イカんともし難い冴えタコうげき
(!)この作品はSplatoonのネタバレが多く含まれます。
まだ作品をクリアしていない方、ネタバレが嫌いな方はご注意を。
「もしもし?じーちゃん?珍しいね」
大昔、大ナワバリバトルと呼ばれた大戦のさなかにカラストンビ部隊と呼ばれる伝説の部隊がいた。
彼等は大戦の終わりにその姿を消した・・・
だが・・・先日オオデンチナマズが何者かに連れ去られた時、その影に新生カラストンビ部隊の姿があったという。
そして今。
「・・・え?3号がさらわれた!?」
NEWカラストンビ部隊は危機を迎えている・・・
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「まさか3号が捕まるなんてねー・・・」
「彼女しっかりしてそうだったけどね」
NEWカラストンビ部隊1号と2号はそんな話をしながらアタリメ司令の報告にあったところへと進んでいく。
オオデンチナマズ奪取を試みたDJタコワサ将軍はNEWカラストンビ部隊3号の働きによってアタリメ司令の下で捕まっていた。
ところが司令が少し目を離した隙に逃亡、自分を捕まえた3号を逆に捕まえたというのだ。
「まぁ私たちも3号に任せすぎてたし・・・」
「んだね。ちゃちゃっと助けますか」
それぞれのブキを構えつつ、ゆっくりと進む二人。
最近“仕事”が忙しくなりこちらにあまり顔を出さなかったことで3号に負担をかけたことをそれなりに気にしているのだ。
『そろそろ奴の居場所のはずじゃ!』
司令の通信を受けつつ、チャージャーのスコープを覗く2号。
見ると奥に巨大な影が見える。
オクタリアン達は優れた科学力で巨大な兵器をいくつも所有している。
恐らく奥に見える物もそうだろう。
「あれっぽいね・・・」
「3号居るかな・・・」
ローラーを構え、インクを地面に塗りながら進んでいく1号。
奥に進むにつれて影の正体が徐々に分かってきた。
巨大な球体型のインクタンクを二つ積み、開いた貝の様に開いた部分を持つ機械だった。
その開いた部分には・・・
「3号!」
DJタコワサ将軍が閉じ込められていたケースの様な物に囚われている3号の姿があった。
両脇には同じ様な物が2つ並んでおり、なんとも嫌な雰囲気を醸し出す。
慌てて駆け寄る1号。
2号もチャージャーでケースを割ろうとするが割れない。
仕方なく1号を追いかける2号に、何か囁くような声が聞こえた。
「アオ・・・1号なんか言った?」
「ううん」
顔を見合わせる二人。
この場に居るもう一人と言えば・・・
「じゃあ3号?」
「だと思う。おーい3号ー!」
手を振る1号にケースの中の3号が何かを訴えるようにケースを叩く。
「そう騒がなくても助けてあげるって〜」
「そうそう!もう大丈夫だよ−!」
3号を落ち着かせようとする二人。
だが彼女達の耳に届いた3号の声は予想しない物だった。
「・・・ニ・ゲ・テ?」
「コ・レ・ハ・ワ・ナ・・・?」
二人が3号の言葉をようやく理解した時、バコンという大きな音と共に先ほどまで開いていた貝の様な部分が閉じた。
当然3号に近づいていた二人も中へと閉じ込められる。
「やばっ!」
「・・・まずくね?」
お気楽なインクリングである二人も流石に不味いと思ったのか、慌てて閉じた部分に攻撃を加える。
ところが全く開く様子は無い。
「クックック・・・マッテタゾ」
そんな二人の上から響く声。
「タコワサ将軍・・・」
「わざわざ出向くんだ・・・暇人」
上からゆっくりと小さな機械に乗って降りてくるのはDJタコワサ将軍である。
将軍は笑いながら二人の近くまで降り立つと、機械を操作してアームを二人に伸ばす。
すぐさまイカ状態になり回避する二人。
ところが・・・
「げっ!」
「地面が・・・」
気がつけば先ほどまで何ともなかったはずの地面が敵のインクであふれかえっていた。
どうやら床に小さな穴が空いており、そこからインクが溢れる仕組みのようだ。
「甘イゾ・・・ソレ位予想スル」
足がとられて身動きできない二人に再び伸びるアーム。
今度は呆気なく捕まった二人を見て将軍が笑う。
「オ前達ヲ無力化スレバ勝利ハ目前ダ」
そう言って再び宙へ浮く将軍。
やがて将軍は3号が囚われているケースの横へと移動すると、両脇のケースの蓋を開けてそこに1号と2号を押し込んだ。
「ちょっとー!」
「痛いんだけど・・・」
文句を言う二人を無視しながら、将軍は再び機械を弄る。
すると囚われた3人のケースの蓋から何かが噴射されていく。
「・・・インク?」
「にしては甘くね?」
妙に甘ったるい匂いのするインクを浴びる3人。
すると、3人の体に異変が起きた。
「・・・あれ?」
「フク・・・きつくね?」
着ていた服が肌に張り付く感覚を覚えた3人。
よく見ると自分の腹が少しずつ迫り出していた。
「なにこれ!?」
「マジシャレになんないんだけど・・・」
ミチミチと音を立てて膨れあがる体。
慎ましやかだった胸は時間が経つごとに大きくなっていき、腹はそれを支えるためにかそれ以上の速度で前へと迫り出していく。
当然尻なんかも大きくなり、徐々に上がっていく座高に恐怖感が募る。
ミチリ・・・ミチリ・・・と大きくなる体を締め付けていくフク。
