科学×自然=混沌
「し、親友・・・ちょっといい・・・?」
「ん?何だ?」
「フヒヒヒ・・・これを見て欲しい・・・」
俺が事務所で書類を整理していると、輝子がなにやら箱を持ってやってきた。
渡された箱を開けると、中にはキノコが一本入っていた。
「・・・松茸か?」
「残念だけど違う・・・これはツキドモエダケって言う・・・
かなりのレア・・・」
「そうなのか?」
俺にはどうみても松茸にしか見えない・・・
「育成がとても難しい・・・しかも別においしくも無い・・・」
「ならなんで育てたんだ・・・」
「一言で言うなら・・・ロマン?」
「そうか・・・」
輝子のキノコ愛は相変わらずだな・・・
「因みに、それの育成には私も協力したんだぞ?」
声に振り返ると、いつの間にやら晶葉が傍に立っていた。
「おはよう、晶葉。協力って?」
「わ、私だけじゃ上手く育てられなかった・・・肥料とか・・・そういうので色々・・・」
「なかなか興味深かったぞ?とはいえ、私はハードメインだからこっちはそうやらないがな」
「ほー・・・ところで少し疑問なんだが・・・」
「なに・・・?」
「いや、お前らこれと普通の松茸見分けられるのか?」
と、素朴な疑問をぶつけてみる。
「私は無理だが・・・」
「わ、私は楽勝・・・フヒ・・・」
輝子が自信ありげに答える。
となると・・・試したくなるのが人間だ。
「成る程・・・なら丁度良いのがある」
俺はファンからの贈り物がおいてある場所へ行き、そこからお目当ての箱を持ってきた。
「ん?なんだそれは・・・?」
「こいつはアーニャへの贈り物でな?松茸が入っているんだ」
アナスタシアと書かれた箱の蓋を開けると、中から数本の松茸が顔を出す。
「なぜ松茸が・・・」
「同封されてた手紙によると、地元で採れたかなり良い物なので是非食べて欲しいとあるな。
ただ、こういうのは一度こっちで調べないと行けないから既に開封させて貰ってるんだ」
「ああ・・・毒物とか・・・怖いからね・・・フヒヒ」
「そういう事だ。
調査自体は終わってるから今日アーニャに渡すつもりだったんだ。
ちょっとした暇つぶしにクイズみたいにしてやってみないか?」
「成る程な・・・これならば確かに面白い結果になりそうだ」
「お、面白そう・・・私は構わない・・・」
「決まりだな。
じゃあ向こうを向いていてくれ。箱に入れて混ぜるから」
二人が背を向けるのを確認してから、俺は箱の中にキノコを入れる。
右から二番目に置いて、他のも一応適当に入れ替える。
これなら分からないだろ。
「出来たぞ」
俺が声をかけると、二人は俺の近くに寄ってきて箱をのぞき込む。
「ふむ・・・私には分からんな・・・」
君は?と言わんばかりの視線を輝子に向ける晶葉。
輝子は少し迷った後。
「これ・・・だと思う・・・」
と正解の物を指さした。
「お、正解だな。流石じゃないか」
「フヒ・・・友達の事はよく分かる・・・」
当てられたのが嬉しいのか、輝子の顔に喜びの色が見える。
その表情をもう少し普通に出せないかな・・・
「プロデューサーさーん、ちょっと良いですか?」
「ん?どうかしました?」
いつ間にか近くに来ていたちひろさんが俺に声をかけてきた。
「あ、お二人もいるなら丁度良いですね。
今度新しいガチャを考えていまして・・・その打ち合わせをしたいんですよ。
今回はお二人のガチャも考えてますよ!!」
「そうですか・・・じゃあ向こうで話し合いしますか」
輝子と晶葉に声をかけるちひろさんを引き連れ、俺達は四人で別の部屋に向かった。
キノコの入った箱を放置したまま。
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「助手よ、少しいいか?」
打ち合わせの最中、先に終わったはずの晶葉がおずおずと入ってきた。
後ろには輝子も居るし・・・しかも随分と暗い顔をしているな。
「どうした?」
「いや、さっきキノコを入れていた箱が無くてな・・・」
「箱・・・?あれがか?」
さっき弄っていたアーニャの箱の事だろう。
どうやら打ち合わせの最中に消えてしまったらしい。
「気になるな・・・ちょっと探すか・・・あ、いや・・・」
「あ、ここまで決まっていれば大丈夫ですから、そっちの方いってあげて下さい」
「すみません・・・」
ちひろさんにお礼を言って、俺は席を立った。
そのまま俺も二人についていく。
その道すがらも確認しながら移動するが、特に気になる物は無かった。
贈り物置き場も探してみたが、結局見つからなかった。
「なぁ、あのキノコをもしも誰かが間違って食べたとして、なにかまずい事とか有るのか?」
ふと、疑問になったことを聞く。
キノコ類は毒を持つ奴も多いからな・・・
さっき大丈夫だとは言っていたが、どうしても気になる・・・
「特には・・・ないけど・・・」
「いや、少しまずいかもしれないな」
「・・・何?」
神妙な顔の晶葉に不安を感じる・・・
「食用じゃないと聞いていたからな・・・いくつか農薬の中でもきついのを使ったり、
