ぱるふぇ氏その1

明日って今さ

 

 

山内 美羽
身長156kg 体重40kg
スリーサイズ B70 W47 H80
かなりやせ型の女の子

 

 

 

「今日も練習キツかったなぁ〜…」

 

吹奏楽部で日々厳しい練習を送る彼女の唯一の癒しは、学校の帰りに食べるアイスとコーラであった。

 

「う〜んっ!おいしい!やっぱり夏はこれだよね!」

 

今は夏休みということもあり、連日暑い日が続いている。
いつにも増してアイスやジュースが美味しく感じる季節である。
彼女は毎日、この食生活を続けていた。
先輩からの厳しい言葉や、練習がうまくいかない日は食べる量が増える日もあった。
お盆に差し掛かる頃、彼女の体型は少しだけ変わっていた。

 

「ウソ…制服がキツい?」

 

何となくは感じていたが、今ははっきりと分かる。自分は太ったと。練習にかまけてずっと目を瞑っていた現実に直面することとなったのである。

 

「これなら…体重も…!」

 

彼女は急いで体重計に向かった。
結果は…彼女にとって信じがたいものであった。

 

「47kg…!?ウソ…でしょ…」

 

7kgも体重が増えている。その事実を彼女の心はまだ受け入れることはできなかった。しかし、体は嫌でも彼女に現実を分からせようとしてくる。
パンツの上にたぷんと乗った脂肪、若干丸みを帯びた顔、胸は多少大きくなったが他が大きくなっているのでたいして嬉しくもない。
お尻はパンツからはみ出て、脂肪により見苦しい分かれ目を太ももとの間に作っている。
二の腕も太くなり、袖が苦しい。スカートから伸びる脚も同様に、脂肪が乗って太さを増している。

 

「ダイエット…しなくちゃ…!」

 

その日の練習は到底身が入らず、怒られるばかりだった。

 

「…なにさ、私の気持ちなんてわからない癖に」

 

愚痴を呟きながら行き着いた先はいつものコンビニエンスストア。

 

「ダメ…ダイエット…しなくちゃ…」

 

でも、今日は怒られたし、嫌なことあったから、食べて忘れたいな。

 

「…ダメ…怒られたのは自分のせいじゃない…」

 

でも、嫌な気分になったことにはかわりないよ。

 

「でも、でも…太って…」

 

多少大きくなっただけじゃん。

 

「まだ…大丈夫…?」

 

うん、大丈夫。

 

「今日だけ…今日で終わりにするから…」

 

そうだよ。それでいいんだよ。つらいときにはたべるのがいちばん!

 

「すいません、ポテチと、コーラと、アイスと…それに肉まんも…」

 

家につくと、彼女は脇目も振らず、買ってきた食べ物にかじりついた。理性をなくし、エサを貪る肉食獣のように。

 

「おいしい!おいしい!やっぱりポテチとコーラは最高ね!」

 

「肉まんも熱くておいしい…!そこにアイスを…!」

 

塩辛い口の中をコーラで洗い流す快感。冷たい口の中をアイスで冷やし、またポテチをかきこむ…
その快感から彼女は逃れることはできなかった。いや、逃れようとしなかった。

 

「…ふぅ、ごちそうさまでした」

 

「ダイエットは…明日からだね♪」

 

その「明日」を彼女は何度繰り返すのだろうか。その日から、彼女は永遠に「明日」にたどり着くことはなかった。

 

「今日から久しぶりに練習もないし、めいっぱい食べちゃお!怒られてもいいようにしておかなくちゃ!」

 

ことあるごとに理由をつけ、彼女は食べ漁った。

 

「今日はご飯で攻めよっかな!」

 

彼女は冷蔵庫に入っている冷凍されたご飯をレンジに入れ、解凍する。
そのご飯にバターとマヨネーズ、醤油を思いっきりぶちまけて食べる。最近のお気に入りのメニューだ。

 

「ああっ…!バターのしょっぱさと醤油の相性は抜群ね!次は卵かけご飯にマヨネーズで食べよ!」

 

また次の日も。

 

「今日から宿題始めるから…自分へのごほうび!」

 

「というわけで今日はスイーツの日♪」

 

彼女の目の前にはコンビニで買ってきたケーキ、シュークリーム、ティラミスなど生菓子だけに飽き足らず、クッキーや菓子パン、ありとあらゆる甘味が並んでいた。

 

「いただきます♪」

 

口の周りはクリームで汚され、そのうち顔全体が汚れても構うことはない。ただひたすら、砂糖の甘さに脳を溶かしていく。

 

「あまぁ〜い…!でも、ちょっとくどいな…コーラですっきりしようっと!」

 

「げええぇっぷ…ぷふぅ〜…おいしかった!」

 

永遠に来ない「明日」を繰り返し、彼女はどんどん醜くなっていった。
この一週間、自分の体から目を背けてきた。
そのツケを、払わなければならない時はやって来た。

 

「今日から部活か〜…行きたくないなぁ…」

 

彼女はいつものように制服に手をかける。

 

「あれ…?なんで…なんで苦しいの…?」

 

制服が着られない。頭の中で分かろうとしなかった真実を嫌でも見なければならない時がやって来たのだ。
いつのまにやらちぎれたパンツ。胸を収められないブラ。
立派な二重顎。だらしなく、醜く垂れ下がった巨乳。段腹を通り越し、前掛けのように垂れ下がったお腹。豚のような上半身を支える棍棒のような脚。棍棒に繋がる巨大で垂れ下がった尻。

 

「やだ…なに…これ…」

 

分かっていたはずなのに。

 

「たいじゅう…はからなきゃ…ふとってる…」

 

画面に表示されたのは66kgという表示。一週間で20kgも太ったのだ。

 

「あはは…あはは…」

 

乾いた笑いしか出てこない。

 

ぶかつにいっても、わらわれるだけだよ。

 

そうだよ。

 

こんなからだ、そとにはだせないよ。

 

そうだよ。

 

じゃあ、だれにもみせなくていいね

 

そうだよ。

 

みせなくていいなら、だいえっとなんて、しなくていいね

 

そうだよ。

 

「あは☆」

 

彼女は、永遠に明日を迎えることはない。
彼女がその後、どうなったか。
それはまた、次の機会に。

 

 

 

山内美羽
身長157kg 体重66kg
スリーサイズ B88 W81 H97


トップページ 肥満化SS Gallery(個別なし) Gallery(個別あり) Database