キノコの集い

キノコの集い

 

 

「プロデューサー・・・な、なにか用・・・?」

「お、来たか輝子」

 

制作途中の予定表から目を離し、俺は輝子に向き直る。

相変わらずキノコの入った鉢植えを抱えたままの輝子に俺は机から出したCDを渡す。

 

「これ、今回仕事頑張ったご褒美にやろう。

 ホントかは知らないがキノコの育成に効果があるという音楽だ」

 

胡散臭いけど・・・雑誌の付録だったし。

 

「ほほぅ・・・なかなか面白そうなアイテム・・・

 流石は親友だね・・・フヒッ」

「まぁ俺も試したことは無いからどこまで効果あるかは知らないぞ?

 あ、それとこっちはケーキな?」

 

机の上に置いておいた紙袋を一緒に渡す。

流石にご褒美で謎のCD一枚は駄目だろうからな。

 

「フヒヒ・・・あ、ありがとうプロデューサー」

「気にするな。その代わりこれからも頑張って貰うぞ?」

「勿論、親友であるプロデューサーの頼みなら・・・ね。フヒヒ」

「ああ、期待してるからな。今日はこれで終わりだから帰っても大丈夫だぞ」

「わ、分かった。お疲れ様・・・」

 

荷物を抱えて帰って行く輝子を見送ると、俺は再び予定表を組む作業に戻った。

 

 

数日後、俺は車で輝子を送り届けながら雑談をしていた。

 

「そういえばこの前渡したCDはどうだった?」

「ん・・・あれか・・・なんだか効果がある感じは有るけど、まだなんとも言えない」

「そうか。どうすれば効果があるって分かるんだ?」

「つやとか・・・あとは房の形状とかで生育状況が分かる・・・

 元気になるとすぐに分かるんだ」
「へぇ・・・」

 

そんな事を話しながら俺は車を運転する。

こうやってアイドルを送り届けるのも仕事なのに、給料安いんだよな・・・

明らかに労働と給料のバランスが悪い気がする・・・

もしかしてこれが世に言うブラック企業なのか・・・?

 

「プロデューサー・・・?どうかした?」

「いや、なんでもないぞ」

 

俺の答えに輝子は首を傾げる。

俺はそんな輝子を横目に見ながら車を走らせるのだった。

 

 

輝子にCDを渡して2週間が過ぎた。

話を聞く限り、毎日CDをキノコに聞かせているらしい。

その御陰か最近キノコ達の調子が良いらしい。

ただ・・・

 

「なぁ輝子?」

「ん・・・何・・・?」

 

俺は輝子の体を見ながら一言呟いた。

 

「少し胸が大きくなったか?」

 

直後、後ろからものすごい勢いで首を絞められる。

 

「プロデューサー?そういうのお姉さん良くないと思うなー」

 

早苗さんが首を折りかねないレベルの締め付けをしてくる。

 

「ち、ちが・・・!!」

 

腕をタップしてギブアップ宣言をする。

少ししてから離して貰えるが、酸素が足りない。

 

「ぷ、プロデューサー・・・大丈夫?」

「だ、大丈夫だ・・・」

「全く・・・プロデューサーがいけないんだよ?」

 

早苗さんがやれやれという感じで言ってくる。

 

「そうじゃなくて・・・今度輝子はライブなので、

 体型が変わったら衣装のあわせをしないといけないのでそういう意味で聞いたんですよ」

「そうなの?でももう少しデリカシーとかあるんじゃないかな?」

「はい・・・」

「わ、私は気にしてないから・・・いい・・・

 そ、それで体型だけど・・・確かに最近下着が」

「輝子ちゃんもそのまま答えなくていいのよ?」

 

結局輝子の面倒は早苗さんに任せることになった。

俺は絞められた首をさすりつつ、衣装さんに連絡をするのだった。

 

 

ライブも終わって、暫くゆったりとした仕事が続いたある日。

俺は輝子のレッスンを見に来ていた。

 

「はい!そこもう少し脚上げて!」

 

トレーナーさんの声が飛んでいる。

それに併せて輝子が動いている。

が・・・

 

「なんだか変だな・・・」

 

輝子自身余り運動が得意じゃない。

だが、それを差し引いても明らかに動きが鈍くなっていた。

それに・・・

 

「なんか・・・揺れてるな」

 

全身がぷるぷると揺れている。

それが意味するのはつまり。

 

「太ったのか?」

 

この前胸のサイズが大きくなったのもそれだったのかもしれない。

となると・・・少し釘を刺すか。

あまり言いたくは無いけどな・・・

 

「はーい!それじゃあ今日はこれで終わりよ。

 次もよろしくね」
「よ、よろしく・・・」

 

