648氏による強制肥満化SS
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深夜、俺は香山玲子の血液が入ったボトルを手で遊びながらどうするかを考えていた。
「まあ、大体は決まってるんだよな……」
細かい話は明日にでも4人で話せばいいのだが、
「人じゃなくすのも面白くないしな、アレがアレだと分かるようにしてやらないとこっちが面白くない」
俺はデブ専でも化け物好きでもない。
俺はあくまでベースとなった人間を変異させることが好きなだけで、変異途中を楽しんでいるのだ。
「さて……もうねるか」
俺は久しぶりのベットのうえでの安眠を貪ろうと寝室に向かう。
今日は神子は家に帰した。
流石に3日目はまずいだろうという俺の自己判断だが、いざ寝ようと思った瞬間、電話がなった。
「あん? なんだよ」
相手なんて大体予想がつく、
『なあ、おまえさぁ、いったい最後に何をイメージしたんだ?』
丈二の声がどこか乾いた笑いのようなかんじがする。
「あ? どうかしたのか?」
「いいから、頭ん中で見てみろ、とんでもない状況になってる」
俺はそういわれて頭の中であの二人の側近の様子を見てみることにした。
「……マジで?」
絶句する羽目になった。
『もっと……もおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっと』
『食べないと、食べないと食べないとダベダビド……』
暗い深夜の街の一角、まるで魔物のうなり声のような声が響き渡っている。
二人の少女が一心不乱に食べ放題の店の食料という食料を食い漁っていく。
すでに10センチ近く縮み、その分横に伸びてはいるのものの、たぶん、やせていれば何の問題は無かったのだろう。
お下げの側近はうつぶせになっており、肥大化した腹部によって両足は地からはなれ、手の届く限りの食べ物をつかみ、首が消滅し、3重顎となった口元へと運んでいく。
一方、ボブカットの側近は座った状態で食事をしているため、下半身が集中的に肥大化し、大雑把にみてピラミッドのようになっている。
『足りない……足りないよ……』
周囲に食べのものが無くなり、それでも食べ物を求めて二人……いや、二つの肉塊は必死に体を揺らす。
どう足掻いたって動けるはずの無いのに食べ物を求めて必死に体を動かす。
『ただだダダベベベベベモモモモモモモモmノノノノノノノ』
狂気に満ちた目を向けてボブカットの側近は立ち上がった。
『もともととととととととととっとと!!!!』
お下げの側近は腹の贅肉だけでまるでナメクジのように移動し始める。
一瞬、二人の動きが止まり。変化が始まる。
粘土を上から押し付けたかのように縦に縮み、横に伸びていく。
時間まで間に合わなかったらしい。
「で? どうしようか、流石にどうしようもないな」
はっきり言って予想外ですね。
『まあ、天誅って事でいいんじゃない?』
電話越しに俺と丈二は互いに笑った。
『まあ、後始末に蓮が動くみたいだからほうって置こう、ま、それより、結局あのアマはどうするんだ?』
「一応、見た目は何にも変わんないよ、しばらくはあのままだ、まあ、見た目だけはな」
俺は手で血液入りボトルを遊びながら気楽に答える。
契約の時に聞いた話を整理すると、直接触れば一番なんでもできるのだが、それが無理なら、その人の中で重大なウエイトを占めているものが一番おいらしい。
頭の中で、例の2つの肉塊が突然地面にできた黒い影の中に吸い込まれていったのを意識の端で感じた。
「……あいつが味方で助かるよ」
半ばクリーチャー化していた二人の姿を追おうとしたが、なぜか見ることができない。
『……蓮が何かしたようだな』
丈二もその様子を見たのか、少々驚いた様子だった。
まあ、それは置いておこう。
さて、それじゃあ、イメージを始めるか。
新陳代謝率向上…
水分吸収率100パーセント
