168氏による強制肥満化SS
…2日目が始まった朝に、ファティスが水着にチラリ、と視線を投げかけ
「それじゃ、窮屈ですよね… 脱いだらどうです? 裸でも一向に構いませんよ?」
とニヤニヤと、猫なで声を出した。
勿論、お断りだ。悪魔、同性とは言え、人にそうそう裸なんて見せたくない。
とは言え、キツいのも確かだ。
ミッチリとした水着の上部分を脱ぎ、部屋の隅に脱いであった大きめのTシャツを羽織る。
面倒なので下は水着のままで良いかな、と思った時に、ファティスが料理を持ってきた。
マヨネーズやチーズ、サラミがこれでもか、と乗ったピザ、LLサイズだ。
カッターで切り分け、もちりもちりと口に運んでいく。肉の脂身やマヨネーズが一杯入っているのだ。
旨味があるのは当たり前… と、少し自分に言い訳をしつつむしゃむしゃと食べていく。
口にピザを運びつつ『お腹、空にして!』と叫ぶ。
ファティスもピザを一切れ、もちもちと食べながら、優雅に言い放つ。
「昨日は胸とお尻に重点的にお肉を付けさせて貰いましたが… 今日は、ちゃんと全体的に満遍無く、付けちゃいますけど… 良いですか?」
と、あっけらかんと言い放つ。
昨夜の私の胸の増量等を笑い飛ばす様な話。
ちょっと腹立たしいけど、仕方無い。
良いわ、空にして。
そう思った矢先、今までは胸にみちり、と来た感触が二の腕〜手首に流れ込む。
すらっとしてた(と自負してた)上半身だが、物を食べると嫌でも目に入る
腕の部分に、むっちりとした肉が付くと、流石に私、今太ってるんだ… と思い知らされる。
今まで見えていた胸になら、肉が付いても問題無いかな? とちょっと楽観していたが、腕に肉が付くだけで、こうも変わるとは…。
ファティスが指をぴこぴこさせながら、語る。
「薬や呪いで太らせるのが好みな悪魔も居ますが…、私の好みはずばり[カロリー]なんですよ。旨味の後に来る、このズッシリ感。幸福と不幸の裏返し。最近では願いの代わりの魂なんかよりも太った女性の怨嗟の方が私達の世界でも貴重扱いされてるんですよ〜♪」
二枚目のピザを食べ終え、お腹を再度空にして貰う様頼む。
「次は…♪」
ぶくぅっ… 今まで簡単に出来た「うつむく」と言う作業が、急に辛くなった。
首周りにみっちりと肉が付いてきたのだ。
無理してうつむくと、今まで無かった場所にみちぃ、とぷよぷよした感触があり、成年男子のふくらはぎくらいになった腕で触ってみると、二重顎が出来ているのが良く分かる。
私の体… どんどん、変わっちゃってる。
勿論、肉が付いているのは首と腕だけではない。
胸もお腹もお尻も、ちゃんと(?)食べる毎に大きくなっているし、特に胸等は大きさだけで言うならそこらの爆乳を売りにしたグラビアアイドルなんてまるで相手にならない大きさだ。
昨日、『まだまだ全然太ってないわよね♪』と息巻いた自分が、惨めだ。
彼女… ファティスは、全く力を行使していないだけだったのだから…。
『ぷふぅ… 今日は… もう、良いかしらぁ…。』
二日目の料理配分を考え、食べられるペースで食べ切り、ファティスに問い掛ける。
『ぜ、、全部食べ切れば… 元の体に、戻してくれるのよね…?』
ファティスが笑みで返す。
「えぇ、現在… 25%を通過、と言った所ですね。頑張ってますよ〜♪」
25%でこんな体…。絶対、負けられない。食べ切って、絶対痩せてやる。
私は半分絶望に染まりつつも、がむしゃらな気持ちを残したまま、床に着いた…。
三日目。起きると、体が重い。
今まで私が感じてきた「朝」ってとても幸せな事だったと、改めて気付く。
体を起こすと、お腹の肉がムチリと段を作る。
初日終わりくらいまでは『私痩せ型だし、少しくらいの肉ならむしろ+よね♪』と見ていた。
頬に手を当てると、風邪や寝不足の時みたいに、もっちりとむくみ、腫れている。
痩せたい。元の体に戻りたい…。
『今日は、どんな料理が出るのかしらぁ…』
気のせいか、声も心持ち太くなった気がする。
喉の所に肉が付いたのだろう。
気が滅入った事もあり、学生時代、透き通っていた様な響きが自慢だった私の声は、低く、通り難い物になっていた。
今日も、急いで一杯食べないと…。
1日で全体の1割を食べれば、10日で10割。
そうすれば、この悪魔との今の立場も逆転だ。
願いを沢山叶えて、私に賭けを持ちかけた事、一生後悔させてあげる…!
