嗚呼、我が愛しの偶像 シナリオ
1・あらすじ
アイドル志望の探索者達。
彼女達はとある事務所のオーディションを受けに来て・・・
2・シナリオの導入
探索者達はアイドルを目指す女性達だ。
年齢は10代前半から20代前半が妥当だろう。
探索者達は全員姫橋プロダクションのオーディションを受けに来ている。
探索者同士の関係はなくても良いだろう。
探索者達がプロダクションの事務所に集まると控え室に通される。
控え室には他にも二人、オーディションを受けに来た少女が居る。
探索者が全員控え室に集まると、社長の姫橋英子から挨拶とこの事務所の簡単な紹介がされる。
「このプロダクションは出来たばかりなの。だからやる気がある子の方が個人敵には嬉しいわね。
貴方達の事期待してるからね?」
こう言って姫橋社長はしめ、一足先にオーディション会場に向かう。
社長が言う通りこの事務所はまだまだ小さく、今はやや古いビルの四階をワンフロア借りている状態だ。
この後事務員の音木雀(おときすずめ)が紅茶をみんなに振る舞ってくれる。
このお茶を飲むかは探索者の自由で、飲んだ探索者はやや紅茶にしては甘く感じる。
NPC二人はこのお茶をためらいなく飲むだろう。
その後、音木からここに荷物を置いてから事務所が用意した水着に着替えるように指示がある。
この時所持品は全てここに置く様に音木から言われるが、[隠す]に成功した場合小さい物ならば持ち込んでも良い。
(携帯電話やデジタルカメラなどの手や水着、胸の谷間に入れられる位の物に限る)
水着と一緒に数字の書かれた番号がついており、水着のトップに付けるようにと言われる。
数字は1番は原宿凛子(はらじゅくりんこ)固定、凛子と探索者の合計+1番は一葉杏子(ひとはきょうこ)である。
あとはKPが適当に割り振ること。
原宿凛子
耐久:10
MP:14
STR:8
CON:9
INT:13
SIZ:10
POW:14
DEX:17
APP:17
EDU:13
[パンチ]50% 1d4
[目星]60%
[聞き耳]40%
3・オーディション開始
オーディション会場に移動する最中、同じくオーディションを受ける一葉杏子が探索者に話しかけてくる。話しかける相手は探索者なら誰でも良い。
彼女は人懐っこい様子で話しかけてくるが、相手にするしないは探索者の自由だ。
話を受けた場合は軽い雑談をしたとする事。
水着に着替えた探索者達が一番奥にあるオーディション会場に行くと、部屋の奥で社長が椅子に座っている。
窓にはブラインドがおろされており、外から見えないようになっている。
姫橋社長は全員に数字順で横並びになるよう指示を出し、並び終えると「じゃあ1番から自己紹介とアピールお願い」と言う。
これに応え、1番の原宿凛子が自分の名前を名乗った直後である。
突如停電が起き、部屋が真っ暗になる。
探索者達の目が暗闇に慣れた頃、一番端に居た一葉杏子の悲鳴が上がる。
その様子を探索者が確認するとした場合、KPは以下の文章を読むこと。
『彼女の体は見る見る内に内側から膨れあがっていった。
それはあたかも風船にポンプで空気を入れるが如くである。
むくり・・・またむくりと膨らむ・・・いや、太る杏子。
水着の紐は千切れ、するりと水着が床に落ちると裸の体が露わになる。
重力に負けてみっともなく垂れた胸。
まるでバランスボールを付けたかのような腹。
足は膝を肉で覆い隠していき、腕はまるで振り袖のようになる。
立っていられずに尻餅を付いた杏子の体は尻の脂肪で軽く跳ねる程だ。
首は肉で太くなり、シャープだった顎は既にその面影を残すだけだ。』
この光景を見た探索者はSANチェック。
成功で1、失敗で1D4の消失である。