水分排出率0パーセント
反射条件変更
思考回路変更
DNA構成変更
骨格変更
消化器官変更
胃増加
腸内表面積増加
体温タイプ『変温』
DNAタイプ複合
サンプル確認、適合
俺は詳細に、そして真剣に脳内でイメージを固めていく。
最後に、監視体制をきちんと確保した状態で俺は脳内で香山玲子の姿を見た。
おとなしく寝息を立てて眠っている。
俺はパソコンを触り、イメージを追加しておく。
『ふぁぁぁ、よく寝たわね』
香山玲子はベットから起きると体をほぐし、部屋に備え付けられている大きな鏡の前でポーズを取る。
『ふふ、今日もがんばらないとね』
ほっそりとした足、形のよい尻、くびれた腰、大きくて形も見事な新幹線型の胸、整った顔。
どうやらこの女はナルシストのようだ。
『……なんだか、のどが渇くわね』
熱くもないのに妙にのどが渇きを訴えてくる。
そののどの渇きを解決するためにキッチンへと足を運ぶ。
『おはようございます、お嬢様』
数人のメイドが朝食の準備に忙しく動き回っている。
『おはよう、何か飲み物頂戴』
すぐさまコップに入った牛乳が出され、香山玲子は一気飲みをする。
『まだのどが渇くわね……もう1杯頂戴』
コップを差し出しながら香山玲子はイラついたような声を出す。
メイドは急いでコップに牛乳を注ぐが、注ぎ終わった途端に香山玲子は一気飲みをしてコップを空にする。
『……おいしいわね、この牛乳』
いつもと同じ牛乳なのになぜかおいしく感じることに疑問を感じるが、のどが渇いていたからだと自己結論をだし、テーブルに着く。
いつもどおりの朝食をとるも、飲み物だけはいつもより倍以上飲んでいる香山玲子の姿にメイドたちは
(お嬢様、今日はどうしたのかしら)
と、ひそひそ厨房の中で話しているが、聞くことも許されていないため、ありもしないうわさだけが飛び交っていく。
朝食を終えて、香山玲子は学校へと行くために着替え始めた。
『あら?』
下着を着けたとき、違和感を感じ、鏡の前で自分の姿を確かめた。
下着がきつかった。
『縮んだのかしら?』
鏡に映る姿に何の変化も無い。
鏡に映る下着のサイズが少し、小さく見える。
『へんね?』
下着をはずして付け直してみる。
今度はなぜか、体にフィットしている。
『おかしいわね???』
首を傾げてはいるものの、時間も無くなり、さっさと着替えてリムジンへと乗り込もうと思ったが、再び、のどの渇きを感じ取った。
キッチンへと再び足を運び、1リットルの牛乳を飲み干し、リムジンへと乗り込んだ。
(のどが変ね?)
授業中、教師が黒板を背にして熱弁している間、香山玲子はずっとのどの乾きを感じていた。
(乾くというか、なんと言うか、乾燥しているのかしら? この教室)
そう思いはするものの、そんなわけはないと自分に言い聞かせるが、それでものどは乾きを訴え続ける。
「先生、ちょっとのどの調子がおかしいのでうがいをしてきてもよろしいでしょうか?」
「ん? どうした、風邪か? 行ってきなさい」
その言葉を聞くや否や香山玲子はすぐさま教室を出て手洗い場へと急いだ。
蛇口をひねり、流れ出る水を手ですくい口へと運んでうがいをするが一向にのどの乾きはとれない。
「どうしちゃったのかしら?」
鏡を前にして自分の顔を見るが何一つ変化はしていない。
もう一度うがいをしようと手を伸ばそうとしたとき、おかしなことに気がついた。
「え?」
両手が、まったくぬれていないのだ。
両手どころか唇も水に触れていたはずの部分がまったくぬれておらず乾燥している。
「ど、どういうこと?」
そうこう考えていると急激にのどが乾きを訴え始め、香山玲子は思わず流れ出る水に顔を突っ込んで飲み始めた。
「ゴク、ああ、のどが、ゴクゴク、潤う……」
呼吸をすることも忘れて水を飲み、のどの乾きが潤わされていくのを実感していく。
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