「今日は気分転換に、甘い物でもどうですか?」
ファティスがいつもの様にニコニコしながらテーブルの上に料理を出す。
出てきたのは、苺たっぷりのショートケーキ。
勿論、そんな可愛い物ではなく、全くカットされていない巨大なホールケーキだ。
ファティスがスプーンを私に手渡す。
「フォークより、こっちの方が食べ易いと思いますよ〜♪」
『気が利いてるじゃない?』と、こんな最中だけど少し笑ってしまう。
私だって女の子。甘い物が嫌いなはずが無い。
大きめのスプーンで、ケーキの端を掬って、はぐりと頬張る。
バタークリームじゃない、ふぅわりとした生クリームとスポンジ、甘酸っぱいジャムがついた苺がとても美味しい。
『がふっ、もぐっ、んっ、んっ、、、ぷはぁ…』
飲み物はミルクセーキ。
今日はファティスが出す物、甘い物ばかりだ。
ケーキ1個まるまるお腹に納めた後、次に出てくるのはチョコレートのロールケーキ。
…流石に入らないと思いファティスに何度されたか分からない、肉化をして貰う。
悔しいけれど、これをしないと10日かかっても、1割食べ切れたかどうかだろう。
これを上手く使わないと私には勝ち目が無いのだ。
『空にして貰える?』
そう言った途端、お腹にビグンッ! と言った感触が広がる。
今までとは何か違う…。
熱を持った下半身を抑えていると、ファティスが私の隣に手を置いて呟く。
「今まで朝子さん、微妙に加減や警戒して食べてた事、分かります〜? いや、分からないと思うので説明してあげますね〜…♪」
「今日食べたケーキ、いつもよりハイペースで朝子さんは食べてたんですよ。物をあまり噛まない為、満足感が薄れていたんでしょうね…。食べるペースは、既存の1.3倍。量も牛丼やピザと比べて、お腹にまるまる満ちてから空にして下さいました。糖分もこれ以上無い程摂取して、その上での肉化。甘い物は別腹。人間も偶には良い事言いますよね。楽しみで仕方ありません♪」
『や、嫌、、、止めてぇ… お願い… もうちょっと、頑張って食べて、消化するから…』
もう遅い。私のお腹がムリムリと横に広がっていき、Tシャツがラバースーツの様に胸と腰にミッチリと張り付く。
面倒なので下着、普段着に使っていた水着は肥大化したお尻の肉に挟まれ、見えなくなる。
腰周りが膨れ上がるにつれ、水着がぎちぎちと食い込んでくる…。
『ひ、、、きつぅ!』
慌てて紐を外し、水着をお尻の肉から抜き取る。
ぎゅぅっとした感触と共に、私が昔着ていた水着は、全くの無用の長物となった。
もう着れない。どんどん変貌する、変えられている私の肉体に、私は心から怯えるのだった。
だが、そんな私の気持ちを踏み躙るかの様に、ファティスは場違いな程和やかに、にこやかに洋服を渡してくるのだった。
「これ、特注品のLLサイズのジャージです。Tシャツとジャージ、ちょっと似合わないけど裸よりはマシでしょうから…」
と、着替えを渡してくれる。分からない。
この悪魔の事を信じては駄目なのは分かっているが、妙な優しさに嬉しくなる事もある。
『次の… 料理を… 持ってきて…』
体を動かすのが少しだるいが、今日のノルマはまだまだなのだ。
着替え、チョコレートケーキを頬張りつつ、私は料理を要求した…。
『げふぅ… さくっ、しゃり、しゃり… もぐっ…』
本日の最後のノルマは焼き立てのアップルパイ。