気がつけばくびれていたはずの腰はなだらかになりつつあった。
「オ前達ガ女バカリナノハ知ッテイル。
ダカラ吸収スルト太ルインクヲ作ッタ。
オ前達ニハコレガ一番効果的・・・コノ研究ノタメニ多クノタコゾネス達ガ犠牲ニナッタ」
「・・・どうりで道中見かけないはずだよ」
うなだれる1号。
同じ女性として相手に同情しているのだろう。
「とにかくここから出せ−ーー!!」
「出せ〜〜〜!!」
叫ぶ1号と2号。
だが将軍は二人をちらりと見て無言でどこかへと消えて行くのだった。
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「・・・二人とも平気ー?」
「平気じゃな〜い・・・」
「・・・」
疲れ切った声が辺りに響く。
3人が囚われてからかなりの時間が経った。
インクの噴出は終わった物の、3人共体は既にケースの中を半分以上埋める程の体型である。
1号は腹を中心に、2号は胸を中心に、3号は下半身を中心に太っており、それぞれみっともない脂肪があちこちについている。
だるんと垂れ下がった腹に重々しく乗っかる胸、まるでクラゲのように膨らんだ尻。
3人共間違いなくぽっちゃりどころかデブその物である。
「うー!どうやったら割れんのー!!」
大きく膨れあがった腹を揉むのに飽きたのか、力任せに拳をケースに叩き付ける1号。
その拍子にケースを支えていた支柱がミシリと嫌な音を立てる。
「・・・お?」
「どした?」
2号の言葉を余所に1号はケースの中で器用に立ち上がると、中でタックルするかのように体を傾けた。
1号の体が大きくダプンッと揺れ、再び嫌な音が鳴ってケースがぐらつく。
「ねぇホタ・・・2号、これもしかしたら全力で体傾けたらケース外れるかも」
「まじか」
全身の贅肉を揺らしながらもう一度タックルを仕掛ける1号。
その拍子にパキンと音を立ててケースを支える支柱の一本が折れた。
「おお」
「将軍はどうやら私らの体重増加を甘く見てたみたいだね!」
「・・・言ってて悲しくならんの?」
「・・・なる」
2号の言葉に自分の体を見つめ直して落ち込む1号。
前にぼっこりと飛び出た腹が悲しい気持ちにさせる。
だが1号はすぐに気を取り直すと、体を揺らしながらもう一度タックルをかます。
2本目の支柱が折れ、ケースごと1号が床へと転がり落ちた。
その際、ケースと1号の体重が合わさった重さでケースにひびが入る。
「よっし・・・あとは・・・」
1号は辺りを見回すと、手頃な壁に向かってケースを転がしていく。
かなりの速度が出た状態で壁にぶつかるケース。
その衝撃でケースは砕け散り、1号はなんとか脱出に成功した。
「うへぇ・・・体重い・・・」
立ち上がるのも一苦労な様子で呟く1号。
その祭に顎や頬についた肉がぷるぷると揺れた。
「やるじゃん1号」
「ほら、2号と3号も早く」
「え〜・・・1号が出してよ」
「体重くてまともに動けないし・・・」
「・・・しょうがないか、3号もいける?」
2号の合図に頷く3号。
二人は1号の真似をしてタックルを繰り返し、1号同様ケースからの脱出に成功した。
2号は重くなった体を揺らしながら立ち上がると、ぐっと背伸びをする。
「にしても・・・これからどする?」
「うーん・・・3号なんかアイデアない?」
1号にそう尋ねられた3号が辺りを見回すと、何かを発見したのかそちらの方へと重々しい足取りで向かう。
一歩歩く度に体中の脂肪が揺れ、少女とは思えない程の足音が響く。
特に大きくなった尻のせいで3号は歩きにくそうである。
息を切らしながらも目的の場所へとたどり着くと、3号は何かを1号と2号に投げた。
「あ、私らのブキじゃん」
3号が渡したのはローラーとチャージャー。
つまり2人のブキである。
「将軍の奴逃げられないと思って置きっぱなしだったな・・・もっと大切に扱え−!」
「まぁその御陰で助かったしいいんじゃね?」
未だピンチなのだがどこか緩い2人。
3号はやれやれと言った表情で自分のシューターを手にすると、奥へと進んでいく。
「あ、3号待って!」
「置いてくのは酷くない?」
慌ててついてくる2人と並んで一緒に進む3号。
だが・・・
【ムギュッ!】
「・・・詰まったね」
「・・・1号の方、抜ける?」
「無理っぽい」
狭い通路に太った3人はぎっちりと詰まってしまうのだった。
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「最近シオカラーズ見ないよな〜」
「なんか病気らしいよ?」
「まじでぇ?」
数日後のハイカラシティ。
そこではいつもならニュースを読み上げてくれるアイドル2人組・・・シオカラーズが最近現れないことで持ちきりだった。
彼女達のファンは多く、残念がる声があちこちで上がる。
「そういえば俺の知り合いも最近見ないなぁ・・・」
「知り合い?」
「うん、女の子なんだけど・・・」
「なんか女の子限定の流行病とか?」
「んなもんないっしょ〜」
「だよね〜」
そんな会話をする男二人組。
彼等は知らないだろう、その3人は今彼等の足下で必死にダイエットをしていることを・・・