終わりがあれば

終わりがあれば

 

 

橋本 準(はしもと じゅん) 18歳 身長165cm 体重56kg
ほわほわとした雰囲気を持ついわゆる天然な──悪く言えば少しアホっぽい少女。
ダイエットに興味があるようで・・・

 

 

 

「うー・・・!」
「おーい、まだか?」
「もうちょっとー・・・」

 

俺は横でメニューとにらめっこしてウンウン唸ってる準を見つつ、やれやれとため息を付く。
横の店員さんもどうした物かと困り顔だ。

 

「ハンバーグ・・・でもカロリー高いしなぁ・・・でも食べたいし・・・」
「・・・すみません、ハンバーグセット2つで」
「えぇ!?勝手に決めちゃ駄目だよ!!」
「いつまで経っても決められないお前が悪い。諦めて食え」
「うぅ・・・」
「えっと・・・ハンバーグセット2つで宜しいでしょうか?」
「はい」
「かしこまりました、少々お待ち下さい」

 

準はしばらくぶつぶつと何かを言っていたが、諦めたのかメニューをスタンドに立てかけた。

 

「ぶー・・・コウちゃん酷いよー!」
「うるせぇ。大体ここ来たらいつもハンバーグセットじゃねーか」

 

こいつはこのファミレスに来ると決まってハンバーグセットを注文する。
確かに他のメニューよりは旨い気もするが・・・毎回はどうなのかと思う。

 

「そうだけどぉー・・・今ダイエットしようか迷ってて・・・」
「あ?お前が?」
「うん。この間健康診断あったじゃない?」
「あったな」
「あれで体重5キロも増えてて・・・」

 

5キロ・・・ねぇ。コイツが人生で初めてダイエットを言い出すほどの重さなのか?

 

「見た目変わってねぇから安心しろよ」
「もう!これでも女の子なんだよ?ちょっとぐらい体型気にしたってしたっていいでしょ!!」
「そーですねー」
「もー!!」

 

相変わらず怒っても怖くねぇなぁ・・・

 

「大体なんで急にダイエットなんて始めたんだよ?」
「ミーちゃんが持ってた雑誌に【肥満の恐怖!女性は55kg越えたらアウト!?】なんて書いてあったから・・・」

 

なんじゃそりゃ胡散臭い・・・

 

「だからってわざわざ痩せなくても・・・別に健康なんだろ?」
「うん!この間の診断でも問題なかったよ!」
「ならいいじゃねーかよ」
「うー・・・でもぉダイエットしたいの!」
「必要無いのにしたいからでするモンでもないだろ・・・」

 

変なところアホで頑固だよなコイツ・・・

 

「お待たせしました。ハンバーグセット2つでございます」

 

話が一段落した所で、丁度良くウェイトレスさんが料理を持って来てくれた。

 

「ほら、食うぞ」
「あ、うん・・・」

 

ハンバーグをじーっと見つめる準。
そしてふとあ!という顔をする。

 

「どうした?」
「ううん!なんでもないの!!」

 

そう言って上機嫌で食べ始める準。
さっきまでダイエットがどーのと言っていたはずなのにバクバクとよく食べ、しまいにはパフェまで頼む始末。
・・・ホントなんなんだか。

 



 

それからやたらと準は物を食べるようになった。
本人曰く御飯が美味しいからだそうだが、普段の準の二倍近い量は流石におかしいだろう。
事実かなり苦しそうに食べてるし。
こっちから聞いても御飯が美味しいの一点張り。
当然そんな生活をしていれば・・・

 

「太ったな、お前」
「え・・・そ、そうかな?」
「どう見ても太ったぞ。制服パツパツじゃねーか」

 

太るのは当然の話で、シャツなんかサイズがあってなさ過ぎてぴっちり張り付いてる。
一応くびれてたはずのウエストはなんつーか寸胴その物だし、顔も大分丸くなった気がする。

 

「全く・・・急にどうしたんだよ?最近やたらとバクバク食うし」
「あ・・・あはは!お腹減ってしょうが無いんだもん」
「にしたって加減をだな・・・」
「そ、それより今日も食べにいこうよ!!ラーメン屋さん行きたいの!」
「金ねーっての・・・」

 

いいからいいからと言われて、結局その日も準に付き合ってラーメン屋に行く羽目になるのだった。

 



 

準の食欲は留まるところを知らないらしく、一月が経ち二月が経ちと過ぎる毎に準の食事量は増えていった。
弁当は昼前に食べ終え、昼は学食でがっつり定食を食べ、午後はおやつ代わりに食事を摂り、夕食も食べる。
日に日に増える食事と比例するように膨らむ準の体。
制服はドンドン体に食い込むようになり、3年だって言うのに制服を買い換えるハメになっていた。
ドンドン前に迫り出してくる腹。
そこに乗るように大きくなった胸。
スカートとはなんぞやと言わんばかりに育った尻。
夏休み明けにアイツを見た時の衝撃と言ったら一言じゃ言い表せない。
一応俺も幼なじみと言う事で何度か暴食をやめるように言ったりもしたが、効果の程は全然であった。
そんなこんなで、準の奴がやたらと食べ物を食べるようになって半年経った頃・・・