またこの光景を見た探索者達の内、紅茶を飲んだ探索者は[アイデア]を振り、成功の場合は漠然と以下の感想を抱く。
『もしかしたら、あの紅茶のせいなのか?なら自分もこうなるのか?』
これ以降、紅茶を飲んだ探索者達には2回行動をする、もしくはゲーム内時間で1時間経つ度に肥満値チェック。
成功で1、失敗で1D3+1の肥満値減少。
4・会場からの脱出
突然人が太り出すという光景を見た探索者達は恐らくこの事務所からの脱出を試みるだろう。
KPはそれとなく探索者達に脱出するよう促すこと。
また姫橋社長はすでに部屋の中にいない。
もし探索者達が社長を捕まえると言った場合は許可して構わない。
まだ無事である凛子に探索者達が『脱出の手伝いをして欲しい』と依頼した場合は手伝ってくれる。
だが、それ以外の行動を取る場合は彼女は独自に探索を開始するだろう。
肥満化した杏子の体重はおよそ160kg程で、動かす場合は『18』で[STR対抗]ロールをすること。
このロールには複数のメンバーで参加出来る。
このロールに凛子を手伝わせる場合は彼女に[説得]を試みて成功させること。
また、オーディション会場には何も無いため、探索者達が何かを探そうとした場合はKPがそれとなく忠告すること。
5・社長室
オーディション会場から出た正面にある部屋は社長室である。
この部屋の前で[聞き耳]に成功すると中から姫橋社長の様な声と、何か機械音声の様な物が聞こえるだろう。
この部屋は窓がなく、内側の音が微かに漏れるだけである。
事務所にある鍵を手にしてからここに入ると、中では二つの影がある。
一つは姫橋英子社長、もう一つはミ=ゴだ。
ミ=ゴはなにやら頭にスピーカーのついた装置を取り付けており、ここからミ=ゴの言葉が機械音声として話される。
姫橋は笑いながら部屋に入ってきた探索者達を迎え入れるだろう。
彼女に対して『ここから脱出するために鍵を渡してくれ』と[説得]を試みて成功すると、
『渡しても良いけど出て良いのは1人だけね?』
と言ってくる。
また探索者の人数が1人の場合、彼女は許してくれないだろう。
この提案に対して探索者が乗った場合、脱出する人物には鍵を渡すがそれ以外の探索者には電気銃を打ち込み動けなくする。
この提案を断った場合は姫橋とミ=ゴとの戦闘となる。
彼女達を倒した後、部屋の中にある本棚に[目星]もしくは[図書館]ロールを行い成功させると姫橋の日記と研究ノートを発見出来る。
研究ノートの中には肥満薬の成分と作り方、日記の方には如何にミ=ゴ達と出会い協力したかが書いてある。(項目12参照)
姫橋英子(イス人)
耐久:10
MP:17
STR:8
CON:7
INT:15
SIZ:13
POW:17
DEX:11
APP:14
EDU:18
[パンチ]50% 1d4
[電気銃]65% 1d6
ミ=ゴ
耐久:8
MP:22
STR:8
CON:8
INT:13
SIZ:7
POW:22
DEX:9
APP:0
EDU:19
[パンチ]50% 1d4
[冷凍銃]60% 1d6
6・倉庫
社長室の隣には倉庫がある。
ここにはいくつかの工具や掃除用具がある。
KPはここで探索者達が欲しがれば一般的にあるであろう物を自由に渡して良い。
7・WC
ただのトイレであり、なにもない
8・事務室
ここには音木が居り、彼女もまた肥満化している。
肥満の度合いは杏子よりも酷く、200kg以上あるだろう。
彼女を動かすには杏子と同じく『24』でSTR対抗ロールする事。
ただし彼女は非常に錯乱しており、先に[精神分析]を成功させなければ暴れ回るだろう。
彼女に[精神分析]を成功させると、彼女はこの事務所の鍵が事務室の壁に掛けられている事。