丁度終わったらしいし、輝子を送りながら話をするか・・・

 

 

「で、釘を刺したのにどうして体重がまた増えているんだ?」

「フッフヒ・・・ご、ごめん・・・その、最近食事が妙においしくて・・・」

 

あの会話から一週間。

輝子はどうみてもさらに太っていた。

先週ならともかく、誰が見ても太ったことが丸わかりである。

 

「まぁ今は成長期だからな・・・ダイエットを無理にしろとは言わない。
 元々低体重気味だったしな。

 だが、あんまり増えすぎるのも問題だからな?」

「分かってる・・・アイドルだもんな・・・」

「すまないな」

 

俺は輝子の頭を撫でながらそう答える。

 

「だ、大丈夫・・・親友であるプロデューサーの頼みだし・・・フヒヒ」

 

そう答える輝子の体をなんとなく眺めてみる。

元々小柄で痩せていただった輝子だが、最近の肥満化によってややぽっちゃりとしている。

とはいえ、以前に比べたら健康的になったとも言えるが。

大きめのサイズである服も余裕が消えてきている。

 

「そうか、無理はしないようにな」

「うん・・・」

 

これはもしかしたらトレーニングの方法を少し変えて貰うよう
トレーナーさんに頼まないと行けないな・・・

俺は輝子を励ましながら、今後の計画を考えていた。

 

 

こうして本格的なダイエットを開始した訳だが、どういうことか輝子の体重は全然減らなかった。

それどころか・・・

 

「輝子、失礼なのは分かっているが聞くぞ。

 今体重何キロだ?」

「・・・ななじゅうはちきろ」

 

78・・・元々確か35kgだったから、43kg太ったのか・・・

明らかに太りすぎだ・・・
正直もうぽっちゃりというか完全にデブだぞ・・・

胸は早苗さんを越す程のでかさで、背の低い輝子で考えれば爆乳だろう。

だがその下の腹の方が存在感あるのでマイナスに近い。

最近以前よりも大きな服を買ったと言っていたが、その服でも大分窮屈そうだ。

尻に至ってはもしかしてm越えしてるんじゃないだろうか・・・?

スカートが尻に押されて丈が短くなり、下手すると下着が見えそうになる。

太ももも完全に大根足って奴になって、ニーソが完全に食い込んでる。

腕はシャツがぴっちりと張り付いてるせいか、その太さがよりはっきりと分かる。

顔の方はあんまり肉が付いてないが、そろそろ顎が心配になるレベルだな・・・

 

「なぁ、何かストレスとかになってたりしないか?
 例えば俺が無理に痩せろって言ったりとかしたのがとか・・・」

「そ、そうじゃない!ただ単純に・・・その・・・ご飯がおいしいくてつい・・・」

 

それこそストレス性の奴じゃないのか?

 

「なぁ、一度病院行ってみるか?いくらなんでもおかしいだろ」

「・・・親友がそう言うなら一度行ってみる」

「じゃあ今から行くか。今日はもう仕事無いだろ?」

「うん・・・」

 

本当の所は、最近輝子の仕事を減らしているのだ。

ラジオ等の顔が出ないのはいいが、流石にこの姿を出すわけには行かない。

そのラジオもうちの事務所のスタジオ使ってるし・・・

週刊誌にすっぱ抜かれるのも怖いから仕方ないとはいえ、
折角人気も出てきたのにこんな仕事しかやらせてやれないのは辛い。

とはいえ、俺が泣き言言うわけにも行かないか。

俺は事務所の車で輝子と共に病院に向かい、色々と検査をしてもらった。

だが、結局病院でも原因の特定は出来なかったのだ・・・

 

 

「輝子、今日も色々持ってきたぞ」

「ありがとう・・・フヒッ、流石親友・・・私が欲しい物ばっかりだ」

 

あの後、輝子のダイエットは失敗。

体重は増加の一途をたどり、ついには3桁の大台を突破してしまった。

背の低い輝子が100kgになるとかなり丸く見える。

胸は雫を越え、恐らくうちのプロダクションでも一番でかいだろう。

だがそれを越える腹があるせいでカップ数で考えるとかなり下の方だ。

最近は面倒なのかジャージで過ごすことの多い輝子だが、
そのジャージもへその辺りがちらちら見えている。

さらに巨大になった尻がぴっちりとズボンに張り付き、むっちりと柔らかそうな体が丸わかりだ。

太ももは恐らく以前の輝子の腰程はありそうで、
二の腕は大きいはずのジャージの上からでもわかる程の太さだ。

顎にもたっぷりと肉が付き、どうやら二重顎になってしまったらしい。

ほっぺたには目を押し細める程の贅肉が付いて、荒い呼吸と共にぷるぷる揺れる。

流石にこんな体型ではどの仕事も無理である。

仕方なく、俺は輝子のアイドル活動を一時的に停止。
ダイエットに集中してもらう事にした。

だが、未だに体重は上がりっぱなしで有る。

そもそもなんだってこんな急に食欲が増えたのか・・・

 

