ニクヨクロンパ

ニクヨクロンパ

 

 

希望ヶ峰学園に入学した筈の俺達は、気付けばウサミとかいうぬいぐるみによって南の島、
【ジャバウォック島】に修学旅行と称して連れ去られた。
みんな戸惑いながらも修学旅行を楽しもうとした矢先、モノクマと呼ばれるまたしても変なぬいぐるみが現れた。
そしてそいつは俺達にこう言ったんだ・・・

 

──今から『コロシアイ修学旅行』を始めまーす!──

 

モノクマが言うにはこの島から『卒業』・・・つまり脱出するためには誰かを殺して、『クロ』にならないといけない。
そして死体発見後、一定時間が経つと開かれる学級裁判で他のみんなを騙し切った奴だけが出られる・・・
そんな事を強要してきた・・・
実際この島を出る手段は何一つ無い。ジャバウォック島はいくつかの島が繋がっているが、
そこに行く為の橋は『モノケモノ』とかいうのが邪魔してる。
そんな訳の分からない場所に閉じ込められたんだ。
一緒に居るのは超高校級と呼ばれる連中ばかり。
だが・・・この俺日向創(ひなたはじめ)だけは自分の能力を覚えてなかった。
・・・一体どうなるんだよ・・・

 



 

「ん・・・?なんだよこれ」

 

砂浜にいつの間にか設置されたモノモノヤシーンとかいう変な装置に、
拾ったモノクマメダルとかいうメダルが使えることを知った俺はちょっと試しにと、機械を弄っていた。
まるで昔やったガチャポンの様なそれを遊んでいると、液体の入った瓶が出てきた。
名前なんかは特に書いて無く、紙には豚の絵が描いてある。

 

「おやおや、それを当てちゃいましたか!」
「モノクマ・・・!」

 

しげしげとその瓶を眺めていると、ひょこっとモノクマが出てきた。

 

「おやおや?校長先生にそんな態度とは・・・イケナイナァ〜?
 まぁいっか。それはね〜なんと人を太らせるお薬なのです!
 つい先日大々的に発表されたばかりの超ホットなお薬ですよ!」
「・・・は?」

 

意味が分からない。
いや、元々モノクマの話は大体意味が分からないが、今回は真面目に意味が分からない。

 

「あれあれ〜?知らないの?
 この薬はね、飲ませるとぐんぐんと人がぶっよぶよのだっぷんだぷんに太っちゃうのです!」
「そ、そんな変な薬ある訳無いだろ!!そんな変な薬すぐ有名になる筈だ!!」
「うぷぷぷ・・・僕が言ったこと覚えてないのかな〜?」

 

その言葉を聞いて俺はハッとした。
モノクマの台詞、それは『何者かによってここ数年間の記憶を俺達は奪われている』と言うものだ。
確かに、それは本来ならあり得ない事で片がつく。
だが・・・モノミのあの態度を見る限り、もしかしたらそれが現実の事なのかもしれないと考えずにはいられない。

 

「・・・俺達の記憶が奪われたと言うことが証明されなければ、
 この薬が本物とも証明できないじゃないか」
「果たしてそうかな?誰かにちょっと飲ませればすぐわかるじゃな〜い。
 そうすれば逆に、君たちが記憶を奪われたことも証明できるんじゃないの?」

 

・・・仮にこれが本物ならば今の情報社会の中で有名にならないはずが無い。
そんな物は普通叩かれるだろうからな。

 

「・・・俺はこれを誰かに飲ませる気は無いよ」
「あらら、まぁいいけどね!
 それはこのコロシアイ修学旅行を盛り上げる物の一つに過ぎないからです!
 じゃあコロシアイ・・・楽しいんでね〜」

 

そう言うとモノクマは消えていった。

 

「・・・罪木にでも聞いてみるか」

 

超高校級の保健委員である罪木なら、何か知ってるかもしれない。

 



 

結果として、罪木も知らなかった。
だが、そういったことを可能にする薬は作れるだろうとのことだ。

 

「・・・結局は振り出しか」
「あれ?日向君?」

 

俺がフラフラとホテルへの道を戻っていると、向こうから七海がやってきた。
超高校級のゲーマーで、今も手には携帯ゲーム機を持っている。

 

「七海か、どうしたんだ?」
「えっとね・・・ちょっとマーケットに。日向君は?」
「罪木に用があってな。その帰りだ」
「罪木さんに?・・・もしかしてその手の中の物?」
「ああ・・・」

 

俺は右手にある物を七海に渡した。

 

「罪木さんに相談したって事は・・・薬?」
「ああ・・・モノクマが言う話だと、人を太らせる薬らしいんだ・・
 ・ついこの前発売したって・・・」
「この前・・・?」
「でもそんな記憶無いだろ?」
「うーん・・・・・・ないね」
「となると、そいつが本物だとなると、俺達が記憶を奪われたって話に」
「現実味が出る・・・そういうことだね」
「そうだ・・・でも流石に誰かで試す訳にはいかないし・・・」
「・・・」

 

暫く七海は瓶を見たかと思うと、おもむろに蓋をあけて・・・

 

「・・・んぐんぐ・・・!」
「お、おい!?」

 

瓶の中身を飲み干した。

 

「お前俺の話聞いてたのかよ!?それは」
「でもこうすればわかるよ?」
「そうだけどよ!!だからって普通は躊躇をだな・・・って」
「ん・・・!?」

 