あの後、胃袋を空にする事は1度のみで、割と順調に食べていく事が出来た。
大事なのは、飲み物の使い方、食べる部分等。
少しずつコツが分かってきた気がする。
授業料としては、このでっぷりと突き出た私のお腹は少々割高だったが…。
しっかり噛んで、胃を有効に使う。
これならあまり太らされずに済むはず… 空にさせようと何時も通り声を上げる。
「いやぁ、疲れちゃったので今日はもう無理ですねー…」
とくすくす笑いつつ答えるファティス。
『分かったわよ… 今日は何をすれば良い訳?』
分かっている。彼女は肥満を掌る悪魔。無理なはずが無い。
私に枷をもたらし、楽しんでいるのだ。だが、乗るしか無い。
本当に悔しいが、下手に機嫌を損ねる訳にはいかないのだ。
「素直になってきましたね… 可愛いですよ〜、朝子さん♪」
誉めても何も出ないわよ…、と悪態をつくが、マイペースに彼女は告げる。
「代わりにドリンク一杯飲んで貰ったら、今日のノルマ… 全体の30%達成でどうです?」
ドリンク一杯で済むの? それなら… 大丈夫かしら。
おずおずと、私は頷く。
途端、椅子に手足がビッタリと張り付き、全身が動かなくなる。
汗だけがだらだらと噴き出し、僅かに体に残った筋肉が硬直する。
「はい、あーんして下さいね〜」
ファティスがポケットから取り出したのはボールギャグ… 穴がついた球形の口輪だ。
ぽってりとした口を開け、がぽりと私の口に硬い感触が入ってくる。
首も動かせないが、後ろで固定されたのだろう、かちりと音がした。
「はい、それじゃぁこれを飲んで貰いますからねー…♪」
ロングヘアーをかきあげ、おでこに手を当てられ斜め上を向かされる。
ファティスが何時の間にか、片手にビールの中ジョッキくらいのグラスと、黄金色の液体を持ち、私の口に注いでくる…!
一気に来ると思った感触は、ボールギャグを通し、思った以上に、ゆったりと
私の喉に絡み付いてくる… 甘い!? 想像とは全く違う事象に、私の脳と喉は拒否を示し、むせ込む。
『んぶっ… げうっ… ぶうっ』
「あら〜、本場のをわざわざ使ってるんですから、ちゃんと飲まないと駄目ですよ〜」
彼女が注いだのはメープルシロップ。
蜂蜜よりも円やかで甘味が強く、パンケーキ等に塗ると美味しい、あのシロップだ。
彼女の手は傾いたまま。
糸をねちょりと引き、私の口にシロップが強制的にどろどろと入り込んでくる。
『んぶぅっ! げふっ、ごぶっ! や…やべで…』
飲み込む。今までの人生でシロップを飲み込む経験なんてした事が無い為、体がなかなか言う事を聞かない。
咳き込んだシロップがTシャツにびちゃびちゃと張り付き、服がベドベドになる。
グヂャグヂャになった私の胸を、ファティスはパン生地を練るかの様にシロップと一緒に揉みこんでくる。
『がぶっ、んっ、んぅっ… んっ、いぐっ、いっ、いぐぅぅっ!』
むせ込み、体をひくつかせながら私はゆったり、ねっとりと口に入っていったシロップを飲み込んでいった。
「あぁ、楽しかった〜… パンパンになった朝子さんのお乳、とても気持ち良かった〜… 明日は朝一番でお風呂に入っても良いですよ〜、流石にその格好じゃアレですしね…」
あっけらかんとファティスが告げる。息も絶え絶えに、私はぜえぜえと横になる。
甘ったるい匂いが、何時までも喉と鼻の奥に残っている気がしたまま、眠りに付いた…。