168氏による強制肥満化SS

168氏による強制肥満化SS

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くっちゃ… ごくり、ごくり… げぷぅ、はむっ、くっちゃ…
「ほらぁ、まだまだ残ってますよ?」

 

うるさいわね、そんな事言われないでも眼前に並んだ料理を見れば嫌ってくらい分かってるわよ…!

 

私の名前は、樋口朝子。ひぐちともこ、と読む。25歳。
いつも初対面の人にはあさこ、って呼ばれるのが不満で仕方無い。
しがないOLだが、割とプロポーションには自信がある。いや、あった。
自分で言うのも何だけど、脚の細さやくびれの有無、ちゃんと胸だって平均よりも上の大きさはあるつもり。
呼び難い名前を付けた両親はちょっと憎いけど、この外見を与えてくれた事には感謝している。

 

いつもの定時、帰宅してシャワーを浴びて、長い髪を乾かして寝付くのは何時くらいになるかな、と思った時にチャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろう。
はい、と声を上げ、玄関へ歩いてドアを少し開ける。
「初めまして〜、私悪魔のファティスって言います。お客様の美貌・身長・体重等を考慮した結果、是非契約を結びたいと思いまして…」

 

30分にも及ぶ世間話を終えた末、私が出した結論は『お帰り下さい』だった。
それは当然だ。どこの世界に、ドアをノックして運送会社の格好をした状態で、悪魔を名乗る女性が居るというのよ?
チェーンがかかったドアをガチャリ、と閉めようとした時に、漸く彼女も慌てて
「ま、待って下さい! 本当に悪魔なんですってば! 信じてって!」
ハイハイワロスワロス。
「巨万の富を授ける事だって、不老不死だって何だってでk…」
…ここまで必死に言っているのだ、笑い話の続きだと思い、私はドアをキィ、と開けた。
不審者だとしても、チェーンが付いていれば大丈夫。
私の常識はここから崩れていくのだった。

 

どろり、と彼女の体が崩れる。
液状になり、鎖で繋がれたドアと壁の隙間にするり、と入り込む。
絶句する私を前に、彼女の体が再度、固定化していく。
「最近は全く信じて貰えなくなっちゃいまして〜、完全に門前払い、ってケースがとても多いんですよ〜。私達、悪魔だって神様や天使と同じで信じて貰えないと力を行使する事すらままなりません故〜…。」
へたり、と腰を落とす私。
嘘だ、と言いたいけれどその声すらも出てこない。
夢だ、と思ったけれど、生憎そういう空気でも無い様だ。
ならば、少しでも対等に立たなきゃいけない。
トリックか何か知らないけど、相手は「悪魔」なのだ。
いきなり魂を取られたりするかもしれない。
華の乙女、こんな所で死にたくはない。
「う〜ん、何か勘違いされてる気がしますよ〜。私がしたいのは契約、そしてゲームなんですよ〜。」

 

ゲーム? あまり意味が伝わってこない。
普通こういう物は願いを叶える代わりに何らかの代償があって、まぁ… 欲深な輩は最後魂取られたり、死んだり…。
賢いお爺さんは、まんまと悪魔を出し抜き… って話だと思ったんだけど。
腰を上げ、私は悪魔… ファティスに聞き返す。
『ゲームって一体何の事なの? 巨万の富、不老不死… とかについても聞きたいわ。』
彼女はポン、と空中から書類を出して読み上げる。
何と言っているかサッパリだが。

 

「あらら、失礼致しました。まず、契約から。これは単純に、これから先に私と行うゲームの結果、裏切らない、裏切れない… という事ですね。事前にこれをしておかないと、やっぱり辞めた!って言われた時に、私達が得る要素が無くなってしまうのですよ〜…。ゲーム、ですが、話は単純です。私が貴方の許容量より一定量オーバーした、『食事』をして戴きます。見事食べ切れれば… 食べた量に基いての、願いを適えますよ〜、って話です〜。」
昨今の悪魔の契約、と言うには変だなぁ… と思った矢先、彼女が言った。
「おどろおどろとした契約よりも、これくらい軽い方がお客さんも参加してくれるんですよ〜。駅前でやってる、大盛りラーメン食べ切ったら…、と話のスケール自体は変わりませんからね。あ、今更ですけど、参加料、と言う事で私の方から事前に見せておきたい物があります〜。」