七海が自分の両肩を抱き、その場にしゃがみこんだ。
はぁはぁと荒い息をして、ふるふると震える。

 

「お、おい!?大丈夫か!?」
「う・・・うぅ・・・ひ、日向君・・・離れて・・・」
「そ、そんな訳にはいかないだろ!?」
「い、いいから!は、はやく・・・!」

 

言うが早いか、俺の目の前で七海は爆発した。

 



 

「・・・で?そうなったと?」

 

1時間後。
俺達はホテルのロビーに集まっていた。
そこにはみんなと・・・

 

「ふぅ・・・ふぅ・・・うん、こんなになっちゃった・・・」

 

十神よりも二回りはでかくなった七海が座り込んでいた。
どでかい胸は完全に頭よりも大きくなって、ズドンと出ている。
それを支える腹は完全に球体で、そこだけで十神一人分有るんじゃないかと思える程だ。
尻は巨大な桃みたいだし、その下の太ももは弐大の腰位有りそうだ。
顔にも当然肉がたっぷりと付き、頬が盛り上がった所為で目が細まっている。
首はもう顎と一体になって、二の腕は凄く太いハムを思わせる。
服は今何も着られる物がないからホテルのカーテンを無理矢理巻いている状態だ。
それでも一週回らないんだから凄い状態だ・・・

 

「ケッ・・・雑魚がさらに雑魚になってどうするんだよ」
「ちょっと!?そんな言い方ないんじゃない!?」
「えっと・・・そのぉ・・・と、とりあえずお洋服をどうにかしないと・・・」

 

周りはあーでも無いこうでも無いと騒いでいる。

 

「とにかく!・・・その薬が本物だと言う事は判った。そうなると・・・」

 

十神が大声を出し、みんなの注目を集める。

 

「モノクマの言っていた『記憶が奪われている』と言うことが信憑性を増してきたな・・・」
「「「「・・・」」」」

 

みんな黙り込み、視線を泳がしている。
そうなると・・・

 

「やっぱりあのモノミもモノクマと同じじゃねーのか!?」
「でもモノミとモノクマは争っていたぞ?」
「でも、それが演技だとしたらどうすんだよ!?」

 

またみんな騒いで議論し始めた。

 

「ねぇ・・・待ってよみんな」

 

そう、コイツを除いては。

 

「なんだよ狛枝」
「ごめん。僕のような人間が君たちの議論を遮ってさ・・・
 でも、とりあえずあのモノクマとモノミの件は一旦置いて置こうよ」
「なんでだよ!?怪しい奴はとりあえずぶっ飛ばせば良いだろ!?」
「あはは・・・モノミはともかく、モノクマはぶっ飛ばしちゃうとオシオキだよ?
 僕が言いたいのはさ、仮にモノミとモノクマが手を組んでいたとしても
 僕たちの目標は変わらないじゃないか。『みんなでこの島を出る事』でしょ?
 だったら敵が分かりやすくなった分だけやりやすいんじゃないかな?」
「・・・つまりモノミもモノクマも信用しなければ良いだけと言うことか?」
「うん。どうかな?日向君」

 

なんでそこで俺に振るんだよ・・・

 

「・・・確かに狛枝の言う通りだな。とりあえずモノミもモノクマも信用しないようにしよう」
「流石、分かってくれて嬉しいよ!超高校級のみんなが集まればきっとどんなことでも大丈夫さ!
 七海さんだって『絶望』した訳じゃないんでしょ?」
「・・・私は元々ゲームできて眠れればいいから・・・・・・勿論みんなには協力するけど・・・」

 

あいつ・・・この状況でも船漕いでるぞ・・・

 

「凄いや!流石ゲーマーだね。
 僕みたいな幸運なんて比べものにならないぐらい自分を信頼してるんだね!
 じゃあとりあえず暫くはそんな感じでいいかな?」

 

狛枝の言う事にみんなある程度納得したのか、その日はそれでお開きになった。

 



 

「はぁ・・・はぁ・・・おーい、日向くーん・・・」
「七海か。・・・大丈夫か?」

 

数日後、俺はマーケットから出てくる七海を見つけた。
服はどうやったのか、今まで着ていたのと同じデザインの服──特大だけど──を着ている。
手には相変わらず携帯ゲーム機を持っているな。
後ろにはどうやらマーケットで買った食料らしい物がいっぱい詰まったリュックを背負ってる。
我慢できなかったのか口元がケーキのクリームか何かで少し汚れている・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・うん・・・元々そんなにアウトドア好きでもないし・・・」
「・・・荷物運び手伝おうか?」
「ホント?・・・・・・ならお願いしちゃおうかな?
 ・・・・・・でもいいの?」
「ああ、元々半分位俺の所為だし」

 

そういうと七海は「じゃあ今買っちゃおうかな?」と言い、マーケットに戻って行った。
どうやら往復するつもりだったらしい。
今までは食事はそんなにこだわってなかったらしい。
それどころか食べることを忘れることすら有ったというのに・・・今じゃ食べるのが大好きになったのか良くここで見掛ける。
朝食も十神と終里よりも食べるし・・・
俺は少し呆れながら七海の後ろについて行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七海千秋
身長:160cm
体重:264kg
  B:148cm
  W:187cm
  H:183cm


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