膨らんでいく。
胸が、腹が、足が、腕が。
体中の至る所に脂肪が着き始め、服を弾き飛ばす。

 

「幸子!!大丈夫か!?」
「プロデューサーざん・・・!ぞごに・・・居まずか?」
「ああ、居るぞ!!」

 

幸子の質問に大声で返す。

 

「手を・・・握っててぐだざい・・・!!」

 

俺は幸子の手をもう一度握り締めると、早く終われ早く終われとひたすらに祈った。

 



 

その後、肥満化がとまってから俺はナースコールで医者を呼んだ。
俺はストレッチャーに乗せられて、病室から運ばれる幸子を見送ると、
医者とその後の打ち合わせをした。
医者の話では2週間程経過を見てから退院するかどうかを判断するとの事だった。
そこからの2週間は本当に長かった。
そして2週間が経ち、幸子は退院出来る事となった。
俺はすぐに幸子を迎えに車を飛ばした。
病院に着き、手続きをして幸子の病室へ向かう。
扉をノックすると、中から幸子の声が聞こえた。

 

「あ、プロデューサーさん・・・お久しぶりですね・・・」

 

そこにはあの日以来・・・変わり果てた姿のままの幸子が居た。
片方で顔以上ある胸。
まるで小山のような腹。
俺の胴回りよりも太い太もも。
巨大過ぎてクッションのようになった尻。
以前の幸子の胴程ありそうな二の腕。
顎は完全に首と同化し、くっきりとした二重顎が浮かび上がっている。
頬は肉ででろんと垂れ下がり、目を細めてしまっている。

 

「久しぶりだな。
 ようやく退院出来るって聞いたからな。迎えに来たぞ」
「ふふ・・・そんな事言って。
 実は僕に会いたかっただけじゃないですか?
 なにせ僕は可愛いですからね」

 

そういう幸子だが、声に今まで程の覇気が無い。

 

「・・・幸子は可愛いぞ」
「えっ・・・?」
「だから、俺のアイドルである幸子は可愛いって言ってるんだ」
「ぷ、プロデューサーさん?」
「だから・・・無理しなくていいんだぞ?
 俺の前位、泣いていいんだぞ?」

 

そういって俺は優しく幸子を抱きかかえながら髪を撫でてやる。

 

「あ・・・あああああああああああああああ・・・・・
 うわぁぁあああああああああああああああ!!」

 

大声を上げて泣く幸子を、俺はずっと撫で続けた。

 



 

あれからしばらくが経った。
工場の方からはかなりの慰謝料を貰い、この件は一通りの解決を見せた。
幸子は今もまだ太ったままだが、俺と一緒にトップアイドルを目指している。
今日も、これからも・・・

 

「プロデューサーさん!可愛い僕をもっと褒めていいんですよ?
 だって、痩せたらもっともぉっと可愛くなっちゃいますから!!
 気軽に褒められるのは今だけなんですよ!
 だから・・・これからも一緒に居てくださいね、プロデューサーさん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輿水幸子
身長:142cm
体重: 37kg  → 315kg
  B:74cm → 167cm
  W:52cm → 206cm
  H:75cm → 194cm


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