168氏による強制肥満化SS
4日目。
朝、起きるのも割とおっくうだったけどメープルシロップの濃厚な香りが鼻にふぁっ、とかかる為、嫌でも目が覚めてしまう。
もう割り切っているつもりであるが、体を起こすと、段腹がむにゅぅ、と嫌でも私に主張してくる。
重い体をよたよたと動かし、浴室へ行く。
シロップでベタベタなTシャツとLLサイズのジャージをむちり、と脱ぎ捨て脱衣所に放り投げる。
ふと、横を見ると… 鏡があった。
いつも、お風呂上りにこっそり一人、プロポーションににやにやしていたもんだけど、そこに映っていた物は、余りにも、酷い現実だった。
『や、いやぁぁぁぁっ!? 何これ!? 嘘でしょ!?』
確かに太った実感はあった。
ただ、精々テーブルから見える私自身の肉なんて肘〜手くらいの部分だけだった。
さっき起きた時、お腹で下半身が見えなかったが、鏡は容赦無く、全身像を映し出すのだった。
さっきの悲鳴を聞きつけたのかファティスが目を擦りながら、とことこと歩いてくる。
「朝子さん、朝起きるの早いですね〜… はふぅ…」
と欠伸を噛み殺しながら、だが私の外見については、全く追求してこない。
首周りには肉、お腹の上にも肉、フトモモにも肉…。
この3日で、明確には気付かなかったが、おぞましいまでの肥満化をしていた。
常人の足の親指もある手の指で、喉の辺りをまさぐると、立派なまでの二重顎。
視線を下げただけではみ出ていたが、実際鏡で見ると顔全体に肉が付いた為、頬もぷっくり… と言うより、最早もっちり、という言葉がピッタリ。
鏡に映った、何段か数えるのも馬鹿らしくなる段々腹。
何より今までテーブルとお腹の所為で見えなかった下半身が特に酷い。
でっぷりとお尻の肉が弛み、垂れ下がり、少し歩くだけでぶるぶると揺れる。
垂れた肉の隙間に汗をかき、フトモモはまるで象の足の様にずどん、と存在感を放っている。
寝た所為でお腹が空になった分、更に肉が付いたのかは分からないが昨日よりも、胸や尻… 性的な場所への肉付きを感じる。
途端、自分が今どうしようもなく惨めでみっともない、人ではない物になっているのではと感じ、涙が自然と瞳から零れた。
『うっ… うっ… も、もう… 助けて… 誰か…』
ファティスがニコニコと、いつもの笑みを浮かべながら、私のお腹やシロップでベトベトになった髪の毛を弄って来る。
「ですから、私との賭けに勝てば良いんですよ。まだ6日もありますしね〜。現在朝子さんが食べてるペースは、48%。割と分の良い賭けなんじゃないですか?」
そう言われ、ハッと気付く。
少しでも希望がある限り、それに捕まらないと残っているのは絶望だけになってしまう。
急いでジャージを脱ぎ、シャツを脱g…
脱げない。着ている内に肉が付き過ぎたのだ。
ファティスが後ろでくすくすと笑っている。
「さぁさ、脱がしてあげますよ… このシャワーの時間は抜きにしてあげますからね〜」
少々恥ずかしいが、私は急いでシャワーを浴びるのだった。
あぁ、3日ぶりのお風呂だ…
シャワーを終え、身も心をさっぱりした所で、再びテーブルにつく。
今日の料理は何だろう? 食べ易い物だと良いんだけど…。
「今日は… 麺類で攻めていこうと思いますね〜♪」
珍しい、自分から手の内を言ってくるとは、今まであまり無いパターンだ。
伸びると不味くなるからだろうか、わんこそばでは無いが、出てきたのは一杯のラーメン。
ヅルヅルとすすり、水をガブリと飲み干す。
麺が無くなった頃に、今度は素麺…か。
シャワーを浴びた後で少々体が火照っているのか、冷たくて美味しい。
もう分かりきってるので、私はファティスとの会話をいつもの様に行っていく。
『今日の… 罰は… (チュルルッ)何なのかしら?』
ファティスも否定すらせずに、和やかに笑いかける。
「罰だなんて失礼な。可愛い悪戯じゃないですか。どうしようも無くでっぷりと太った肉が、一番エロティックになる様、私なりに出した結論なんですから〜…♪」
やはり、この女も悪魔なのだ。
おでこを抑え、ちょっと痛感した。
「じゃ、お腹を空にする代わりに… 今日は、この部屋をちょっと暖かくしましょう♪」
ファティスが出した挑戦は、とても温いと思わせる物だったが、この悪魔は嘘は言わないが、言葉尻をとにかく隠す。
『いきなり焼き豚にされるなんて御免よ?』
駄目なジョークだ、と自嘲を込めてファティスに釘を刺す。
が、飄々と答えた後に
「いえいえ、……そうですね。今この部屋が24度。適温ですから4度程上げて、28度にさせて頂きます。」
それだけ? 随分簡単じゃない?