「ん・・・?なんの音だ?」

「ああ・・・プロデューサーに貰ったCDの音・・・やっぱりキノコの育成に良いみたい・・・
 私も聞きすぎて殆ど空で歌える・・・フヒヒ」

 

ああ、あれか・・・

・・・ん?

輝子が太り始めたのって確か・・・

 

「なぁ・・・一回そのCD借りても良いか?」

「えっ?いいけど・・・」

 

俺は輝子からCDを受け取ると、携帯を取り出して晶葉に連絡を取った。

もしも・・・もしもだが・・・可能性は0じゃない・・・

晶葉が出るまで、俺は藁にもすがる思いでコール音を聞いていた。

 

 

結果から言えば、俺の予想は大当たりだった。

例の音を晶葉に解析させたところ、どうやらキノコの育成だけではなく、
人間の脳にも作用するらしい。

食欲を司る神経に作用して空腹感を出させ、あげくにはインスリンの生成まで助けるとか。

俺も医者では無いから詳しい事は分からないが、とにかく太りやすくなる上に
空腹感が増すという凄まじい音だったらしい。

で、キノコと一緒にその音をずっと聞いてた輝子は見る見る内に太ったというわけだ。

現在は輝子にその音を聴くことを禁止させて、その上でダイエットをさせている。

だが・・・

 

「ふひ・・・ふひぃ・・・」

「はい!もう2週!!」

 

目の前には重い身体を必死に動かす輝子が居る。

トレーナーさんに追われながらレッスン場の周りを
ドスドスと足音を立てながら必死に走り込んでいる。

走る度に全身がぶるんぶるんと盛大に揺れる。

盛大すぎて振り回されてるようにも見えるが・・・

 

「も・・・もうだめ・・・」

「泣き言は駄目よー!痩せてアイドル再開するんでしょ!」

 

涙目になりながら走る輝子に激を飛ばすトレーナーさん。

俺はそんな光景をみながら今後の予定を考える。

今は目に見えた効果は表れてないため、
一体どの当たりで輝子の枠を確保するか非常に悩み所だ・・・

 

「はーい!終わって良いわよ!でもすぐ立ち止まらず軽く歩いてね!」

「は・・・はーい・・・」

 

そんなことを悩んでいたら、輝子の走り込みが終わったようだ。

輝子は正に死にそうな表情でふらふらと歩いている。
そして少し歩いた後、その場に座り込んだ。

その拍子にドスンと凄い音がする。

そんな光景に苦笑いしつつ、俺は輝子に近寄って声をかけた。

 

 

「調子はどうだ?」

「ぷ、プロデューサー・・・なんとか・・・」

「頑張ってるようだな、ほらこれ」

 

俺は鞄からからキノコ型のアイテムを出すと輝子に渡す。

小さな小物入れになっているこれにはタオルやら匂い消しなど色々と入っている。

 

「あ、ありがとう・・・この入れ物も良い感じ」

「だろ?それはやるからもう少し頑張ってみような?」

「うん、プロデューサーのお願いだし、私もアイドルやりたいし・・・頑張る」

「その意気だ」

 

俺は輝子の隣にゆっくりと腰を下ろす。

秋口の風は涼しげで、良い香りがした。

 

「秋だな・・・」

「秋だね・・・秋はキノコの季節・・・フヒヒ・・・」

「キノコはいいけど、食べ過ぎるなよ?キノコ自体のカロリーはたかがしれてるけど、
 他の食べ物をいっぱい食べたら意味ないんだから」

「分かってる・・・それにキノコは食べるだけじゃ無く愛でてもいい・・・」

「それならいいが・・・」

 

どことなく一抹の不安を感じながら、俺は暫く輝子と雑談した。

・・・人が太る音楽があるのだから、痩せる音楽とか無いかな・・・

そんな事を考えながら空を見上げる。

秋の空は青く澄んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

星輝子

身長:142cm

体重:35kg  → 42kg  → 47kg  → 61kg →  78kg  → 117kg

 B:73cm → 78cm → 82cm → 88cm →  97cm  → 112cm

 W:53cm → 58cm → 61cm → 79cm →  94cm  → 121cm

 H:75cm → 80cm → 84cm → 91cm → 100cm → 119cm


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