それと玄関の鍵となっているカードキーは社長が持っている事を教えてくれる。
失敗した場合は[目星]-10%、もしくは[幸運]-20%に成功することでも社長室の鍵を発見出来る。
また、この部屋を出ようとすると凛子の調子がおかしくなる。
息が荒くなり、胸の辺りを抑えるようになる。
そして凛子がこの部屋から出た所で彼女の肥満化が始まる。
その光景を探索者が見た場合は以下の文章を読むこと。
『原宿凛子も一葉杏子と同じ様に肥満化が始まった。
どこかから見えないホースに繋がれ、ドンドンと空気を入れられるかのように。
だか彼女の肥満化速度は杏子よりもずっと速かった。
まるで悪質な映像を早回しで見ているかのようである。
着ていた物をはじけ飛ばし、全てをさらけ出した彼女はまるで肉の山であった。
膝まで覆い隠す腹肉。片方が頭と同じほどの大きさの胸。
尻は正面からでもよく見え、体を支える足は象を思わせる。
垂れ下がった二の腕に立派な二重顎を作る顎。
凛子はその場に座り込むと、その場でただただ呆然とするのだった。』
彼女を動かすには『21』でSTR対抗ロールを行い、成功すれば動かせる。
彼女達肥満化したNPC達は同時に動かすことが可能である。
ただし、探索者の人数を超える数以上は同時に動かせない。
また複数人数で1人を動かす場合、それ以外のNPCの運搬判定時には残った探索者のSTRの合計で判定すること。
9・控え室
ここには探索者達の所持品が置いてある。
またこの部屋で[目星]に成功すると、ラベルの貼られていない液体の入った瓶が発見出来る。
この液体に[薬学]で成功した場合、見たことのない薬品である事が分かる。
また、これの成分を調べるにはそれ相応の機器が必要であることも分かるだろう。
10・玄関
ここには電子ロックの鍵がかかっており、[鍵開け]か[機械修理]に成功すれば開けることが出来る。
正し、失敗した場合は姫橋とミ=ゴが背後から襲いかかってくるだろう。
11・階段とEV
玄関から出るとエレベータと階段が見える。
エレベータを利用使用とした場合、到着したエレベータから2体のミ=ゴが出てくる。
このミ=ゴとは強制戦闘である。
ミ=ゴのステータスはルールブックを参照に設定する事。
また探索者の人数によっては数を変化させて良い。
階段から下りる、もしくはエレベータから現れたミ=ゴを撃退してからエレベータに乗り外へと脱出するとシナリオクリアである。
探索者達はこの事務所での事件を警察に報告してもよい。
探索者達はしばらくして事務所があったビルが解体される事をニュースで聞く。
その時、地下からなにか研究所の様な物が発見された事を聞くだろう。
また控え室で薬を発見し、それを調査機関に届けた場合は無事に探索者達は痩せることが出来る。
それ以外の場合は徐々に太り続ける体に悩まされることだろう。
12・事件の真相
今回の事件はイス人である姫橋と、ミ=ゴの取引によって始まった事である。
姫橋はとあるイスの偉大なる種族の一派に所属している。
彼女は精神体であるイスの偉大なる種族達に新しい体を作る為の研究を行っており、今回の肥満薬はその課程で出来た副産物だ。
これに目を付けたのがミ=ゴである。
彼等は鉱石採掘の労働力として人間の利用を考えているミ=ゴの集団である。
このミ=ゴ達は姫橋の実験に協力する代わりに自分達の技術力を提供すると持ちかけたのだ。
姫橋の肥満薬は一定時間事に脂肪が生成されるよう出来ており、食事を与える必要が無くなるという面で労働力として非常に有用だった。
姫橋はこれを受け入れ、今回のアイドルを募集すると偽って労働力を手に入れる為の行動を起こしたのだ。
アイドル募集としたのは単純に募集が多そうだったからである。
【MAP】