 

ごろり、と後ろで音がした。
燦然と輝く、巨大な金剛石、ダイヤモンドだ。
今更ながらに、私はおかしくなったのではないか、とも思うが頭を振り、尋ねた。
「えぇ、人様の世界ではこれが大人気なのはリサーチ済みです。願いとは別にご飯を食べ切ったら、こちらを渡させて戴きます。要はサービスみたいな物ですね。」
サービス! サービスで数億の冨が手に入るのならば… と心が揺らぐ。
『願い事、の内には入らないのよね? 正直、数億で命を賭けるなんて馬鹿らしいの。私が勝った場合、数十、数百億の財産… に、美貌が欲しいのよね。女ですもの。』

 

「はい、それくらいの気概がある女性が、私の契約対象です。ちなみに勝負に負けても命の取り合いとか何も無いですよ? 1年、私がここに住み込む…だけですから。」
『そんな私にとって楽なゲームで良いの? 貴方にとってのメリットは何?』
「負けた時に吸う絶望感と、個人的なフェティシズム・・・ ですね。参加と考えて良いのですか?」

 

その時はダイヤを見せられて、私は思考回路がおかしくなっていたのではないか、と今でも思う。
そう、「欲深爺さん」その物になっていたのだから…。
『分かったわ。ゲームに参加します。』
「有り難うございます。では、ここにサインを…」
ぺとり、とファティスが取り出した書類に指で指紋をつける。

 

汝、樋口朝子は我、ファティス=グラヴィエルとの契約に基き遊戯をどちらかが敗北とするまで続ける物とす… だの、色々言っていたがケータイの利用規約みたいな物でしょう? 大丈夫、大丈夫…。

 

今更だけど、再確認しておこう。
『私が勝ったら、願い事を聞いてくれる。世界の富とか、美貌とか… よね?』
ファティスは頬をぽりぽりと掻き、あっけらかんと言い放った。
「えぇ、それで大丈夫ですよ。悪魔は嘘を付きません。契約者が『騙された』と思うと、それにより魂の価値が下がっちゃうんですよ」

 

『まぁ良いわ。万一私が負けたら、貴方がここに住み込む、だけなの?』
「一年ですね。一年同居… と言うか、隔離させて頂きます。敗北自体で朝子さんの魂を食べたり、来世に影響を与えたりはしないのでご安心下さいませ〜」
サラリと、恐ろしい事を言う。

「それでは 始めましょうか。邪魔な客人が入らない様、この部屋は他の住人には感知されません。助けを求めても、無理… という事は肝に命じておいて下さい。」
ぱちり、と瞬きをした刹那。ドアが… 玄関が、壁になった。
もう一度、瞬いたら… 目の前にテーブルがあった。
白いテーブルクロスが乗った小奇麗なテーブルだ。

 

「期限は10日。それまでに、出てくる料理を食べ切ったら貴女の勝ち。食べ切れなかったり、諦めたり降参したりしたら、私の勝ちになります〜」
なるほど、単純だ。とは言え、10日の監禁。
少しどころか、スケールはとても大きい物と思っても良いだろう。
気を付けないとダメね…。

 

「それでは、只今を持ちまして悪魔との遊戯を始めさせて頂きます。何卒、最後までお付き合い出来る事を心より願っております〜…」
フェティスがうやうやしく頭を下げると、テーブルに料理が出てきた。
じゅうじゅう、と音を立てるぶ厚いステーキ、山盛りの白米。何とも豪華だが…
『悪魔の料理だから… こう、もっと緑色の液体とか、髑髏とか考えてたわよ?』
ふるふる、と首を振り彼女は答える。
「とんでもない、松坂牛のフィレ肉を使った霜降りのステーキ、お米だって100%コシヒカリですよ? ボリュームも美味しさも保証付きです〜」