「サービスですよ、サービス♪」
と、いつもの様に、むちりむちりと私の体が太っていく。
お腹を空にする、と言えば聞こえは良いが、これって要は強制肥満化よね…。
ちゅるちゅるとウドンをすする。
おたまで揚げ玉を一緒に口の中に掻き込んで、ぽりぽりと食べる。
油揚げをもっちりと噛み、甘い汁を満喫する。
最近のハードな食べ物に比べ、ウドンや素麺等はお腹に優しい為割と気楽に食べる事が出来る。
ただ、唯一の問題が…
『ちょ、ちょっとぉ… ほんと、に… (ハァ)28度?』
我慢大会どころの騒ぎではない。
24度で少々暖かい、程度だったが朝子の体中からダラダラと汗が噴き出し、ジャージとTシャツがみっちりと、肉とは別の意味で体に張り付いてくる。
「お風呂入ったのに無駄になっちゃいましたね〜… 残念至極です」
当然、分かっててファティスは言っている。
「勿論、28度です。春から夏にかけての暑い日、的な温度ですね。既に140kgの朝子さんには、真夏の蒸し風呂よりも暑いはずです〜」
ひゃ、ひゃくよんじゅう…。
余りと言えば余りの体重に一瞬目の前が真っ暗になる。
だが、これだけ汗をかけばその分取り返すことも珍しく可能だろう。
ナポリタンのソースで口の周りを赤くしつつもヂュルヂュルと急いで、お腹の奥に流し込んでいく。
しかし、耐えられないくらい暑い。張り付いて鬱陶しいTシャツをみちみちと脱ぐ。
何時の間にか少しずつ少しずつ、羞恥心が欠けてきているが、どうせ二人きりだ、問題あるまい…。
「ほらほら、こことか凄いですよ〜!」
脱ぐと同時に、ファティスがお腹の段や、でっぷりと付いた乳肉の下部分の谷間に手を突っ込む。
抜いた手には、べっとりと汗が付いている。
指と指を擦るときゅぅ、と音がした。濡れる、と表現出来るくらいの汗。
体重を相殺出来るのは良いかもしれないが、少しずつ少しずつ世界観が変わっている事に気付いているのは、ファティス側だけだった。
『ハァ… 駄目… 水なんて飲んじゃ… 無意味なのに…!』
キンと凍ったジョッキに、氷が浮かび水が注がれる。
最近の飲み物は甘い物だけだった所為か、体が喜んでいるのが良く分かる。
お腹を無駄に膨らませる事、水っ腹になる事、ノルマ…
色々な意味で水を飲む、という行為は無駄だと知りつつも、飲む事を止められない。
結果、4日目が終わった時に55%。ノルマの1日10%に僅かに満たない。
5日で55%、まだリードは保っているが全く油断は出来ない。
「最近、朝子さん美味しそうに食べる様になってきてますね〜…。そろそろ、摘み取っても大丈夫でしょうか?」
くすりくすりと、ファティスが呟く。
人ではない「物」に話し掛ける様に。育てた果樹を可愛がる様に。
「さて、5日目ですね〜…。そろそろ降参したりしませんか?」
白いテーブルに何時もの様にドシリと座る矢先、ファティスが尋ねてくる。
『じょ、冗談は止めなさいよね…。絶対負けないからぁ…』
当然だ。ここで降参してもメリットは何一つ無いし、そもそも今は私が5日で55%と、1日10%、と考えるとリードしているのだ。
「いえ、今の朝子さんのスペックは身長174cmに体重が140kg。スリーサイズも150オーバーと、今くらいが一番好みなんですよ〜。可愛い、よりも綺麗な女性がブックブクに太る方が私は好きかな〜…。」
私は好み、と言うか… 御眼鏡に適ったと言う事か。勿論、突っぱねる。
『さぁ、一刻も惜しいんだから… ご飯出しなさいよ』
ちょっと残念そうに、目の前に出てきたのは… ステーキだろうか?