私の配合した成長促進剤とかも使っている・・・
食べた場合、なんらかの症状が出る可能性はあるな・・・」
「お、おい!!大変じゃ無いか!!」
その後も懸命に探したが、ついに箱は見つからなかった。
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その次の日、俺はアーニャに呼ばれて女子寮に来ていた。
男子禁制という訳では無いが、何となく近づきにくい空気があるよなここ・・・
【ピーンポーン】
扉の横にあるインターホンを押す。
少ししてカチャリと受話器を取った音がした。
『ダー。はい』
「アーニャか?俺だ」
『プロデューサー・・・お待ちしてました』
「どうしたんだ?」
『ブーア ビスバコエン・・・困ったことがあります』
「困ったこと・・・?」
『とにかく中に入ってきて貰えますか?』
俺は言われるままに部屋の中に招かれた。
そして、アーニャが何に困っているのかを目の当たりにした。
「あ、アーニャ!!どうしたんだ!?」
アーニャの体は、まるでお相撲さんか何かのように、丸々と太りきっていたのだ。
「ヤー ニ パニマーユ・・・分かりません・・・」
「といっても・・・何か心当たりはないか?」
俺がそう聞くと、アーニャは少し考えた後にこう返してきた。
「キノコが怪しいです」
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俺は部屋に上がり込んで、アーニャと話し合った。
アーニャが言うには、俺達が打ち合わせしている最中にどうやら一度帰ってきたらしい。
で、その際に俺の机においてあった松茸の詰め合わせが入った箱を見つけたらしい。
普段からこう言ったファンからの贈り物は確認取れた物は勝手に持ち帰って良いことにしていたのが仇となったようだ・・・
そもそも俺が前にアーニャになるべく早く持ち帰れって言ってたし・・・
「そうか・・・なんつーかすまなかったな・・・」
「ニェート。いいえ、気にしないで下さい」
俺はアーニャからお茶を受け取りつつ、アーニャの体をまじまじと見る。
大きく育った胸は、どう見ても雫以上だな・・・
その下の腹は・・・これ多分杏位はありそうだな・・・もしかしたらそれ以上かもしれん。
尻も巨大になって、歩く度にぶるんぶるんと大きく揺れ動く。
その体を支える太ももはかなり太くて、内側が擦れてしまっている。
歩く度にぶるぶる揺れる二の腕は、年少組の腰程有りそうだ。
顔にもある程度肉が付き、頬がぷるぷるとしている。
なんつーか・・・あれだな・・・ロシア人の劣化を目の当たりにしているようだ・・・
「これどうするかな・・・病院に行くのは当たり前だとして・・・」
仕事を開けるわけには行かないし・・・かといってこの状態じゃ出せないぞ。
「とにかく病院に行く前に晶葉に連絡だな・・・」
今は考えても仕方ない・・・なんにも解決方法出ないしな。
俺は携帯を取り出して晶葉に連絡を取ったのだった。
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アーニャの体を検査した結果、特に大事は無かったらしい。
ただ、どうも晶葉が使った成長促進剤が変に作用したらしく、
脂肪を作る部分が誤作動しているらしい。
その結果こうやって脂肪が増えたと言うことだという。
また、体の維持の為に、暫くは栄養を通常よりも過剰に摂取しないといけないらしい。
現状体は動いているが、実際はエネルギーが枯渇している状態らしいからだ。
「とりあえず入院ですね」
緊張した面持ちでそう話した医者の顔を、俺は多分忘れないだろうな・・・
そんなこんなでアーニャは入院している。
今日はそのお見舞いで、輝子と晶葉の二人を連れている。
病室の前に着いた俺は、部屋をノックしてから中に声をかける。
「アーニャ、居るか?」
「プロデューサーですか?」
「そうだ、お見舞いに来たぞ?入って良いか?」
「カニェーシナ 勿論です」
答えを聞いて俺は扉を開ける。
中にはベッドに寝ているアーニャが居た。
俺は見舞いの品である天体の事が書いてある本を渡すと、近くの椅子を起こした。
「迷惑・・・かけちゃって・・・その・・・ごめん・・・」
「私も・・・監督不注意だった・・・」
「ニェート。いいえ、私も勝手に持って行ってしましたから」
向こうでは誤り合戦が起きている。
とりあえず向こうは問題なさそうだ。
「フヒヒ・・・私達もお見舞いの品を持ってきた・・・」
そういって二人が鞄から何かを取り出す。
中身は確かロシア料理のお菓子だったはずだ。
「スパスィーバ。ありがとうです」
笑顔で受け取るアーニャ。
俺はその光景を見つつ、仕事について考えるのだった。
「・・・以外と悪くないですねこの体も」
だから、その台詞は聞こえなかったのだった。
・・・聞こえなかったんだよ。うん・・・
アナスタシア
身長:165cm
体重:43kg → 151kg
B:80cm → 113cm
W:54cm → 149cm
H:80cm → 129cm