 

ナイフで切り、フォークで刺し、口に入れる。
塩と胡椒だけで味付けされたお肉は、噛む毎にじゅわっ、と肉汁が口の中に広がり、霜降りと表される脂身の旨味が舌の上で踊る。
『美味しいわぁ…。』
最近、仕事疲れの為にレトルト食品で済ます事が多くこんな豪華な食事なんて、すっかり忘れていたわ…。
「はい、まだまだありますからね! どんどん食べて下さい〜!」
ステーキが残り2枚、続いてラーメンに餃子か。
どういう原理かは分からないがラーメンはホカホカの湯気、餃子の皮はパリッとしている。
本当に出来たてみたい…。
『ちょっと喉が渇いたんだけど… 飲み物って何があるかしら?』
彼女が手を差し伸べた方向には、瓶に入ったコーラが2本。

 

『確かにコーラ飲んだら最高だろうけど… ちょっと太りそうよね…。』
ぽつり、と呟いた一言に彼女がにこやかに、にこやかに答える。
「そうですよ? 私は肥満と豊沃の悪魔ですから。遊戯の目的は美しい女性を肥満化させる事、ですから…。」
『ちょっと… それって、どういう事?』
目の前で、ステーキがじゅうじゅうと音を立てる。

 

背中につぅっ、と嫌な汗が流れた。
「はい、結果は私にはどうでも良いんです。もし契約対象が勝った場合この過程… 肥満化は消し飛ばされます。お客様には願いを行使する権利と、先ほど見せたダイヤモンドが与えられます。もし私が勝った場合、ここに1年住み込む。食べたカロリーはそのままで、1年住み込む… というだけの話です」
『だからこんな美味しい物、カロリーが高い物が出てくるのね? 大体話は掴めたわ。要は、勝てば良いってだけの話なんだから!』
と息巻きコーラをぐいっ、と一息で飲み干す。
キンキンに冷えて心地良い。

 

だが、普通の女の子、同僚よりかはご飯を食べる事が好きな私だが、ステーキ2枚、ラーメン半チャー、と来たら流石にお腹に溜まる。
げぷぅ、と誰に見られている訳でもない、はしたない声が口から漏れる。
『ちょっと… 休もうかしら?』
「あらあら、良いんですか? まだこの程度、全体を100としたら1つ目、ですよ?」
ぞくり、と悪寒がした。悪魔は、嘘を、つかない。
そして私はメニューについて事前に調査する事を怠っていた…!
食べないと!頭の中で軽く計算するが休んで消化する余裕等、1/100では全くと言って良い程存在し得ないじゃないの!?

 

ラーメンをすする。美味しい物だな、と分かっているが体が言う事を聞かない。
口の中でくちゃくちゃと咀嚼するが、飲み込めない。
餃子を口に無理に入れるが喉の奥に流し込める絵が想像出来ない…!
「ほらぁ、まだまだ 残って いますよ?」
けたけたと彼女が笑う。
悪意が全く無い、だからこそに恐ろしい。
私のお腹は、現状ぱんぱん…。
100を限界としたら、今は90前後だろう。
『うるさ…ぃ…わね… げぷっ…』
コーラで流し込むが、休むしかない。
そこに彼女から、意外極まりない提案が飛んできた。

 

「お腹の中身、空にしてあげましょうか?」

 

魅力的、凄い魅力的だけど… 私は何を言われているのだろう。
早食い・大食いの意味が無くなる台詞を前に、食べる努力も忘れ、きょとんと彼女の顔を見つめてしまう。

 