 

「ふぅー・・・今日も暑いね・・・」
「いやクソさみーぞ?」

 

11月にさしかかる頃。
冬だって言うのに汗だらだらで歩く準を見て俺は思わずそう突っ込む。
気温としては現在天気予報を信じるなら15℃程。
にもかかわらず汗かくってどうなってるんだこいつは・・・

 

「えー・・・?はぁはぁ・・・そうかなー?」
「そうだよ・・・」

 

全く・・・今年の初めの頃は通学で息切れなんかしなかったのに、今じゃこの状況だもんな。
横を歩く準を改めて見ると、本当に太ったと実感する。
くびれてた腰は完全にまん丸になり、妊婦のような見た目だ。
ただ、妊婦と違うのは詰まってるのが赤ん坊じゃなくてたっぷりの贅肉だって事だ。
当然胸もでかくなったわけだが・・・正直エロさは全く感じない。
だらしなく腹の上に乗った胸は正に肉の塊であって、胸ではないと言いたくなる。
尻は歩く度に揺れるんだが、プリプリじゃなくてぶりんぶりんって感じで揺れる。
その下の太もももブルンブルンと揺れ、ごんぶとの足を覆うストッキングは限りなく薄くなってる。
背中も制服で見えずらいが段が幾つも出来ていて、体の厚みをより一層際立たせる。
顎はいつの間にやら完全に二重顎で、ぶるぶる揺れるほっぺたが悲しみを誘う。

 

「はぁ・・・はぁ・・・それにしてもお腹空いちゃったねー」
「いや俺は腹減ってねーよ・・・」

 

最近じゃコイツが言う話題は大体お腹減っただ。
コイツのキャラが天然系だからかクラスでマスコット扱いされてるが、正直そうじゃなかったらめっちゃ引かれそうだな・・・

 

「・・・お前今何キロだよ?」
「えっと・・・わかんない。最近量ってないから・・・」
「今日帰ったら量れ。そしてダイエットしろ」
「・・・ホント?」
「あん?」
「ダイエットした方が良い?」
「当たり前だろ!」
「・・・そっか!うん!ダイエットするね!!」

 

何故か妙に嬉しそうな声を上げる準。
・・・ふと、嫌な予感が頭をよぎった。

 

「おい、まさかお前ダイエットしたいからここまで太ったんじゃねーだろうな?」
「え、何で分かったの!?」
「はぁぁぁあああああああああああああ!?馬鹿かお前!?もしくはアホか!?」

 

マジで言ってるのかよコイツ!!

 

「だってダイエットしてみたかったし・・・でも何キロぐらい太れば良いか分からなかったから・・・
 コウちゃんがダイエットしろって言ってくれる位が丁度かなーって」

 

・・・馬鹿だ。本物の馬鹿が居る。

 

「でもこれでやっとダイエット出来るね!!」

 

嬉しそうに言う準を見て、俺ははぁぁあああとため息を付きながら頭を抱えるのだった。

 



 

その後、準はダイエットを開始した。
体重は量ったら見事117kgをマーク。
50キロ近く落とさないと行けない訳で、先ずは食事を元に戻し運動する事になった訳だが・・・

 

「・・・で?その手に持ってるのは何だ?」
「うっ・・・その・・・ハンバーガーです」

 

ある日・・・俺は準をにらみつけながら尋ねる。
準の手にあるのは有名チェーン店の袋。
それもあのサイズならセットが2つか3つは入っているだろう。

 

「今お前がやってることは何だ?」
「ダイエットです・・・」
「じゃあその手にしたハンバーガーは何用に買ったんだ?」
「・・・おやつ用です」
「馬鹿だろお前!!」
「ひゃっ・・・!」

 

小さく縮こまる準。
体型も合わさって殆ど球体みたいになっている。

 

「ダイエットはどうしたんだよ!!」
「だ・・・だってお腹空いちゃって・・・」
「そんなんだから全然痩せないんだろうが!!」

 

そう、準の体重は今130近い。
痩せるどころか日々太ってるのだ。
どうやら増えた食欲はかなり深刻な状況になっているらしい。

 

「だってダイエットって思ってたのと全然違って辛いんだもん・・・」
「当たり前だろ馬鹿!雑誌の楽して痩せるなんつーのは全部嘘だと思え!!」
「えー!?そうなの!?」
「そうだよ!!」

 

どうやらまずコイツには色々と常識を教えないと行けないらしい・・・
俺は目の前でどうしようどうしようとあたふたする準を見つつ、面倒な事になったなと空を仰ぐのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

橋本準
身長:165cm
体重:56kg  →  62kg  → 117kg  → 128kg
  B:93cm → 97cm → 113cm → 119cm
  W:61cm → 69cm → 121cm → 128cm
  H:89cm → 94cm → 119cm → 121cm


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