「普通のOLさんだと、あまり食べる機会は無いですからね〜…。世界三大珍味と言われるフォアグラです。ステーキソースをかけてどうぞ。本当はもっと紳士淑女なソースなんですが、今の朝子さんにはこういったガッツリ系の方が美味しく食べれるんじゃないかなぁ、と…。」
ちょっと小ばかにされたのが分かるが、箸でつまみ、ハクリと齧る。
表面がソテーされているのか、外はサクサクで中は…
『お…美味しいじゃないの、これ…。』
ファティスがため息をつき、私のお腹をムニムニと摘んでくる。
「当たり前です。朝子さんが食べてる物はどれもこれも人間界屈指の素材、それを魔法で的確に調理した物なんですから。それだって普通に食べたら一口が一万円とかの最高級ですよ?」
牛丼に国産の牛を使ってる辺りから大体思っていたが、一口が一万円と聞くと流石にちょっと驚く。
が、口の中でネトリと絡み付いてくる旨味は驚きをあっさり打ち砕き、私の食欲をひたすらに刺激するのだった…。
『あぁ… ほんっと、ガチョウには気の毒だけど… もっともっと食べたいわ』
幸せそうに呟く。
お腹をブルンブルンと震わせながら、ファティスにいつものを聞いてみる。
食が進むし、ノルマも進む。
今日だけで何%進むかなぁ、と心を躍らせた所で、ファティスが今までで一番にこやかに微笑むのだった。
「それじゃぁ、牛になって下さい♪」
…牛?
疑問に思った瞬間、目の前にあったテーブルがフイと消え、椅子も消失する。
私は何時の間にか置かれていたマットの上にぷよんと倒れこみ、仰向けになる。
起き上がる為に転がってうつ伏せから手を付き、膝を付いた所でファティスが止める。
「はい、その姿勢です。牛の様に、卑しくガツガツと食べて下さいね〜♪」
目の前に丼が置かれる。
…何時の間にか、箸が無くなっているのだが、もしや…。
「そうです、朝子さん頭が良いから好きですよ♪ 犬食いして下さい〜」
やっぱりか。だが、条件を飲んだ事になっているのだろう。
お腹の肉はさっきよりも少し増え、空腹感が私を煽る。
目の前では贅沢な事に、フォアグラの丼がほっこほこと湯気を立てている訳で…。
『ぐちゃ… ぐちゅ… べろ… べろ…』
悔しい。悔しいが、理性と食欲が同じくらいにせめぎあっている。
何より、丼に入っていても美味しいのだ。
『覚えてなさい、必ず… ガツ… はむ… 這いつくばらせてやるから…』
「とんでもない! 今は朝子さんが這いつくばってる側… 私が今は上なんですよ?」
がっつがっつと貪り続け、日が暮れた頃には更に肉付きが良くなっていた。
胸・お腹・お尻に再び重点的に肉が付く様になった気がするのは、おそらくファティスの好みの体重、という意味だろう。
「さて、ここで朝子さんに1つ交渉をしてみます。明日からも牛食いしてくれるつもりはありませんか?」
馬鹿な事を聞いてくる。
『嫌に決まってるじゃない! あんな恥ずかしい態勢で食べるなんて1回だけよ』
ファティスが指をぴこぴこと振り、私に更に質問してくる。
「[牛]を続けてくれたら、もっと、もっと良い物を食べさせてあげますよ?」
その一言に、私の理性が揺さぶられる。
肉の旨味。少し温いくらいのガツガツと食べられるご飯。
鼻腔をくすぐる焼けた肉の香り。口でとろける上品なレバーの様な風味。
あれよりも美味しい物… 口の中に涎を溜め、つい私はこくり、と頷いてしまうのだった。
「それじゃ… 牛に… 服は要りませんよね…♪」
ファティスが指をパチリと鳴らす。
食べる毎にゴムで伸びたダブダブのジャージが消失し、私を纏う布は文字通り全て消えうせた。
幸いと言って良いのか、部屋は25〜26度の為にむしろ暑いくらいだが、羞恥心がジュクジュクと体全体を刺激してくる。
「あとは… ほら、牛にはこれが付き物ですよ」
ごとり。牧場で見た事があるその機械は、搾乳機だ。
確かにホルスタイン、と言って差し支えない乳だが…
『で… 出る訳無いじゃない!』
「まぁまぁ、やってみないと分かりませんよ…♪」
嬉しそうにファティスが私に器具を取り付けていく。
何か魔法でも使われたのか掌と膝が床に張り付いている為、暴れても肉がブルブルと揺れるだけだ。
「それじゃ、今日一日はこうやって終わりを告げるのでした〜…。お休みです。あ、流石に少し弱めにしてありますから、ご安心を…♪」
パチリとスイッチを入れる。瞬間、乳首がキュゥッと先の方に吸い込まれ隙間無く刺激が私の胸全体に送り込まれる。
『あ、や、やぁ… 出、出な、ン、ンオぉ、んぐぉぉぉっ!!』
それでも強い。
刺激の強さからか、獣の様な声を上げ、お尻を震わせながら暴れるがどうやっても外れない。
これが… 一晩続くの…??