「お腹の中の概念である[時間]を進めさせて頂きます。勿論、只ではありません。その分、お客様の栄養・血肉とさせて頂きますが、悪い話ではないかと思いますよ〜?」
願ったり適ったりだ。サービスが良過ぎるが、思う存分付け込ませて貰おう…!
[空にしたい]と私が願った瞬間、張り詰めていたお腹がぐきゅぅ、と鳴り出した。
代わりと言っては何だけど、胸が少し膨れている。
血肉、肥満化…という事か。色々な意味でありがたい。
餃子にラー油をかけ、坦々麺をかっ込んでいく。
「おっぱいやお尻、お腹の柔らかさ、最高に気持ち良いですよね〜…♪」
と彼女が呟いていた。
私は、ちゃんと食べ切れるのだろうか…?
寿司を掴んで口に放り込む。
醤油がちゃんとかかってる上私が好きなサーモンがしっかり入ってる辺り、悪魔とはつくづく、計算高い生物なのだなぁ、と思った。

 

あれから食べてはお腹を空に、を2度繰り返した。
全体的にちょっとむちっ、としたかな… と自分では思うがこの部屋に鏡を置いてないし、何よりも鏡を見ている暇があったら食べないと時間が全く足りないわ…!
『お腹、空にして頂戴!』

 

ぽこん、とお腹の肉が… 増えない。お腹は一杯のままだ。
「あれ疲れるんですよ〜…。一日数回が以って限度ですね。後でまた空にしてあげますから〜…」
ふぁ、とファティスがのんびりと欠伸を噛み殺す。
確かにあれはサービスだ。
本来、自然の消化・吸収に任せているのを無理矢理消してるのと同じ事なのだから。
「でも…」

 

『でもっ!?』
だん、と私はテーブルに手を付き、身を乗り出す。
今までは、ふる、としか揺れなかった… とは言っても、Eの90。
結構自信があった胸だが、今ではたぷんっ、と揺れる。
少し心地良い。勿論、お尻やフトモモにも、少し肉がついてきてるのだが。

 

「私の我侭を聞いてくれれば、ちょっとは頑張っちゃいますよ〜…」
交渉、ネゴシエイトと言う奴か。
ここで悪魔の本分発揮、って事かしら…?
ちょっと身を引き、どんな無理難題が飛んで来るのかを待ち構える。
彼女は家の奥に行き、ばたん、キィッ… と音を立て、一枚の布切れを持ってきた。
「これ、着てくれないですか〜? あ、着替えの時間とかは採算度外視します♪」
…これは… 水着、だろうか。大学生の時に着てた、ビキニじゃないの?
悪魔が何を考えているのか、全く分からない。
分からないが、こんな事で時間を、願いを稼げるのならば飲まない理由が無いだろう。
部屋の隅っこで、スーツを脱ぎ、シャツのボタンを外し、ゆるめたベルトをしゅるり、と外す。
『ちょっとご飯食べただけ… まだまだ、行けるわよね、私も♪』

 

ブラを外し、水着に腕の部分を通す。
後ろのホック部分に腕…腕を…届かない。何で!?
いや、違う。届きはするが、ホックを伸ばしても引っ掛からないのだ。
まさか、そんなに… 太っていたと言うの?
ラインを上から眺めてみる。少し肉が付いただけ、に見える。
でも… こんなのは主観でしか無い。慌ててズボンを脱ぎ、パンツを脱ぐ。
ビキニ水着の下の方に足を入れ、きゅぅっ、と上に持ち上げる。
『…はぁ…はぁ…きつぅっ…』
頭の中で、「太らせる事が目的」と言った彼女の言葉がひたすらリフレインしている。
大学の時にピッタリだった私の水着だが、ぱつんぱつんになったフトモモにミチリと食い込み、陰部からおへその辺りを容赦無く締め付けてくる。
くすくすと笑いながら、ファティスが近付いてくる。
「似合ってますよ〜、その黒の水着。お乳もフトモモもはみ出してとてもエロティックです…♪ そんな表情を見せて貰ったら頑張るしかありませんね〜…。」
ぱん、と手を叩く。
私のお腹の中身が、みちり、と肉になりフトモモやお腹に付いたのが何となくだが、分かった気がする。
悲観してないで、食べないと…!!

 

「朝子さんは気付かなかったんだろうなぁ…。服自体のサイズを、こっそりと緩められてた事には…。気付かなければ、魂の艶に影響は出ない。バレなきゃイカサマじゃないんですよ…♪」

 

 

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